火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

磁界を込めて!

2012-05-26 23:33:48 | MAVEN


5月21日のNASAのMAVENのサイトニュースによりますとMagnetometers(MAG:磁力計)が完成したとのことです。
磁力計は、NASA Goddard Space Flight Centerで組み立てられてthe Particles and Field Packageに組み込まれるためにカリフォルニア大学のBerkeley Space Sciences Laboratoryへ輸送されました。
下記は、Jim Odom(a technician from Goddard's magnetometer group)さんです。



MAGは、the Particles and Field Packageに組み込まれる訳ですが、最初の写真の通り、MAVEN周回機の太陽パネルの端に設置される様です。
そしてMAVEN周回機の位置での磁界を測定します。
MAVENの観測機器は、下記の3グループにまとめられています。



①「The Particles and Field Package」は、6つの計器で太陽風と火星大気との相互作用を観測します。
②「The Remote Sensing Package」は、高層の大気と電離層の全球的特性を測定します。
③「The Mass Spectrometry Instrument」は、中性イオンの構成と同位体組成を測定します。

打上予定は、2013年11月18日)から20日間の打上窓が開いている間となりますね。
詳しくは、2012年2月28日のMEPAG(the Mars Exploration ProgramAnalysis Group)のプレゼンテーション資料にて。

MAVENは、火星の高層大気を観測する初めてのミッションとなるので興味深いです。
ESAのExoMarsそして日本のMELOSも続いて追いかけます。
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脳なしではない?

2012-05-15 22:55:26 | MSL

Scarecrow

JPLのCuriosityのニュースサイトによりますと5月7日週にCaliforniaのMojave砂漠のDumont砂丘でCuriosityの走行テストを実施したとのことです。
上記の写真がCuriosityの代役を務めたテストローバーです。
このローバーは、Curiosityと同じ大きさで同じ可動性能を備えています。
しかしながら、頭脳であるコンピューターと観測機器を搭載してません。
また、重量は火星の重力が地球の三分の一ですので、それに合わせて軽く作られています。
そして、親しみを込めて「Scarecrow=かかし」と呼ばれているようです。

走行テストは、Dumont砂丘の風上と風下の様々な傾斜を使って行われました。
このテストで得られた情報が、火星のGaleクレーター内のSharp山をCuriosityが登る時に役に立つと期待されています。


下記は、左のMichael Malinさんがニュースレポーターに答えているところです。
砂丘の傾斜がよりよく感じられますね。
Michael Malinさんは、Curiosity搭載の3台のカメラの主任担当者です。



ということは、Galeクレーター内部は砂漠のような状態なんですね。
Curiosityから送られてくる画像が楽しみです。
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南極から火星へ

2012-05-13 22:04:27 | ESA


5月7日のMarsDailyにイギリスのThe Independentのレポートが紹介されています。
南極で行われているESAの有人火星探査のための8ケ月に亘る閉鎖実験に参加しているイギリスの医師であるAlexander Kumarさんに電話インタビューしたものです。
2006年から夏チーム、冬チームの編成で14名程度で人類が火星へ到る長期のミッションに如何に対応すべきかの研究を続けています。
特に、4ケ月間の白夜の季節には、気温もマイナス80℃となり、外部からの補給等の支援も出来なくなる環境下で人間の耐久性の限界をテストするようです。
Alexanderさんは、次のようにインタビューに応えて発言しました。「人間がそのような極限環境で暮らすことができることを私たちが示すことが重要です。」「私は、私たちがある日火星に辿り着くことができることを示したいと望みます。」

場所は、南極に設けられたESAの施設Concordiaで行われています。

Concordiaは、2005年に開設。
南緯75度06分 東経123度20分
海抜3,200m
下図の★印がConcordia


Alexanderさんは、Concordiaに1年以上滞在したEoin Macdonald-Nethercottさんと交代する為に今年の1月27日にConcordiaにやってきました。
まず、Alexanderさんは、1月7日にthe Astrolabeに乗ってタスマニアのホーバートの港を発ちました。



南極海を横切り、1週間にわたる旅行の後、the Astrolabeはデュモン・デュルビルに着きました。



其処から、約1,200kmの距離を双発プロペラ機で5時間のフライトの後に、やっと高度3,200mのConcordiaに着きました。



Concordiaは、極端に厳しい環境の中で、長期間隔離されており、小さな多文化的なチームに対する影響を検討するのに理想的な場所と言えますね。

5月11日のConcordiaのサイトのニュースによりますと、いよいよ太陽に別れを告げるときが来たとのこと。
9月まで太陽とお別れですね。


また、2013年度の参加者の募集が行われており、締め切りが6月8日となっています。
残念ながら、ESA加盟国の国籍を持っているか在住していないと参加資格が無いようです。
また、健康で医学的素養(博士号等)があり、英語が出来てフランス語かイタリア語も出来るとなお良いとのことです。

3-5人の候補者が2012年7月に完全な健康診断、心理学的アセスメントおよびインタビューのためにパリに招待され、すべての医学のテストの結果が良ければすぐに、最終選考に到るとのこと。
2012年10月の前半に出発前の打ち合わせがあります。
2012年11月末から2013年1月の間の出発となります。

現在、K・S・ロビンスンの「レッド・マーズ」を読んでいるところですが、火星へ移住する100人の選抜と訓練がやはり南極で行われている設定となっていましたので、興味深いです。

南極には、30ケ国を超える国が観測基地を設けており、夏に4,000人、冬に1,000人の研究者が滞在しているとのことです。
参考までにWikipediaを見てみましたが、改めて人間の探究心は凄いと感心しました。
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カメラの点検OK

2012-05-07 23:13:36 | MSL
5月3日のJPLのNewsによりますとCuriosityのthe Mars Hand Lens Imager (MAHLI)が撮影した画像が紹介されています。
撮影は、4月20日で巡航ステージの宇宙船内部を白色LEDを光源として撮影されたものです。


上記の写真は、かなりピンボケです。
MAHLIは、火星に着いてから火星の岩やレゴリスをクローズアップで撮影するなど活躍が期待されています。
しかしながら、現在は、火星に向かって飛行中の為、固定されていますのでピントを合わせることが出来ないとのことです。
Curiosityは下記のように梱包されています。


色々テストをやっていますね。とにかく順調のようで安心していられます。
下記は、5月6日23時UTC(日本時間7日8時)時点での飛行位置です。
6月7日には、3回目の軌道調整ポイントが予定されています。


Curiosityの火星大気圏突入、減速、そして着陸まであと91日となりました。
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火星の内部構造は、大切です

2012-05-05 23:36:57 | 火星地形
4月26日にESAのサイトで、Mars ExpressがOlympus山を含むTharsis bulgeを上空から重力測定して火山の形成の歴史に迫ったと言う記事が載りました。
5年間に亘って測定されたgravity mapping dataとNASAのMars Reconnaissance Orbiterのデータを統合して分析したとのこと。
素晴らしい国際協力の成果でもありますね。
Mars Expressの測定は、その離心軌道のもっとも接近する間(Tharsis火山上空275-330kmの高さにいる時)に行われました。
Tharsis地域は、1億年-2.5億年前まで火山活動が活発であったと考えられています。
地質年代上では、比較的最近となります。



Tharsis三山は、水が存在する状態で生ずる比較的軽い安山岩質の溶岩から、次により重い玄武岩質溶岩で覆われています。
しかしながら、Ascraeus山は、溶岩の密度は後期段階で減少し、その結果、火山の上部は低密度です。
「火山の高さの変化から、私たちはArsia山が一番古く、次にPavonis山、最後にAscraeus山が出来たということが出来ます。」とMikael Beuthe さんが言ってます。
*Mikael Beutheさん(the Royal Observatory of Belgiumの人でthe paper published in the Journal of Geophysical Researchの著者のリーダー)
Tharsis三山は、Olympus山と比べて非常に高密度な地下の根を持っていることが分かりました。
これらの根は、凝固された溶岩の濃厚なポケットあるいは地下マグマ溜の古代のネットワークであるかも知れないとのこと。
Olympus山の下に高密度な根がないことは、Olympus山が固い地殻の上に作られたことを示します。
一方、Tharsis三山は、それほど剛性でない地殻に部分的に沈み込んでいることを示しています。
「これらの結果は、火星の内部のデータが赤い惑星の発展を理解する鍵であることを示します。そして、火星への将来のミッションに対する1つのオプションは、火星内部を調査するため同時に地震活動を測定する、小さな着陸船のネットワークになるでしょう。」とOlivier Witasseさんが言いました。
*Olivier Witasseさん(ESA Mars Express Project Scientist)

下図は、Mars Express搭載のHRSC(the High Resolution Stereo Camera)の画像です。


タルシス・バルジは、火星には地球のようなプレートテクトニクスが存在しない為、長期間に亘ってマグマが供給された結果、Olympus山のような巨大な火山と共に形成されたと言うことに現時点では、なっています。
しかしながら、地球の海洋プレートと同様の磁気異常が見つかっており、過ってはプレートテクトニクスのような活動があった可能性もあるようです。
火山活動の歴史を解明することが、生命探査の目的に近づく近道かも知れませんね。
3月3日の当ブログ「火星を丸裸に!」で紹介したNASAの「InSight」と連動すれば、より真実に迫れるはずです。
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手の内を見せます

2012-05-02 23:01:25 | MSL
JPL主催でCuriosityが火星でどのような活動をするか科学ライター達へのPRが行われました。
講師は、John Grotzingerさんです。
John Grotzingerさん=パサディナのカリフォルニア工科大学の人で、Curiosityミッションの科学者です。

2日間のワークショップでは、Curiosityを使って火星の岩層に記録されている環境の歴史を如何に読み取るかを説明しました。
4月30日に参加者は、カリフォルニアのMojave砂漠の堆積岩が露出した場所を訪れて勉強したとのこと。

下記がその時の様子です。


結構、急斜面ですがCuriosityが登る予定のGALEクレーター内のMount Sharpの斜面もこんな感じでしょうか?
資料で見るともう少し緩やかな感じがしますが・・・
しかし、さすがアメリカ!大変オープンな感じで好感持てますね。
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自宅で火星体験

2012-05-01 23:22:18 | 火星協会
火星協会のHP上でポーランド火星協会からの提案が紹介されています。
ポーランドのTorunに「ReMY (Remote Mars Yard)」と呼ぶ施設を作り、そこで火星探査車の遠隔操作をとおして宇宙開発の教育に役立てようと言うことです。
施設では、火星の地表を再現して其処にローバーを置いて世界中からインターネットネット経由で、一般の人や高校生・大学生に探査ローバー操作を体験してもらう狙いです。
ポーランド火星協会のサイトは、こちらです。
下図は、その計画図といったところです。



そのきっかけは、昨年行われた「2011 University Rover Challenge Concludes in Utah」においてポーランドの Magma2 (Bialystok University of Technology)が下記の通り優勝したことです。
Magma2のチームは、ポーランドに帰国してからポーランド火星協会と相談して、教育を目的とした火星環境と探査車がセットになった施設の建設を開始することとしたそうです。
ReMY探査車(6-車輪の付いたローバー)は、インターネットを通じて世界中から操作が可能です。
操作者は、コマンドを送ってローバーを計画通り動かしたり、カメラを通じてローバーから見える周囲の様子を見たり、写真を撮ったりできます。
また、サンプルを採取させたり等、実際の火星探査のシュミレーションが体験できます。

ただ、大きな問題があります。
やはり、資金問題です。
「Help students from around the world get a taste of a real Mars mission! Donate now!」と言うことです。
寄付した人は、優先的にローバーの操縦権利が与えれるそうです。
寄付が集まることを期待してます。
自分のPCでローバーを操作できるなんて楽しそうですね。

以下は、2011年度ユタ州のMDRSで行われた「University Rover Challenge」の様子です。


ポーランドの学生チームは、1位Magma2と6位Copernicus でした。
Torunは、Copernicusの出身地です。

以下が、参加8チームの成績です。
Magma2 (Bialystok University of Technology)  411.3

York University 364.8

Oregon State University  348.8

Scorpio (Wroclaw University of Technology)  274.2

Brigham Young University  214.2

Copernicus (University of Nicolaus Copernicus in Torun) 202.7

University of Michigan  185.7

University of Waterloo  163.5



日本チームも参加して欲しいですね。
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