火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

とにかく順調です

2012-03-28 23:11:07 | MSL
JPLの3月26日のNEWSによりますと2回目の軌道修正及び機器のチェックが無事終了したとのことです。
①6回予定されている内の2回目の軌道修正は、9分間スラスターを噴かすことで成功裏に終了しました。
 Galeクレーターに向けてより正確な軌道に乗った訳です。
②行程中で初めて搭載機器の点検をした結果、全て順調とのことです。
 RADは、ここ3ケ月で太陽フレアの活動もあり、将来の有人探査飛行に向けて貴重なデーターを収集したようです。

下記は、当初計画ですがほぼその通り進んでいますね。



3月29日時点でCuriosityは、火星への5億6700万キロメーターの道のりの内、3億1600万キロメーター飛行したことになります。
また、日程的には4月1日が旅の中間となります。
(4月1日は、255日間の行程の内の128日目です。)
CuriosityのEDLの成功は、従来より重い探査機をより狭い目標に着陸させることになりますので、将来の有人探査を可能にする能力を我々がてに入れるための前進となります。
期待が高まりますね。

EDL=Entry, Descent, and Landing
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赤い星には、赤いトマトが良く似合う!

2012-03-24 22:07:37 | 植物工場
3月23日のMarsDailyにカナダやアメリカの小学生を中心に宇宙での自給自足を目指してトマトの栽培研究をしているTomatosphereというプロジェクトが紹介されていました。
先生と学生を大々的に組織しているようです。
現在、カナダとアメリカの13,700クラスが参加しているとのこと。
また、スペースシャトルの最終フライトでISSに60万個のトマトの種を届けており、今後3年間ISSに保管してから学生達に配られるとのことです。
学生は、宇宙空間を経験した種と普通の種の発芽率や生育率を観察して記録します。

Tomatosphereで目指しているのは、2つの目標です。
①若い学生へ教育と活力を与えること
②宇宙での活動範囲等を広げて、最終的に火星に行き着くこと



宇宙空間での生活、その中でも火星への有人探査を明確に打ち出しています。
火星への片道が6ケ月、滞在が18ケ月、合計で30ケ月=900日間と想定しています。
(火星協会のマーズダイレクトは、910日間としており、全く同じ前提ですね。)

宇宙で暮らす為、自給自足出来る物は極力そうするべきです。
呼気や大小便からの水や酸素の回収や現地での燃料調達なども考えられています。更に、植物を育てることで食料の確保、酸素そして水の確保をすることが出来ます。

学生達のやることは、苗の発芽から収穫までの全工程を観察することです。約3ケ月かかるとのこと。

なぜ、トマトなのか?
「それは、トマトは、広く使われていて栄養価が高い。」
「そして、ビタミンA、Cそしてリコピンが高濃度に含まれており、心疾患やガンの予防に有効な食品でもある。」
と言ってます。
宇宙空間では、放射線の影響はかなり注意する必要があるので食事で低減できるならば、より安全に宇宙で暮らせるようになりますね。
トマト料理のレシピとカナダ政府の食事ガイドラインも提供されています。

スポンサーは、CSA(Canadian Space Agency)、the University of Guelph、 Agriculture and Agro-Food Canada、the Ontario Centres of Excellence、Heinz Canada、Stokes Seedsです。

日本でも桜なども含め、色々な種子がISSに持ち込まれて宇宙に滞在後、地球に持ち帰られたものを小学生たちが育てたということはやっていますね。
でも、Tomatosphereの方がより具体的な感じを受けました。
日本でも宇宙農業を目指しているグループが居るので、Tomatosphereの活動は大いに参考となるのではないでしょうか?
事務局も今年は、トマトを育てようかと思っていたところでしたので、早速やってみようかと思います。
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何とか粘り腰で、行くぞマーズ

2012-03-18 18:55:45 | EXOMARS
アメリカの突然の離脱によって危ぶまれていたExoMarsは、ロシアの参加を得て生きながらえた模様です。
詳しくは、SpaceNewsMarsDailyにて
SpaceNewsは、space-libraryさんから教えていただきました。



しかしながら、ミッションは2016年と2018年を一体として実施することで成果が得られるものです。
2016年のミッションは、実施に向けて動き出しましたが、資金面での課題が引き続き残された形でEU19カ国内で調整をしつつ、資金獲得に知恵を絞る必要があることに変わりは無いようです。
ESAは、ExoMarsの予算を10億ユーロ獲得していますが、EU各国から8億5千万ユーロの確約しか得ていないのが実情です。
更にNASAの撤退によって予算総額は、12億ユーロとなることが予想されています。
全世界の経済状態が悪い中で厳しい状態が続くことに変わりはありません。
でも、とりあえず2016年のミッションは、青信号が点灯した訳で、ESA本部は、スケジュールの点検に入っています。
このミッションは、Thales Alenia Space(フランスとイタリア)が主導しています。

また、ExoMarsはESAによる有人火星探査を目指すAurora計画の一環で計画されたものです。Wikipediaは、こちら
2016年には、周回機と着陸機。
2018年には、着陸機2機の構成となってます。
生命の探査のほか2020年代にサンプルリターン計画があり、更に有人探査を視野に入れた調査となる模様です。


当面のミッションのタイムラインは、以下の通り。

2012年
March - April : Mission concept review concluding on the joint Rover architecture
March     : Preliminary Design Review of the DREAMS payload - kick off
January    : Study completion on the possible cooperation with the Russian Space Agency

2016年、2018年の打上を目指して粘り腰を発揮して欲しいものです。
日本の参加も考えてみましたが、当面日本は、MELOS計画をしっかりやって技術者の育成に繋げるのが良いと思います。
それにしてもロシアの参加は、PHOBOS-GRUNTの失敗と関連あるのではないでしょうか?
ミッション中止によって予算も人員も余裕が出た訳でしょう。
今度は、プロトンロケットを使用するということですので火星までしっかり届けてくれることを期待しましょう。
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いよいよ道半ば

2012-03-14 22:59:08 | MSL
3月14日13:55(UTC:日本時間22時55分)のCuriosityの画像です。
NASAの「Where is Curiosity?」で見ることが出来ます。
1分毎に更新されています。
「NASA's Eyes on the Solar System 3-D interactive」を使った画像とのことです。
他の探査機もあるのでいろいろ遊べそうです。



地球からの距離 : 58,370,258km
火星からの距離 : 64,250,122km
今までの飛行距離: 282,134,855km
今後の飛行距離 : 284,931,716km


火星は、下記のように見えています。この画像は、JPLの「Where is Curiosity?」の提供です。
こちらは、1日1回の更新のようです。3月13日23:00(UTC:日本時間3月14日8時)時点です。
タルシス三山とオリンポス山がはっきり見えてますね。



この画像は「the Solar System Simulator」によるものです。

下記は、太陽系を上から見た時のCuriosityの位置を示しています。大きい画像は、こちら



太陽フレアの影響などは特に発表されていませんね。
ただひたすら火星を目指して飛行を続けています。
あと着陸までに144日となりました。
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復興者たちへ連帯を!

2012-03-11 21:34:10 | 出る月を待つべし


あの日から1年が経ちました。
言葉の空しさを感じております。
でも、言葉の素晴らしさも感じています。

国のあり方や機能も含め、より良いシステムを考える良い機会としたいものです。

国民を本当に守ってくれる。
情報公開の進んだ。
責任者がちゃんと責任を取る。
ウソをなるべくつかない。
お互いが連帯しあえる。
お互いを尊敬しあう。
お互いを労わりあう。
若者が希望を持てる。
管理やマニュアルだけではない。
いつも笑顔が絶えない。
歌声が聞こえる。
鼻歌や口笛が出てしまう。
偉い人の言うことだからと信じない。
いろんな意見が言える。
過去の歴史を大切にする。
チャレンジすることを大切にする。
何度でもチャレンジできる。
お仕着せでない、いろいろな仕事が生み出される。
いろいろな生き方が許される。
差別の無い。
貧乏の無い。
戦争をせず平和でいる。

新しい文化をみんなで創る。
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Curiosityをハッキングしよう

2012-03-08 22:13:52 | MSL
3月1日のMarsTodayDoug MohneyさんがCuriosityのユニークな活用法を提案しています。
*Doug Mohneyさんは、コラムニストで編集者とのこと。

NASAが火星関連の予算を削減しましたが、火星探査にはまだまだ工夫の余地があるという前向きな提案です。
その提案は、
「Curiosityが今年の8月にGale Crater に着陸して687SOLの探査活動を無事終了したら、sample rackを届けてCuriosityのロボットアーム等を利用して目ぼしい火星の土や岩のサンプルを採集させて、地球へ送り届けさせよう」というものです。



sample rackに求められる機能は、以下の通りです。
①軽量であること(1kg未満)
②サンプルの入れ口が簡単に開け閉めできるシステムであること
③機密性は左程必要ではない(火星-地球間で大切なサンプルがこぼれない程度は必要)
*事務局としては、機密性があった方が良いと思いますが、重量が重くなればなるほどミッションが難しくなるというジレンマがあります。
④なるべく単純な機能とすること(エレクトロニクス等は含まないこと)

シナリオは、以下の通りです。
2014年か2016年にPathfinderの時のようなエアーバッグ方式でsample rackを届ける。
2016年-2018年の間で、Curiosityがそれをデッキに積みサンプル採取する。
2018年にsample rackを帰還船へ届ける。
2018年か2020年に帰還船で地球にsample rackが届けられる。

この方法だとCuriosityのリソースが活用できるし、サンプルリターンも早めることが出来そうです。
また、sample rackを届ける時に同時に、HIAD(hypersonic aerodynamic decelerator:極超音波空気力学減速器)のテストやCubeSatでのテストなど付随して成果が得られることも考えられるとのことです。

この提案の裏づけは、CuriosityがGale Crater での本来のミッションを終了したあとでも十分なエネルギーを持っていることです。
約14年間稼動が可能なエネルギーだそうです。
また、ロボットアームの機能の多様性も寄与しています。



転んでもただでは起きない逞しさを感じますね。
工夫すれば、いろいろ出来そうですし、オバマさんを恨んでも仕方ないですものね。
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火星を丸裸に!

2012-03-03 23:21:06 | NASA


2月28日のMarsTodayにNASAのDiscovery Programの内の火星を目指すミッションに新しい名前がついたとのことです。
昨年5月13日に当ブログでも紹介したGEMS(Geophysical Monitoring Station)というミッションが「InSight」と命名されたとのこと。
InSightは、下記のDiscovery Programの3つの候補の内のひとつです。

①Geophysical Monitoring Station (GEMS→InSight):火星内部の構造と組成の探査から地球型惑星の形成や進化の理解を深めることを目的とする。
      Bruce Banerdtさん(NASA's Jet Propulsion Laboratory)がプロジェクトを統括。

②Titan Mare Explorer (TiME) :タイタンに着陸し、メタン-エタンの海に浮かぶことで地球外の海の環境を探査することを目的とする。
      Ellen Stofanさん(Proxemy Research Inc)が主任研究者、Johns Hopkinsさん(University's Applied Physics Laboratory)がプロジェクトを統括。

③Comet Hopper :彗星に何回も着陸することで、彗星の進化や太陽からの影響を研究することを目的とする。

いよいよ3月19日までにconcept study reportsが提出されます。
そして、1つのミッションが選ばれることになります。
ぜひ、火星のミッションである「InSight」に決まることを期待しています。

「InSight」について少し詳しく記載します。下記の通りです。

1.スケジュール (2016年5月30日が最接近で地球と火星の距離が7,528万kmとなります。)

 打上      — 2016年3月10日~29日
 火星到着    — 2016年9月20日
 活動期間    — 1火星年 (669 solsまたは687日)
 最初の連絡   — 2016年10月
 装備の展開   — 30 sols (12 solsの予備を含む)
 総取得データー — 30 GB以上
 終了      — 2018年9月10日

2.目的
①火星の内部の構造の調査および火星の進化の過程の調査から地球型惑星の構造および発展を理解する。
・核のサイズ、構成および物理的状態(液体/固体)の測定。
・地殻の厚さおよび構造の測定。
・マントルの構成および構造の測定。
・内部の熱の状態の測定。

②火星の地殻変動活動および隕石インパクトの現在のレベルを決定する。
・内部地震活動の大きさ、割合および地理的分布を測定。
・地表への隕石インパクトの割合を測定。

3.測定機器
①SEIS(地震計):火星内部活動の震動および他の活動の正確な測定。
②HP3(熱流量プローブ):惑星の進化の代表的指標の温度測定。
③RISE(位置情報):太陽引力による火星軌道のゆれや地球との位置変動の測定によって火星内部構造の測定。

地球型惑星の進化の解明が進むことを期待しています。
また、火星の成り立ちが詳しく分かり、現在の内部構造が解明されれば、生命探査の的も絞り易くなると思います。
ぜひ、「InSight」を実行して欲しいと思います。









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