火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

手描きの火星地図

2016-03-11 18:19:19 | 火星地形

Eleanor LutzさんがNASAのデーターを利用して中世の古地図を模した火星地図を手描きで作成してブログで発表してます。
Eleanor Lutzさんは、サイエンス・アーティストでシアトルを拠点に活動しているそうです。
彼女のブログを見ると火星地図を使ってポスターはもちろんスマホケースなどを販売しています。
http://tabletopwhale.com/2016/02/27/here-there-be-robots.html

Photo by Eleanor Lutz

MEG2NEWSでも紹介されています。
http://www.mag2.com/p/news/155773 

*凄く見やすい地図です。

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英国陸地測量局が火星まで・・・

2016-02-28 11:44:17 | 火星地形

英国陸地測量局のChris Wessonさん(地図製作デザイナー)がNASAのデーターを使用して新しい火星の地図を作成しました。
ブログFlickr、Twitterで発表されています。
特徴は、火星の地図として今まで発表されたことのない画像処理を施してあり、見やすくなっていると言う点です。
火星全域の7%程度の範囲で、1:4,000,000の縮尺です。
でも、しっかり2018年に打ち上げられる予定のExoMARSの着陸候補地を含んでいます。
さらに、現在公開中の映画「オデッセイ」でマーク・ワトニーが一人で3,200kmを移動したルートが含まれていますね!
これって、偶然ですか? 

Crown copyright and/or database right 2016 OS(Ordnance Survay)

もうひとつの画像があります。位置関係が分かりやすいですね。

ExoMARSの着陸候補地は、下図のとおりです。
*当ブログ(2015.10.28)の「 ローバー着陸候補地が絞り込まれたようです」を参照してください。

映画「オデッセイ」でワトニーが移動したアキダリア平原からスキャパレリクレーターまでのルートは、下図のとおりです。
*当ブログ(2016.1.18)「オタクら・・・劇場で見てね!」を参照してください。 

NASAのMars Trekと見比べてみるのも一興ですよ。

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最新の地質図

2014-07-25 14:48:43 | 火星地形

USGSから火星の最新の地質図が発表されました。
マーズグローバルサーベイヤー、マーズオデッセイ、マーズエクスプレス、マーズリコネッサンスオービターの16年間のデーターの集大成です。
膨大な資料で作られた地質図は、新しい火星の姿を提示してくれます。
マリナー 4号が1965年に火星の画像を送ってきてからマリナー 6号、7号、マルス2号、3号、5号、バイキング 1号、2号、マーズグローバルサーベイヤー、マーズオデッセイ、マーズエクスプレス、マーズリコネッサンスオービターとどんどん進化した画像を送り続けてきた成果です。
パンフレットは、こちら、地質図は、こちらです。 

また、1971年に火星着陸を果たしたマルス3号以来、バイキング 1号、2号、マーズパスファインダー、スピリット、オポチュニティ、フェニックス、キュリオシティが実地で地質データー取ったのも探査技術の進歩に繋がっています。

事務局のような素人には、資料が膨大すぎて消化できませんね。
でも、楽しみにいろいろ見てみたいと思っています。 

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Viking Orbiterのデータがバージョンアップしました!!

2014-03-05 22:21:05 | 火星地形

3月4日のEmillyさんのブログによりますとViking Orbiterのデータから作られていた火星のグローバルカラーマップがバージョンアップされたそうです。
今までより位置情報が正確になり、色が修正されています。 
下記がMDIM(the Colorized Viking Mars Digital Image Model、version 2.1)です。  
詳しくは、こちらにて

右下にヘラス盆地に掛かる白い雲が見えます。
下図は、今までの着陸船の名前と場所を示しています。Emillyさんが作成したものです。
白い色が着陸成功したもので灰色が失敗、青色は今後のミッションです。 

 

下図は、Emillyさんが個人的に好きなSpiritが活躍したGusev Craterとその傍のApollinaris Monsがあります。
事務局は、正確に確認できませんでしたが・・・

 

下図は、Viking 1 と Pathfinder が着陸した場所です。
左の明暗境界線の付近にViking 1が着陸した火星谷の河口が見えます。
右には、Pathfinderが着陸した流線型の地形の近くのTiu Vallesと Ares Vallesの河口が見えます。 

下図は、真ん中にGaleクレーターが見えます。

「約40年を経ても尚、Viking Orbiterのデータが利用価値を持っているということは、素晴らしい」とEmillyさんが言ってますね!
この画像は、EmillyさんがJPLのDoug Ellison さんの協力を得たものです。
そのDougさんも次のように言ってます。
「古い機器のデータが不要なものにならず、新しい機器と相関している上にバックボーンになります。同様のことが他のミッションにも言えます。例えば、水星のMESSENGERや金星の Magellanに於いても同じことが行われています。」

*素晴らしい成果ですね!
さすがNASA!世界の宇宙探査をリードするだけのことはありますね。

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双子のクレーターは語る

2013-04-28 22:14:24 | 火星地形

4月11日のESAのMars Expressのサイトで1月4日に撮影された双子のクレーターが紹介されていました。
下図の通り、直径が約50kmのクレーターが仲良く二つ並んでいます。
下図は、右が北方向です。右側のクレーターには、「Arima」という名前が付けられています。左側のクレーターは、名前がありません。
「Arima」と言うので日本名かと思いましたが、 Trinidad and Tobagoの都市の名前が由来だそうです。

場所は、下図の通りマリネリス峡谷の南、Thaumasia高地の南緯 17°、西経 64°辺りです。

下図の地形図を見ると左のクレーターに比べて右の「Arima」クレーターが高地にあることがわかります。
記事によりますと、この双子のクレーターは、小惑星によるかなり強いインパクトを受けて形成されただろうとの事です。
強いインパクトで形成されたクレーターは、中心に窪みがある複雑な形態をしており、より低いエネルギーのインパクトの場合は、単純なボウル型をしているとの事です。 
中心の窪みの大きさの違いから左側のクレーターのほうがより多くの地下水があって、それが蒸発したことが推定されます。
そして、双子のクレーターの周りの小さなクレーターによっても地下水または氷が存在していたことが推定できるとの事です。 

下図は、南側のクレーターの画像です。

こういったクレーターを観察することで火星の地表面の過去の状態を窺い知ることが出来ます。
今回のケースでは、 その結果、Thaumasia高地には、かって豊富な地下水または氷が存在し、それが大小のインパクトによって失われた証拠が得られたと言うことです。

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アバタもエクボで、つい・・・

2012-12-13 23:55:28 | 火星地形

12月10日のブログにEmily Lakdawallaさんが1965年にMariner 4によって撮影された画像を紹介しています。
温故知新ですね。
下図は、Mariner 4が撮影した場所を示すものです。
興味深いのは、ベースとしている火星の地図です。
マリナー計画のために使用された1962年時点の米空軍の火星図には、運河が記載されていたんですね。

下図は、Mariner 4によって撮影された画像です。
現在のMRO等の画像と比較するとかなり分解能が低いですね。

下図は、Mariner 4 と Vikingオービターの画像を比較したものです。


Mariner 4は、1965年7月15日 01:00:57 UT (7月15日 10:00:57 JST)に火星へ最接近し、火星表面からの距離は9,846kmでした。
人類が目にした最初の火星のクローズアップ写真です。
Emilyさんが仰ってますが、もっと詳細に見ることが出来たら火星探査は、異なった結果となっていたかも・・・
最初に良く見えていたら、火星への興味が薄れて現在のような探査技術の進歩も無かったかも知れませんし、
もっと張り切って探査に打ち込んで、既に人類が火星に行ってたかも知れませんね。
現在、私たちは、火星に関してもっと詳細で膨大な画像データーを持っていますが、それでもこのお隣の惑星を理解するには、十分ではない・・・
やはり、私たち人類が火星の地を踏んで直接調査するしかないようです。

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大量の水が・・・どんだけ~

2012-11-09 22:03:04 | 火星地形

11月1日のESAの Mars ExpressのNewsによりますとNereidum Montesも火星の氷河の過去を解く手がかりを与えてくれるようです。
10月7日の当ブログ「ドライアイスが銀色に・・・」にて紹介したのと同じArgyre basin(アルギュレ盆地)の中です。
でも今回は、Hookeクレーターの約380km北東のNereidum Montesです。

     10月7日の画像の場所                       今回の画像の場所(小さな長方形がHRSCによりカバーされた地域)

Nereidum Montesは、ほぼ1,150kmの範囲に広がっています。
有名なギリシャの天文学者Eugène Michel Antoniadi (1870–1944)によって命名されました。
*Antoniadiは、火星についての広範囲な観察に基づいてパーシヴァル・ローウェルによって報告された火星の「運河」が事実、単なる光学的錯覚であると結論を下した人です。

Mars Express搭載のHRSCによるこの地域の画像は、多数の河川や氷河および風による影響の特徴を表しています。
HRSC:the high-resolution stereo camera

下記のいくつかの画像は、2012年6月6日にESAのMars Expressの10,736周回目に取得された高解像度ステレオカメラ(HRSC)の真上からの画像と色チャンネル・データから作成されたものです。
Nereidum Montes地域の南緯 40°、西経 50°を中心としています。
画像は、1ピクセル当たり約23mの分解能があります。

下図は、Nereidum Montesを自然な色で形成しており、東(イメージの下方部分)のクレーターの多くの集中した広範囲な地域の一部を示します。
クレーター原の起伏は、火星の中緯度地方で一般に見られ、氷河運動の結果であると考えられます。
下図および次の地形モデル画像の北(より低い右側)の方に見られる、広範囲な樹木状の水系模様は、この地域で液体の水が流れた時に形成されました。
地球で、この種の樹木状の溝は、大量の降雨、あるいは雪か氷河が溶けた後の表面流出によって通常形成されます。
科学者が現在、赤い惑星の表面に水が存在したと考えている大昔の火星で、同様のプロセスが生じたと思われます。

次の画像は、HRSCのデジタル地形モデルに基づきます。
クレーターの直径と深さの間の比率は、水の氷が(ひょっとしたら古代の氷河の形で)乾燥した岩屑の覆いの下に存在しているかも知れないことを示唆します。
科学者は、これらのクレーターの中の水の氷の厚さが数十から数百メーターまであると推測しました。
上記の画像および下記地形学の画像の南西の横(左上半分)の最大のクレーター(地形学のイメージの中で青として示される)のより低く位置する部分への氷河状のものをこぼしたように見えます。
氷結している特徴の(下段)東の滑らかなエリアは、クレーターがほとんど完全に見られないことで、画像内で最も若い場所と見えます。
別の地下水の証拠は、上記画像および下記地形学の画像の北端部(右側)でクレーターを囲む、液体噴出物の形で見られます。
彗星か小惑星が水または氷が過剰供給となった地表面を襲う場合、これらの噴出物構造が形成されます。
最後に、画像の全体にわたって、しばしば、塚と峡谷の風に保護された側の近くで、広範囲なさざ波の形状の砂丘フィールドが生じているのが見られます。

次の画像は、3Dです。

次の画像は、Mars Expressのデーターを用いてコンピュータで作成した立体的な眺望です。
画像の下部にある衝突クレーターのまわりの葉状・扇形の表面や同様に塚と峡谷の風下(風保護された)側に生ずる、さざ波のような砂丘の多くを強調しています。これらは、火星の歴史の中で乾燥した期間に滑らかな平原が作られる前の氷河の広がりを示すものかも知れません。

もうひとつ角度を変えた画像です。

Nereidum Montesのような地域の綿密な研究は、将来のロボットおよび人間による調査のために刺激的な場所を見つけるのを支援すると同時に、火星の地質学的過去を解明するために主要な役割を果たしてくれるでしょう。

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谷底でキャンプをしてみたい

2012-10-24 09:49:45 | 火星地形

10月22日付けのMarsTodayにESAのMars Expressが撮影したマリネリス峡谷の画像です。
じっくり見ていると谷底をオートバイかランドクルーザーで走りたいものだと思いました。
火星でもお酒は、必須ですね。

この画像は、Mars Expressが20回に亘って撮影したものを合成したとのことです。
ほぼ実際に見える色になっているようです。画像をクリックしていただいて拡大画像にて火星の風景に浸りましょう。

マリネリス峡谷は、概略で長さが4,000km、幅が200km、深さが10kmとなっています。(画像では、深さを4倍に誇張しています。)
マリネリス峡谷の形成は、火星形成後の10億年間にタルシス3山の活動によるタルシス高地の隆起によって地表が割れて出来たと考えられています。
その後、更に外的な力によって大きくなりました。
最近の変動は、画像の中間部分と下方境界に沿って明らかに分かるようです。
地すべりの跡や風化の様子も見られます。
そして、数億年前にマリネリス峡谷を多量の水が流れた可能性があります。(ほぼ確実だ思いますが・・・)
Mars Express他の軌道船の鉱物学的観測により、ここが水の影響を受けたことが分かっているのです。

ネタ元は、ESADLR(Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt:German Aerospace Center)です。

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ドライアイスが銀色に・・・

2012-10-07 10:25:35 | 火星地形

ESAのMarsExpressがArgyre basin(アルギュレ盆地)の中のHookeクレーターの画像を10月5日に発表しました。
上の画像で左側が濡れて光って見えますが、ドライアイスに覆われているとのことです。
Argyre basinは、幅1,800km、深さ5kmの火星で2番目に大きいクレーターです。
Argyre は、ギリシャ語で「銀の島」と言う意味だそうです。Giovanni Schiaparelli(スキャパレッリ、1835年-1910年)が名付けました。

Argyre Planitia(平原)の大部分は、風や氷河そして湖が存在したことによる作用によって形作られたと考えられています。
従って、Hooke クレーターの周囲の地形は、滑らかな外観を見せています。
Hooke クレーターの内部では、風の活動による砂丘が形成されており、風によって作られた線形の模様を見ることが出来ます。

場所は、Argyre Planitiaのはずれにあります。

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プレートテクトニクスたあ~

2012-08-12 21:58:46 | 火星地形

8月9日のMarsTodayによりますと、UCLAの教授が火星にプレートテクトニクス(Plate Tectonics)の証拠を発見したとのことです。
An Yin教授(UCLA professor of Earth and space sciences)がOdessayのTHEMIS(熱放射撮像カメラ)とMROのHiRISEによる画像を解析した結果、
少なくとも2つのプレートが水平方向の移動をしていることを確認したそうです。
約100枚の衛星画像をチェックして、その中からプレートテクトニクスの証拠を示す約1ダースほどの画像を確認しました。
the journal Lithosphereの8月号に論文を載せたそうです。
Yin教授は、マリネリス峡谷の2つのプレートをValles Marineris North と Valles Marineris Southと呼んでします。
2つのプレートは、お互いに水平方向に93マイル(約148km)ずれたことを確認したとのこと。
マリネリス峡谷の北と南のプレートの水平移動は、地球の死海断層系に非常に似ていると言ってますね。
Yin教授は、このプレート活動はまだ活発であり、地震もあると考えています。
ただし、プレートが動く頻度は、100万年毎かそれ以上の間隔があるとのこと。
Yin教授は、更に研究を続けるということです。
火星のプレートは、2つだけなのか?(Yin教授は、2つだけだろうと考えているようです。)
そのメカニズムは?
今後もthe journal Lithosphereで研究発表するとのことです。
Yin教授のインタビュー画像があります。研究室の様子など興味深いですね。

火星にプレートテクトニクスがあるとすると、火星の内部はかなりの熱源があると考えて良いのですかね。
そうすると、生命の存在も可能性が高まりますが・・・
真偽のほどは、まだ分かりませんが、色々な観点から得られた情報を分析して新しい発見を得ることは、素晴らしいことだと思います。
しかし、少なくとも断層がずれていることは、間違いないのでしょうね。
でも、まだまだ説明しきれない疑問点が残されているようです。
今後の研究に注目ですね。
個人的には、少し疑問です。

プレートテクトニクスについては、Wikipediaにて。

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マリネリスの地溝帯

2012-07-08 23:39:23 | 火星地形
7月5日のESAのサイトでMelas Dorsa地域に見られるクレーターの画像が紹介されていました。
Melas Dorsa地域は、マリネリス峡谷を中心とした地溝帯の中にあり、位置的には、南緯18°、西経72°、標高2,897m(GoogleMarsによる)です。
ESAのMars Express搭載のHRSC(high-resolution stereo camera)の4月17日の画像ですね。
各画像は、こちら

下記のクレーターは、浅い角度で彗星等が衝突することによって地下の水などが噴出した結果、形成されたと推定されています。

HRSCの画像データをコンピューターで画像処理したものです。


そのそばには、下記のとおり火山灰等でほとんど埋まっているクレーターが見られます。
同心円状の堆積層が見られるので、火山物質の構成等歴史を調べることが可能かもしれません。


下図は、デジタル地形モデルです。特徴的なのは、画像の上部のクレーターが火山活動によって埋まっている様子だそうです。


場所は、下図にて。小さい長方形が当ブログの一番最初の画像部分です。


参考として、GoogleMarsの画像を下記に示します。

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火星の内部構造は、大切です

2012-05-05 23:36:57 | 火星地形
4月26日にESAのサイトで、Mars ExpressがOlympus山を含むTharsis bulgeを上空から重力測定して火山の形成の歴史に迫ったと言う記事が載りました。
5年間に亘って測定されたgravity mapping dataとNASAのMars Reconnaissance Orbiterのデータを統合して分析したとのこと。
素晴らしい国際協力の成果でもありますね。
Mars Expressの測定は、その離心軌道のもっとも接近する間(Tharsis火山上空275-330kmの高さにいる時)に行われました。
Tharsis地域は、1億年-2.5億年前まで火山活動が活発であったと考えられています。
地質年代上では、比較的最近となります。



Tharsis三山は、水が存在する状態で生ずる比較的軽い安山岩質の溶岩から、次により重い玄武岩質溶岩で覆われています。
しかしながら、Ascraeus山は、溶岩の密度は後期段階で減少し、その結果、火山の上部は低密度です。
「火山の高さの変化から、私たちはArsia山が一番古く、次にPavonis山、最後にAscraeus山が出来たということが出来ます。」とMikael Beuthe さんが言ってます。
*Mikael Beutheさん(the Royal Observatory of Belgiumの人でthe paper published in the Journal of Geophysical Researchの著者のリーダー)
Tharsis三山は、Olympus山と比べて非常に高密度な地下の根を持っていることが分かりました。
これらの根は、凝固された溶岩の濃厚なポケットあるいは地下マグマ溜の古代のネットワークであるかも知れないとのこと。
Olympus山の下に高密度な根がないことは、Olympus山が固い地殻の上に作られたことを示します。
一方、Tharsis三山は、それほど剛性でない地殻に部分的に沈み込んでいることを示しています。
「これらの結果は、火星の内部のデータが赤い惑星の発展を理解する鍵であることを示します。そして、火星への将来のミッションに対する1つのオプションは、火星内部を調査するため同時に地震活動を測定する、小さな着陸船のネットワークになるでしょう。」とOlivier Witasseさんが言いました。
*Olivier Witasseさん(ESA Mars Express Project Scientist)

下図は、Mars Express搭載のHRSC(the High Resolution Stereo Camera)の画像です。


タルシス・バルジは、火星には地球のようなプレートテクトニクスが存在しない為、長期間に亘ってマグマが供給された結果、Olympus山のような巨大な火山と共に形成されたと言うことに現時点では、なっています。
しかしながら、地球の海洋プレートと同様の磁気異常が見つかっており、過ってはプレートテクトニクスのような活動があった可能性もあるようです。
火山活動の歴史を解明することが、生命探査の目的に近づく近道かも知れませんね。
3月3日の当ブログ「火星を丸裸に!」で紹介したNASAの「InSight」と連動すれば、より真実に迫れるはずです。
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かなり昔だけど海が・・・

2012-02-11 22:09:19 | 火星地形


Mars Expressのサイトで2月6日に火星で海の存在を確認したとの報告が出ました。
やはり、皆さん興味があるようで多くの紹介がされていますね。
当ブログでも遅くなりましたが、メモしておきます。

Mars ExpressのMARSISレーダーによる成果ですね。
MARSISレーダーは、地下60m~80mまで観測できます。
MARSISレーダーは、2005年からデーターを収集してきました。
そして、グルノーブル惑星・天体物理学研究所(IPAG)のJérémie Mouginot博士らによる2年以上に亘るデーター解析によって北部平原の海岸線と予想されている範囲の内側が低密度の物質で覆われていることを発見しました。
堆積物で覆われており、水の氷が多く含まれていると推測されています。
40億年前と30億年前の2回、海が存在していたようです。
40億年前の海は、惑星形成時の温暖な一時期の海だったのではないでしょうか?
30億年前の海は、地熱活動の結果生じた海で約100万年程度しか存在できず消滅したと推測されています。
予想される海の範囲は、下図の通りですが、実際の地形と比べてよく判りませんね。
過去の海が存在していた時の地軸変動時の地形のようですね。
左上方に見えるのは、タルシス三山で青く広がっているのがアキダリア平原とユートピア平原でしょうか?



下記は、火星の高度マップです。



火星の海岸線については、北海道大学のレポートがありました。
今までの観測から火星の平原を数千キロメートルにわたって取り囲む海岸線が推定されていましたが、その後、海岸線の標高が数Kmの振幅で上下していることが判明しました。
このことが古海洋の海岸線ではないかという仮説に対する有力な反証とされてきたとのことです。
しかしながら、この地形変化は極移動(True Polar Wander)によって生じうることが明らかにされた(Taylor et al.,2007)とのことです。

今回の観測結果から過去に液体の水が存在していたことについて更に有力な情報が得られたわけです。
やはり、行くしかないようですね!

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北極冠をお見透視

2011-12-31 17:16:31 | 火星地形
当ブログの2011年8月12日で予告していたMarsExpress搭載のレーダーによる北極冠の観測が終了したとのことです。
ESAの記事は、こちら
下図の通り北緯45°以北の全域をカバーしています。


大きな画像は、こちら

測定は、6月から11月まで行われました。
地球時間で6月から11月末までは、火星時間で1月下旬から4月下旬となります。
その間、測定可能な軌道の40%が使用できませんでした。
観測できなかった理由は、およそ4分の1が太陽活動により、その他4分の3が観測の停止があったとのこと。
MarsExpressは極軌道を回っており、北極冠を必ず通過しますが、楕円軌道でその中心が変動しているのが問題となります。
今回の観測のために北極冠を高度1,000km以下で通過するように調整したようです。
測定に使用したMARSIS(The Mars Advanced Radar for Subsurface and Ionosphere Sounding)は、太陽光や電離層の活動の影響を受けやすく、更に低高度(1,000km以下)でないと感度が落ちるのが弱点です。
測定可能な時間は、1周回当たり3分から7分と短く、観測可能だった600軌道の累計で3,000分の観測が出来ました。
結局、火星時間で2日間北極上空に居たことになりますね。
そのうちの半分の25時間は、観測に絶好な夜でした。
でも、残りの25時間は、日が当たっていたそうです。

観測結果は、現在解析中です。
データーの解析が終わった暁には、その場所が乾燥しているか?凍っているか?ウエットな状態か?地表下数kmまで分かるそうです。
待ち遠しいですね!
来年の楽しみがまた増えました。
良い年をお迎えください。
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明るく輝くエリュシウム山!

2011-08-25 22:05:30 | 火星地形
8月24日、火星通信の#388がアップされました。
下記に目次を示します。
・巻頭エッセイ:暗斑状のエリュシウム山は地球上から検出できるか (クリストフ・ペリエ、近内 令一)

・09/10 CMOノート(16):ビル・フラナガン氏によるヘスペリアの朝雲の検出(南 政次)

・09/10 CMOノート(17):デウテロニルスとマレ・アキダリウムの間の明帯について(南 政次)

・09/10 CMOノート(18):森田氏によるタルシス地方からアルカディアに掛けてのワイン色の検出(南 政 次)

・Ten Years Ago (195): CMO#249 (2001年八月10日号) (村上 昌己)

・Ten Years Ago (196): CMO#250 (2001年八月25日号) (村上 昌己)

・火星観測のための物理暦表:2011年九月用 (村上 昌己)

・LtE(和文)

・ 編集後記 (火星課長:村上 昌己)

今回の巻頭エッセイは、エリシウム山(Elysium Mons)とヘカテス丘陵(Hecates Tholus)について、火星通信の方々が地球上からの観測で観測できたかを検証しています。
同じ火山でもオリンポス山やタルシス三山と比べると規模が小さいので地球上からの観測はかなり大変な様子です。


上記の画像は、Mars Global SurveyorのMOLA(The Mars Orbiter Laser Altimeter)による火星の立体地形の高さが色分け表示されている(白色が最も高い)画像です。
画像の北半球の左端にある山がオリンポス山で右端にあるのがエリシウム山です。エリシウム山の少し右上にあるのがヘカテス丘陵です。
オリンポス山とエリシウム山は、高さが9kmほど違います。比率で言うと約64%となります。

「地球からのプロ機材による成果」ということで、ハッブル宇宙望遠鏡の1995年の画像とピク・デュ・ミディ天文台で2007年11月に撮られたエリシウム山の画像が紹介されています。
かなり、鮮明なもののオリンポス山などと比べると小さな点ですね。
火星通信のメンバーの観測では、2007年の接近時に良い画像が得られています。
それ以前は、惑星撮像システムがまだ未発達で良い画像が得られていないとのことです。
2003年は、大接近だったのですが、残念ですね。
2012年は、小接近なので期待薄ですが、2014年は2007年より少し遠いくらいですので期待できませんかね・・・
村上さんは、かなりの年数を待たないと良い画像が得られそうもないと仰ってます。
良い画像を得る為の条件は、下記3条件です。
①より近づくこと(視直径が大きい)
②山岳雲の活動の影響がないこと
③火星の地球に対する傾き具合が良いこと

今回のお話も、かなり専門用語が多く事務局には、難解でしたが、結論から言うと「それらしい画像は得られているが、立体陰影像効果が分かるハッキリした画像は、得られていない。」ということです。
でも、火星通信の方々は、かなり健闘していると思いました。
因みに、エッセイの中にDamian PEACHさんが2007年11月16日の00:22UTから03:04UTの長時間、R画像シリーズを撮ったものが図6で紹介されています。
図6について村上さんが、「エリシウム山の立体陰影の変化が見えますかね?それとも見えないですかね?」と質問されていますので、是非見て投稿してください。
事務局は、立体的に見えましたが、立体陰影の変化とまで言えるかどうか自信がありません。

データです。

①エリシウム山(北緯25°、東経147°
標高16km

②オリンポス山(北緯18°、西経134°)
標高25km

図6の時刻は、UTが使われています。UTとは、「辞書:科学用語の基礎知識 科学編 (NSCI)」によりますと下記の通りです。

「天体位置の観測に基づき計算された、天文学的な時刻。かつてのGMT(グリニッジ標準時)の現代的定義として1928(昭和3)年に登場したもので、世界各地における観測値を元に決定される。
現在標準時として用いられているUTC(協定世界標準時)と厳密には一致しないが、それを補正する基準として用いられている。」
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