火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

磁気を待ちましょう

2013-03-31 12:08:08 | MAVEN

3月14日のNASAのMavenNewsで「The Particles and Field Package」が完成して探査機に組込まれたとの報告がありました。

そして、3月26日のMavenNewsで「The Particles and Field Package」の6個の測定装置の一つであるMAG(Magnetometer)の情報がありましたのでメモしておきます。

ビデオを見ると探査機の組立ての一部の状況を垣間見ることが出来て興味深いですね。
結構、町工場的な印象もあります。

地球と火星の長い歴史を比較する上で「現在の環境の違いがなぜ生じたか?」非常に興味あるところです。
その仮説として、現在も地球には、全球的磁気圏が健在なのに比べ、火星には、上図のように部分的な磁場しかないことが上げられます。
惑星の磁界を研究する重要性は、火星が何十億年も前に全球的な磁界を失ったために太陽風が大気を裸にし、乾燥した惑星となったという理論に基づいてます。
MAVENのMAGは、火星の現在の磁気によるシールドの状態をより正確に測定してくれることでしょう。
その情報によって火星がなぜ現在のような乾燥しきった惑星となったかという問いに対する答えの重要なヒントになると期待されています。 

MAVENの火星周回軌道は、下図の通りかなり楕円軌道となります。このことで火星の磁気との相互作用を測定しやすくなると言うことです。
MAGに存分な働きをしてもらうためには、探査機そのものが磁気的にきれいな状態である必要が有りますので、そのために細心の注意を払っているそうです。
打上げは、2013年11月18日から12月7日の間で実施される予定です。
2014年9月火星軌道へ到達します。 楽しみです。


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休憩前のひと仕事

2013-03-23 11:54:45 | MSL

セーフモードに入っていたCuriosityが3月19日復活しました。
エンジニアが問題究明をしたので、今後は、問題発生を防げるとのことです。
まずは、システムチェックを行い、その後、火星が合に入る前の一仕事をするそうです。
ロボットアームを使用し、Sol193にサンプルを採取したサンプルの3倍の量を採取してSAMで有機物炭素をより詳しく分析します。
合は、4月19日ですが、太陽に近づくため安全をみて4月4日から5月1日の間は、Curiosityと連絡が取れなくなります。
その前のひと働きとなります。結果が楽しみですね。

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いろいろ出てきましたね~

2013-03-20 23:14:14 | MSL

3月19日2時 JST に行われた「the 44th Lunar and Planetary Science Conference(LPSC)」でCuriosityの先週13日のnews conference で発表されなかったデーターがたくさん出てきました。
'Yellowknife Bay'で見られる堆積岩は、初め玄武岩質の岩が破片になり、運ばれ、堆積粒子として再堆積して、そして、水に晒されることで鉱物学的な変成を受けたことで形成されたものだろうとのことです。

1.APXSによる'Yellowknife Bay' の岩の測定結果
静脈状の部分、ブラシを掛けない岩、ブラシを掛けた岩といろいろな部分の測定をした結果です。
静脈状の部分は、硫黄とカルシウムが顕著に多いです。岩の表面は、ブラシをかける前と後とで硫黄の含量に変化が見られますね。

2.MastCamのフィルターによる測定
下図は、Sol133にMastCamによって撮影された "Knorr."と呼ばれる部分の画像です。
明るいトーンの結節や静脈が見られます。画像の幅は、約25cmです。

下図は、MastCamによって"Knorr."の母岩と静脈部分を測定した結果です。測定位置を図の下段の画像で示しています。
横軸が光の波長(可視光から赤外まで)で縦軸が反射率です。
右にある縦長のカラムは、静脈部分の750~1050nmの範囲の測定結果と含水鉱物のスペクトルと比較したものです。
参照スペクトルは、the U.S. Geological Survey's Spectral Library と the University of Winnipeg Planetary Spectrophotometer Facilityからのものです。

下図は、"Knorr."でMastCamによって撮影された近赤外分光分析強度の画像です。
近赤外分光分析強度の比率によって鉱物の水和の量を示します。
右側のカラースケールは、水和の計算された相対的強弱度の色の割り当てを示します。
画像は、岩の中で水和のより強いシグナルが青白い静脈および光の調子をもった結節に関係していることを示します。
この画像は、Sol133に撮影されました。

 

下図は、"Tintina," でローバーの車輪によって壊れた岩の断面を示します。
明るい物質は、静脈部分のものと同一かもしれません。
岩の大きさは、約3cm×4cmです。Sol160に撮影されたものです。

 

下図は、上図と同じTintina," でMastCamによって撮影された近赤外分光分析強度の画像です。
近赤外分光分析強度の比率によって鉱物の水和の量を示します。
Sol162に測定されたこのデータは、Mastcamによる一連の狭い周波帯のフィルタを通した観測結果です。

下図は、"John Klein"での反射率の測定場所と測定結果を示したものです。
左図の撮影は、Sol183に"John Klein"で行われたものです。
左の画像は、測定場所を示しています。
右の図は、可視光から赤外の12枚のフィルターを使用して反射率を測定したものです。

下図は、ラボで測定された鉄含有鉱物のスペクトルと上図の測定結果とを比較の為並べたものです。
左のグラフは、ラボのデーターで、酸化鉄鉱物(赤いカーブおよびオレンジのカーブ)のスペクトルと典型的玄武岩質火山岩の比較的酸化されていない鉱物(輝石:緑のカーブおよび青いカーブ)のスペクトルを示します。

 3.DANによる測定結果
下図は、横軸がCuriosityの走行距離で縦軸がDANによる測定値です。
また、青い折れ線が「Active data」で赤い折れ線が「Passive data」です。
*Active data:DANが地面に中性子を打ち込んでその反射を測定。
*Passive data:銀河宇宙線等による中性子の地面からの跳ね返りを測定。

下図は、DANが0.5mの深さまで測定可能なことを利用して、測定場所ごとに表面近くに水分が多いか深いところに水分が多いかを示しています。

下図は、Curiosityの移動に沿って検知された水の深さにおける変化を示します。
最下段のグラフを見ると"Yellowknife Bay" エリアで60cmの平均含水量が約3パーセントと見積もられることがわかります。

下図は、岩露頭(spot#39)と固まっていない土(Spot#40)で水の存在の比較をしています。
結果は、岩露頭より土の方がより多くの水があることが分かりました。

 

今回の報告を見ると、良い準備の元に計画されたことを着実に積み重ねることが大切だと改めて思います。
そしていろいろ見えてきたわけですね。

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ESAとロシア正式合意!米もサポート

2013-03-17 22:54:31 | EXOMARS

3月14日のESAの発表によりますとESAとロスコスモスがExoMarsを協同で開発することで正式に合意したとのことです。
2016年、2018年に計画されている2つのミッションを協同で実施します。
SpaceRefにも同じ記事が載っていますが、ミッションの概要のメモがあり親切です。


ESA のJean-Jacques Dordain事務局長と RoscosmosのVladimir Popovkin長官がESA本部(パリ)でサインしているところです。

火星に生命がかつて存在したことがあるかどうか確証することは、現代において顕著な科学的な問かけでありExoMarsプログラムの最も高度な科学的優先事項のうちの1つだとのことです。

*ESAは、以下の提供をします。
2016年度:the Trace Gas Orbiter (TGO)と the Entry, Descent and Landing Demonstrator Module (EDM)
2018年度:the carrier と rover
*ロスコスモスは、以下の提供をします。
2016年と2018年の打上のためプロトンロケット
2018年の降下モジュールと地表プラットフォーム
*両パートナーは、科学機器を供給し、ミッションの科学的な開発に緊密に協力します。

下図は、TGOです。
TGOは、活発な生物学または地質学のプロセスのサインであるメタン及び他の大気中のガスの調査をします。
また、2018年のミッションでデーターの中継をする予定です。


EDMは、2018年のミッションのための重要な技術を証明するために火星に着陸します。

下図は、2018年のローバーです。現在もしくは過去の生命の証拠を調査します。
地下深く約2m掘ることができるので、宇宙線やオキシダントの影響を受けていないサンプルを採取できるでしょう。
このローバーは、ロシアの降下モジュールで火星の地表まで運ばれる予定です。
降下モジュールには、科学機器を装備した地表プラットフォームが含まれています。

「ExoMarsの2つのエキサイティングなミッションでヨーロッパとロシアが産業界と科学者達を含め協力し合うことは、将来の国際的ミッションのじゅんびとなるし、新技術の開発にも繋がる。ソユーズに次ぐ重要なプロジェクトになるだろう。」とのことです。
今後の宇宙開発が国際協力の下で行われるのが当たり前になっていく歴史的な実験といえるでしょうね。
NASAも全く知らん振りということではなく、TGOにthe Electra UHF radio package、EDMにMars Proximity Link telecom と engineering supportを供給するとのことです。
2016年1月の打上に向けてExoMarsは、まさに国際協力の実験場となります。

ExoMarsに続いては、火星からのサンプルリターンという大目標が控えているということですから
ワクワクしますね~

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第44回LPSCでCuriosityの報告があります。

2013-03-16 12:21:44 | MSL

the 44th Lunar and Planetary Science Conference(LPSC)でCuriosityのScience briefingsが行われるそうです。
Curiosityについては、3月18日10時 PDT(19日2時 JST)にhttp://www.ustream.tv/nasajpl で見られます。
3月19日10時には、GRAIL and NASA's Lunar Reconnaissance Orbiterの報告が有りますね。
LPSCの主催者は、Lunar and Planetary Institute (LPI) と Universities Space Research Association (USRA)です。

現在までのまとめが聞けるのでしょうか?楽しみですね。

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小野さん!お帰りなさい!

2013-03-16 11:44:11 | 火星協会

小野さんが参加したCrew 125 - EuroMoonMarsB‎ は、MDRSでのミッションを完了しました。
Final Mission Reportが発表されています。
summaryは、以下の通りです。

ミッションは、遂行された!
Crew125(EuroMoonMars-B)は非常に成功した2週間の火星/Galeクレーターミッションのシミュレーションを完成しました。
私たちは、MDRSでの時間を愛しており、私たちの科学的目標がすべて達成されたことを発表できて、うきうきします。
私たちは、habにおいて素晴らしい国際的なチームであり、素晴らしい天候に恵まれて、ちょっとしたエンジニアリングの課題だけを持っていました。
私たちは、互いから学習して、Greenhabの中で、およびもちろんプラントを世話することに加えて、科学と芸術の楽しいミックスを楽しみました。
私たちは、次の数か月間、互いに私たちのデータがパートナーおよび域外パートナーに伝わるように協力しあうことを楽しみにしてます。
必要なら提供され、そしてピア・レビューされたジャーナルの中で公表されることで、科学界は、私たちの発見物から利益を得られることでしょう。

小野さんから日本火星協会へメッセージを頂いてますので、以下に紹介します。
「前略~今回、第2回目となるMars Desert Research Station (MDRS) への滞在では、EuroMoonMars B Crew 125のクルー・ジャーナリストおよびヒューマン・ファクター・リサーチャーを務め、改めて適職だったと感じています。
前回2011年の滞在に引き続き、居住性プロジェクトの実施を請け負い、自然音の効果についての今後の研究成果発表にも繋がる貴重な機会となりました。
2011年はEuroMoonMars A Crew 100の後のクルー、EuroMoonMars Bで機材が壊れ充分なデータが得られなかったため、今回、被験者数を増やす為、追加の実施を行う流れとなり十分な成果を得ることができました。
今後も、人類の火星到達や長期滞在への貢献、そして宇宙での更なる発展に向けて頑張ります。」

着実に実績を積んで進化を続けている小野さん!頑張りました!

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ドンピシャ 大当たり!

2013-03-14 22:44:56 | MSL

NASAは、13日2時(JST)に開催されたnews conference でSol193に採取された岩石のサンプルを分析した結果を発表しました。
今回の結果からNASAは、火星に過って生命が存在した可能性のある環境と成分があったことを発見したとしています。
Galeクレーターは、まさにドンピシャな場所だったわけですね!
当面、ここ"Yellowknife Bay"に居座るようです。化石とか見つけて欲しいものです。

ChemMinとSAMによる分析で硫黄、窒素、水素、酸素、リン、炭素の6元素を確認し、更に粘土鉱物、硫酸塩鉱物を確認しました。
今回の手がかりから、 "John Klein" は、古代の河の末端であったか断続的に形成された湖底であったと考えられます。
岩は、粘土鉱物、硫酸塩鉱物および他の化学物質を含んでいるきめの細かい泥岩から構成されます。
この古代のぬれた環境は、火星の他の場所と異なり、激しく酸化しておらず、酸性または、非常に塩分の多い状態でもなかったということです。
粘土鉱物は、サンプル中に20%程度含まれていました。
これらの粘土鉱物は、大体が橄欖石のような火成鉱物と真水との反応の結果生じたものです。
その反応は、堆積鉱床内に、沈殿物の輸送の間に、あるいは沈殿物の発源地でそれぞれ生じる可能性があります。
粘土中の硫酸カルシウムの存在は、土が中性かややアルカリであることを示唆します。

上図は、ChemMinによる "Rocknest"(左)と "John Klein"(右)のサンプルの分析結果です。

"John Klein"ドリル・パウダー中の豊富な粘土鉱物の存在および塩の不足は、真水環境を示唆します。
マグネシウムではなく硫酸カルシウムあるいは硫酸鉄(NASAの火星探査ローバーOpportunityがMeridiani Planumで見つけたのと同様に)の存在は、温和なアルカリから中性のpH環境を示唆します。
鉱物学的には、湖の(湖底)環境を示唆します。
X線回折分析は、豊富なphyllosilicate(比較的純粋で中性のpHの水の活動によって生ずるsmectitesと呼ばれる粘土鉱物)、斜長石長石、輝石、磁鉄鉱および橄欖石を明らかにします。
または、この鉱物の集団を形成するために、粘土鉱物は、高い所から流れた水によって下流の扇状堆積物として輸送されたのかもしれません。
ラベルは、phyllosilicatesを示すパターンの場所に付けられてます。
データは、小量の無水石膏およびbassaniteをも示します。更に、約20パーセントの非晶質を含んでいます。

"Rocknest"サンドは、干潮活動での乾燥した、風成による(風で形づくられる)環境を示唆します。
左側上で見られるように、Rocknestデータは、豊富な斜長石長石、輝石および橄欖石鉱物を明らかにします。
少量の磁鉄鉱および無水石膏を明らかにします。
さらに、25-35パーセントの無定形あるいは非晶質の物質を含んでいます。

上図は、SAMによる分析結果です。
水、二酸化炭素、酸素、二酸化硫黄、および加熱でリリースされた硫化水素の存在を示します。
この結果は、スメクタイト粘土鉱物と一致します。

最初の分析は、835℃でクオーツ・オーブン中のサンプルを熱し、リリースされたガスをSAMの四重極質量分析計(QMS)を使用しました。
5つは、グラフの中で示されます。
これらは、水、二酸化炭素、酸素、および2つの硫黄の形態(二酸化硫黄、酸化型および硫化水素(還元体))の特徴を示します。

分析の第2のステップは、水と二酸化炭素の両方の、炭素、酸素および水素のアイソトープを測定するために波長可変レーザー分光(TLS)に放出されたガスの一部を送ることでした。
重水素(水素の重い形式)と軽水素との比率は、"Rocknest" のサンプルでの結合水で測定された重水素と軽水素との比率より低かった。
火星大気中の水の中の重水素-水素の比率は、地質年代の間、一定間隔でより急速に逃げた軽い水素の証拠です。
したがって、岩から放出された水の中の重水素を測定することは、火星の水の年代を調査するために使用することができる1つのツールです。

分析の第3のステップは、SAMの3番目の道具、ガスクロマトグラフへ取り込まれたガスを注入することです。
個別化合物は、この道具中の長いキャピラリーカラムの中で分離し、次に、QMSへ導入されます。
ガスクロマトグラフ質量分析計は、有機化合物分析の為の最良のツールです。 

上図は、SAMのガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)による分析結果です。
単純な炭素を含んでいる化合物、クロロ-そしてジクロロメタンを検知しました。

左の青いピークは、クロロメタンの存在を示し、右の2つの赤いピークは、ジクロロメタンの存在を示します。
"John Klein"ドリル・パウダーは、加熱されました。
また、放出されたガスのうちのいくらかはGCMSのキャピラリーカラムに導入されました。
異なる合成物がガスクロマトグラフ・カラムを出て、質量分析計を入力した時、および質量分析計の中で生まれたパターンが、分子の同一性を示しました。

SAMによる分析は、Sol200(地球で2月27日)に行われました。

"Yellowknife Bay" に何時まで止まるかは、現時点で決まってはいません。
でも、4月19日には合となるのでその後になる可能性が高まったようですね。じっくり、やりましょう!

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それでも、なお自然と共に!

2013-03-11 14:40:07 | 出る月を待つべし
つなみ THE BIG WAVE
クリエーター情報なし
径書房

東北地方太平洋沖地震から2年となります。
亡くなられた方々のご冥福を改めてお祈りいたします。

昨年、パール・バックの「つなみ」の朗読を聞き、強い印象を受けましたので、紹介します。
NHKラジオで3.11を挟んで2週にわたって全編を紺野美沙子さんの語りで放送されたものです。
この本は、1792年に起きた雲仙普賢岳の噴火に伴う大津波、いわゆる「島原大変肥後迷惑」を題材にしており、1947年に出版されたものです。
アメリカの作家が書いたものですが、私たちに、この美しい日本の自然と共にあることの幸せを大いに感じて、自然を恐れず、避けたりせずに、しっかりと向き合うことが大切であることを語りかけているようです。
書評は、こちら

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寝たふりも大変!

2013-03-08 11:22:03 | MSL

いよいよ、Sol193にChemMinとSAMに投入された岩石の内部のサンプルの分析結果が発表となるようです。
3月12日10時 PDT(13日2時 JST)にnews conferenceが行われるとのアナウンスがありました。

Curiosityは、どうしているかというと、コンピューターをA-sideから B-sideへ変更したことで正常に機能回復していますが・・・
7日4時(EST:16時 JST)のFaceBookの情報によりますと、5日に観測された太陽嵐の発生に対応して、現在スリープ状態になっているとのことです。
Curiosityは、基本的には過酷な宇宙の環境に耐えられるように造られていますが、コンピューターの不具合があったばかりなので大事を取るとのことですね。

下図は、2012年8月に観測された太陽からのプラズマの噴出の様子です。

とにかく、13日早朝の発表を楽しみにしてます。

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小野さんを応援しましょう!

2013-03-07 22:06:58 | 火星協会

MDRSで12回目のシーズンの活動が順調に実施されています。
現在は、「EUROMOONMARS B」チームが2月23日から3月9日の間で活動中です。
そのメンバーとして小野綾子さんがHUMAN FACTORS/CREW JOURNALISTとして参加しています。
小野さんは、欧州宇宙機関(ESA)でartist residency(芸術家医学研修期間)を終了しました。また、彼女の宇宙楽器は、2012年2月10日にISSで演奏をした実績が有ります。

小野さんのリードでCrew全員で瞑想をしたり音楽を楽しみ、その後、更にガーデニングと食事を楽しんだとのことです。
CommanderのMelissaさんがレポートしています。その中で小野さんのことを非常に高く評価しています。
Melissaさんによれば、火星への長いミッションを乗り切るために、趣味や創造的な娯楽が必要だということを再確認したとのことです。
今回のミッションで小野さんが果たした役割について感謝の意を述べていますね。

小野さんが実力を存分に発揮されたようですね。頼もしい限りです。
下図がそのときの食事の様子です。

メニューは、鳥のココナッツカレーとライスプディングです。
左からCsilla Orgelさん(GEOLOGIST)、HANS VAN T'WOUDさん(MAPPING RESEARCHER, Health & Safety Officer (HSO) )、MATTHEW CROSSさん(ROVER ENGINEER )、MELISSA BATTLERさん(COMMANDER, CREW GEOLOGIST)、AYAKO ONOさん(HUMAN FACTORS/CREW JOURNALIST)です。
もう一人のVOLKER MAIWALDさん(XO, HABITAT ENGINEER)が写真を撮っているようですね。

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火星通過は2014年10月19日

2013-03-06 13:40:40 | Weblog

惑星協会のEmily Lakdawallaさんのブログで2月27日3月5日(CST)に亘って彗星C/2013 A1(Siding Spring)について詳報されています。

「C/2013 A1」は、黄道の南から上昇してきて火星の進行方向と反対方向へ通り過ぎると予想されています。
最接近距離は、約41,000kmとなる予想です。
この数字は、お互いの中心距離からの数字ですので、火星表面からとしますと38,000km以内に接近することとなります。
下図は、EmilyさんがJPLのデーターを基に作成したものだそうです。

火星には、現在静止衛星はありませんが、静止衛星軌道は、20,000km以内となります。
2月16日に地球近傍を通過した小惑星「2012 DA14」は、27,700kmと地球の静止衛星軌道の内側を通過したのですから、「C/2013 A1」が火星に及ぼす影響は、少ないと考えられます。
しかしながら、「C/2013 A1」は彗星であり、太陽に近づくために生成するコマが約100,000kmの長さとなる見込みです。
そのコマは、火星から遠ざかる方向に棚引くようですので、これは安心材料ですが、彗星本体から噴出した粒子が火星探査機へ影響を及ぼす可能性があるか無いかが懸念として残っているとのことです。

粒子の大きさは、ミリメートル以下から数センチメートルの範囲で密度も低いので火星周回機に影響が出ることは、少ないということです。
しかしながら、彗星と火星との相対速度は、秒速56kmとなるとのことです。大変だ!
火星で発見されている最小のクレーターは、10cmです。
ある研究によれば、表面へ到達することができる最も小さな物体は、直径約5ミリメートルということです。

地上の探査機への影響があるのではないかとEmilyさんは、懸念して天文学者のMike Kelleyさんに問い合わせたそうです。
結果は、現時点では、何も劇的なことは起こらないだろうというものでしたが、来年10月19日に近くなったら再度計算しなおしたいとも言っています。

Emilyさんは、火星探査機による彗星「C/2013 A1」の撮影が行われることを確信していると言ってます。
Curiosityたちがやってくれると信じてます。
どんな画像でしょうか?楽しみですね。
火星からの天体観測の始まりかも知れませんね!

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風邪引きか?頑張れ!

2013-03-03 21:16:07 | MSL

28日のWhat'sNewによりますとCuriosityのコンピューターのメモリーに問題が生じた為、予備のコンピューターへの切り替えを実施しているとのことです。
多くの探査機は、2系統のコンピューターシステムを搭載しており、Curiosityも A-side と B-sideの2系統を持っています。
地球から火星への飛行中は、B-sideが使用されていました。
そして、2012年8月に火星着陸後から先週の水曜日までは、A-sideが使用されていたわけです。

Sol195にChemMinへ、Sol196にSAMへ投入されたサンプルの分析結果が28日(JST)に送られてくる予定だったそうです。
*Sol195=2月22日 JST、Sol196=2月23日 JST
異常を確認した後、2月28日19:30 JSTにコンピューターは、セーフモードになっています。
A-side から B-sideへ切り替えを行うと共にA-side の復旧も試みているそうです。頑張れ!
分析結果への影響が無いと良いですが・・・

余談ですが、奇しくも事務局も27日に風邪を引いて寝込んでしまいました。
私の方は、順調に復旧しつつあります。

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