花ごよみ

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九月が永遠に続けば   沼田 まほかる

2005-06-29 | 本 な、は行(作家)
 
九月が永遠に続けば (新潮文庫)

第5回ホラーサスペンス大賞  
  
突然の一人息子の失踪、愛人の事故死、 
息子の関与があるのか?
 
母親の不安、苦渋、 
そして起こる過去の絆の亡霊。 

全体的に暗くてドロドロの世界。
でもホラーとは少し違うような… 

心の中に住む悪意を、
表面化させていくプロセスが、 
気持ち悪くて、
目を背けたくなるような… 
そんな怖さ。 

気味が悪くグロテスクな物語ですが、
文章の表現力はすばらしく、 
新人というのにまるで、
老練な作家の様な感じがします。
 
多方面への展開があり、
飽きることなく 
読み進めて行くことができました。 

ラストはちょっとありきたりな 
感じもしましたが… 

先を知りたい心の衝動を、
閉じこめることに成功。 
今思うに、後ろから、
ページを繰らなくってよかった‥








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2 コメント

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実は・・・ (しんちゃん)
2011-09-17 14:07:40
 「彼」をホームから突き落とした真犯人以外は、誰も悪い人はいないんだけど、なんだかみんな「悪者」に感じてしまいます(笑)

 こういう小説って、誰がどの役を演じたら面白いかなぁ。。。なんて想像しながら読むのが楽しいね。
返信する
しんちゃんへ (kazu)
2011-09-17 18:20:28
こんばんは

悪人はいなくても
みんな悪意を持っているような…

物語を演じる人物の想像、
楽しいですよね。
私もよく想像します。
返信する

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