地味な数字だけど影響は大きい。
25日に総務省は2020年国勢調査の速報値として、日本の人口は1億2,622万6,568人だったと発表した。
2015年の前回調査から86万8,177人(0.7%)減少したそうだ。
人口増加数がもっとも大きいのは、23区をまとめて1市として扱った東京都特別区部47万2,000人、ついで福岡市7万5,000人となった。
人口減少数がもっとも大きいのは北九州市2万2,000人、ついで新潟市2万人であった。
何があるのか北九州市から福岡市への移動があるようだ。
人口減少率では秋田県が6.15%と最も高く、続く岩手県(5.34%)、青森県(5.31%)となる。
4位には高知県(4.97%)、山形県(4.91%)と東北の減少は際立っている。
この流れは止まらない。
最も人口が少ない県は鳥取県で約55.4万人である。
私が好きな鹿児島市は約60万人、松山市は約50万人である。
この現実は見逃せない。
「人口が減って栄えた国はない」というのが私の基本的な考えである。
10年ほど前に友人を訪ねて秋田市に行ったことがある。
空港から市内まで車で案内をしてもらった。
その社内で「街並みを見てどう思う」と聞かれた。
急に言われても頭に浮かばなかったが、彼は「病院と薬局ばかりになった」とぼそりとつぶやく。
そういわれてみると確かに医療機関とその横にある薬局が際立っている。
医療機関と薬局が成り立つためには国民皆保険制度が健全でなければならない。
国民皆保険は秋田の産業構造を支えられるのだろうか。
これでいいわけがない。
先日、かつて社長だったころの馴染みで室蘭市内をドライブした。
中央町と呼ばれる旧商店街は見るも無残なシャーター街と化していた。
ちょっと怖い感じだ。
街を支えた鉄工所の工場は老朽化したままである。
「重厚長大」という言葉は既に死語となった。
何となく時代の変化を感じさせる。
全国には企業城下町と呼ばれる地域がある。
その企業がどうなるのかで街自体の将来が変わる。
関係ないような気がするが人口減少は、企業の成長にも大きくかかわってくるような気がする。
自分のライフワークを見据えた事業の在り方を考えさせられる。