医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

影が薄い

2012-11-17 05:58:14 | 薬局
薬剤師はいない。

ネパールにも薬局がある。
病院での処方薬は院内と院外の両方で対応している。
そして、どちらも薬剤師はいない。
従って、調剤技術料などない。
ネパールの薬剤師の役割が見えなかったが、薬学教育を4年間やると正薬剤師になれるようだ。
その他に3年間勉強すると准薬剤師として助手になる。
がしかし、どちらもその存在は薄くほとんどの病院には薬剤師はいないようだ。
聞くところによると全ネパールで500人だとか。
薬のピッキングと飲み方の説明は誰でも出来るという認識だろうか。

街のあちらこちらには薬局がある。
店舗はオープンでガラスも何もない。
あるのは外との仕切り役のカウンターだけである。
ここでは向精神薬以外の薬は処方せんがなくても販売できる。
そして、その許認可は店舗ごとになっている。
何となくかつての薬種商販売を思わせる。
その許認可も継続されているのかどうかの確認は出来ていないそうだ。
ある薬局で開設許可書みたいなものを見たいと言うと、奥の方を探していたが見つからなかった。

ネパールではかつて医師不足により、短期間で医師免許を与えていた時期がある。
中国の“裸足の医師”との表現をしていた。
“裸足の医師“とは文化大革命の時期に、中国の農村部での医師不足を解消するべく、最短で3ヶ月、最長でも1年程度の研修で医師免許が与えられたそうだ。
日本でも戦時中に”旧制医学専門学校“制度があり、通常より短期間で医師になった時代がある。
ネパールでは、そんな“裸足の医師”的な存在が多くいて、農村部での医師活動は出来るが、カトマンズのような都市部では仕事がない状態となっている。
このような医師をCMA(何の略か忘れた!)と呼ぶそうだ。
このCMAの方が薬局をやっている例が多いとのことだ。
とりあえず医学的な知識はあることになる。

さて、日中(25~6℃)朝夕(5~6℃)の温度差が大きく、舗装されていない道路から立ち上る砂塵。
さらに慢性的な自動車とバイクの渋滞による排気ガスによって、すっかりネパール風邪を引いてしまった。
昨日は、早速診療所に駆け込む。
4月からの改定後の久しぶりの処方せんに何だかワクワクする。
いつもの様に受付のカウンターには処方せん受付のトレイが待っている。
患者は私一人にも拘らず誰も受け取ってくれない。
それでもしっかり調剤基本料の算定がある。
名前を呼ばれて投薬口で薬の説明を神妙に受ける。
気になるのはお薬手帳の対応だ。
「手帳はお持ちですか」ほら、来た「持っていません」
カウンターの下から手帳を出す。
「今年の4月から手帳を1人1冊持つようになりました」「手帳は要りません」
「そうですか」「それではこちら(シール)だけお持ちください」
「要りません」
手帳もないのにどこに貼れって言うのか、まさか見やすい冷蔵庫か。
「それでは」と言いながら薬袋にご丁寧に入れてくれた。
これは良心の呵責だろうか。
領収書には既に薬学管理として41点が印字されている。

ネパールなら安かったかもしれない。


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