火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

明るく輝くエリュシウム山!

2011-08-25 22:05:30 | 火星地形
8月24日、火星通信の#388がアップされました。
下記に目次を示します。
・巻頭エッセイ:暗斑状のエリュシウム山は地球上から検出できるか (クリストフ・ペリエ、近内 令一)

・09/10 CMOノート(16):ビル・フラナガン氏によるヘスペリアの朝雲の検出(南 政次)

・09/10 CMOノート(17):デウテロニルスとマレ・アキダリウムの間の明帯について(南 政次)

・09/10 CMOノート(18):森田氏によるタルシス地方からアルカディアに掛けてのワイン色の検出(南 政 次)

・Ten Years Ago (195): CMO#249 (2001年八月10日号) (村上 昌己)

・Ten Years Ago (196): CMO#250 (2001年八月25日号) (村上 昌己)

・火星観測のための物理暦表:2011年九月用 (村上 昌己)

・LtE(和文)

・ 編集後記 (火星課長:村上 昌己)

今回の巻頭エッセイは、エリシウム山(Elysium Mons)とヘカテス丘陵(Hecates Tholus)について、火星通信の方々が地球上からの観測で観測できたかを検証しています。
同じ火山でもオリンポス山やタルシス三山と比べると規模が小さいので地球上からの観測はかなり大変な様子です。


上記の画像は、Mars Global SurveyorのMOLA(The Mars Orbiter Laser Altimeter)による火星の立体地形の高さが色分け表示されている(白色が最も高い)画像です。
画像の北半球の左端にある山がオリンポス山で右端にあるのがエリシウム山です。エリシウム山の少し右上にあるのがヘカテス丘陵です。
オリンポス山とエリシウム山は、高さが9kmほど違います。比率で言うと約64%となります。

「地球からのプロ機材による成果」ということで、ハッブル宇宙望遠鏡の1995年の画像とピク・デュ・ミディ天文台で2007年11月に撮られたエリシウム山の画像が紹介されています。
かなり、鮮明なもののオリンポス山などと比べると小さな点ですね。
火星通信のメンバーの観測では、2007年の接近時に良い画像が得られています。
それ以前は、惑星撮像システムがまだ未発達で良い画像が得られていないとのことです。
2003年は、大接近だったのですが、残念ですね。
2012年は、小接近なので期待薄ですが、2014年は2007年より少し遠いくらいですので期待できませんかね・・・
村上さんは、かなりの年数を待たないと良い画像が得られそうもないと仰ってます。
良い画像を得る為の条件は、下記3条件です。
①より近づくこと(視直径が大きい)
②山岳雲の活動の影響がないこと
③火星の地球に対する傾き具合が良いこと

今回のお話も、かなり専門用語が多く事務局には、難解でしたが、結論から言うと「それらしい画像は得られているが、立体陰影像効果が分かるハッキリした画像は、得られていない。」ということです。
でも、火星通信の方々は、かなり健闘していると思いました。
因みに、エッセイの中にDamian PEACHさんが2007年11月16日の00:22UTから03:04UTの長時間、R画像シリーズを撮ったものが図6で紹介されています。
図6について村上さんが、「エリシウム山の立体陰影の変化が見えますかね?それとも見えないですかね?」と質問されていますので、是非見て投稿してください。
事務局は、立体的に見えましたが、立体陰影の変化とまで言えるかどうか自信がありません。

データです。

①エリシウム山(北緯25°、東経147°
標高16km

②オリンポス山(北緯18°、西経134°)
標高25km

図6の時刻は、UTが使われています。UTとは、「辞書:科学用語の基礎知識 科学編 (NSCI)」によりますと下記の通りです。

「天体位置の観測に基づき計算された、天文学的な時刻。かつてのGMT(グリニッジ標準時)の現代的定義として1928(昭和3)年に登場したもので、世界各地における観測値を元に決定される。
現在標準時として用いられているUTC(協定世界標準時)と厳密には一致しないが、それを補正する基準として用いられている。」
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火星の洞窟探検

2011-08-20 17:31:09 | 火星地形

8月19日のMarsTodayにMROのCTXカメラチームが火山のPavonis Monsのスロープにあるクレーターの暗い点を今年の前半に見つけ、HiRISEでその特徴を調査した結果が報告されています。
Pavonis Monsは、Tharsis三山の真ん中の火山です。
写真の場所は、北緯3.7°、東経111.5°です。
地下に繋がる穴は下記の通り、大きな画像はここにて。



ダークスポットは、溶岩洞窟に開いた天窓であることが分かりました。
天窓は、直径約35メートルで深さ約20メートルと推定されます。
今のところ、それ以上の情報はなさそうですが、HiRISEで今年の後半に2回目の撮影を予定しています。
その画像によって立体的な画像が得られ、より詳しい情報が報告されるようです。
期待しましょう。

ちなみに火山洞窟学会によりますと、火山に見られる火山洞窟(溶岩洞窟)には、下記の5種類があるとのことです。
1.溶岩流の中に出来る玄武岩溶岩洞窟
2.溶岩流の中に出来る安山岩洞窟
3.火砕流の凝灰岩の中に出来る凝灰岩洞窟
4.噴火口の底に出来る噴火口洞窟(Pit Cave)
5.割目噴火口に出来る割目噴火口洞窟(Rift Cave)の5種類があります。

本日の、NHKのワンダー×ワンダーに火山洞窟学会の方が出ていました。
富士山は、火山洞窟の宝庫でもあるんですね。
火星の火山洞窟と富士山の火山洞窟を比較してみたいものですね。

火山洞窟については、伊藤雅紀さんの(済みません!引用させて頂きます。)火山洞窟探検報告に下記の通り、説明されています。

「火山洞窟とは、火山が噴火した際に流れ出る溶岩によって作られたものです。火山から流れ出た溶岩は、空気に触れる表面と溶岩内部では冷え方が異なり、表面から先に冷えて固まります。その結果、溶岩の表面が固まり、内部が流れ出て空洞が生じます。」

色々な世界があるものですね~

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品質チェック完了!包装してください!

2011-08-16 11:56:05 | MSL
スペースサイトさんに教えていただきましたが、8月14日付けのSpaceflightNowによりますとNASAは、Curiosityの高機能なシステムのチェックが完了したとのことです。



今週からは、11月25日10:21a.m.(EST:) の打上げに向けて、Curiosityをヒートシールドやクルーズステージなどに対応した設定を開始するとのことです。
Curiosityは、2重、3重にくるまれて繭のような状態で打上げられます。



そのカプセル化は10月末に終了して、いよいよロケット(Atlas 5)に積み込まれるために発射台へと運ばれる予定です。
Curiosityの動力源であるプルトニウム電池(plutonium power source)は、Atlas 5が発射台にある状態で設置されるとのことです。
通常、こういう形なんでしょうか?
福島原発事故の影響でしょうか?
放射線がかなり漏れている状態と言うことはないと思いますが・・・

当ブログで2010年12月5日に紹介したMars Hopperも放射性同位元素(a mixture of plutonium oxide PuO2 and americium sesquioxide Am2O3)を使用して、火星の大気を暖めて推力にする計画です。
放射性同位元素を使用するという点で同じです。
原子力電池は、長寿命ということと太陽光の影響を受けないということで多くの探査機に使用されています。
あと、アポロ計画の月震計のエネルギー源として使用実績がありますね。
火星の地表に降りる探査機としては、初めてではないかと思います。(お詫び:Vikingが積んでいました。)
NASAはかなり環境への配慮をしているので、環境に影響を与えるようなことはないと信じています。

東電のように「直ちに影響は無い」という詭弁は使わないで欲しいですね。

ともあれ、一番の関心事は着陸方式です。sky crane方式は、初めての試みですので、絶対成功して欲しいと思ってます。
sky crane方式で重量物の軟着陸が出来るようになると、今後の火星の地表面に多くの物資を安全に効率よく送り込むことができるようになります。
更にsky crane方式を他の惑星探査機にも利用することで探査機の開発費用を抑える計画もあります。
この方式が成功することは、今後の探査計画にも影響することとなります。
大変だ~。ぜ~ったい成功を祈る!

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地球を離れた2年間―人類の夢、火星への挑戦

2011-08-14 12:38:12 | Weblog
地球を離れた2年間―人類の夢、火星への挑戦
クリエーター情報なし
WAVE出版



宇宙飛行の記録一覧がWikipediaにあります。

女性では、スニータ・ウィリアムズさんが195日間で最長です。
アメリカの軍人さんです。

その他にもいろいろな記録があるものですね。
ぜひ、覗いてみて下さい。
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Polyakovさんを超えます!

2011-08-14 11:08:18 | 520MARS
8月14日は、記念すべき日となります。
閉鎖実験開始から438日目となり、ロシアのValeriy PolyakovさんがMirで打ち立てた宇宙滞在記録と並びます。
Valeriy Polyakovさんは、1994年1月8日から1995年3月22日まで地球軌道上に長期滞在したロシアの宇宙飛行士です。
その間、ペンギンスーツなどの使用を含め、長期間の無重力状態に対応する筋力トレーニング等を実行した結果、Valeriy Polyakovさんは、地球に帰還後も体力回復が早かったのです。
人類の適応能力の高さを実証した先人です。

相変わらず、MARS500の英語のニュースは、まとめてアップされます。(事務局の見方が悪いのかも・・・)
今回は、7月22日から8月12日まで一気に更新となりました。
クルーの健康状態に変化は無く、テストは順調に進められています。

8月12日時点でのテスト項目です。
•Estimation of effectiveness of physical trainings – “PROPHYLAXIS” (IBMP).
•Sodium consumption, fluid homeostasis and arterial pressure regulation – “Nutrition” (Germany).
•Association between psychological characteristics and cardiovascular system functioning – “CardioPsy” (ЕSА).
•Autogenic training as self-regulation procedure – “Self-regulation” (IBMP).
•Questionnaire about sleep quality “Blue light” (ESA).
•Investigation of sleep system resistance to stress – “Sleep-1” (Russia).
•Monitoring of neurobehavioral functions “Operator”(USA)
•Group structure and cooperation “Distance” (ESA)
•Prophylaxis with vibration “Galileo” (ESA)

後は、8月6日に当ブログで紹介した植物工場関連の写真や記事が紹介されています。
このテストは、「Salad machine」として紹介されています。

















地球との距離は、下記の通りでした。

7月22日 地球との距離 94,210,000km、火星との距離 261,118,000km。
7月29日 地球との距離 76,790,000km、火星との距離 284,720,000km。
8月05日 地球との距離 63,180,000km、火星との距離 303,384,000km。
8月12日 地球との距離 48,158,000km、火星との距離 322,538,000km。

地球との距離から宇宙船と地球の相対速度を計算して見ますと下記の通りです。

4,254,000km/日 → 177,000km/時

火星から遠ざかる速度は、下記の通りとなります。

2,924,000km/日 → 121,000km/時


7月21日の当ブログで7月1日から8日の速度を計算した結果は、「地球へ近づく速度は、98,875km/時 、火星から遠ざかる速度は、139,315km/時となります。」でしたから、地球に近づく速度は速くなっています。

MARS500のホームページ左のThe scheme of flightをクリックすると、宇宙船がいよいよ地球軌道に平行になりつつ近づいてる様子が分かります。
金星フライバイを伴う軌道かと思ってましたが、違いそうですね。
いよいよ残り84日となりました。
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乞うご期待!しっかりフォーカスします。

2011-08-12 10:12:01 | 火星地形
ESAのMarsExpressのサイトで8月5日に火星の夏至(2010年5月17日)の時期の北極の様子が発表されました。
この8月、9月に掛けてMarsExpressがこの場所をレーダーで調査するので、その前宣伝ですね。

下記の場所をHRSC(High-Resolution Stereo Camera)で観測した結果です。大きい画像は、ここにて。



ドライアイスの部分が完全に昇華して、水の氷の表面が現れています。
北半球の夏の始まりの季節ですね。
水の氷だけが残り、時折水蒸気の噴出が発生するようです。
冬には、数メートルの厚さの北極の雪や氷の層が北緯45°辺りまで広がります。
また、Rupes Tenuis(81.91°N、90.00°w)のような湾曲した急斜面を形成します。

春の間、ドライアイスの層は、薄い水の氷に覆われています。
そしてある時期から数ミリの水の氷の層が風によって剥がされてドライアイスの層がむき出しになります。

これらの過程から火星でのダイナミックな水循環が伺え、北極を覆う水の氷の蓄積の変化を解明することが期待されます。

この他で注目すべき特徴は、Chasma Boreale谷と色の付いている堆積物そして大砂丘地帯です。
大きい画像は、ここにて。



「1」は、Chasma Borealeです。
「2」は、堆積層です。季節の変動による変化が読み取れるそうです。Rupes Tenuisだと思います。
「3」は、北極冠を取り巻く大砂丘地帯の一部です。

Chasma Borealeの画像は、下記にカラー、白黒、3Dと紹介されています。
場所は、85°N、24°Wの辺り。
残念ながら、事務局は3Dメガネを持ってませんが・・・







Chasma Borealeは、幅が約100km、長さが約580kmで深さが約2kmの大きな谷です。

壁は、地層が完璧な形で露出していて、谷底には、インパクトクレーターがあり、一部は砂に覆われているが一部はむき出しのままとのこと。

暗いものと明るい地層がみれられます。より暗い層は、春の砂嵐で削られた層です。

MarsExpressは、北極冠を3次元で調査する為、レーダーを使用する予定です。
2003年12月25日に火星に到着して後、そのレーダーのアンテナは、2005年に展開されてからず~っと、観測に適した時期を待ち続けています。

レーダーは、大気からの電気的干渉が少なくなる夜の観測が最適であるとのことです。
いよいよ今年の8月から9月に掛けて観測のチャンスが訪れます。
因みに、9月15日、16日が火星の北半球の春分に当たります。
乞うご期待!!
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小型衛星の開発競争激化

2011-08-07 18:32:01 | 出る月を待つべし
7月28日に開催された第167回JIフォーラムに参加しましたので、多少間違いがあるかと思いますが、ご紹介します。
構想日本のHPでは、2ケ月後にサイト上のJIフォーラム - 過去のフォーラム - ゲスト発言から見れるとのことです。

[題名]
日本再生の必須条件
科学技術政策を根本から問い直す
-激戦の宇宙技術から考える-

1.論点
①世界が宇宙での技術開発にしのぎを削っている
 *なぜなら、生活、産業、安全保障と一体となった技術となっているから
②日本は、かなりの税金を使ってるにも関わらず、世界の競争から脱落しかかっている
 *なぜなら、科学技術政策に重大な欠陥があるから

2.討論者略歴
①中須加 真一氏
現在:東京大学、大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 教授
経歴:1961年 大阪生まれ
 日本IBM東京基礎研究所/東大 工学部航空学科講師/メリーランド大学 客員研究員/スタンフォード大学 客員研究員/東大 航空宇宙工学専攻教授
専門分野:宇宙工学、知能工学
著作:宇宙ステーション入門

②松井 孝典氏
現在:千葉工業大学惑星探査研究センター所長/東京財団特別上席研究員/政府各種審議会、国際的な学会・委員会メンバー
経歴:1946年 静岡生まれ
 東大大学院教授定年退職/千葉工業大学惑星探査研究センター所長
専門分野:惑星物理学、アストロバイオロジー
著作:地球システムの崩壊、巨大隕石の衝突、松井教授の東大駒場講義録、宇宙人としての生き方等

③コーディネーター
加藤 秀樹氏
現在:構想日本代表/東京財団理事長、四国民家博物館理事長
経歴:大蔵省勤務/1997年シンクタンク構想日本設立
専門分野:縦横無尽な政治・政策への関わりから日本の変革を目指している
著作:道路公団解体プラン、ひとりひとりが築く社会システム、浮き足立ち症候群-危機の正体21等

3.日本の宇宙政策の問題点

①日本の宇宙政策は、今だ1元化されておらず、宇宙政策に限らないが具体的なポリシーが無い。
②JAXAが主体で公共事業化しており、コスト削減等国際競争力をつける動機付けが無い。
③このままでは、日本は世界的競争から脱落してしまう。
④ISSに年400億円掛けているが、その目的が「子供に夢を与えること」とまじめに官僚が答えており、問題だとの発言。(同感です)
 きぼうには7,000億円掛けたが、成果が乏しい。
⑤日本の宇宙関連は、95%が官需
  アメリカ、ロシアは一部軍需、民需も拡大
  ESAは、官需5,000億円、民需4,000億円

3-1どうしたら良いか

①宇宙開発に取り組む体制を新しくするべき(JAXA解体も含め)だが、守旧派が多く全く変わらない。
②科学研究で終わらせず、利用の世界を開くべき、実験中心を止め、実用化=事業化を目指すべき。
③人材を育てて、職業として喰える環境づくりが必要。
④科学研究で終わってしまった実例。
)WINDS 超高速インターネット衛星「きずな」
 打上げに時間がかかり、技術が陳腐化してしまった。

)「技術試験衛星VII型おりひめ・ひこぼし)」
 後続がなく、単発で終わっている。

)技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)
 大型アンテナの展開は、上手くいったが受信機能が上手くいかず、そのままとなった。
 本来必要なものであれば、再チャレンジすべきではないか?

3-2準天頂衛星をやるべきⅠ

①現在は、「みちびき」1機のみ
 最低でも4機、出来れば7機必要である
②世界の状況は、更なる進化を目指している     
  ・アメリカ GPS
  ・EU    ガリレオ
  ・ロシア  グロナス
  ・中国   北斗
③精度が上がれば、需要が増える
  ・飛行機の自動離着陸
  ・高速道のETCが不要になる
  ・災害救助への利用 等々
④日本がやらなければ、アメリカは不本意ながら中国と組まざるを得ない。
 日本の国防上の脅威ともなる。

4.宇宙開発競争が始まっている
  大型衛星→小型衛星
なぜか?
①大型衛星の欠点
  開発費→需要が伸びない
        保守的になりがちであり、新しい試みが出来ない
  開発期間→技術の遅れが生じる
②小型衛星の利点
  開発費→自治体、企業、研究機関などの研究に活用→需要が広がる
  開発期間→最先端の技術、注目の探査・測定が可能

5.小型衛星は凄い
衛星プロジェクトにおける頭取り競争激化とのこと。(主導権争い)
主導権をとることで自国のニーズに合ったプロジェクトを他国の参加のもと実現できる。
基本的に同じセンサーを積んだ衛星をいくつも同時に飛ばすことで費用の分担と技術の集積が出来る。この分野は、イギリス・ドイツ・韓国等が頑張っているとのこと。
500kgの衛星は30億円程度で打上げられる。50kgならもっと安くなり、国ではなく企業や地方自治体や大学等の研究所へも販売の範囲が広がる。
打上までの期間が短く、研究者が論文を発表しやすくなる→研究者が増え→更に研究が深まり、盛んになる

5-1ドイツの例
「地球規模での大気の流れのモデルを5機の衛星で観測するプロジェクト」を数カ国で共同運用。
同じ衛星に同じセンサーを組み込むことで観測の成果を上げる。ドイツが主導権を持ちながら、費用は各国で分担することで実現が早まる。
ドイツは、衛星やセンサーを売ることも可能になる。

5-2ウエザーニュース社小型衛星を利用して北極海の氷山の状態を1日に1回撮影して販売しているとの事です。
ユーザーは、北極海航路を利用する船会社です。
その他:二酸化炭素の常時観測、マラッカ海峡の海賊監視等
日本法人
 東証1部48252003年11月4日上場
 売上高連結:122億円

6中須賀教授の活動6-1CubeSat XI-IV&XI-V
XI-IVは2003年6月30日に打ち上げられた1辺わずか10cmのCubeSat衛星です。  
現在はアマチュア無線家の方により運用されており、世界最高齢のCubeSatとなっています。
XI-Vは太陽電池等に改良を加えたCubeSatで、2005年10月27日に打ち上げられました。
東大地上局による運用が2010年現在も継続されており,地球画像の撮影が続いています。

6-2PRISM(愛称:ひとみ)
柔らかい進展ブームを宇宙で展開し分解能30mの地球画像を撮影するリモートセンシング衛星です。
2009年1月23日にH-2Aロケットで他の相乗り衛星とともに打ち上げられ、ブームの展開とメインカメラでの撮影に成功し、現在定常運用を行っています。

6-3Nano-JASMINE
銀河系内の星の精密な地図をつくることを目的とした、日本で初めての位置天文観測衛星です。
高い精度の姿勢制御を行う衛星バスシステム部を中須賀研究室が、望遠鏡部分を国立天文台JASMINE検討室が開発しています。
現在2011年の打ち上げを目指しています。

7.感想
・もっと松井さんの新しいお話を期待していたので少し拍子抜けでしたが、とにかく、いろいろなことが動き出している印象を受けた夜でした。
・宇宙産業というものが形成されつつあり、日本でも多くのプレーヤーの参加が期待されます。
・カンサットが大きな可能性を持っているんだと再認識しました。火星探査も小型衛星で出来ることがありそうです。以前日本火星協会のブログで紹介したHOPPERを思い出しました。
・宇宙関係を研究や勉強することがもっとやりやすくなるようなシステムを作らないと他国に負けそうです。既得権だけの守旧勢力は・・・
もっと風通しの良いシステムで他国に負けないよう頑張りましょう!
・大人たちが夢の実現に真剣に取り組む姿勢こそが本当に子供たちに夢を与えることに繋がると納得しましたね。
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火星育ちの新鮮な野菜を!

2011-08-06 23:39:43 | 520MARS


MARS500の公式ブログに8月5日、サラダマシンが紹介されています。
先週から開始して、白菜を育てているようです。
ロシア語が全く分からないのですが、Googleの翻訳ソフトに頼ってレポートします。
LEDランプを使用して、円筒形の形状をしています。
ISSでもロシアのところで実験しているとのことです。
ISSにロシアが自由に使える場所があるんですね。

長期間に亘る宇宙空間の飛行の間、野菜を育てる効果は下記の通りです。
①ビタミン、ミネラルそして食物繊維の供給源となり、食事に新鮮なものを追加して満足感を向上させる。
②CO2の吸収と酸素の供給によって宇宙船内の空気を浄化する。
③乗組員の精神衛生に有効な効果が期待できる。
④狭い空間での長時間の飛行期間中の過剰な余暇の解決の一助となる。

今回の実験の目的は下記の通り。
①白菜への肥料と生産性の関連を研究。
②乗組員の消化器官に野菜が与える効果を研究。
③表面の微生物叢の動態調査。ここが今一分からないのですが、野菜の表面なのか、乗組員の腸内細菌叢なのか?
  どなたか、教えてください。
④長期隔離状態での乗組員の社会性の維持に貢献する度合いの研究。(ちょっと?ですが・・・)

現時点ですと、火星へ行くのに6ケ月掛かりますので、その間の精神的及び肉体的癒しとなるということですかね。
火星でも植物工場があれば、新鮮な野菜が供給されるということになります。
その野菜を食べてもいいし、それでウサギや鶏など小動物を育てることも可能になります。
桑を育ててカイコさんを食べようというアイデアもあります。
食生活も豊かになるし、日常の生活も変化に富んで楽しみが増えることでしょう。
私は、まだアイデアの段階ですが、トマトを育ててみたいと思っています。
トマトは、そのまま食べても、煮ても焼いても美味しいですし、ドライトマトにすれば日持ちも良くなります。
ドライトマトは、調味料や保存食としても、お酒のあてにもいけますので利用価値が高いと思います。
火星だと乾燥するのは、簡単に出来そうですね。

人類が火星の地を踏む時に一緒に行く動物は一体何でしょうか?
犬や猫だと可愛いですが・・・
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液体の水!塩辛いけど

2011-08-05 05:48:09 | MRO
MROによる新発見がNASAからEDTで4日の午後2時(日本時間5日午前3時)に発表されました。
事務局も早めに寝てみる予定でしたが、起きれませんでした。
8月4日のMarsTodayに載っていますので、とりあえず簡単にお知らせします。
火星の低緯度で暖かい季節にいくつかの傾斜面で液体の水(塩水ではないかということ)が流れた証拠を確認したとのことです。
火星の表面には、気体の水しか存在できない環境なので、塩類が溶け込んだ水であれば、氷点が下げられ液体で存在の可能性があるのか?
実際には、まだメカニズムの解明はできていないとのことです。



HiRISEのサイトにも載っていました。
それによりますと、Recurring slope lineae (RSL)は、幅(0.5-5 m)、傾斜角度(25°-40°)となっています。
RSLとは、繰り返し発生する傾斜の状態を言うのでしょうか?
位置的には、南緯48°S to 32°S辺りで発見されている。

いくつかの場所も紹介されています。動画も見ることが出来ますので・・・
Newton Crater、Terra Cimmeria、Horowitz Crater、Terra Sirenum

地表面を液体の水が今でも流れているとしたら、今後の探査の興味も更に高まります。
有人探査が早まることもありえますね。
大変驚きの発見ですが、本日は、とりあえずここまでとします。
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直樹にエールを!!

2011-08-04 22:30:20 | 出る月を待つべし
松田直樹君の早すぎる死を悼み、その存在と才能にエールを贈りたいと思います。

なーおーき なーおーき なーおーき
なおきオレ! 
なーおーき なーおーき なーおーき
なおきオレ!
なおき! なおき!

突然の放出に大変ビックリしましたが、松田君の成長を促す為の英断と理解してました。
必ず、指導者としてマリノスに戻ってくると信じていました。
今は、ただご冥福を祈るばかりです。
合掌!
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