火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂え

2013-04-30 23:25:56 | MSL

惑星協会のEmily LakdawallaさんがCuriosityの本を書くことで出版社と契約を3月に結んだとの事です。
210の図を含む400ページの本だそうです。
Emilyさんの処女作となるとの事、頑張れ!
暫定の題名は「Curiosity on Mars - Design, Planning, and the First Mars Year of Operations 」となっています。
出版社が尋ねてきて、Curiosityに関する本を出版したいと言ったそうです。
その内容は、技術ばかりでなく地質学もカバーしている必要があり、かつ学者だけではなく熱狂的な天文ファンも対象にしたものとの事です。 
ご本人も自分が適任だと言ってますが、まさに適任者だと私も思います。

何時ごろの出版となるのか大変楽しみです。

Emilyさん自信もそろそろキャリアアップする時期だと考えていたとの事ですね。
しかしながら幼い2人のお子さんが居られ、他の仕事もあり逡巡していたとのこと。
チャンスと向き合った時、改めて自分を振り返り次のように思ったそうです。
*下の女の子は今年の秋にはpre-kindergarten(幼稚園の年少か?)になるので何時までも赤ちゃんではない。
 したがって、母親としての生活は、遥かに楽になっている。
 本を専門的に書く時間は、ある。
 だったら、出発しましょう!

素晴らしい決断ですね。 

更に、彼女の本に追加したい情報や意見が有ったら連絡が欲しいとの事です。
彼女の情報を上回る情報を集めることができるのは、Curiosityの関係者でしょうね。

惑星協会のブログは、続けてくれそうで一安心ですが、サポートを受けることを計画しているようです。
Emilyさんが一人でやっていた時と多少変化は出てくるのでしょうね・・・
とにかく、忙しさが増しますが健康に留意されて、ますますのご活躍を期待してます!

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双子のクレーターは語る

2013-04-28 22:14:24 | 火星地形

4月11日のESAのMars Expressのサイトで1月4日に撮影された双子のクレーターが紹介されていました。
下図の通り、直径が約50kmのクレーターが仲良く二つ並んでいます。
下図は、右が北方向です。右側のクレーターには、「Arima」という名前が付けられています。左側のクレーターは、名前がありません。
「Arima」と言うので日本名かと思いましたが、 Trinidad and Tobagoの都市の名前が由来だそうです。

場所は、下図の通りマリネリス峡谷の南、Thaumasia高地の南緯 17°、西経 64°辺りです。

下図の地形図を見ると左のクレーターに比べて右の「Arima」クレーターが高地にあることがわかります。
記事によりますと、この双子のクレーターは、小惑星によるかなり強いインパクトを受けて形成されただろうとの事です。
強いインパクトで形成されたクレーターは、中心に窪みがある複雑な形態をしており、より低いエネルギーのインパクトの場合は、単純なボウル型をしているとの事です。 
中心の窪みの大きさの違いから左側のクレーターのほうがより多くの地下水があって、それが蒸発したことが推定されます。
そして、双子のクレーターの周りの小さなクレーターによっても地下水または氷が存在していたことが推定できるとの事です。 

下図は、南側のクレーターの画像です。

こういったクレーターを観察することで火星の地表面の過去の状態を窺い知ることが出来ます。
今回のケースでは、 その結果、Thaumasia高地には、かって豊富な地下水または氷が存在し、それが大小のインパクトによって失われた証拠が得られたと言うことです。

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情報を公開して、人の意見も聞こう

2013-04-20 22:12:14 | Weblog

旧聞ですが、4月11日にマルス3号と思しき物体をMROのHiRISEが撮影した画像がNASAから発表されました。
マルス3号は、1971年12月2日、人類史上初めて火星地表面への軟着陸に成功しました

この件に関しては、スペースサイトさんが詳しいのでこちらを見てください。
米ソが凌ぎを削っていた火星探査の当時の様子が詳しく載っていますし、後半の[追加情報 04.12.2013]には今回の情報が詳しく紹介されています。

個人的には、この件をきっかけに火星探査の歴史を振り返ることとなり、大変興味深かったです。
特に今回のMROによる発見に至る経緯は、人々の熱意が、あることを成し遂げる原動力になることを教えてくれて大変励まされました。
2007年11月にMROのHiRISEが着陸地点と予想される南緯45°、東経202°のPtolemaeusクレーター内を撮影したデータがNASAから公表されていました。
その画像をもとに、ロシアの火星ファン達が5年に亘って解析して、2012年12月に今回の発見にこぎ着けたとのこと。
更にそのことをMROの担当者に連絡して、2013年3月に再度HiRISEによる撮影が行われて今回の画像が得られたと言うことです。
まさに米ロの共同作業であり、官民を越えた連携でもあり、真実の探求に国境はない、ということが証明されたことにもなりますね。
NASAが情報の公開や受入れに前向きに取り組んでいることも評価できます。

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合に入ってもいろいろやってます

2013-04-14 16:51:39 | MSL

4月7日から12日にウイーンで開かれた「the European Geosciences Union(EGU) 2013 大会」でCuriosityの調査結果が発表されました。
3月19日のLPSC(Lunar and Planetary Science Conference) に続いてとなります。
現在、火星が合となっており5月1日まで地球と火星間で通信できない状態ですが、DANとREMSそしてRADによる環境測定を継続して行っています。
また、Curiosityチームは、合による通信の中断後にドリルを使用する場所の協議を続けています。
太陽の後ろから火星が顔を出してくるのが待ちどうしいですね!
そして、その後は、新しくドリルを使用する場所に向かうこととなります。

EGUで新しい情報の発表がありましたのでメモします。
1.SAM/アルゴンの同位体比がかなり精度良く測定されました。
下図を見ますと、比較として、右側の枠には、1976年のVikingによる測定値、地球の値、火星から来たと推定される隕石の値が示されています。
左の枠には、太陽と木星でのアルゴンの同位体比が示されています。
太陽と木星の値に比べて、今回のSAMによる測定値は、かなり低いことがわかります。
このことから、火星では大気中から分子量の軽いアルゴンが多く失われていることが確認でき、火星からの大気の散逸が証明されたことになります。 

 2.SAM/"John Klein"からドリルによって採取された岩石粉末サンプルの4回目の分析結果
サンプルを加熱することで分離されたガスを四重極質量分析計(QMS)で測定しました。
下図の通り水を初めとしていくつかのガスが測定された結果、サンプル中に含水鉱物、炭酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩および硫化物および粘土が含まれていることが分かりました。
 

3.ChemCam/レーザーによる岩石表面からのダスト除去の様子。
下図は、Sol84(2012年10月31日)にChemCamのRMI(Remote Micro-Imager)で撮影されたものです。
"Rocknest_3."でレーザーを300回発射した時の前後の画像です。
それぞれの対角線が7cm。右の画像で縦に見える線は、レーザーによってダストが除去された跡で幅が7mmです。
対象の岩石表面とレーザーとの接触範囲は、0.5mmですが、レーザーの衝撃波によって広範囲にダストが除去されています。
火星表面は、ダストで覆われていますので、レーザーは、その表面下を探るために有効な機能です。


 

4.ChemCam/LIBS(Laser-Induced Breakdown Spectrometer)での分析結果
ChemCamは、レーザーの当たるたびにレーザーによって分解された成分をLIBSで分析することが出来ます。 
下図は、 Sol27(2012年9月2日)にCuriosityに搭載されているテスト用の黒鉛をレーザーで50回打った結果です。
1回目と50回目ののショットによる分析結果を比較できます。 
1回目のショットは、表面のダストの成分が測定されています。50回目のショットでは、黒鉛その物を測定していることになります。
サンプル表面は、レーザーに打たれるたびに表面が蒸発して下層が出てくるのでサンプルの垂直方向での成分変化を確認できるわけです。 

5.ChemCam/Sol100間で岩石と土とダストを測定した結果
*Sol100間=2012年8月5日~2013年11月16日。
下図は、縦軸がアルカリ、横軸が水素です。
岩石は、幅広いアルカリ含有を示していますが、水素の含有は、全て低い値です。
土は、粗い土と細かな土とで異なっています。 
ダストは、アルカリが低く、水素が多いことが分かります。
粗い土は、Galeクレーターの北側の縁の Peace Vallisからの扇状地に堆積した岩の欠片から出来ていると思われます。
細かい土は、 "Rocknest"でCuriosityがサンプル採取した風の影響を受けた堆積物のように風性の影響を受けた湖床等で主として見つかる物質です。
アルカリの低い細かな土とダストは、組成が似ています。 

 

6.REMS/気圧の測定結果。
2012年8月中旬から2013年2月末までの毎Solでの最高・最低気圧を測定しています。
下図の測定開始時は、南半球の晩冬で、終了時は、春の終わり頃に相当します。
南極が暖かくなることで大量のドライアイス(二酸化炭素)が気化しているために気圧が上昇している様子が分かります。
この後、今度は、北極にドライアイスが積もり始め、気圧が低下します。
この効果で大気が30%程度増減するということです。

7.REMS/気温・地表温度の測定結果。
上記の気圧測定と同時期のデーターです。
下図の上のグラフは、Curiosityの周囲の気温を測定しており、下のグラフは、地表温度の測定結果です。
気温は、ほぼ安定した結果ですが、地表温度は、Sol120で変化を示しています。
地表の性質の違いを反映したものです。
軌道上からの赤外線計測からも予測されていた高熱慣性(ゆっくり冷え、ゆっくり暖まる)を持った地域に入ったためです。
この地域は、土や砂よりも露頭が多く見られるためだと思われます。 

8.REMS/旋風の検知
REMSの圧力センサーと紫外線センサーで微妙な変化を捕らえることで旋風を検知しています。
下図の左上が圧力センサー、左下が紫外線センサーによる測定結果です。
右上は、Pathfinder、PhoenixとCuriosityでの気圧低下度と発生頻度の棒グラフです。
各々違う場所に着陸しましたが、似たような圧力変化の発生頻度であったと言うことです。
右下は、気圧変化時の風センサーが示した挙動を示しています。

Galeクレーター内部では、ダストデビルの通り道はないとのことですが、旋風は結構発生しているようです。

9.REMS/湿度は低いが、変動する。
着陸地点からRocknestそしてGlenelgへと異なった地域毎の相対湿度を測定しました。

記事では、地球と比べて相対湿度が非常に低いとしか記載がありませんが、大きな変化がありますので何らかの説明が欲しいところですね。
Curiosityが通った地質による変化のようですが・・・

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GALEクレーターに強気な風が吹いてきた

2013-04-08 23:44:28 | MSL

火星が4月19日に合になるため、4月4日から5月1日までの間、地球と火星との通信が途絶えている状態です。
5月1日以降の最優先事項は、ドリルを使用する別の適切な岩を見つけることでしょう。
そして、科学者達は、the Yellowknife carbon storyを確立するために走ることを望んでいます。
Curiosityが6月前半にシャープ山の方へ移動し始めるとすれば、2014年1月までにその側面に達することになるでしょう。

以下に、John Grotzingerさん(Curiosity Project Scientist)とKirsten L. Siebach(planetary geologist )がLPSC(Lunar and Planetary Science Conference)で発表したことを紹介します。
彼らは、有機分子が保存されている可能性があり、生命適合性の環境を示す"boxwork"地質構造を見つけていました。
3月28日のMarsTodayの記事です。 

上図は、MRO(Mars Reconnaissance Orbiter)と OdysseyがCuriosityの着陸地点を選ぶために撮影した画像です。
その画像によってSharp山に大規模な"boxwork"地質構造があることが判りました。
それらは、クレーターの底にいるCuriosityから880mの高さにあり、Curiosityはそこへ数年かけて登って行くことになるようです。
そこは、広範囲の地下水の浸透を示していて、有機分子が保存されている可能性のある生命適合性の環境を示しています。
そこは、生命の生存に適した場所であったでしょう。
青の星印は、尾根の特徴を示しています。
この構造の地図作成は、このサイトでの水の最小量を定義するために利用されます。 

 

MROによって撮影された上図の画像のとおり、 the boxwork構造は、屋根の無いビルのフレームのように見えます。
破砕ネットワークは、風に吹かれた暗い沈殿物で満たされた浅いくぼみによって分離された、明るいトーンの尾根として表わされます。
尾根は幅で平均4-5mとなり、尾根の中心を剥ぎ取られた薄い暗い一片によって時々マークされます。
くぼみは、深さ0.5mですが、深さ11.5フィート(3.5m)以内の険しい壁によって尾根から分けることができます。

Gale's Crater's Lakes

Yellowknife Bayエリアがしばしば古代の湖底であると見なされてきましたが、研究者は、直径約161kmのGaleクレーターの歴史の中で3つの大きな湖があったことを立証する証拠を解明したようです。

Sharp山が大部分水没している図です。

旧湖水線を立証する証拠は、デルタ、峡谷から局部扇状地堆積物までの地形的変化および地形学的段丘から成ります。

それらの湖、およびそれらが残した証拠は次のとおりです:
Highest Level Lake:Curiosityの高解像度色Mastcamカメラと軌道からの画像があります。
それによって、大きな湖がクレーターの縁を越すぐらい満杯で、島としてSharp山の上部15%を残す程度であったことを示すそうです。

650mの深さの湖が残っている様子です。

A 2,133 ft. (650 m.) deep lake:Dietrichさんと Palucisさんは、Dr. Ross Irwinさん(a Smithsonian National Air & Space Museum geologist)による初期の仕事を引用して、その画像が100mの高さの暗いトーンのデルタがGaleクレーターの南西の隅に存在することを示すとLPSCで報告しました。

デルタの高さは、ラフにいうとSharp山の南側の逆の川底の低い端とクレーターの北東側の異なった段丘に相当します。
Dietrichさんと彼の同僚によれば、この高さは、現在の地形学によれば、湖は、平均深度650mで、約5,830平方kmを覆っていたことになります。

Boxwork level lake 558 ft. (170 m) deep:LPSCで著者は、箱状の特徴が存在するところで、別の湖がほぼ同じ高さに海岸線の跡を残したと報告しました。
シャープ山の湖の高さおよびGaleクレーターの壁の記録は、この湖が深さ170mだった周囲400kmの湖と一致するだろうということを示します。
この湖は、Sharp山の北そして東の側にありました。

湖水線のこの連続の最も単純な解釈は、水で満たされたクレーターがあり、
そして、次に地形学的に湖水線が、形成されるほど2つの高さで恐らく長く止まって、次第に水が無くなって行ったということです。
2つのより低い深い湖は、南から入る大きな峡谷のデルタによってマークされます。
有望な南部高地地方は沈殿物と同様に水の源として役立ちました。

3つの高い湖水線は、Sharp山とクレーター壁の中の堆積物の飽和を引き起こしていたでしょう。
Galeクレーター中の湖水線が減少するとともに、Curiosityが着陸した地点に非常に近い低地は、水が残った最後のエリアのうちの1つだろうと言うことです。

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