火星への道

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ドンピシャ 大当たり!

2013-03-14 22:44:56 | MSL

NASAは、13日2時(JST)に開催されたnews conference でSol193に採取された岩石のサンプルを分析した結果を発表しました。
今回の結果からNASAは、火星に過って生命が存在した可能性のある環境と成分があったことを発見したとしています。
Galeクレーターは、まさにドンピシャな場所だったわけですね!
当面、ここ"Yellowknife Bay"に居座るようです。化石とか見つけて欲しいものです。

ChemMinとSAMによる分析で硫黄、窒素、水素、酸素、リン、炭素の6元素を確認し、更に粘土鉱物、硫酸塩鉱物を確認しました。
今回の手がかりから、 "John Klein" は、古代の河の末端であったか断続的に形成された湖底であったと考えられます。
岩は、粘土鉱物、硫酸塩鉱物および他の化学物質を含んでいるきめの細かい泥岩から構成されます。
この古代のぬれた環境は、火星の他の場所と異なり、激しく酸化しておらず、酸性または、非常に塩分の多い状態でもなかったということです。
粘土鉱物は、サンプル中に20%程度含まれていました。
これらの粘土鉱物は、大体が橄欖石のような火成鉱物と真水との反応の結果生じたものです。
その反応は、堆積鉱床内に、沈殿物の輸送の間に、あるいは沈殿物の発源地でそれぞれ生じる可能性があります。
粘土中の硫酸カルシウムの存在は、土が中性かややアルカリであることを示唆します。

上図は、ChemMinによる "Rocknest"(左)と "John Klein"(右)のサンプルの分析結果です。

"John Klein"ドリル・パウダー中の豊富な粘土鉱物の存在および塩の不足は、真水環境を示唆します。
マグネシウムではなく硫酸カルシウムあるいは硫酸鉄(NASAの火星探査ローバーOpportunityがMeridiani Planumで見つけたのと同様に)の存在は、温和なアルカリから中性のpH環境を示唆します。
鉱物学的には、湖の(湖底)環境を示唆します。
X線回折分析は、豊富なphyllosilicate(比較的純粋で中性のpHの水の活動によって生ずるsmectitesと呼ばれる粘土鉱物)、斜長石長石、輝石、磁鉄鉱および橄欖石を明らかにします。
または、この鉱物の集団を形成するために、粘土鉱物は、高い所から流れた水によって下流の扇状堆積物として輸送されたのかもしれません。
ラベルは、phyllosilicatesを示すパターンの場所に付けられてます。
データは、小量の無水石膏およびbassaniteをも示します。更に、約20パーセントの非晶質を含んでいます。

"Rocknest"サンドは、干潮活動での乾燥した、風成による(風で形づくられる)環境を示唆します。
左側上で見られるように、Rocknestデータは、豊富な斜長石長石、輝石および橄欖石鉱物を明らかにします。
少量の磁鉄鉱および無水石膏を明らかにします。
さらに、25-35パーセントの無定形あるいは非晶質の物質を含んでいます。

上図は、SAMによる分析結果です。
水、二酸化炭素、酸素、二酸化硫黄、および加熱でリリースされた硫化水素の存在を示します。
この結果は、スメクタイト粘土鉱物と一致します。

最初の分析は、835℃でクオーツ・オーブン中のサンプルを熱し、リリースされたガスをSAMの四重極質量分析計(QMS)を使用しました。
5つは、グラフの中で示されます。
これらは、水、二酸化炭素、酸素、および2つの硫黄の形態(二酸化硫黄、酸化型および硫化水素(還元体))の特徴を示します。

分析の第2のステップは、水と二酸化炭素の両方の、炭素、酸素および水素のアイソトープを測定するために波長可変レーザー分光(TLS)に放出されたガスの一部を送ることでした。
重水素(水素の重い形式)と軽水素との比率は、"Rocknest" のサンプルでの結合水で測定された重水素と軽水素との比率より低かった。
火星大気中の水の中の重水素-水素の比率は、地質年代の間、一定間隔でより急速に逃げた軽い水素の証拠です。
したがって、岩から放出された水の中の重水素を測定することは、火星の水の年代を調査するために使用することができる1つのツールです。

分析の第3のステップは、SAMの3番目の道具、ガスクロマトグラフへ取り込まれたガスを注入することです。
個別化合物は、この道具中の長いキャピラリーカラムの中で分離し、次に、QMSへ導入されます。
ガスクロマトグラフ質量分析計は、有機化合物分析の為の最良のツールです。 

上図は、SAMのガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)による分析結果です。
単純な炭素を含んでいる化合物、クロロ-そしてジクロロメタンを検知しました。

左の青いピークは、クロロメタンの存在を示し、右の2つの赤いピークは、ジクロロメタンの存在を示します。
"John Klein"ドリル・パウダーは、加熱されました。
また、放出されたガスのうちのいくらかはGCMSのキャピラリーカラムに導入されました。
異なる合成物がガスクロマトグラフ・カラムを出て、質量分析計を入力した時、および質量分析計の中で生まれたパターンが、分子の同一性を示しました。

SAMによる分析は、Sol200(地球で2月27日)に行われました。

"Yellowknife Bay" に何時まで止まるかは、現時点で決まってはいません。
でも、4月19日には合となるのでその後になる可能性が高まったようですね。じっくり、やりましょう!

コメント (3)
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