ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

シアターコクーン歌舞伎 四谷怪談

2006-04-11 | 歌舞伎・観劇・舞台など
勘三郎の「東海道四谷怪談」を見てまいりました。

1994年に第一回コクーン歌舞伎で上演された「南番」ではなく、「三角屋敷・小仏小平内」が入ってる「北番」のほうデス。

去年、歌舞伎座で野田秀樹さんが演出した「野田版・研辰の討たれ」を見たのですが、(その様子はこちら)これも新しい、串田和美さんの演出・美術です。
立ち見も出るほどの盛況ぶりでした。

勘三郎さんは「お岩になるのにこの体では」と7キロの減量をなさったとか。
かなり引き締まった体でありました。
相変わらず橋之助、七之助と、中村屋さん一家(義弟も含む)はしっくりと固まって相変わらずいい感じ。(勘太郎は今回別の劇に出てます。)
橋之助は相変わらずいい男だし、七之助は柳腰のお袖がぴったり。(でもちょっと痩せすぎか? 頬の骨が目立ちました)

劇場に入って、一階の座布団席(爆)(正式には平場席)上空にはでっかいちょうちんが。
このちょうちん、幕が上がると一回天井に収納されますが、最後のほうで又降りてきます。

この座布団席(だから平場席だってば!)、一人の占める場所はきちきち座布団1枚で、上から見てて、きつそう・・・と思ってましたが、終わった後そこに座っていた人たちは「もうだめ~~! 足が死ぬ~~」と泣いてました。

でもあんな長い間、お着物できっちり正座してみていた方もいらして、尊敬デス。
役者さんが縦横に走り回る座布団席、熱烈なファンならではの楽しみ方ですね。

お芝居は中村親子の熱演もよかったけど、扇雀さんがよかったなあ。
花がある役者さんデス。
ただし、佐藤与茂七役と小仏小平の二役が似ているので、「あれ?死んだはずなのに?」とか混乱しました。


歌舞伎って、見に行く人は芝居の筋をよく知っていて、役者さんがいろんな役をやるのを楽しむ、っていうのがごひいきさんたちの楽しみ方なんでしょうけれど、そんなにしょっちゅう行くわけでもないjesterは、四谷怪談は見たことがあるけれど、橋之助の民谷伊右衛門と小汐田又之丞も混乱してしまったことを白状します。(衣装が似てると見分けがつかない・・・・)


その点、勘三郎はお岩と直助権兵衛ですから、きっちり見分けがつきます(あたりまえ!)

しかし大忙しです!早替わりなんてもんじゃないの。

お岩と直助二人が舞台に立つシーンでは、ダブルの人が顔を見せずにお岩を演じ、直助役で舞台にいる勘三郎が「腹話術のようにお岩の台詞だけ口元を隠して言う」んですよ。
お岩さんの父親が死んだ悲しいシーンなのにこの仕掛けに気づいた観客は、爆笑やら拍手やらで大うけでした。

お岩は、毒とは知らず、お薬を大事に大事に一粒も逃さず丁寧に飲んで、お祈りするところがいじらしければいじらしいほど、狂って「ご挨拶に~いかなくちゃ~~」と鉄漿をして髪を梳かすところが総毛立つほど怖くて、でも悲しいほど美しくて、さすが勘三郎です!

ものすごく怖かったので、柱の小刀で首を切るところで「ひいいい!」と叫んでしまいました。(横の方、すみません・・・・)

ロック風の音楽、横に2階建ての団地(?)のようなものがある舞台装置、そして終盤のワイヤーアクション(?)と新しいもの、たくさん見せていただきました。
川のシーンは流れが青い衣装を着た人間の群れでできていて、かなり不気味でした。(観客席からはかなり笑いも・・・)


しかし、つくづくお岩さんはかわいそう・・・・
民谷伊右衛門、ひどすぎです!
あれじゃ化けて出るはずだよ・・・・・

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