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ゆきてかえりしひび――in the JUNeK-yard――

読書、英語、etc. jesterの気ままなおしゃべりです。(映画は「JUNeK-CINEMA」に引っ越しました。)

500年の眠りから覚めたリチャード三世の骨 * 「時の娘」 続き

2013-03-23 | 読書

 
こないだ「時の娘」という本のレビューでリチャード三世の話をしていたら、今朝、「幻の国王・リチャード三世の骨」のニュースが放送されてました。
NHKが、というか、われながら、というか、なんとタイムリーな・・・

(リチャード三世の謎に迫るミステリー「時の娘」のレビューはこちらの記事です)

この話を書いたときに、コメント欄でiguさんと骨の発見について話したのですが、ばら戦争の舞台である、イギリスのレスターの駐車場の地面から見つかったという報道が先日ありました。

戦争で命を落とした最後のイギリス国王。

駐車場の地下から発見というだけでショックでした。
普通の野ざらしの、アスファルトが敷かれた駐車場をショベルカーで掘って、掘り当てたのだそうです。

戦いで殺害され、敵にさらし者にされた後、行方が分からなくなっていた遺体は、棺にも入れられず、簡略に埋葬されていたそうです。
(画像は3月23日の朝のNHKのニュースより)



王になるために幼い甥たちを無慈悲に殺害した残虐な王と言われたリチャード三世。

「せむし」でひどく背中がまがった男だったという通説で、シェークスピアの舞台でも背中のまがった格好の俳優が演じますが、骨から見るとそれほど背中はまがっていなかったそうです。

通説はあとの王朝が作ったプロパガンダと、シェークスピアの劇から来てしまったのですね。

王の姉の子孫のDNAと、遺骨の歯からとられたDNAがマッチ。すごいな~~



骸骨から容貌を復元すると



残虐なイメージから程遠い、端正で聡明だったそうです。
真面目そうな優しそうな顔立ち。
「時の娘」を読んで、彼の書いた手紙などからその人柄がしのばれていたのでいっそう強く、そう感じます。

復元された容貌は残っている肖像画にそっくり。
(本人の骨だから、当然だけど)

時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)

怪我をして入院中、偶然この肖像をみて「ほんとに残虐な王だったのか?」と疑問を抱いたスコットランドヤードの警部が、ベッドで謎を解いていくというこの本、二人の甥の殺害の謎の真実を知りたい方は、どうぞお読みくださいませ。

(こういう、ずっと悪者だと思われていたのがのちに『パラダイム・シフト』するのって、ワクワクしちゃいます。キリストを売ったとされるユダ、忠臣蔵の吉良上野介、フィクションですが、ヴェニスの商人のシャイロックなどなど・・・)


この本を繰り返して読み、すっかり『にわか・エセ・リチャード三世通』になっていたわたくし、ニュースで「この骨を埋葬する場所で論争が巻き起こっている」
というのを聞いてすぐに
「ああ、ヨーク公だもんね」とつぶやく・・・(しったかぶり

500年も埋葬されていたレスターに埋葬するか、リチャード三世が発展に努めた故郷のヨークに埋葬するか。

ヨークでは「Bring back Richard Ⅲ」(リチャード三世を連れ帰ろう!)運動がおこり、たちどころに2万人の署名を集め、イギリス議会でも論争が起きました。



レスター選出議員とヨーク選出議員が「どっちにリチャード三世を埋葬するか」で熱い論争を戦わせたそうです。
観光資源としてもすごい価値がありますもんね。
世界から人が押し寄せます。(含・jester)

ちなみに、今のイギリス王室はウィンザー朝なので、リチャード三世とは王朝が違い遺骨を引き取る立場でははないんですって。

レスターの街では、「リチャード三世特別展示会」が開かれて、連日人でにぎわっているそう。
(リチャード三世の肖像を壁にかけたカフェも現れ、「リチャード三世カフェって名前にしたらっていわれてるの」とおばさんが話していました。)

きゃ~~~ 絶対見に行きたいです!!



電車で化粧はやめなはれ♪ 「メロディ・フェア」 by宮下奈都

2013-03-14 | 読書
昨日の風はすごかったですね。
風に向かって歩いていたら、前に全然すすめなくなり、穴を掘って地下にもぐりたくなりました。


ところでNHK教育テレビで朝6:55からやっている0655という番組をご存知でしょうか。

お友達のまつかぜ日記さんのところで読んでから、

「文字ではうまく説明できませんが なんだかちょっと楽しい番組なのです」

の言葉にひかれ、一回見てみようと思っていて、やっと今朝見られました。

電車の中にのっている大阪のオバハン(?)の扮装をしたおじさんが歌う

「やめなはれ** やめなはれ** 電車で化粧は、やめなはれ**」

という歌に爆笑。
まずはお聞きください。
 
電車で化粧はやめなはれ


なんかずっとメロディが頭を離れません。
(ちょっと・・・やだなあ・・・今日一日かも・・・(爆)

最近電車でお化粧してる若い女の子が増えましたね。
これを不快に思ってる方が多いみたいです。

行儀が悪い、みっともない、電車で乗り合わせている他人を人間だと思っていない、知り合いが乗っていたらできないはずだ、恥ずかしくないのか、etc.etc.よく聞きます。

jesterは、あら、と思ってみますが、「やめなはれ」とは思いません。
人に迷惑をかけないなら、騒ぐほどのことではないと思ってます。
自分が化粧に興味がないせいか、そんなことはどうでもいいと思っちゃいます。

人にやられて嫌なことは自分がしなければいい
でもだからといって人に「するな」というのはどうなのかな?
例えば「歩きたばこ」のほうがずっと迷惑です。
危ないし煙いしあれはjesterも「やめなはれ」といいたくなります。
まあ、「電車で化粧」も推奨するようなことではありませんけれども。


「歩きながらものを食べない」
「道に座り込まない」
「電車で化粧をしない」
「食卓にひじをつかない」

こんな感じの『常識』は時代でどんどん変わるし、みっともなさ、恥ずかしさの概念も住む場所でも全く変わります。

日本では麺をすすって食べるのが普通で、スパゲティもかなりすすって食べますが、イタリアでは大変失礼なことです。
イタリアでイタリア人とのディナーで私一人が日本人だった時、スパゲティがサーブされたら、それまでワイワイしゃべっていた、テーブルを囲んでいるみんなが、黙り込んで一斉に唇で静かに麺をたくし上げて食べていたのを思い出します。(もしかして私だけ音を立てたのではないかと冷や汗をかきました・・・
こんな例を挙げたらきりがありませんね。

親から厳しく行儀作法をしつけられた年代からみると、ひどくみっともないと思うかもしれませんが、その感覚も場所や時代で変わっていくのかもしれません。
基本は「他人に迷惑をかけない」が大事とおもいます。


でも「急ブレーキで大変なことになる」は確かに思います。

「あと10分早起きして、素敵なレディになりなはれ~~♪」

わはは。笑えました。

ちなみにうたっているのは、ブラックマヨネーズというコンビらしいです。


さて、最近お気に入りの作家さんの一人に、宮下奈都さんがいます。

去年ぐらいから読み始めたのですが、彼女の静かで細やかな世界は、あわてて読むのには惜しくて、時間をかけてゆっくり一冊ずつ楽しんでおります。

普通に、どこにでもいるような、傷つきやすい心を抱え、時々落ち込み、悩みながらも誇り高く、前向きに歩こうとする女性を描かせたら、当代随一じゃないかと思っている作家さんです。

わかりやすく、瑞々しく、暖かいまなざしの文章にはいつも癒されています。

やめなはれ~♪を聞きながら、彼女の書いた、お化粧をデパートなどで勧める美容部員『ビューティ・パートナー』が主人公の

メロディ・フェア (文芸)メロディ・フェア (文芸)


を思い出しました。

お化粧に興味がないjesterですが、いろいろな場面でもまれ、悩み、成長していく生真面目な主人公に共感して読みました。

傑作の多い彼女の作品のなかでは、「メロディ・フェア」は軽い小説ですが、そのほかの作品については、またゆっくりレビューをまとめていきたいな、と思っています。






二人の 「時の娘」

2013-03-11 | 読書
あの恐ろしかった時、悲しかった日から2年がたってしまいました。

テレビの震災特集番組も、見ていると嗚咽がこみ上げてしばらくショック状態になってしまうので見られない、軟弱者のわたくしですが、被害者の方たちに心からご冥福をお祈りいたします。

あの時に戻って、やり直せたら、と考える方もたくさんいらっしゃいますでしょう。



さて、このところ、二人の「時の娘」を読んでおりました。



偶然なのでしょうか? 2冊の同じ邦題の本があり、これを続けて読んだのです。

これがどちらもとても面白かったです。

一冊目はこちら。

時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)時の娘 (ハヤカワ・ミステリ文庫 51-1)

最近キンドルのベストテンに顔を出していたので、興味を持って読んでみました。

1951年に書かれた作品ですが、まったく古さを感じさせません。
しかも「パラダイムの変換」を感じさせられました♪

怪我をしたスコットランドヤードの警部が、お見舞いにもらったリチャード三世の肖像画を見て、リチャード三世は本当に残虐非道な王様だったのかを推理する、という「歴史ミステリー」です。

この本の最初の数ページは、イギリスの「薔薇戦争」について書かれています。

例の、ランカスター家とヨーク家が白薔薇と赤薔薇に分かれて戦った時代です。

世界史でお勉強しましたが、イギリス人男性はエドワードとヘンリーとリチャードとジョンとジャックとエドモンドしかいないのか???と思うほど同じ名前の人が二世だの三世だの四世だの五世だの、いろいろ入り乱れて出てきて、2ページ読んだだけでわけがわからずうんざり。

とりあえずこの辺はざっと飛ばして、「犯人を追いかけていたら、マンホールに落ちて骨折したグラント警部の入院風景」から読み始めました。

グラント警部は、人の顔を見ていて、その人の性格やら犯罪歴などを類推してしまう才能があります。

お見舞いにいただいた本はつまらなくて退屈していたところ、友人が持ってきてくれたリチャード三世の肖像画をみて、とても気になってしまったのでした。

この辺まで読んで、がぜんリチャード三世に興味を持ったjester、どんな人だったのかなと最初の「薔薇戦争」の部分を読み返すと、今度はするすると頭に入り、面白いのです。

最初は無味乾燥に思った歴史の記述が、一人の人間に興味を持った途端に、すごい面白いものに変わってしまう、『パラダイム・シフトだ!』と思ったわけです。

内容についてのパラダイムの変換があるかどうかは読んでのお楽しみ。

歴史を勉強するときには、こんな風に人間から迫っていくと、年代だの時代背景なども簡単に理解できるようになるのですね~♪

必死で年代や名前を暗記した受験の世界史の以前に、こんなことを知っていたら幸せだっただろうなあ~


さて、2冊目の「時の娘」はSFです。

時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)

こちらは短編集で、時空軸を飛び越えてしまった人々がテーマのアンソロジーですが、どの短編も素晴らしい出来。

jesterのお気に入りは『チャリティのことづて』『かえりみれば』『時が新しかったころ』など。

『かえりみれば』は、もう一度人生をやり直したいと考えた女性が少女時代に戻ってしまう、という話で、読んだ後は、jesterも、自分だったら今までの人生のどこをやり直したいだろう?などと考え、そこから、

もし10年後に現在のことを考えたら、どこをやり直したいだろう?
 
だって、過去に戻ることはできないけど、現在を変えることは自分でもできるかもしれないし、などといろいろ考えてしまいました。

『時が新しかったころ』は白亜紀の地球にタイプトリップしたカーペンターが出会う2人の火星人の子どもの話なんですが、とんでもなくSFな舞台設定ながら、親近感を持って読める傑作でした。
ラストもロマンティックで感激♪

短編ですが、これで映画が一本撮れそうです。



さて、この2冊の本、なぜ同じ邦題になってしまったのでしょうか。

ジョセフィン・テイのほうは The daughter of Time が原題なので、「時の娘」は当然の訳ですね。1951年に書かれ、翻訳は1953年、改訳は1977年に出ているようです。


SF短編集の邦題になった作品の原題は Child By Chronos 直訳すると「クロノス(時の神)の子供」、しかもその子供は娘なので、「時の娘」と訳せないこともありません。
今回は新訳なのですが、初出は1953年なので、この短編の題名としてはこちらのほうが古かったのか、微妙なところです。

とりあえず、同名の2冊の本は紛らわしいし、こちらの本のほうが出版もあと(2009年)なので、ほかの短編の題名をこの本の題名にしてもよかったのかもと思います。


しかしま、どちらの本も、とっても面白かったです♪


昨日なんか、お昼過ぎから空が茶色くなり、恐ろしかった東京ですが、それでなくても花粉が舞い飛ぶというお昼と夕方の時間帯には、できるだけですが引きこもりしております。

でも、そんな時でも面白い本があれば世界中、そして時間軸をも自由に旅行できるのでありまする。



ぼくはお金を使わず生きることにした  by マーク・ボイル

2013-02-08 | 読書
最近、このブログの記事の下に時々「断捨離サイト」とかいうコマーシャルが出てきます。

これは、jesterの意思とは関係なく出てきちゃうのですが、わたしはこの「断捨離」という言葉が、語感も、響きも、好きじゃありません。

すごく『破壊的』な響きがある言葉だと感じます。
インパクトがあるように『破壊的』であることを意図して作られた言葉という気もします。

この言葉を作ったのは

新・片づけ術「断捨離」新・片づけ術「断捨離」

この本を書かれた、やましたひでこさんというかたで、一時評判になった本なので読んでみましたが、いわゆる「お片付け本」で、いらないものはどんどん捨てて、家の中をすっきりさせれば心もすっきりする、という、よくある内容です。
そのよくある内容を違う角度から見せようとして生んだ言葉「断捨離」が、仏教の教えから来ているとかなんとかこじつけられていて、そこが精神性に結びつくようで新鮮だったので、マスコミが飛びつき、この言葉が流行ったのかなと思います。

でも「まず捨てなさい」と言っている片付け本を読むと、でもその前提には、「いままでどんどん買っていたものを」「まだ価値があっても」「自分の部屋で邪魔だから」「次の消費のために邪魔だから」「もう興味がないから」という概念が潜んでいる気がします。
そういうのはどんどん捨てちゃえばすっきりしていいのよ、という行為がもてはやされる社会は、はたして真の意味で豊かなのだろうか。
わたしには『破壊的』な気がしてしまいます。


わたしは本だとか、洋服だとか、人からいただいたものとか、なかなか捨てられません。

例えば洋服なら、まだ着られるからもったいない、というのもありますが、それより生産過程を思うと、布を織り、それを裁ち、縫い上げた時間を思うと、その手間と時間がありがたくもったいなくて捨てられないのです。

そのたびに、こんな言葉を思い出します。

『食べ物を自分で育てなくてはいけなかったら、その1/3を無駄にするなんてできないし、机や椅子を自分で作らなければいけないなら、部屋の模様替えをしたとたんに捨ててしまったりはしないだろう。目抜き通りの店で気に入った服も、武装兵士に監視されながら布地を裁断する子供の表情を見ることができたら、買う気が失せることだろう。豚の屠畜処理の現場をみることができたなら。ほとんどの人がベーコンサンドイッチを食べるのをやめるだろう。飲み水を自力できれいにしなければならないとしたら、まさかその中にウンコはしないだろう。
 心の底から破壊を好む人間はいない。他人に苦痛を与えて喜ぶ人など、そうそうお目にかかるものではない。それなのに、無意識に行っている日常的な買い物は、ずいぶんと破壊的である。なぜか。ほとんどの人が、自ら生産する側にたたされることはおろか、そうした衝撃的な生産過程を目にすることもなければ、商品の生産者と顔を合わすこともないからだ。p17~18 』

『もし人類が今ただちに衣類の生産をやめても、分かち合いと修繕の方法を知っていれば、おそらくあと10年は困らないだろう。服の生産をやめれば、土壌にとって望ましい休息を与えることにもなる。というのも、たとえば、世界で使用される農薬の25%が、多くの国々で単一作物として大規模栽培される綿花に散布されているのだ。p234』


以前、このブログで、『年収100万円で豊かな節約生活』の記事のなかで、表紙だけご紹介したこの本、


ぼくはお金を使わずに生きることにした

ぼくはお金を使わずに生きることにした

からの言葉です。

ベランダで種をまいて育てたトマトは、残さずに食べきりたいと思うし、夜なべに編んだセーターは、ちょっとカッコ悪くても着たいです。
その生産活動に費やした時間が愛おしいから。
そしてそれが他人がした生産行為であっても、です。

そのものが作られた過程を考えず、あまりに『破壊的』に「いらないなら捨ててすっきり軽くなればいい」という考え方は、これから私たちの子孫がこの地球で生きていくことを支えることにはならない、と思います。


さて、くだんの本を書かれたMark Boyle(マーク・ボイル)氏、この「お金を使わない生活」を始めたのは29歳の時。

その内容は節約というのではなく、哲学、であります。

彼がその生活をするために決めた『カネなし生活』 の大原則は、『丸一年、金銭の授受をしないこと。例外はいっさいなし。必要な物や欲しい物があるときは、現金やそれに類するものを使わずに手に入れなければならない。』「でも、お金を使って暮らしている人を尊重する。」
「化石燃料の世話にならない。例えば車に乗らない。移動は徒歩と自転車。電機は太陽発電など、自然エネルギーを使うだけ。」
「食料は原則自給自足。ただし「スキッピング」(ゴミなどから拾い出す)、「フォレッジング」(山でベリーなど採取する)はしていい。または同じ考えを持つコミュニティの中で交換し合うのはよい。また、労働の対価として食料をもらうのはいい。」

などなどあるのですが、これをおかしいほど真剣に考えて、生活していく中でわいてくる問題を一つ一つ真面目に解決していきます。

その奮闘ぶりがおかしいし、読んでいてワクワクします。

クレジットカードもお金も使わない、というと、
イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

Into the Wildという映画の冒頭シーンを思い出します。
有名大学を卒業した将来を期待された青年が、お金やクレジットカードを燃やしてしまうのです。そして森に入っていきます。

この映画も、現実にいた青年を主人公にしていて、この青年は森に入って一人で暮らそうとして失敗してしまいますが、マーク・ボイルはもっと戦略的です。

ネットワークを築き、どうやったらよいか知恵を絞ります。

たとえば、『服の調達法として、本と同じで、交換すればいいと思いつく。自分で交換会をひらこう。無料で洋服を持ち帰る無料市を作ろう』という風に考えて、それを実行していきます。

こうした活動を通して、人と人のつながりができてきます。

『「一日中働いて25キロのオート麦をもらった」と言うと、「どうかしてるよ、同じ大きさのパックを20ポンドで買えるのに、九時間も労働するなんて」というのがおおかたの反応だ。でも、そう感じるのは、硬直した考え方のせいだ。食べ物の本当のコストについて、ぼくたちはもっと敏感になる必要がある。25キロのオート麦が20ポンドであってはいけないのだ。それだけの量のオートを得るために、種まき、草取り、水やりから、刈り取ってローラーでつぶすまでの一連の作業を、もし自分でやらなければならないとしたら、60時間かかるだろう。だから60時間分の成果が9時間で手に入るならぼくはありがたいと思うし、僕が手伝った相手もありがたいと思ってくれる。そこが素晴らしいところなんだ。こうした関係は、人間どうしの友情をうんと深めてくれる。p65』

本当にそう思います。
洋服だって、畑を耕して綿花を植えて、育てて収穫し、それを糸にして、織って、化石燃料で動く船や飛行機を使って別の国に持って行って、裁って縫って、また運んできて、売る・・・・というのを考えると、本当のコストは莫大なものなんだな~と感じます。
それを肌身で知っていた時代の人たちは、着物がほころびれば繕い、布団に縫い直し、おむつに縫い直し、世代を超えて使い切っていたわけです。
ウールの製品だって同じ。
それが安く手に入り、どんどん売らなくては儲からないから、とばかりに、1年着たらどんどん捨てて、新しいものを買う、とやっていたら、絶対無理が来るのはjesterにもわかります。


さて、普通こういう、真摯な考えから始めても、住んでいる社会の経済サイクルや一般大衆の常識といわれる意識から外れた考え方を持つコミュニティというと、最終的に宗教的になっていったり、イデオロギーに縛られて人間が押しやられた集団生活で破たんしたり、などの失敗例が思い浮かびますが、マーク・ボイルはとても人間的に、暖かいユーモアを交えて、こんな暮らしをしたいからしてみる!と挑戦していくのです。

どうして極端に走らないのか、どうして楽しみながらできるのか、というと、それは知性と大きな視点で周りを見られる力があるから、かな。

さて、マーク・ボイルは1年間のカネなし生活を無事やりおおせるのか、そしてその後は・・・
これはこの本を読んでのお楽しみです。



お金は誰でも欲しい。
お金があれば、もっと幸せなのに、と考える。

でも、南カリフォルニア大学の経済学者、リチャード・イースタンは
『人はお金があればあるほど幸せになれると思い込んでいます。というのも、収入の増加がもたらす影響について考えるとき、「収入が増えれば増えるほどますますお金が欲しくなる」という事実を忘れているからです。』p211
と言っています。

どんどん買って、どんどん捨てて、どんどん消費しなくては、景気が悪くなり、経済が立ち行かなくなる。

そんな経済が支えている社会は、根本がゆがんでいるし、その歪みが地球のどこかに貧しさとして集約されて、地域を破壊している。


そのことに気が付いて、「始末の良い生活」をみんなが始めるとき、未来の地球を支えていく生活ができるようになるのではないかな。


この本を家族Bに紹介したところ、とても感激し、それを友人に見せたそうです。
家族Bも友人もいわば未来の日本をしょって立つような企業に入って働いていますが、人生観が変わった、と言っていたそうです。
「ハワイに行って食堂がしたい」とか計画を立て始めたとか。

jesterが年上の友人にこの本の話をしたところ、
「でもね~~、私は洗濯機のない時代に戻って生活するなんていやだわ」と言われました(爆


とまあ、この本を読んでの反応は人それぞれだと思います。
実際にこの生活をしろ、と言われたら、面白そうだけど、できるかどうかわたしには自信がありません。
体力がないからダメかな。

でも、ドイツ人の女性のハイデマリー・シュヴェルマーさんは年をとってから、お金なし生活に入っています。その様子は
食費はただ、家賃も0円!お金なしで生きるなんてホントは簡単

食費はただ、家賃も0円!お金なしで生きるなんてホントは簡単

『食費はただ、家賃も0円! おカネなしで生きるなんてホントは簡単』(アーティストハウス)に書かれています。
(現在絶版らしく、マーケットプレイスで手にはいります。)

以前は教師で、セラピストでもあった彼女の場合は、テレビの番組で紹介されたこともあるようですが、
「貧富の差をなくしたくてこういうことを始めました。 階級とか、銀行に貯金があって、 どんな仕事をしているかで決まる価値観なんかを」
と、すべての財産を困った人にあげてしまい、使われていない他人の別荘で庭の手入れをし、猫にエサをあげる代わりに住まわせてもらう、洋服はお古をもらい、本は交換し、家庭教師をしてコーヒーをもらい、それを八百屋さんに持って行って、ズッキーニをもらう、という方法をとって、お金なしで生きています。
当時67歳、娘さんも二人いるのに、です。
そして自分一人で始めた活動を次第に広げ、物々交換のコミュニティを作り上げています。

年をとってからでも、自分なりの哲学がある生き方を貫いて生きる、ということは可能なんですね。
(邦題がセンスがなくてずっこけてるのですが、この本もかなり哲学的です。)
「お金なしで生きてゆくと言うことは
恐怖なしで、自由に幸福に生きてゆくと言うことなんです。」
と彼女は言っています。

言い換えれば、お金がなくても幸せに生きていける方法を身につければ、恐怖は感じずに自由に生きていける、ということでしょうか。
ああ、なんか、「年収100万円の豊かな生活節約術」の山崎さんにつながっていきますね~



人間だれしも、生きていれば、次第にものが周りにたまってくるもの。
そして、その中から本当にいるものを見極める力は必要です。
自分が死んだときに、たくさんのくだらないものを残して、残った人に片づけという苦行をさせたくはありません。

だから、いらないものを手放していく、本当にいるものだけを選んで身の回りにおく、という生き方はすがすがしいと思います。

そしてその手放されたものを使う人に渡していく。
例えば亡くなった方のものを大切に伝えていく「形見分け」という言葉があります。
少し前までは成長した子供の服は「おさがり」として使ったものでしたが、日本では今はそれも嫌がられるといいます。
ヨーロッパの友人は長く先祖から伝わる食器や家具を大切にしている人もいました。
また、USAでは不用品を手放すために、ガレッジセールや、NPOがやっているスリフトショップが盛んでした。

まだ使えるものを、使える人に譲って、譲られて、その物の命が尽きるまで使ってあげる。
新品だけがもてはやされるのではなく、古いものでも工夫して使っていく。

そんな手段のあるコミュニティの生活がいいなと思います。


以前に日本で近所の人に声をかけて、自宅や庭を使って、ガレッジセールという名の不用品交換会をやった時、思ったよりたくさんの人が集まり、その中の一人に「こういうこと、普通の人がやっていいって知らなかった」と言われました。

新しいもの好きな人が多い日本人の中には、こんな古いものを出したら恥ずかしいとかいう気持ちもあるのかな?


海外では普通にその辺のおばあちゃんとかが、2~3個のものを台に乗せて「ガレッジセール」とダンボールに書いた看板を出して、のんびりその横に座っていました。

考えれば日本人だって、海外に住んでいるときはみんな気軽にガレッジセールや、引っ越しの前の不用品差し上げ会をやっていました。
それなのに未だに日本ではあまりポピュラーじゃないのが不思議です。


ネット・オークションという手段が浸透してきましたが、それは一部のネットに詳しい人に限られてしまいます。

フリーマーケットみたいに場所代を払ってたくさんの人が集まるような大きな催し物に参加しなくても、ネット・オークションに出さなくても、もっと気軽に、自分ちの前のちょっとしたスペースに物を置いて、本を読んでお茶でも飲みながら通りかかる人と喋りつつ、必要な誰かに廉価または無料で不用品を譲る「ガレッジセール」を、もっと気軽に、気兼ねなくみんながしてくれるといいな。

捨てるのは簡単。
でも、どんどん捨てよう!と説く前に、不用品を上手に流通させられるシステムをもっと考えて作っていってほしい。
そんなに難しいことじゃないし。


「ぼくはお金を使わないで生きることにした」は、マーク・ボイルやハイデマリー・シュベルマーのように、お金を使わない生活がすぐにできるわけではないけれど、少なくとも地球環境に対して『破壊的』な行動をとりそうなとき、冬でも汗をかくほど暖房したりして、限りある化石燃料を垂れ流しのように使っていると思われるとき、必要でもないのにお金を使いたくて消費してしまいそうなとき、また、まだ使えるものを「邪魔だから」捨てようかなと思ったときなどに、ふと立ち止まって知恵を絞るきっかけになりそうな『考えるヒント』をたくさん提供してくれる本だったのでした。


さて、マーク・ボイルはこの生活を始めるにあたって、彼女に振られてしまい、新しい彼女が欲しくて・・・と書いていましたが、もし、マーク・ボイルみたいな男性に惚れてしまった女性はどうなるのか。

それがこの本

食べることも愛することも、耕すことから始まる ---脱ニューヨーカーのとんでもなく汚くて、ありえないほど美味しい生活

食べることも愛することも、耕すことから始まる ---脱ニューヨーカーのとんでもなく汚くて、ありえないほど美味しい生活

に書いてありました。

長くなってしまったので、また今度ご紹介しますね。




「やられたら、倍返しだ!」半沢直樹君の、オレたちバブル入行組~ロスジェネの逆襲by池井戸潤

2012-11-29 | 読書
池井戸さんのご本といえば、なんといっても直木賞をとった

下町ロケット下町ロケット

を読んだ方が多いのでは。

中小企業とそれを食い物にする大企業の攻防の嵐の中で、自分の生きる道を、ものつくりを通して見つめていく感動作でしたね♪

でも今回のレビューは

ロスジェネの逆襲ロスジェネの逆襲

でございます。


半沢く~~ん、ウエルカム・バック!!!

なんてなれなれしく「くん」と呼んでしまうのは、三部作の最初から読んでいるから。


オレたちバブル入行組 (文春文庫)オレたちバブル入行組 (文春文庫)


オレたち花のバブル組 (文春文庫)オレたち花のバブル組 (文春文庫)

2作目の最後で、銀行から出向させられた半沢君がどうなるのか・・・

待っておりました、3作目!!

その期待を裏切らない面白さでした!


このブログにいらっしゃる方は、たぶんファンタジーとか児童文学とかミステリーがお好きな方が多いかもしれません。

そういう本のレビューが多いですし。(そうか?)

jesterは雑本読みで、字が書いてあればジャンルを問わずなんでも読んじゃう活字中毒者なので、とりあえず本屋さんで気になった本は手に取ってしまいます。

でもレビューを書こうかなと思うのは、その中のほんとに100分の1ぐらい。

そして企業小説は、あんまり興味なし・・・かな?
積極的に買ったりはしません。

しかもこのお話、M&Aとか、金融業界の裏側が書かれていて、共感できる女性は出てこない、つうか、出てくるのはほんの二人(爆

(半沢君の奥さんのはなさんと、平山美幸だけ・・・だった気がする。しかも二人とも嫌な奴!)

男だけの世界の、銀行だの企業の裏話の、どこが面白いんじゃ~~!!



・・・これがめちゃくちゃおもしろいのです・・・

ま、三作目の最初は、IT企業の電脳雑技集団とか東京スパイラルとかフォックスとかコペルニクスとかいっぱい会社が出てきて、どれがどれだかわからん状態に・・・

でも我慢して読んでいくと、われらが半沢君が、またもやかっこよく・・・・
あのしいたげられた半沢君が・・・・

半沢はいった。「――― やられたら倍返しだ」 p44

かっこえ~~!!

まあ、ほとんどが会話で話がすすみ、難しい法務関連とかはちゃんと説明してくれるし、わからない部分は適当に読み飛ばしても話が通じるので、全体的にはとても読みやすいです。


著者の池井戸さんは慶応卒で某銀行員だったおかたで、半沢君も慶応卒の銀行員。
半沢君は自分の半身、またはなりたかった自分なのかもしれませんね。

「銀行なんて体のいいやくざだ!」

なんていわれると、そっか?と思いますが、

「そんな理屈が通る相手じゃない。自分たちを正当化するのは銀行員の特技だからな」 P212
とか

「知恵でかなわなきゃ、人事権にものをいわせてポストから引きずり降ろす。それが銀行のやり方ですか」 P294
とかとにかく銀行についてめちゃくちゃいってます。



実は…  

jesterの身内にも銀行員がおります。
誰とは言いませんが。

ある日、「○○さんっていい人だよね~」(○○さんは同僚の銀行員)とjesterが申しますと、

「・・・銀行員にいい人なんていねえよ」

と、ぼそっともうしておりました・・・・

(そういう君も銀行員!)



今回も半沢君は、大量のすんごい悪い銀行員たち(爆)を相手に、やってくれるのであります。

読んですっきり、ああいい気分♪


できれば、一作目から半沢君の活躍をお楽しみくださいませ♪


自由であり続けるために  20代で捨てるべき50のこと by四角大輔

2012-11-27 | 読書
ぐんと冷えてきましたね。
もっともっと秋の季節を楽しんでいたいなあ…

朝のウオーキングをさぼって、あったかいベッドの中でのんびりしていたい・・・

そんな停滞気分の中で、こんな提案をしている本を読みました。


起きたら、朝の空気にめいっぱい触れる。
同じ日は一つもない。
空の色、鳥のさえずり、街が動き始める気配、風の動き。
地球の小さな変化を感じようと意識を集中すると、五感が目覚めはじめる。

朝日が昇るとともに、Mac Bookを持って公園へ出かける。
自然とつながりながらの一人会議は最高だ。
世の中の動き出す前が、もっとも自由を感じられる時間。

ラッシュの前に、誰よりも早く出社する。
昼食の時間を早め、仕事も早めに切り上げる。

夕食はまだ人が込み合わない、お店の開店直後から始める。
大好きな仲間と、いつもと違うお店で、いつもと違う話題で盛り上がる。
明日も早いからと少し早めに店を出る。

駅からいつもと一本違う道を歩いて帰る。

家に着いたらすぐにシャワーを浴び、寝間着に着替える。
お茶を入れて、好きな音楽を聞きながら、明日の準備を始める。
そして消灯。

こんなに早く?と感じる時間にベッドに入るのが最も贅沢な時間。
  P104より


20代で捨てるべきこと、と言われても、もうずいぶん前だしなあ・・・
今更間に合うのかなあ・・・

と思いつつ書店で手に取り、この文を読んで、購入しました。

自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと (Sanctuary books)
自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと (Sanctuary books)

でございます。

ちょっと前に(当社比)20代を過ぎてしまったjesterにも、響くものがありました。

著者は、レコード会社のプロジューサーなどを経て、現在は東京とNLの湖畔を往来するノマドライフを送っている。
1年に150万円あれば生きていける知恵とサバイバル力を身につけてあるそうです。

端的に言うと、最近よく見かける、「捨てる技術」本なのですが、それが衣食住、英語の勉強法から移住の仕方まで、生活全般から精神的なことにまで広がっていきます。


年を重ねるうちに、余計なものをたくさんしょい込んでしまい、自由でありたいと思いながら、身動きが取れなくなってしまう。

でも、そんな自分でも、考え方ひとつで、身軽に、自由になれるのかもしれない、と、期待を持たせてくれる本でした。


出すお金以上に価値があると思えたら投資だし、出すお金と同じ価値かそれ未満だったら浪費だ。
節約ではなく、選ぶこと。

「なんでもいい」を捨てる。

バーゲンだからといって、思いもよらぬものにお金を使うなんて、人生とお金に対して失礼だ。
安いから買う ではなく、これだから買うへ。
  P44


なんて、バーゲンセールのお店にはいって、とりあえず欲しいものはないけど、これが安いから買っておこうかな? という思考のjesterには耳に痛い言葉でした。


表紙の写真は、内容とどうつながっているのかな?と疑問ですが、中に挿入されている大自然の写真はとてもきれいです。

時々パラパラとめくってみたくなる本です。




「大草原の小さな家」のローラが…『「ローラ」と呼ばれて』

2012-11-15 | 読書
事の発端は、本棚で埃をかぶっていた、

Little House in the Big WoodsLittle House in the Big Woods
 
をふと手に取ったこと。
最後のページに若き日の自分の筆跡で読了の日付とサインが。

なんと×十年前ですだよ~~

・・・本物の少女だったころ(爆

パラパラと読み始めて没頭し、最後まで読んで次が読みたくなりました。

数十年の年月の間に、引っ越しで動かし、また家族Bが読んだりしていたので、家じゅうの本棚にばらばらになっていた「大草原の小さな家」シリーズを見つけ出して、順番に読みました。

面白かった~~
英語はとても平易でサクサク読めます。

貧しくともシンプルで手作りの生活が語られて、現代の生活より豊かに思われます。

お父さんが狩りに行ったり罠を仕掛けて動物を捕るシーンだとか豚を殺すシーンは、jester的にはちょっと眉をしかめちゃうようなことが書いてあるのですが、ローラにとっては「美味しいお肉が食べられる♪」うれしいことなんです。

(ローラはクマが大好き。美味しいから。)

そうそう、食べ物がおいしそうなのも、このシリーズの良いところ。
バターを作って、残ったバターミルクを飲んだり、雪にメープルシロップを落として食べたり、シカの肉を燻製したり・・・


ちなみにjesterのお気に入りは

The Long Winter (Little House)The Long Winter (Little House)

『長い冬』っていう本です。
冷たくて厳しい冬を乗り切る話。
だんだん食料もなくなってきて、家族で肩を寄せ合って寒さの中、ひたすら春を待つのです。
好きだな~こういう「耐びんぼ話」。

そして、本をあるだけ全冊読み切って、あ~ドラマのほうも見たいな~と思い、

大草原の小さな家 DVDコンプリートBOX大草原の小さな家 DVDコンプリートBOX

検索をかけたら、こんなもんをアマゾンで見つけてしまい。

DVDで200話みられて、26460円か~~

そりゃ、安い!・・・といっていいよね?

でも英語ではみられないのかな? 
そんな感じに怪しく読めるコメント(多分日本で放映されたところだと思うけれど「部分的に英語になる」、とか、「全部英語で見たい」、とか)がアマゾンにあったので、ちょっと迷う…

そのうち、リマスターのブルーレイになるだろうしなあ・・・
そしたらきっちり2か国語だろうしなあ・・・
でかい箱で、場所取りそうだしなあ・・・


と、ショッピングカートに入れたまま、しばし迷いつづける・・・・。


そんな時、お勧めにでてきたこの本

「大草原の小さな家」主演女優の半生記 「ローラ」と呼ばれて (ワニプラス)「大草原の小さな家」主演女優の半生記 「ローラ」と呼ばれて (ワニプラス)

を、おもわずポチ。

あのローラが? どうだったというのよ?という好奇心には勝てませんでした。


本が届くと、分厚い510ページを一気に読んでしまいました。
(メリッサは書きたいことがいっぱいあったんだね。)

覚悟して読んだことでしたが、メリッサ・ギルバートはローラではないのですよ。

あのかわいいおさげ髪の子が、実は生後1日で養子に出された子で、オーデションを受けて、スターになり、派手な芸能界でもまれ、悪いこともいっぱいしながら、大人になっていく。


オルソン夫人を演じたキャサリン・マクレガーが、実はとっても楽しい人で、メリッサがジョン・トラボルタのファンと知って、撮影所の食堂でトラボルタを見かけると、例のオルソン夫人の声で「ちょっと、そこのお兄さん、そこの若いの、こっちよ!」と呼んでしまったこととか、セリフをおぼえてなかったメリッサを父さん役のマイケル・ランドンが優しく諭したことなど、ドラマの裏側の面白いことがたくさん書いてあります。

でもメアリーやアルマンゾ役の俳優とは仲が悪かったこと、マイケル・ランドンの浮気と離婚の詳細などは、ドラマのファンとしてはショック。

そのほかにも、有名な俳優のスキャンダルやら、自分が整形したこと、不純異性交際(?)、ドラッグ・・・また、アルコール中毒になって、克服しつつある(した、と書けない)こと、など、暴露本的な要素がたくさん盛り込んであり、読んでいてつらい部分もありましたが、なんだか他人事とは思えないような気がしてしまうのは、ドラマで成長を見守っていた女の子が、こんな風に育っていたのだなという感慨のせいかもしれません。

ドラマでローラを演じた少女は、実は自分と同じ年代で、同じような時期に結婚したり子育てしたりしていたわけで、「わかる」と思われる部分もありますが、「これはないよな」と思うところも多数あり、日本と米国ではこれほどの意識の差もあるのだし、芸能界と普通の人の差もあるのよね、と興味深かったのでした。



ちなみにこの本の中では、派手な恋愛遍歴の末に2回目の結婚をした、ブルース・ボックスライトナーと幸せに暮らしているころで終わっていますが、実は、最近ブルースとも別れたらしい。

どんな苦難も家族が結束して乗り越えていく、幸せな家庭の象徴のような「大草原の小さな家」のローラを演じていた彼女なのに、名声や金銭があっても、幸せになれるわけじゃないというよい例になってしまっているところが、なんとも皮肉なのでありまする。


DVDはまだ買ってません。

どうしようかな~~~


後記;結局買っちゃいました・・・・!!
   シングル音源で英語で聞けそうなので・・・
   


年収100万円の豊かな節約生活術  山崎寿人

2012-07-19 | 読書
最初立ち読みしていたのですが、結局買ってしまいました。

年収100万円の豊かな節約生活年収100万円の豊かな節約生活

年収100万円で、家賃や税金を抜いて、1か月30000円で、食費、光熱費、被服費、通信費、交通費、医療費、雑費を賄っているというのです。

似たような本は横田濱夫さんのとかありますが、この本は節約生活を楽しんでいる感じが強くて、興味深かったです。

著者は1960年生まれ、東大経済学部卒で、大手酒造メーカーに入社するも、30歳で退職。
その後定職に就くことなく20年以上がたつ。

収入は親が残してくれた古いマンションの家賃が年に100万円入ってくるだけ・・・

それでも、マイペースで、節約をゲームのように楽しんでいる独身男性の話です。

食生活のレシピを見ても、かなりグルメでもあり、こだわりもある「豊かな」生活なのです。

もちろん旅行とか趣味のスキーやゴルフはいけないけれど、毎日の生活を楽しんでいるということ。

同窓会にでても、同い年の友人が自分の10倍以上の年収を得ていながら、すっかり白髪になったり、薄毛になって、メタボで、いろいろな悩みを持ち、暗い顔をして病気がちのような人もいる。

自分は起きたい時間に起きて、食べたいものを食べて、読みたいものを読んで、寝たい時に寝る、やりたくないことは一切しないし、気の合う友達は家に呼んでごちそうしておしゃべりし、嫌いな人とは顔を合わせなくていい、ストレスフリーな生活。

社会で働くなかでストレスでぎりぎりになりつつ、家族を養い、そのステイタスにそぐう生活のレベルをキープするために胃を痛めながら働く生活。

どちらが幸せなのか…

消費社会へのアンチテーゼとして、面白く読みました。

もちろんお金をたっぷり使って、例えばビジネスクラスでリッチなリゾートに海外旅行を楽しみ、五つ星のホテルに泊まって、プールサイドで本を読み、高級エステでマッサージやらグルメ三昧…

それだって「豊かで幸せな生活」を実感できます。

でも、その費用を稼ぎ出すためには、庶民は下げたくない頭を下げて、ストレスと戦っている場合もあるわけで…


なんか「散々探した青い鳥は家にいた」という童話を現代に置き換えているかのよう。

生きていくうえで、本当の幸せ、本当の豊かさってなんなのだろうと、しばし考えてしまいます。

持てば持つほど、守るためにパワーがいるものですものね。


ページを裂いて紹介している『節約グルメレシピ』も、普通にレシピとして使えます。
何個か作ってみました。 美味しかったですよん♪

そうよね、高いお金だして外食しなくても、初期投資を少々すれば、うちで十分美味しいものを安く食べられるものね~ とちょっと反省したjesterでした。


ただ、この著者、親が残してくれたマンションの借り手が転居したため、新しい借り手を探すのには内装工事しなくてはならなくなり、その費用が払えないために、マンションを売ってしまったそうです。

そうすると、その売却資産がなくなると、不労所得はなくなるわけで、まさか今はやり(?)の生活保護を受けるわけではないだろうし、どうするのだろう。

こういった時期にこのような本を書いて売れたのはまさにラッキーというわけですが、今後このチャンスをものにして、もっと本を書いたり、講演をしたりしていくのか、それとも『プータロー人生』を貫いてくれるのか、著者のこれからにも興味があります。



ちょっと前に読んだ

ぼくはお金を使わずに生きることにしたぼくはお金を使わずに生きることにした

も面白かったです。

こちらは29歳の青年の、現代版「森の生活」って感じで、ちょっと憧れてしまいます。
(このレビューはまた項を替えて書きたいと思います)


Child 44 チャイルド44 トム・ロブ・スミス

2012-07-02 | 読書
「この国家は連続殺人の存在を認めない。ゆえに犯人は自由に殺しつづける――。リドリー・スコット監督で映画化! スターリン体制下のソ連。国家保安省の敏腕捜査官レオ・デミドフは、あるスパイ容疑者の拘束に成功する。だが、この機に乗じた狡猾な副官の計略にはまり、妻ともども片田舎の民警へと追放される。そこで発見された惨殺体の状況は、かつて彼が事故と遺族を説得した少年の遺体に酷似していた……。ソ連に実在した大量殺人犯に着想を得て、世界を震撼させた超新星の鮮烈なデビュー作! 」

とまあ、
チャイルド44 上巻 (新潮文庫)チャイルド44 上巻 (新潮文庫)

amazonのこの本の紹介ページを見ても、「大量殺人」だの「惨殺体」だの言葉にビビっちゃいますよね。
そんでもって、jesterは買ったものの、積読状態になっておりました。

この小説のもとになっているのは、かの有名な『チカチーロ事件』であります。
「赤い切り裂き魔」なんて呼ばれて、逮捕された時はセンセーショナルな騒ぎになったので、覚えてらっしゃる方も多いと思います。

『アンドレイ・チカティロ 1936年10月16日 - 1994年2月14日)は、ウクライナ生まれの連続殺人者。ロストフの殺し屋、赤い切り裂き魔などの呼び名で知られる。1978年から1990年にかけて、おもにロシア・ソビエト連邦社会主義共和国内で52人の女子供を殺害したとして殺人罪を言い渡された。一部の犠牲者は、当時のウクライナ・ソビエト社会主義共和国とウズベク・ソビエト社会主義共和国で殺されている。

当時のソビエト連邦では、「連続殺人は資本主義の弊害によるものであり、この種の犯罪は存在しない」というのが公式の見解であった。チカチーロの犯罪については、民警(ソ連の文民警察組織)内部では連続殺人という認識が無く、組織立った捜査が行われなかった。チカチーロの犯行範囲は事実上ソ連全土に及んだこと、犠牲者が男女を問わなかったことで、同一犯の犯行とは考えられず、いたずらに犠牲者を増やす結果となった。最終的にはKGBの捜査介入が行なわれ、逮捕されるに至った。』(以上ウィキペディアより引用)

連続殺人魔には惹かれなかったけれど、「連続殺人なんて西側にしかありえない」といって、組織だった操作をしなかった「ソビエト連邦」のほうに興味があって、

子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)子供たちは森に消えた (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

なんかを読んだものでした。

でもその後忘れていて、こないだ活字中毒の発作が起きて本棚の前でうろうろしていた時に、買ってから数年の間積読だったペイパーバックの「チャイルド44」に手をかけたのが運のつき。

それからはノンストップで読んでしまいました。

面白かったです

「この国では連続殺人なんかあり得ない」という国家体制の下で、それぞれの事件の犯人は、知的障害者だのマイナーな事件を起こした犯人などに押し付けられて、それぞれ冤罪のまま処刑されてしまっていた中で、
「これは連続殺人では?」
と疑問に思った国家保安省の捜査官レオ・デミドフが、私怨に満ちた副官の計略で失墜しつつ、とにかく犯行を止めたいと犯人を追う。
しかし、犯人を追ったことで国家に逆らう反逆者の汚名を受けてしまい、夫婦で逃避行を続けつつ、姿の見えぬ犯人を追及していく姿から目が離せない!!

旧ソビエト連邦のスターリンのもとでの社会構造の不条理さ。
理想社会をうたっていながらその実、権力を持った者だけが豊かな生活を享受できる。
だが、その生活は謀略で簡単に崩壊し蹴落とされ、今度は親族をひっくるめて非人間的な生活を強いられる。

厳しい貧しさのなかで人間性が崩壊していく様子、渦巻く裏切りと密告と疑惑、そしてそんな中でも、助け合う人々のかすかな温かさ…

この本、ロシアでは発売禁止になったそうですが、この本のすべてが真実かどうかは別としても、理想を掲げる社会に起こりかねない不条理を垣間見ることもできて、とっても面白かったです。

悲惨な殺人シーンがしつこくあるのではとびくびくしてましたが、殺人シーンの書き方は抑制が効いています。
ショッキングではありますが、ロブ・スミス氏の文才のおかげで、寒さと雪で白く閉ざされた風景の中で幻想的に描かれており、それほど抵抗なく読めました。

ヒーローのレオが、単なるいい人ではなくて、どちらかというとその対極であったのに、だんだんに人間的に成長していく姿も描きこまれていて、その辺にも感動しました。


なおjesterは原書で読んだのですが、英語自体は平易なんですが、ロシア語の名前とか地名がなかなか頭に入らず、ちょっとてこずりました・・

Child 44Tom Rob Smith 0446402397

早く、早く、どうなるの~~と思いつつ読んでいるのに、あれ?ここはどこ? あなたは誰? 状態になり固有名詞にイライラ~~

なので、この本の続きの
グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)グラーグ57〈上〉 (新潮文庫)

は、翻訳で読んじゃおうかな~~    

と思っております。
(『原語で読めるものは原語で!』のモットーが崩壊しかけてる・・・ 根性なしだな、自分


この「グラーグ57」の続きの「エージェント6」ももう発売されているので楽しみです♪

読むのが楽しみな小説&著者を見つけたときは、本当に幸せ~


エージェント6(シックス)〈上〉 (新潮文庫)エージェント6(シックス)〈上〉 (新潮文庫)



白色ワセリンの効き目 唇にも、顔にも、体にも!!! その1

2012-03-25 | 読書
白色ワセリンとの出会いは、昔家族Bが部活で転んで、足の側面を大きく擦りむいたときにはじまりました。

その頃の知識では、擦りむいた傷口は消毒して乾かす。

小さいころ擦りむくと、ヨードチンキつけて、なんか黄色い粉を振りかけてもらって、ふうふう吹いたもんでした。
早くかさぶたになりますように、って、ふうふう、母親が吹いてくれたりしました。

ところが、娘がかかったお医者さんは「乾かしてはいけません。消毒もよくないんです。汚れを落として、とにかく乾かさないように密封します」とおっしゃるのです。

消毒もしないで、密封??

化膿しちゃいませんか??

「いや、最近の研究ではそのほうが早く、痛みがなく、きれいに治るんですよ」

半信半疑で行った治療は、傷口を洗った後に、ワセリンをたっぷり塗りこみ、覆って放置というもの。

はたして、痛みもなく、化膿もせず、大きくて跡になるのではと思われた傷はすっかり跡形もなくなりました!!

それからは、やけどやけがをしたらそっと洗った後、消毒しないで密封、を守ってきて、とても快適なんですの。

(「床ずれ」なんかも同じで、今は乾かさなくなりました)

最近はこの治療法に使える「プラスモイスト」(被覆材)なんかも薬局で手に入ります。

でもけがをした人に「消毒しないほうがいいよ。乾かさないほうがいいよ」といっても、なかなか聞き入れてくれない人もいいます。
(ま、jesterのいうことですからね…)


そんな経験から、最近読んだのがこの本です。
傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)

いままでのパラダイムであった「傷は消毒して乾かす」という治療を根底から覆した医師の奮闘と、その理論を書いた素晴らしく面白い本です。
絶対そのほうがよくなるのに、「常識と違う」ということで誰にも受け入れてもらえなかったつらい戦いを書いています。

皮膚にはもともと常在菌がいて、この菌が皮膚を守っているもの。だから過度な消毒はよい菌を殺すし、皮膚細胞膜自体も痛めてしまうのです。
また消毒薬は、人体細胞はすぐに殺すけれど、細菌を殺すのには時間がかかり、さらに血とか膿があるとそれと結合してしまい、さらに殺菌作用が落ちてしまうそうです。

ヨードチンキやイソジンやマキロンで殺菌して、いてて・・・となるのは、殺菌しているからではなく、人体細胞が壊されているからなんですって。そしてそれが治りを悪くしてしまう。

(さらにマキロンに入っている殺菌作用のあるクロルヘキヂジンはアナフィラキシーショックという激烈なアレルギー反応の原因となり、呼吸困難を起こすこともあります)

しかしパスツール以来の「常識」とされるものからどうしても離れられない頭ががちがちな人は、往々にして、自分に過剰な自信があるもの。
特に医師という職業は、自信がなくてはできないという部分もあるから、そうなってしまうのでしょうね。

傷を乾かしてできる「かさぶた」も、吸水性がないため、その下が化膿することが多いそうです。


jesterは、どちらかというと、新しいものは試してみたくなるほうなので、こういうものを受け入れるのは早いです。

知識がないから、というのもあると思いますが、例えばR-1ヨーグルトが研究の結果インフルエンザを予防してくれることが分かったなら、みんなで食べて、みんな健康になれるなら、こんな素敵なことはない、と素直に思います。(最近かなり手に入れやすくなりましたね)


医学は日進月歩。

でもパラダイムの宝庫でもあり、昔から「瀉血療法」だの「水銀療法」だの、命を縮める療法が、どうどうとまかり通ってきました。
それが本当は効果がない、ということがわかるまでに、何万人もの患者が、病を治そうとして、逆に命を縮めてきたわけです。

そして現代医学の治療が未来永劫正しいかといえば、そうでないのですよね・・・


さて、本題は、白色ワセリンについてでした。

家族Bの傷を見事に綺麗に直してくれた白色ワセリンは、それからうちの救急箱にはいって、うっかり切り傷なんかの出番をまっていました。

でも夏井睦(まこと)さんの傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)を読んでいて、すんごく引っかかったことが。

それは「化粧品は、履くたびに骨が削れて背が低くなってしまうシークレットブーツと同じだ」という一説。

結構が~~んときました。

昔出た本で、化粧品が黒皮症をおこすことを告発した本があったのですが、それを読んだときは「化粧品は怖い」という認識があったのに、最近は忘れてきていました。
もともとお化粧は興味なく、ほとんどしませんし、肌の状態は悪くないと自分で思っています。

それでも最近はたるみやら荒れが目立つので、旅行の際にちと値のはるクリームなど購入してぬりぬりしてみておりました。

それが「骨を削って背が低くなるシークレットブーツ」だったとは!!
(背を高く見せようとして、隠れたヒールのあるブーツを履いているけれど、それで骨が削れて、本来の背が縮んでしまうという意味です)

私の中のパラダイムが壊された一瞬だったのでございます。(大げさ・・・

「皮膚にクリームを塗ることで、皮膚の健康が保たれるというインチキ」
「頭を洗うのにシャンプーはいらない」

などなど、ま、なんとなくそうかなと頭の片隅にあったようなことが、科学的に証明されていると書かれていてびっくり・・・・


19世紀の「虫垂炎のアヘン療法」だとか「梅毒の水銀療法」と同じで、化粧をすればするほど皮膚が老化し、シャンプーをすればするほどフケが増えてかゆみが増す????

                


そのびっくりについては、長くなってきたので続きます…(殴


(この夏目睦さんの本、とってもお勧めです。読んでみてください♪)


白色ワセリンその2の記事はこちらです。





ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女

2010-02-17 | 読書
jesterは映画になる前に原作を読んでいることがよくあるのですが、この本は映画が先になりました。

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上去年、文春のミステリーベストテンや『このミス』なんかで入賞し、話題になっていた本でした。

原題は、MAN SOM HATAR KVINNOR = MEN WHO HATE WOMEN = 女たちを憎む男たち
・・・・なんか読んでつらそうな題じゃございませんか。

jesterも話題になった頃に、英語訳で読もうかと思っていたので、書店で英語の本をパラパラしたのですが・・・・

しょっぱなからスウェーデン経済&ジャーナリズムの難しい話しと、なれないスウェーデンの名前やらコングロマリットやら会社名やら地名がいっぱい出てくるなあ~ AやOの上に・・がついてる字はどうやって読むのかわからなくて、音に出来ないから、おぼえられなくてわからなくなりそうだな~ しかもなんか込み入った話らしいなあ~ 描写が細かい分テンポが遅そうだし、長いし疲れそうだな~

などと、最初の数十ページでさっさとめげました。

英語自体はスウェーデン語からの翻訳で、決して難しくないのですが、英語で750ページ近くを集中力をキープして読むのがjester的にはつらそうな展開だったのと、テーマ的に惹かれなかったのもあって、その時は本棚に戻したのでした。


でも映画が面白かったのです!
(映画の感想はJUNeK-CINEMAに書きました)

なので映画館の帰りに本屋に直行。
さっそく読み始めたら、これがまた、原作は映画より面白い!
もっと早くよんどけばよかった~~

でも、きっと原作を読んでから映画を見たら、映画評が辛い点になっただろうな~と思われるので、映画が先でよかったかもしれません。


最近は「やたらとテンポが速くて、先が気になるミステリー」も多くて、実はjesterが英語で読むにはこういうのじゃないと最後まで行きつけなかったりするのですが、この本は程よいテンポで、一緒に謎を解いていくという楽しみ方が出来ます。

映画では、はしょられた部分がかなりあり、それが原作では丁寧に書き込まれていて、事件の詳細やらリスベットやミカエルの心理などにも納得がいきます。

ジャーナリストであったスティーグ・ラーソンの文章は、正確で判りやすく、とても知的な印象を持てるもので、話しの組み立て方も巧妙です。

あらすじは
月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。だが、名誉毀損で有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れることになる。そんな彼の身元を大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが密かに調べていた。背中にドラゴンのタトゥーを入れ、特異な風貌をした女性調査員リスベットの働きで、ヘンリックはミカエルが信頼に足る人物だと確信し、兄の孫娘ハリエットがおよそ40年前に失踪した事件の調査を彼に依頼する。ハリエットはヘンリックの一族が住む孤島で忽然と姿を消していた。ヘンリックは一族の誰かが殺したものと考えており、事件を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠資料を渡すという。ミカエルは信頼を受諾し、困難な調査を開始する。 (アマゾン・ブックデータベースより 引用)

とまあ、こんな感じです。

主人公のミカエル中心に、入れ子の小箱のように、たくさんの話が綿密に組み立てられ、読むものを引き込みます。

今回、映画の後、早く読み終わりたかったので、日本語でまず読んだのですが、出だしがすぐに事件に発展せず、説明が細かくてなかなか動き出さない感じで、少々入り辛いのは、英語で読むのと同じ。

でも途中からぐいぐい引き込まれて、夜が更けるのも忘れて読みふけってしまいました。
これぞミステリーを読む楽しさの一つ。

反差別運動に取り組んだジャーナリストであったらしいスティーグ・ラーソンの視点は、男性が書いたにしては、かなりフェミニストの視点がはいっており、女性への暴力への怒りが感じられます。

「表紙に性差別的なイメージを絶対使わないでくれ」と編集者に要請したというところからもそれがうかがえます。

ところで、日本語版の表紙は「性差別的なイメージ」はどうなんでしょうか?

ペーパーバック版の表紙はこんな感じです。
jesterはこっちのほうが好きです。

(ペイパーバックでも日本語版ににた感じの表紙のもあるけど)



登場人物はみな魅力的。

社会派のジャーナリストである著者の考え方を反映していると思われる主人公ミカエルにまず共感できます。

そして、あらたなヒロインの誕生!と思わせたのが、リスベット・サランデル!

う~~む、そう来たか!とうなずいてしまう造詣です。

天才ハッカーにして、画像記憶能力に優れ、鋼のように鍛え上げられた体をもつが、人とのコミュニケーションは下手で、空気が読めず、アスペルガー症候群かと思われるほど。

トラウマになるような事件を幼少期に経ているらしく、社会的には後見人が必要とされている、社会的弱者でもある。

その外観は鼻にピアス、背中に龍のタトゥー。がりがりに痩せて小柄・・・・

なんと個性的なヒロインでしょう。

パトリシア・コーンウエルが作り出した検視官、ケイ・スカーペッタに出会ったときのように、ぞくぞくと来ました。

(その後、スカーペッタさんは二人称でかかれるようになってから失速しましたが。。。。)


女性への異常な虐待と暴力が中心で、動物への虐待なんかもあって、jesterには苦手な分野なんですが、リスベットの魅力でこのマイナスな部分がかなり相殺されました。


The Man Who Smiled (Vintage Crime/Black Lizard)

いままで、jesterにとってスウェーデンのミステリー作家というと、Henning Mankellさんのヴァランダーシリーズだったのが、新しい作家を発掘できて嬉しい!とおもったら・・・・


スティーグ・ラーソンさん、このミレニアム3部作を書いた後、発売を待たずに急逝なさったのですね・・・・

このシリーズも5部まで構想があったというのに、本当に残念!! でございます。



「君は永遠にそいつらより若い」 津村記久子

2010-02-07 | 読書
最近友人と会い、「なんかおもしろい本読んだ?」と聞かれ、頭の中で検索をかけた結果、しばし沈黙。

東野圭吾とか井坂幸太郎とかジェフリー・ディーバーとか、ま、そのような部類の『エンタテイメント』本は読んでますが、人に「おもしろかった」とお勧めしていいかというと、「(時間つぶしには)面白かった」というような本ばかりで・・・

君は永遠にそいつらより若い君は永遠にそいつらより若い
それでしばらく考えた後に、話題に出したのがこの本でした。

去年「ポトスライムの舟」で第140回芥川賞をとった津村記久子さんの処女作、「君は永遠にそいつらより若い」。

青春の群像劇のように始まるけれど、結局は「大学四年生、就職は地方公務員に内定済み、身長175センチ、処女」という、とっても地味で不器用で人付き合いに自信がなく、大きな夢はとっくに諦め、地味に生きる自分に諦観を持っている、どこにでもいるような(というか、今時はあまりいないのかも)女性、ホリガイが主人公で、彼女の魅力で最後まで読ませてしまう。


最初の数ページは、荒削りで若い文章に疲れて、最後まで読めないかも?と不安になるけれど、無口な女の子が、ぶつぶつと本音で語る語り口に、思わず耳をかたむけてしまう。
そのうちに、文体にも慣れてしまうから不思議。

等身大の大学生というと、たとえば北村薫の『円紫さんシリーズ』の『私』なんかを思いうかべる。

(当時は北村薫が覆面作家だったので、女子大生が書いているという噂が流れ、私も「この感性は絶対著者は女性だわ」と思っていたけれど、のちにカミングアウトした北村氏の写真を見て驚愕いたしました。ハイ。)

けれど、『円紫さんシリーズ』の女子大生は、やはりどことなく「男性の目からみた、理想の知的女子大生」なのかもしれない。


その点、ホリガイは、昔、吉本ばななが「キッチン」などで登場させた主人公たちの、自分や友達に似ていて、「なんとなくそばに置きたくなるなつかしい」ような若い女性像のようだ。


その上ホリガイのモノローグには、ばななの作品にちらちらと感じられるナルシズムが、まったくない。

カラッとしていて気持ちがいい。

そして、ホリガイの中には、道化のように自信なげに振舞いながらも、実は根底に誠実に相手を思う気持ちが流れている。


しかし彼女を取り囲む現実は、非常に厳しい。

無垢な弱者に、容赦なく浴びせられる、数々の暴力。
レイプや児童虐待。
行き場をなくした孤独感が呼び込むリスカットにはまり、またそれに魅せられる若者。

人を絶望させる、理不尽な暴力。

そういうものに、非力ながらなんとか抵抗し、被害者に力を貸そうと立ち向かう若い女性の姿は凛々しい。

その姿に、慰められ、未来を少しだけ明るくしてもらった気がする。


若者たちの話題の中心だとか、ホリガイが恋愛やら結婚にこだわるさまが、自分の学生の頃のそれとは全く違うな~と、世代格差を感じながらも、「君は永遠にそいつらより若い」というタイトルの意味が、ラストで胸に沁みてくる。

あたらしい感性との出会いに、心地よいショックを受けた本でございました。
良質の「文学」ならではの、こころよい読後感があります。

恥辱  Skam  by カーリン・アルヴテーデン

2008-07-19 | 読書
ミステリーでも謎解きが中心な物は、読んでいる時は面白いけれど、読み終わった後なんとなくむなしい気がします。
貧乏性なので「ああ・・・ 無駄に時間つぶししたな~」なんて思っちゃうのです。

だもんで、英語で書かれているものはなるべく英語で読んだりします。
それだと読み終わった後にあまりにおそまつな内容だったなと思っても、「ま、英語の勉強にはなったからいいか」と自分を納得させられるし。

でも、ミステリーでも人間心理が細かく追求されていると、う~~んとうならせられ、深く感動することも。

恥辱 (小学館文庫 ア 4-4)
 スウェーデンの作家、カーリン・アルヴテーデンの「恥辱」はそんな一冊でした。

サイコパスの残虐な連続殺人も、派手なレイプシーンも全くなし。

心に傷を負った二人の女性を中心に話が進みます。

38歳の女性医師、モニカ。
優秀な医者であり、責任ある地位にもついている彼女は、心から許しあえる男性トーマスとであったが、どうしても自分が幸せになれる自信がない。

50代の超肥満女性マイブリッド。
あまりに太りすぎて自分で体を起こすことが出来ず、ヘルパーなしには暮らせない障害者になっている。
しかし辛らつな皮肉でヘルパーを攻撃し、ヘルパーがどんどんやめてしまう。

モニカはトーマスと離れてある泊りがけのセミナーに出席することになる。

一方マイブリッドの元には、覚えのない女性から親密そうな手紙が届く。
しかもその住所は重罪な犯罪人が入る刑務所だった・・・・。

こんな出だしで、交互に話が展開するうちに、二人の子ども時代の事件が次第に浮かび上がり、そして思いもかけないところで二人の人生が交錯する。

非常に厳格な宗教者の家庭に育ったものの苦しさ、「性とは汚いもの」と思い込まされて育ったものの罪悪感、過失から愛するものを死に至らしめた心の傷。

どのキャラクターも深く描かれていて、自然に物語りに引き込まれ、主人公たちを見守るようになります。

そして、物語が終わった後、また初めのページに戻って読み返してみると、それぞれのシーンが切なくて、大きな苦しみを背負いながら、必死で生きようとする主人公たちに思わず涙・・・・。

彼女の作品はどれも人間が良く描けていて傑作ですが、これはその中でも1番好きな作品です。


三浦雄一郎さん、がんばれ!

2008-05-26 | 読書
三浦雄一郎さんの75歳でのエベレスト登頂、最後の難関、ヒラリーステップ・トライが今朝がたから始まったようです。

順調に行けばあと1~2時間とのこと。
はらはらと気がもめます。

今回、中国側がオリンピックの聖火をエベレスト登頂させるといって、中国側から登れなくしたり、聖火の登頂が終わるまで、他の人たちの登頂を禁止したりして、難航しました。
しかも6月には季節風が強くなり、登頂できなくなるということで、悪条件が重なり、やっとこぎつけた最終局面。

くしくも76歳の方が登頂されたので、世界記録にはならないということですが、そんなことは関係ないです。

頑張れ~~!!


101歳の少年101歳の少年映画『最高の人生の見つけ方』にレビュー(こちらの記事です)でも書いたのですが、雄一郎さんのお父様、三浦敬三さんを尊敬しておりました。

スキー・山岳写真関係者以外に三浦敬三さんの名を知らしめたのは、NHKで放送された「人間ドキュメント」の「96歳の大滑降」ではないかと思うのですが、jesterもこの番組の再放送かなんかを偶然みて、奥様がなくなった後も一人で家事すべてをこなし、健康に留意して食事を作ったりトレーニングを続ける姿に感動しました。

この番組の後、三浦さんの長寿の秘密を書いた本がたくさん出ました。
100歳、元気の秘密100歳「元気生活」のススメ―“一生元気”を実現する生き方の処方三浦家のいきいき長生き健康法三浦家の元気な食卓―驚くべきパワーの秘密、などなど。

何冊か読んだのですが、これらはどれもほとんど同じ内容で、(爆)
1冊読めばいいかな、という感じです。

ポジティブなわくわくした毎日を過ごす、病気や怪我になってもあまり医者に行かない、発芽玄米を食べる、サプリメントは飲まない(セサミンも!)、特製ドリンク(酢卵、牛乳、黄な粉、テンサイトウ、黒ゴマを入れたもの)を毎日飲む、海草を食べる、きくらげを食べる、魚を骨ごと圧力鍋で煮込む、トレーニングを欠かさない・・・

その中でおすすめは上に写真を貼った101歳の少年かな。
ただのハウツーじゃなくて、読み物としても、とつとつとした語り口に好感を持つし、面白いです。

百歳、山スキーと山岳写真に生きる百歳、山スキーと山岳写真に生きる写真と、山スキーについては、こちらの本も良かったです。
長寿ハウツーの内容はなく、スキーと山の話と写真。

特にヨーロッパの銀領の写真はモノトーンでもとても美しくて。

それと、山スキー世界でであった、気骨のある人々とのふれあいについてのエッセイも、味わいがありました。

川の光 (by 松浦寿輝) と癒し系CD

2008-05-17 | 読書
川が好きなjesterです。
海も好きなので、結局水が好きなんでしょうね。

以前疲れすぎて寝つきが悪かった時、CDで川のせせらぎの音をかけて寝ました。
ただただ、さらさらちゃぽちゃぽと流れるせせらぎの音。
どんなにひどく心が揺れていても、1時間ほどのCDを2回ぐらい聞くと、眠ることが出来ました。
(どうしても寝付かれずに東の空が明るくなってくるまで、何回も何回もCDをリピートして川のほとりにいたこともありましたが・・・最近はありませんです。)

川の光
この本を読むと、川のほとりに瞬間トリップできます。

『静かだった。
西の空はもうきれいな茜色に染まりはじめていた。川の水面はもうなかば土手の影に入っていたが、西日を浴びてきらきら輝いている部分もあって、そのあたりに目をこらすと、水中に転がる石や岩の回りで大小の渦を作りながら、水が意外に速く流れているのがわかった。いつの間にか空気が冷たくなっていた。』p5

と、夏の終わりの川岸にたって、しばらく耳をすませ、心を静める。

『そんなことはできないに決まっているけれど、もしあなたがまったく足音を立てずに歩けるのであれば、土手の急坂から川原に下りて、水ぎわの近くまで行ってみるといいと思う。
静かに静かに歩いていくのだ。』p6

そしてそっと草を掻き分けたとき見つける、直径十五センチほどのむくむくした灰色の毛の塊・・・・

寝ているネズミのタータとチッチを見つけたら、冒険の始まり!

川のほとりに住む、タータという少年ネズミと、弟のチッチ、そしてお父さんの3匹家族が川の暗渠工事で引越しをやむなくされ、冒険の日々が始まります。


芥川賞作家の松浦寿輝さんが書かれた児童文学(?)で、読売新聞連載中から話題になっていたらしいです。

さすがに新聞小説だけあって、次が気になるようにはらはらどきどきするストーリー展開で、大人でも最後まで楽しく読めます。
子供に寝る前に読んでやったら、次の夜が待ち遠しくて待ち遠しくて、わくわくしちゃうでしょう。

気のいい犬のタミー、気位が高いけど優しい猫のブルー、ドブネズミ帝国(爆)のボスや、反乱軍のグレン、ドラム、ガンツ、サラ、そして雀の一家やモグラの奥さん・・・・

と、子供が一生のお友だちに出来るキャラクターがいっぱいです。


jesterはファンタジーオタクですので、読み終わってみると、ストーリー展開の安易さは気になるのですが、小さい子供向けに、読書の楽しさを教えてあげるにはうってつけの本です。

(大人が楽しむファンタジーとしては、・・・・jester的にはもう一息ですね~
ま、川のほとりに立って癒しの時間を過ごすと考えて少しずつ読むのにはいいかもしれません。)


でもなぜ活字とかが大人向けの本なんだろう? どう考えても内容は小学生向きなのに・・・。

小学生が一人でも読めるような仕様の本が出版されるといいのにな、と思います。


せせらぎ
せせらぎ
ちなみに眠れない夜のお友だちはこんなCD。
ただただひたすら自然の音だけが入っています。


そういえばコレ系のCDはかなりたくさん持っています。

もともと自然音を聞くのが好きだったのですが、バンコクのエステ(お、jesterに不釣合いな場所)(でも実はマッサージしてもらうのが好きで、海外在住時は毎週行ってました。)でオイルマッサージしてもらっている時、Solitudesのシリーズがかかっていてとっても癒され、即「これ、タイトル教えて!」と頼んで、ささっとタイトルをメモ。
(またマッサージオイルが、森林・ハーブ系のいいにおいでとっても気持ちが良かったのでした)

ホテルの向かいのHMVでいろいろ買いました。


Forest Piano

だもんでSolitudesシリーズはいっぱい持っているのですが、なかで一番好きなのはこれかな。

自然の森の音に、静かなピアノが入っています。

深い森の中に響き渡る鳥の美しい声、せせらぎ、梢を渡る風・・・・
フィトンチッドはないけど森林浴気分。

夜もいいけど、朝に目が覚めたとき~朝ごはんの時に聞くと素敵な一日になります。
タイマーをセットして目覚ましに使ったりもします。

ただし音楽が入っているものは、何十回も繰り返して聞くと飽きがきますよね。


ヒーリング・ウォーター

その点、自然音だけのものは良いです。
これもかなりお気に入りです。

このシリーズ、他にヒーリング・シー、とフォレストがあるのですが、どちらも大好き。
深夜などに文章を書いていて、静か過ぎて耳がおかしくなりそうだけど、音楽は思考の邪魔になる時、集中して読書したい時にも静かにかけておくと心が落ち着きます。

あ~それと、このシリーズをかけつつお風呂にはいるのも大好き。
日本で手に入るものの中ではかなり上位にはいる「癒し系」自然音のCDです。

「癒し系」自然音のCDって聞いてみないと好き嫌いがわからないので、ジャケット買いして聞いてみて全然だめっていうものも多いのですけれど。



それから「Ocean Wanderer」という、海の音のCDが好きで、途中で海の中で鳴いている鯨の声が入っているのですが、この鯨の声がなんとも寂しげに響いて、聞くたびに、涙がぽろぽろでるのです。

このCDもご紹介したくて検索してみましたが、昔海外で買ったCDなので今は販売されてないみたい。
アメリカのアマゾンにもありませんでした。

それと「Tropical Sea」というのもよく聞きます。(これもアマゾンには無しでした)

「今私は、オーストラリアのゴールド・コーストの海に面した部屋のベッドで寝ているの~
明日は朝から浜を散歩しよう♪」
なんて考えながら寝るのです。
いろいろと気が重いときには良く効くんですよ!
(実際はゴールド・コーストの潮騒はうるさいほどで、慣れるまでは窓を閉めて寝ないと眠れないほどですが・・・ 家族Aは「海がうるさすぎて眠れね~!」といつも怒ってました。 あんたのいびきのほうがず~~っとうるさいし。)


さ、これで、jesterがどんなに暗いヤツだかがよおくおわかりになりましたね?(爆)