火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

微調整実施!

2012-06-28 21:25:31 | MSL
6月26日のJPLの発表によりますと26日に軌道調整を実施したとのことです。
今回の調整は、当初予定されたものではありませんが、当ブログ「山のあなたのそば近く」でお知らせしたとおり、Sharp山により近い地点に着陸させる為のものです。
今回の調整は、2011年11月26日打ち上げ以来3回目のもので、4つのスラスターを合計40秒噴かしたとのことです。
これによって、Curiosityを積んだ宇宙船の速度を時速1マイルのおよそ10分の1(秒速50ミリメートル)速めたとのこと。
今回の速度調整は、1月11日に行われた最初の軌道修正の約150分の1、3月26日の2回目の軌道修正の約20分の1の規模だそうですので、かなりの微調整といえるでしょうね。

軌道調整は、宇宙船からのデーターとドップラー効果測定で成功したことが確認されています。
宇宙船は、計画より約70秒早く高度約200kmで火星大気へ突入することとなります。

Sharp山近くに着陸する為、着陸目標範囲を従来20km×25kmのところを7km×20kmに狭めており、このことで着陸地点からSharp山の斜面の調査目標地点に移動する為の時間が数ケ月短縮できる見通しです。
単純に言っても、幅で13km、長さで5km縮んでいます。

Curiosityの移動速度は、最大で時速90メートル、平均では時速30メートル程度と予想されています。
時速30メートルとして1日10時間移動したとして、30日で9km移動できますが・・・移動するのが目的ではないですからね・・・
より目標に近く着陸することは、重要だと思います。

6月27日時点で宇宙船は、火星まで567百万kmの行程のうち494百万kmを飛行したとのことです。
いよいよ着陸まで40日を切り、クルージングフェーズからアプローチフェーズへ移行しました。
Curiosityのチームは、着陸を成功させる為に忙しくなることでしょう。
下記の通り、突入8日前から3回の軌道調整が予定されています。



着陸に関してのビデオは、こちらです。



今回の着陸が成功すれば、今までと比べてより小さな目標地域により重いペイロードを安全に輸送できる大胆な技術が確立できたことになります。
これらの革新は、今後の色々なミッションの可能性を広げることとなります。
そして、火星への有人探査に必要とされる能力の獲得に向けNASAを大きく前進させることとなります。
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着陸目前のイベント

2012-06-27 22:44:28 | MSL


6月26日のMarsTodayによりますとNASAがCuriosityの着陸直前の8月3日にイベントを開催するそうです。
イベントは、NASAの下記6ケ所で開催されます。
Ames Research Center in Moffett Field, Calif.
Glenn Research Center in Cleveland
Goddard Space Flight Center in Greenbelt, Md.
Johnson Space Center in Houston
Langley Research Center in Hampton, Va.
Jet Propulsion Laboratory (JPL) in Pasadena, Calif.,
各会場は、multi-center NASA Televisionで繋がれます。
参加者は、NASA関連のsocial media登録者から選ばれます。
それは、Twitter、Facebook、Google+ そしてその他のsocial networksです。

参加者は、MSLミッションについてと各施設について学ぶことが出来ます。
そして、各social mediaを利用して議論や情報交換をすることが出来ます。
5つの新しいNASA Socialsは、6月29日正午 EDT(日本時間6月30日午前1時)から7月3日正午 EDT(日本時間 7月4日午前1時)まで開いていますので、その間に登録してくださいとのことです。
登録に関する詳細は、ここです。
・交通費、宿泊費、食事などは、個人負担です。
・アメリカ人でなくても登録出来ます。
・複数のsocial mediaへの登録は、認められないようです。

いよいよあと39日でCuriosityが火星へ着陸するのですね~

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熱いぜイ!

2012-06-20 23:17:14 | EXOMARS
2018年打上予定のESAのExoMarsに使用されるローバー「the Seeker」のテストが5月にチリのアタカマ砂漠で行われた様子が6月18日に紹介されています。



実物大の大きなローバーは、室内実験や屋内実験を繰り返していました。
そして、火星環境に近いアタカマ砂漠での実地テストとなったわけです。
テストでは、目的の6kmの走行は、残念ながら5.1kmに止まりましたが、素晴らしい多くの経験を積むことが出来たとのことです。
6kmを完走できなかったのは、天候が理由でした。
試験当日は、非常に暑く風が無かった為、「the Seeker」が異常に熱くなり、風が出るまで停止させた影響とのことです。
下図は、ローバーの走行の様子です。
大きな画像で見ると人が写っていてローバーの大きさが判ります。




流石に火星っぽいです。
しかし、NASAのローバーと大きく違うのは足回りです。
壊れにくさを追求した結果なんでしょうか?なんだか走りにくそうですが・・・
試験した場所は、ヨーロッパ南天天文台の近くで、寒さや風の強い夜には避難場所を提供してくれたとのこと。
「the Seeker」は、完全自律走行を計画していて6kmを時速900mで走り、最初の場所に戻る予定でした。
ESAでは、火星とのタイムラグが最大で40分ほどとなるので自律走行での探査を計画しているとのことです。

下図は、UAVを整備しているところです。
このUAVで航空写真を詳細に撮影してその情報を元に「the Seeker」の走行プログラムを作成したそうです。


下図は、このテストを実行したThe StarTiger Seeker industrial teamです。



手前左から
Gary Crossさん - BAE Systems - Robotic Platform
Dr. Mark Woods - SciSys - Seeker Technical Lead
Dr. Bach Van Pham - LAAS - DEM Generation and Absolute Localisation
Patricio Raul Arias Ortizさん - Field Guide
後ろ左から
Unal Artanさん - MDA - Path Planning
Estelle Tideyさん - Roke Manor - Visual Odometry
Dr. Andy Shaw - SciSys - Software System Lead
Wayne Tubbyさん - RAL - Programme Logistics and Support
Aron Kisdiさん - RAL - Programme Logistics and Support
Brian Maddisonさん - RAL - Project Manager
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山のあなたのそば近く

2012-06-15 00:01:02 | MSL


6月11日に発表されたJPLのCuriosityのサイトによりますと着陸目標範囲を狭めることで、よりSharp山に近く着陸することが可能となったとのことです。
従来20km×25kmであった目標範囲を7km×20kmとしたとのこと。
そのため上記の写真の通り、よりSharp山近くに着陸目標を設定できたとのこと。
適切な場所に正確に着陸することは、着陸後の探査がスムースに無駄なく実行できることに繋がります。
移動のための無駄な時間が短縮されるというわけですね。(飛行場も近いほうが使い勝手は、良いですから)
Curiosityが2011年11月に打ち上げられて以来、エンジニアはその着陸ソフトウェアをテストし続けて改善し続けていました。
Curiosityは、過去2週間の間にコンピューターにインストールされた飛行ソフトウェアの最新バージョンを使用します。
火星の表面でのオペレーションのためのソフトウェアの追加改良は、着陸一週間後頃に探索車のもとへ送られる予定です。
しかしながら、こういうソフトウェアはこんなに直前まで手直しされるものなんでしょうか?

また、別な問題としてサンプルを採取する為のドリル由来のテフロンがサンプルに混ざる可能性が分かったとのこと。
でも、NASAの見解は、生命探査の妨げにはならないということです。

飛行は、順調でCuriosityは、8月6日午前1:31 EDT(日本時間:14時31分)に火星のGaleクレーターへ着陸する予定です。

着陸の際は、NASAのMROと2001 Mars OdysseyとESAのMars Expressの3機の周回機が出迎えてくれるようです。
2001 Mars Odysseyは、不調とのことですが、通信等は大丈夫なようです。
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Phobos-Gruntの遺産

2012-06-11 22:56:17 | EXOMARS

RIA Novostiの写真です。

6月11日のMarsDailyに6月8日付のRIA Novostiの記事が紹介されていました。
ESA spokesmanの Rene Pischelさんが「今年の11月に火星探査プロジェクトへのロシアの参加が正式に決まる。」と先週の金曜日(6月8日)に発表しました。
現在、調整中で11月のESA閣僚会議の後に正式調印となるようです。
既にロシア側は、ロシア科学アカデミーの宇宙会議でExoMarsへの参加が承認されたとのことです。
また、この記事によりますとRoscosmosは、以前、あっけなく失敗に終わったPhobos-Gruntの12億ルーブル(約4070万ドル)の保険金でExoMarsの調達資金を一部カバーすることができるかもしれないと言ってたとのことです。
3月18日の当ブログ「何とか粘り腰で、行くぞマーズ」での情報では、3.5億ユーロ程の資金が不足しているので、焼け石に水のような額ではありますが、心強い援軍です。
Phobos-Gruntと違って今回は、Protonロケットを使用する計画なので大丈夫かと思います。
しかしながら、ロシアの惑星探査は、曰く付きですから不安があります。
過去に囚われず、最善を尽くして欲しいものです。

国際プロジェクトとして進んで欲しいと期待してます。
人類の英知を!
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Curiosity最新情報の予告

2012-06-09 23:06:58 | MSL
Curiosityは、8月6日午前1:31 EDT(日本時間:14時31分)に火星のGaleクレーターへ着陸する予定です。

NASAが6月11日12時 EDT(日本時間:12日午前1時)にCuriosityの最新情報を提供するテレビ会議を開催するとのことです。
パネリストは、下記の方たちです。
-- Dave Lavery, MSL program executive, NASA Headquarters, Washington
-- Michael Meyer, lead scientist, Mars Exploration Program, NASA Headquarters
-- Pete Theisinger, MSL project manager, Jet Propulsion Laboratory, Pasadena, Calif.
-- John Grotzinger, MSL project scientist, California Institute of Technology, Pasadena, Calif.

その様子は、オンラインで音声で流されます。

また、Facebook Twitterでフォローできます。

順調に飛行していますので、特に問題はないかと思いますが、どのような事が話されるのか?興味深いですね。



予定では、6月7日に3回目の軌道調整をしていますのでその報告ではないかと。

6月8日23時 UTC(日本時間:9日8時)時点であと58日となっています。
既に45,905万km飛行しており、火星との距離は1,848万kmとなっています。
軌道の関係で残り10,795万kmを飛行して火星へ接近します。

次は、7月29日(着陸まで8日)に4回目の軌道調整がある予定です。
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NASAねばならぬ何事も

2012-06-03 23:20:35 | NASA
いろいろ取込中で更新が滞っておりますが、よろしくお付き合いください。



さて、5月25日のMarsTodayの記事にNASAの新しい火星探査計画の為のワークショップ開催の案内が紹介されています。
その「Concepts and Approaches for Mars Exploration」は、the Lunar and Planetary Instituteの主催で6月12日-14日の3日間行われる予定です。
場所は、Houstonで参加者は、招待者のみとのこと。
しかしながら、Webで会議の様子が見られるようです。(探しましたが、分かりませんでした。もう少し経てば案内が出るかも)
NASAの呼びかけに応えて、多くの科学者や技術者から予想の2倍を越える400ものユニークで大胆な提案が寄せられています。
ワークショップのプログラムを見ると予稿集が読めます。

ざっと下記の通りです。

Tuesday Morning, June 12, 2012
8:00 a.m. Lecture Hall Opening Plenary
10:00 a.m. Lecture Hall Technology and Enabling Capabilities: Fixed Landers and Communication
10:00 a.m. Hess Room Human Exploration and Precursors: In Situ Resource Utilization
10:00 a.m. Berkner Room Science and Mission Concepts: Using Mars’ Moons
Tuesday Afternoon, June 12, 2012
2:00 p.m. Lecture Hall Technology and Enabling Capabilities: Mobile Surface Spacecraft and Navigation
2:00 p.m. Hess Room Human Exploration and Precursors: Power and Propulsion
2:00 p.m. Berkner Room Science and Mission Concepts: Motivating Science

Wednesday Morning, June 13, 2012
8:00 a.m. Lecture Hall Technology and Enabling Capabilities: Aerial Platforms and Investigations
8:00 a.m. Hess Room Human Exploration and Precursors: Humans On or Near Mars
8:00 a.m. Berkner Room Science and Mission Concepts: Compositional Investigations
Wednesday Afternoon, June 13, 2012
1:00 p.m. Lecture Hall Technology and Enabling Capabilities: Regolith Sample Acquisition, Handling, Analysis, and Storage
1:00 p.m. Hess Room Human Exploration and Precursors: Meteorological and Atmospheric Investigations
1:00 p.m. Berkner Room Science and Mission Concepts: Geophysical Investigations

Thursday Morning, June 14, 2012
8:00 a.m. Lecture Hall Technology and Enabling Capabilities: Mars Sample Return Architectures, Strategies, and Vehicles
8:00 a.m. Hess Room Human Exploration and Precursors: Entry, Descent, and Landing
8:00 a.m. Berkner Room Science and Mission Concepts: Organic Molecule and Life Detection
Thursday Afternoon, June 14, 2012
1:30 p.m. Lecture Plenary: Breakout Reports

最終目標は、オバマ大統領が掲げている有人火星探査を2030年代に実現させることです。
早期の計画(2018年-2024年実施予定)と中長期計画(2026年以降)とに分けられているようで、計画の実施は、2018年からということです。
ExoMarsからの離脱を進めていることと関係ありますね。
アメリカ主導での宇宙開発を目指すということでしょう。
事務局的には、国際協力で中国も巻き込んでやって欲しいと切望します。
オリンピックやワールドカップのように協調しつつ切磋琢磨したらどうでしょうか?甘いですか・・・
MPPG(The Mars Program Planning Group)がワークショップでの様々なオプションについて予算的、プログラム的、科学的そして技術的制約について考慮するとのことです。
当面の最大の目標は、火星からサンプルを持ち帰ることだそうですので、日本のMELOS計画にもチャンス有りですね。
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