火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

ニーモって

2016-07-29 01:27:44 | 火星への入植

7月21日からフロリダ沖の海底にあるNASAの海底Aquarius Reef BaseNEEMO21ミッションが始まっています。 
http://www.nasa.gov/image-feature/aquanauts-splash-down-beginning-neemo-21-research-mission
*NEEMO:The NASA Extreme Environment Mission Operations (NASA極限環境ミッション運用) 

今回は、16日間(7月21日~8月5日)で、今までで最長だとのことです。
ハブの外部(海中)では、将来の宇宙ミッションで使用するツールとミッション運用技術を評価します。
ハブの内部では、DNAシーケンサー、医療遠隔装置、および有人宇宙飛行の貨物移送のためのHoloLens動作性能をテストします。

今回のクルーは8名で、ハブ外部が上記の写真の上から時計回りでMatthias Maurer (ESA)、 Marc O Griofa (Teloregen/VEGA/AirDocs)、 NASA astronaut Megan McArthur、 NASA astronaut Reid Wiseman、 Dawn Kernagis (Institute for Human & Machine Cognition)、 そして Noel Du Toit (Naval Postgraduate School)
ハブ内部には、Florida International University Habitat Techniciansの Hank Stark (左) と Sean Moore (右) 

現在、ISSに滞在中の大西卓哉宇宙飛行士もこの海底Aquarius Reef Baseで2011年10月20日から10月26日の間、訓練を受けていました。
*もっと長い期間やる予定がハリケーンの接近によって打ち切られていますね。
http://iss.jaxa.jp/astro/onishi/neemo15/news/

海底Aquarius Reef Baseの場所は、こちらhttps://www.google.com/maps/place/Aquarius+Reef+Base/@25.0307697,-80.5311269,8z/data=!4m5!3m4!1s0x0:0x6c5d66c663f4ec8e!8m2!3d24.9501739!4d-80.4535364?hl=ja 

*いよいよ火星へ向けて出かける本気度が上がってきた感じです~

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ダストデビルを捕まえた!

2016-07-26 15:03:45 | 気候・天気

日本の共同研究グループがコンピューターのシミュレーションによって、火星大気中の塵旋風(ダストデビル)を大量に再現し、どのくらいの大きさのダストデビルがどのくらいの頻度で存在するかが分かるようになりました。
スーパーコンピューター「京」による超高解像度シミュレーションを実施した結果得られたものです。
*共同研究グループ:理化学研究所、北海道大学、神戸大学、松江工業高等専門学校、九州大学、京都大学
詳しくは、こちら
http://www.riken.jp/pr/press/2016/20160720_2/

*今までも観測によって、発生頻度や大きさがある程度分かっていましたが、観測できるダストデビルの数が少ないため、十分な情報を得ることは困難でした。

今後、さらにシミュレーションを重ねて、ダストデビルが発生する季節や場所による違いを明らかにすることにより、火星天気予報の実現や、無人探査機のみならず有人探査機における火星への着陸・地上活動に貢献することが期待できます。
*凄いぞ!日本。

現在は、火星を周回しているNASAのMRO(マーズ・リコネサンス・オービター)搭載のMARCI(Mars Color Imager)によって火星表面の画像が収集されており、それによって日々の天気予報や季節変動などが提供されています。
*詳しくは、こちら1こちら2

こちら1: http://www.msss.com/msss_images/2016/07/20/
こちら2: http://moonstation.jp/ja/mars/exploration/MRO/inst.html 

下図は、2012年8月5日にCuriosityが火星大気に突入直前の地表面の様子です。
Galeクレーターは、お天気でしたね。 

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もう、自分で出来るさ!

2016-07-22 11:44:14 | MSL

7月21日のWhat'sNewによりますと、Curiosityが自分で調査対象を選んで調査を行ったとのことです。
Curiosity自身の初めての判断で選ばれた調査目標は、下図左の黄色のポイントです。
ここをChemCamのレーザーで調査した痕が右図です。

今までは、Curiosityが送ってくるNavCam画像を地球で見てから、どこを調査するか指示してました。
これからは、自動でNavCamの画像からAEGIS softwareを使用して調査対象を選んで、実行できます。
これで、ルーティーンな調査をCuriosityに任せられることになるので、時間を有効活用できるようになりますね。
Curiosityが自動で調査した結果を見て、必要なら戻っても良い訳です。
*AEGIS(for Autonomous Exploration for Gathering Increased Science)は、NASAのJPLで開発されたものです。すでにOpportunityでも使用されていますが、さほど頻繁には使われていないとのことです。 

Curiosityは、火星に来てからもうすぐ丸4年になります。
その間にChemCamのレーザーで調査した対象は、1,400以上で、その目標に向かって浴びせたレーザーショットは、35万ショット以上だそうです。
(凄い!)

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火星の本音が聞けそうです!

2016-07-21 13:42:12 | Mars2020

7月16日にMars2020がいよいよ本格的に2020年夏の打ち上げを目指して開発が進むことが発表されました。
http://www.nasa.gov/press-release/nasas-next-mars-rover-progresses-toward-2020-launch

2021年2月には、火星に到着予定です。
Mars2020は、単独のロボット探査の総仕上げとなります。
次は、「サンプルリターン」
そして、「有人探査」へと続きます。(有人探査は、人類とロボットの共同活動となることでしょう!) 

上図がMars2020です。Curiosityのバージョンアップ版となります。
*主要部分にCuriosityの技術を利用して、生命探査にさらに迫るための最新技術を詰め込む予定です。
 打上げからスカイクレーン方式での着陸まで、ほぼCuriosityの技術を利用するようです。
 2013年7月11日の当ブログ「Curiosityに8歳年下の弟が!」 も参照してください。

Mars2020の目的は、Curiosityとほぼ同じですが、カメラや分析機器などがグレードアップされていますし、Curiosityでは、結構心配かけている車輪も丈夫になっているようです。
また、マイクを搭載しています。
文字通り突撃インタビューアーとなって、火星の本音を取材してくれることが期待されます。
*火星の風の音やMars2020の移動音、サンプル採取時のドリル音など聞きた~いで~す。

そして、火星の大気(二酸化炭素)から酸素を作る実験装置が搭載されます。
*将来の有人探査では、「現地調達」がキーワードとなってますが、その中でも水や酸素の確保は、最重要事項ですね。 

総重量は、1,050kg

主要7機器は、以下の通りです。

MASTCAM-Z
ズーム能力とパノラマ立体撮像能力を持つ高度なカメラシステム。また、火星表面の鉱物を決定し、ローバーの操作を支援します。

MEDA:MARS ENVIRONMENTAL DYNAMICS ANALYZER
温度、風速と方向、圧力、相対湿度、粉塵の大きさ及び形状の測定値を提供する環境センサ。
(Curiosityは着陸の時に風向計の一部が破損してしまいました。今度は、そういうことがないよう頼みますよ!) 

MOXIE:MARS OXYGEN ISRU EXPERIMENT
火星の大気中の二酸化炭素から酸素を生成する技術調査。
 
PIXL:PLANETARY INSTRUMENT FOR X-RAY LITHOCHEMISTRY
火星の表面材料の微細なスケール元素組成を決定するために、高解像度の撮像装置を含むX線蛍光分光計。
PIXLは、これまでの分析機器以上に化学元素のより詳細な検出および分析を可能にします。
 
RIMFAX:RADAR IMAGER FOR MARS' SUBSURFACE EXPERIMENT
地下の地質構造をセンチメートルスケールの分解能で調査する地中レーダー。
 
SHERLOC:SCANNING HABITABLE ENVIRONMENTS WITH RAMAN & LUMINESCENCE FOR ORGANICS & CHEMICALS
細かいスケール画像を提供し、微細なスケールの鉱物を決定し、有機化合物を検出するための紫外線(UV)レーザーを使用する分析計。SHERLOCは、他の機器との補完的な測定を提供する最初のUVラマン分光計となります。
 
SUPERCAM
イメージング、化学組成分析、および鉱物を提供することができる器具。また、遠くから岩や表土中の有機化合物の存在を検出することができるであろう。
(CuriosityのChemCamの進化版ですね) 
 
着陸方式も改良されており、Curiosityよりも精度良く着陸地点を選べるそうです。
どこへ着陸するか?
期待が膨らみますね!
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最近の水事情

2016-07-15 13:50:05 | 水と生命

7月8日のNASAのJPLのニュースによりますと、マリネリス峡谷内でRSL(recurring slope lineae) が多数観測されたそうです。
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.php?feature=6562 

*RSL(recurring slope lineae):季節に対応して、暖かい時期にクレーターの斜面で観測されてきた水が流れたような黒い筋のことです。

MRO(マーズリコネイサンスオービター)のHiRISEカメラによるものです。
下図の青のポイントがRSLで、41サイトで観測されています。
各サイトは、HiRISEカメラで5.4km×12kmの範囲の単一画像として撮影されています。 

下図は、各サイトの詳細な画像の一例です。
幅約2.5kmの範囲を表しています。 

各サイトでRSLが数本から千本以上まで確認されています。
この41サイトから流れ出る水量は、3万から10万立方メーターと推定されています。 

ただ、問題点として「その水は、どこから来ているのか?」です。
今までのクレーターで観測されたRSLの場合は、「豊富な地下層保持水がクレーター形成時の衝撃によって作られたクレーター壁に保持されているため。」と考えられています。
マリネリス峡谷の場合は・・・
現在、有力なアイデアは、「大気の水分を高濃度の塩類を含む地質が吸収した結果である。」 と言うものです。
メカニズム的に無理があるようですが、今後の研究を待ちたいと思います。 

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ちょうど良い機会なので、火星の水をまとめておきます。
結構たくさんあるなーと言う印象です。 

1.北極・南極にドライアイスの下に氷の層があります。

2.2011年に確認されたRSLは、下記サイトで
・「液体の水!塩辛いけど」2011.08.05 
http://blog.goo.ne.jp/japanmarssociety/e/9cc2fe56a5d67b474bad50a8a8a69217

火星の低緯度で暖かい季節にいくつかの斜面で液体の水(塩水ではないかということ)が流れた証拠を確認したとのことです。

・「今も水が流れている!!」2015.09.30
http://blog.goo.ne.jp/japanmarssociety/e/ca9e3d45ca88797390736f06f45d18e8 

Palikirクレーター、Haleクレーター、Copratesカズマ、Horowitz 

9月28日付けNature Geoscienceで「Spectral evidence for hydrated salts in recurring slope lineae on Mars:火星で繰り返し発生するRecurring slope lineae (RSL)に水和塩の証拠を発見」と言う論文が出されています。

3.火星表面を覆うダスト中に水分が広く分布している。
地表の土に2%の水分!でも、荷造りはまだ早いとのことです!」2013.10/02
http://blog.goo.ne.jp/japanmarssociety/e/18f43fcddca9e4e55b309da210af0c9f

地表のきめ細かな土粒子に約2%の水分子が含まれていることが分かりました。
この土粒子は、火星のほとんどの表面を覆っているので、火星全体に水があるといっても良い発見です。

4.タルシス三山の一つArsia Monsの北西面に2.1億年前、湖があった可能性があり、現在も水の氷があるかも。
赤道近くに水がある・・・」2014.05.30 
 http://blog.goo.ne.jp/japanmarssociety/e/4a5b94b1f0ebc48b906d936e21710dc7

タルシス三山の一つで一番南にあるArsia Monsの北西面に2.1億年前大量の水が湖を形成していた可能性があるとのことです。
火星の地質年代でthe Amazonian後期(4億年前から現在)の頃まで生命が存在できる環境を維持していた可能性があります。
驚くべきことに研究者達は、この地域に現在も水の氷が存在している可能性も示唆しています。

5.火星の隕石から
火星の隕石の分析から火星の地下に新たな水素の貯蔵層を発見」2014.12.24
http://www.titech.ac.jp/news/2014/029417.html

・火星隕石の水素同位体分析により火星地下に新たな水素の貯蔵層を発見
・水素の貯蔵層は含水化した地殻か氷(凍土)として火星地下に存在
・その存在量は過去に存在した海水量に匹敵する可能性を提示

6.中緯度に氷河を確認しました。
中緯度に氷河が!しかも、動いている!」2015.05.03 
 http://blog.goo.ne.jp/japanmarssociety/e/70da5958e50c81251981e1b325513d0e

the Niels Bohr Institute (at the University of Copenhagen)の研究チームが以前から軌道船によって中緯度で観測されていた帯状に伸びる氷河が水の氷であることを証明しました。
北半球と南半球ともに緯度30°~50°の範囲の中にあります。
水の氷の総量は、1,500億m3以上で、火星表面を1.1mの氷で覆うことが出来るとのことです。

                                 以上

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4回目のセーフモード

2016-07-08 22:24:44 | MSL

7月6日のWhat'sNewによりますと7月2日にCuriosityが突然のセーフモードに入ったそうです。
でも、Curiosityは地球の管制と通信が繋がっており、通信を回復するための慎重な手順を踏んでいるところだそうです。

エンジニアは、今回の原因を突き止めるために取り組んでいます。
予備的情報としては、メインコンピュータのカメラのソフトウェアとデータ処理ソフトウェアとの間に予想外の不一致を確認してます。

Sol1389は、日本時間で7月4日ですね。

*現在、「Mars Curiosity rover solar ephemeris」が入手できていないので、日本時間での正確な把握ができてません。
 どなたか、情報がありましたら、ご教授をお願いいたします。
Sol1389には、調査対象の “Outjo”をAPXS とMAHLIで調査する予定でしたが、中止されました。

また、Curiosityのミッションの2年間の延長が決定されました!めでたい!
追加期間は、2016年10月1日に開始されます。

下図は、Sol1389時点でCuriosityの前に広がっている風景です。

 

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