ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

フェロモン by神田茜

2008-03-12 | 読書
jesterも映画が大好きで、覚え書き程度ですがJUNeK-CINEMAにレビューを書いたりしてます。
映画をみ終わったら、自分の感じたことをまとめてみて、アップして、それから気のあうブログ仲間さんのところへ訪問して、その方の感じたことを読まさせていただくのは、楽しいひと時。
一人で鑑賞しても、このひと時があるから孤独じゃないような気分になれます。

しかしそれで思うのは、映画ひとつにしても、感じ方が人それぞれちがうな~ということ。
当然といえば当然ですが、万人がよいということが自分にとってベストかというと決してそうではないんですよね。

フェロモン

さて、この本の登場人物たちはジュード・ロウという俳優に「フェロモン」を感じる人たちです。

共通項といったらそのぐらいしかない中年に差し掛かった女性たちが生活していく様子を細やかに描いている短編集ですが、一見関連性のないように思われる短編なのに、実は地下通路で綿密につながっていて、全部読み終わったとき長編のようにずっしりと読み応えがあります。

jesterはジュード・ロウには、全くフェロモンを感じないので(殴)
「油っぽい髪」にもフェロモンを感じる、というあたりはぴんと来ませんが、これをヴィゴとかジェラルドとかに置き換えて読んでみると、あああ~~わかるう!と納得。
ジュードの生え際の広さに一喜一憂する『乙女心』が可愛らしい。

登場人物たちは、ハリウッドスターの華やかな生活とは裏腹に、それぞれとても地味な生活を日々送っている。

ブログで『ジュード・ロウ日記』というファンサイトをやっている美佐江は、会社をやめて、社員寮を手荷物だけで飛び出し、3日間ファーストフード店で夜を明かし、やっと見つけた「住み込みまかない募集」に応募して、料理もできないのにまかないの仕事を始めるが、この学生寮が、謎・・・・・

決して入ってはならない「スタッフ・ルーム」。
毎晩夕食後から深夜まで「講師」の講義を聞く学生たち。
そして一番の謎は「奥様」。

謎ながらも働いていると、ある日ヘリコプターが建物の上を飛び・・・・

と、ぐいぐい引きこまれる展開です。

女たちのジハード
小ぶりではありますが、篠田節子さんのかの名作、「女たちのジハード」を思い起こさせるような作品。
普通の女たちが、いろいろあるけどとりあえず自分らしく生きようと模索する姿を、独特の視点から描いていて、飽きることなく一気に読みました。

神田茜さんというと、女流の講談師さんですが、こんな才能もあるなんて・・・
お話を面白おかしく聞かせるコツを心得た講談師さんならではといえばそうなんですが、まさに天は二物を与えたのね~ と次作に期待を寄せてしまうのでした♪

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
くっちゃ寝さん~ (jester)
2008-03-13 20:04:00
くっちゃ寝さん、コメントうれしいです♪ 
ありがとうございます!

>最近なかなか本が読めなくて、

本を読む時間をひねり出すのって結構難しいですね。
結構夜更かししたりしちゃいます。

>そうそう、映画のレビューで書かれた「トリスタンとイゾルデ」のDVDを先月やっと観ました。

王様がよかったでしょ?
トリスタンより王様と幸せになりなさい!といいたかったjesterでした。

>「エリザベス ゴールデンエイジ」も観た~い!

う~~むむ、こっちは東京ではおわっちゃいましたが、そちらではまだやっているかしら?
ケイト・ブランシェットの演技は見ものでしたよ~

でも映画を見る時間をひねり出すのはもっと難しいですよね。行き帰りの時間も入れると結構長時間になるし・・・といいつつ、週に2~3回は映画館に入り浸っている私です(殴

私の映画のレビューはどちらかというともうご覧になった方向けに書いているので、ねたばれには警告をつけてますけど、お気をつけくださいねませ。

もしご覧になってお時間があったら下のほうにでも感想を書いていただいたらうれしいですわ~♪
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DDさん♪ (jester)
2008-03-13 19:26:09
DDさん、いらっしゃいませ! いつもご訪問、ありがとうございます!

>ワタシもジュード・ロウには何故かフェロモンを感じない一人なんですが、

わたくしも、この本を読んだ後、「コールドマウンテン」とか見直してみたんだけど、やっぱりジュードには何も感じないの・・・
嫌いじゃないし、彼の出ている映画って結構見ているのですけどね~

>生え際に一喜一憂する(笑)登場人物に共感できそうです。

ふふふ。「彼はあまりシャンプーをしないらしい。抜け毛を気にしているのだろうが、脂分が悪いから、シャンプーをするようにだれかアドバイスしてやって欲しいのに」とか、爆笑ものの主人公の独り言がおもしろいのです!
そういう心配(ちゃんと洋服着れるかとか(汗))ファンならではのものですもん。

>そういえば、少し前までは、三浦しをんさんのエッセイのヴィゴ部分をよく立ち読み(殴打)していたな~。

そうそう、ヴィゴがでてくるって言うだけで、何でも買いあさってましただ!
最近そういうものが家にあふれすぎて、さすがに読まない雑誌とかはあまり買わなくなりましたが・・・

ファン心理はせつないです・・・・
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Unknown (くっちゃ寝)
2008-03-13 15:41:16
なんだかおもしろそうな設定ですね~

最近なかなか本が読めなくて、以前jesterさんが紹介されて読みたいと思ってた桜庭一樹さんの小説もまだ読んでません(涙)
そうそう、映画のレビューで書かれた「トリスタンとイゾルデ」のDVDを先月やっと観ました。
私好みで、すごくよかったです
「エリザベス ゴールデンエイジ」も観た~い!
あれも読みたい、これも観たいと思うばかりで欲求不満がたまりますわ~
あとになって、jesterさんのブログをこっそり検索している私・・・
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こんばんは♪ (DD)
2008-03-12 23:35:25
ワタシもジュード・ロウには何故かフェロモンを感じない一人なんですが、この本はおもしろそ~~。
jesterさんの記事を読んだだけで、生え際に一喜一憂する(笑)登場人物に共感できそうです。ご紹介ありがとうございます。

そういえば、少し前までは、三浦しをんさんのエッセイのヴィゴ部分をよく立ち読み(殴打)していたな~。
あと、佐野元春ファンだったワタシは昔、小川洋子さんの「アンジェリーナ」が好きだった!(遠い目)
さらに高橋慶彦ファンだったので、村上龍さんの「走れタカハシ」なんてのも好きだったし!(どんどんずれてます?)
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