火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

あと1週間となりました

2012-07-31 12:13:07 | MSL

火星探査及び惑星探査に大変大きな影響を与えるイベントが迫っています。

Curiosiyの着陸によって有人での宇宙大航海時代の幕開けが促進されることと期待しています。
そこに山があるから登ります。
そこに行く事が出来るから火星を目指します。
そしていつか太陽系を飛び出して「人類」は、イスカンダルを目指すことでしょう。
137億光年の広大な宇宙を認識しながら、たった0.00000004光年(地球-月)の距離で満足できるのでしょうか?
宇宙への進出は、人類の英知を傾けるべきテーマだと思います。

Curiosityは、先週の土曜日に第4回目の軌道調節が実施され、順調に火星へ接近しています。
2つのスラスターを6秒間噴射することで 1センチメートル/秒の加速をしたとのこと。
最新情報は、こちら

7月29日のMarsTodayPlanetary Exploration Newsletterの記事が紹介されています。
それは、NASAのJames Greenさん(惑星科学ディレクター)がCuriosityの着陸に多くの人が興味を持って、身近な人たちと話し合って欲しいと呼びかけているものです。
その為のツールを用意しているので活用して欲しいとも言ってます。
下記の通りです。

http://solarsystem.nasa.gov/eyes

http://solarsystem.nasa.gov/news/msl_landing.cfm

James Greenさんは、Curiosityの着陸に100%以上の確信を持っているが、過去の火星着陸機の成功率は、40%程度なので、8月6日のEDLの7分間は「ハラハラ ドキドキ」ものだとのことです。

事務局としてもしっかり見届ける積りでいます。
皆さんもこれこそ生でCuriosityへ大きなエールを送りましょう!

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いよいよCuriosityの長い旅が報われる時が迫って来ました。

2012-07-24 22:19:03 | MSL

いよいよCuriosityの長い旅が報われる時が迫って来ました。
楽しみですね。
今までの簡単な経過と今後の予定をPressKit(JULY 2012)を参考にまとめてみました。

1.打上
2011年11月27日0時2分JST、打上時の地球と火星の距離は、205百万kmでした。

2.到着予定

2012年8月6日14時31分JST、到着予定時の地球と火星の距離は、248百万kmです。
通信には片道13.8分掛かります。(13分48秒)

3.行程
その間、567百万kmの距離を飛行して来た訳です。
254日と14時間29分=6110時間29分=366,629分
平均時速 約92,800km(平均秒速 約25.8km)となりますね。
火星の平均公転速度は、24.02km/秒となっています。 

「重量変化」(激痩せ~)
・打上時       531,000kg
・地球軌道離脱時   2,940kg
  Cruise Stage (Fueled) 539kg
  EDL System(Aeroshell and fueled descent stage) 2,401kg
・着陸ローバー重量  899kg

4.着陸までの予定
現在、Curiosityは、Approach Phaseです。
正確な着陸を目指すために7月29日、8月4日、5日(UT)の3回軌道調節の機会があります。

5.NASAからの発表予定(場所:JPL(カリフォルニア、パサデナ))
8月2日10時PDT(3日2時JST)、ミッションの科学ゴールおよび能力に関する情報。
8月2日11時PDT(3日3時JST)、飛行および計画された着陸に関して。

8月4日9:30PDT(5日1:30JST)、着陸前最新版状況報告。
8月5日9:30PDT(6日1:30JST)、着陸前最新版状況報告。

8月5日22:31PDT(6日14:31JST)、着陸予定。
    着陸後約1時間以内に、着陸の報告会実施予定。
    (ただし、Curiosityの情報がすぐに確認できない場合は、3時間くらいに延びる可能性がある。)
    EDLの最中は、Curiosityからの信号を火星軌道上で待機しているMars OdysseyとMars Reconnaissance Orbiterと Mars Express
    が地球へ転送してくれる体勢となっています。ただし、すぐに転送できるのはMars Odysseyのみで、他の2軌道船は、Curiosityからの信号
    を記録して、転送するのに数時間掛かるとのことです。
    従いまして、現在、Mars Odysseyが不調である為、場合によってはCuriosityの着陸の確認に手間取る可能性が懸念されています。

    NASA TV とhttp://www.ustream.tv/nasajplで実況される予定です。
    Internetでも最新情報をチェックできます。 http://www.nasa.gov/msl 、http://marsprogram.jpl.nasa.gov/msl 

6.着陸後の予定
「活動期間」
1火星年(687日:98週)の活動予定で約20km走行します。
669Sol(Martian days,24時間39分35.244秒)

まずは、10Sol程度のヘルスチェックを実施。その後、2013年4月に合による20Sol程度の休止(合:2013年4月19日)以外は、働き続けます。

「commissioning phase」(最初の数週間)
ファーストドライブは、1週間後以降となる予定です。
ロボットアームやサンプル採取システムはその後、稼動確認する予定です。

Sol0
ヘルスチェックの開始。
・ローバーが傾斜しているか等確認します。
Curiosityの設備等を地上勤務体勢に設定する。
・Hazcams等の保護カバーを取り外します。
・カメラマストとハイゲインアンテナを立てます。
HazcamsでCuriosityの到着時の前後の写真を撮ります。
以上は、事前にプログラムされており、自動で実施されてデーターは、火星軌道船を通して地球へ送られて来ます。

Sol1
いくつかの機器による測定が始まる。
例えば、大気の組成分析とか(これは、コマンドによるものではなく、事前のプログラムによる動作です。)
ハイゲインアンテナのテストは最優先事項となっています。(地球からCuriosityへ直接コマンドを送るためのものです。)
MAHLIによって最初の画像を取得する。(ロボットアームが固定されたままなので、何が撮影されるかはお楽しみ!)
REMSRADも測定開始。
REMSによる気象情報とMAHLIの最初の画像は、Sol2には、地球で見られるだろうとのこと。

Sol2
MastcamChemCamNavcamを起動します。(得られた最初の画像は、1-2日後に見られるようです。楽しみ~)
Navcamで空を撮影。太陽の方向を確認。→地球の方向を確認。

「活動開始」
commissioning phase終了後は、どの岩や土を調査するか?どこに止まってどのような調査をするか?等ローバーの運転等に関して科学的優先事項に従い決定されます。
また、軌道上から得られている情報から調査すべき場所の候補がありますが、着陸地点から数週間の場所であるかも知れません。
しかしながら、移動の問題があり、最優先の場所を早めに調査することは不可能です。
最も興味深い場所を調査できるのが1年後となる可能性もあります。

7.地球の支援体勢
最初の3ケ月は、Solに合わせて地球上の担当者は、活動するとのことです。
その後は、地球時間での運用となり、各担当者も自分の所属に戻り、テレビ会議にて指示等行う形を取ります。

完璧な着陸の成功を信じて祈っています。 

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Curiosityのミッション

2012-07-23 09:52:29 | MSL

「Curiosityは、以下の火星探査の目標達成に貢献することを目標としています。」

1.火星に過って生命が誕生したか?

2.火星の気候の調査

3.火星の地質学的調査

4.有人探査のための準備

「その目標のためにGaleクレーターで下記の調査を実施します。」
*()内は、対応機器です。

1.生物学的調査(ChemCamChemMinSAMDAN)
 
(1)有機炭素合成物の種類とリストを作成します。
 (2)生命の化学的構築物のリストを作成します。(炭素、水素、窒素、酸素、燐、硫黄)
 (3)生物学的過程の影響の結果かもしれない特徴を確認します。

2.地質学的および地質化学的調査(ChemCam、APXSMAHLI、ChemMin)
 (1)火星の表面および地表近くの地質学的物質の化学的、同位体的及び鉱物学的構成を調査します。
 (2)岩と土を形成し変化させたプロセスを解明します。

3.惑星進化の解明(SAM、DAN、REMS)
 (1)長い時間スケール(つまり40億年)での大気の進化プロセスを解明します。
 (2)水と二酸化炭素の現状、分布および循環を解明します。

4.地表面の放射線測定(RAD)
 (1)銀河宇宙放射線、太陽の陽子事象および二次中性子を含む表面の放射線の広域スペクトルを測定します。

上記以外では、Curiosityが無事着陸することが有人火星探査への大きな貢献となるでしょうね。

「費用」
Cost: $2.5 billion, including $1.8 billlion
for spacecraft development and science investigations and additional amounts for launch and operations.

「当初計画の活動期間」
1火星年(687日:98週)
ただし、Curiosityは原子力電池を使用しているので14年間稼動可能とも言われています。
Curiosityは、高さ65cm程度の障害物を乗り越えることが出来ます。
そして、火星で1日に200m走行することが可能です。

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搭載機器の概要

2012-07-22 17:00:32 | MSL

Curiosityは、多くの機器(約75kg)を使って、下記の目的を達成する為の調査を実施します。

1.火星にかって生命が誕生したか?

2.火星の気候の調査

3.火星の地質学的調査

4.有人探査のための準備

下記にCuriosityの装備を紹介します。

分析機器は、4つのカテゴリーに分けられます。

1.遠隔測定機器(マストに設置)   
  Mastcam (Mast Camera)
       ローバーの視点で火星の土地のカラー画像およびカラービデオを撮影します。
  ChemCam (Chemistry & Camera)
       7m離れた目標物をレーザーで蒸発させてその元素組成を測定することが出来ます。

2.接触測定機器(ロボットアーム先端に設置)
  APXS (Alpha Particle X-ray Spectrometer)
       目標物の表面に接触させて岩や土中のNaから重元素まで分析します。
  MAHLI (Mars Hand Lens Imager)
       ロボットアームの先端に取り付けられており、調べたい岩石等の近接写真を撮ることが出来ます。

3.成分分析機器(ローバー本体に設置)
  CheMin (Chemistry and Mineralogy)
       X線回析分析と蛍光X線分析を備えた分析機器で、鉱物の同定と定量を行います。また、Mg以上の元素の検出を行います。
  SAM (Sample Analysis at Mars)
       固体のサンプルと大気などガスのサンプルの分析が出来ます。

4.環境測定機器
  RAD (Radiation Assessment Detector)
       Curiosityが受ける高エネルギー放射線をすべて測定し識別出来ます。
  DAN (Dynamic Albedo of Neutrons)
       水、氷そして鉱物中の結晶水を見つけることが出来ます。
  REMS (Rover Environmental Monitoring Station)
       大気の風速/風向、気圧、相対湿度、気温、地熱および紫外線を測定します。
  MARDI (Mars Descent Imager)
       着陸のための降下中にCuriosityの着陸地点を詳細に撮影します。

この他に下記のものがあります。
  MEDLI(Mars Science Laboratory Entry Descent and Landing Instrument)
       Curiosityが火星大気圏突入後に受ける熱と圧力を測定します。
  UVsensor
  Hazcams(Hazard-Avoidance cameras)
  Navcam(Navigation Camera)
  HazcamsとNavcamについては、こちら

  搭載カメラ17台の機能については、こちらが良くまとまっています。

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Mastcam

2012-07-22 12:19:10 | MSL

Mastcam(Mast Camera)は、ローバーの視点で火星の土地のカラー画像およびカラービデオを撮影します。
Mastcamは、Curiosityのデッキ上に伸びるマストに載せられた2つのカメラから成ります。
火星の景観、岩および土を見ます。空や霜や気象現象を見ます。そして、ローバーの移動やサンプリング・オペレーションを支援します。

・2台のMastcamカメラシステムの1つには、MERのPancamと同様の中解像度レンズがあります。 もう片方のカメラには、高解像度レンズが、ローバーから遠い風景を撮影するためにあります。

・Mastcamは1秒当たり10フレーム数で高解像度ビデオを撮ることができます。

・Mastcamは、単一の露出で、地球の市販のデジタルカメラで撮られたものと同様のカラーのスナップが撮れるように設計されています。 さらに、それはモノクロの(単一色)イメージのセットを取るための複数のフィルタを持っています。これらのイメージは、電磁スペクトルの異なった部分で光吸収のパターンを分析するのに使用されます。

・Mastcam のエレクトロニクスはローバーのCPUから独立して画像処理をします。

・Mastcamは、地球へ転送するための数千の画像または、数時間の高解像度ビデオを保存する内蔵記憶装置を持っています。

MastCamは、異なる焦点距離および異なるカラーフィルターを備えた2台のカメラから成ります。ペアカメラのステレオの基線は~24.5 cmです。Mastcam-34(M-34)は、~34 mm焦点距離レンズ、f/8レンズ(15°の正方形、視界(FOV))、1200×1200ピクセル。
Mastcam-100(M-100))は、~100 mm焦点距離レンズ、f/10レンズ(5.1°正方形、FOV)、1200×1200ピクセル。

両方のカメラは2.1m(表面への最も近い視界)から無限の間にフォーカスすることができます。
M-100 IFOVは、7.4 × 10^-5 radians, yielding 2mの距離で~150 µm/pixel scale、そして、1kmの距離で7.4 cm/pixel scale です。
M-34 IFOVは、2.2 × 10^-4 radians、yielding 2mの距離で450 µm/ pixel scale、そして、1kmの距離で22 cm/pixel scaleです。

下図は、それぞれのカラーフィルターです。

 下図は、Mastcam-100の画像です。左が通常のカラー画像で、右がフィルターを掛けたものです。
15mのところに標準色が置いてあります。

詳しくは、こちらこちら

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ChemCam

2012-07-22 12:16:14 | MSL

ChemCam(Chemistry & Camera) は、7m離れた目標物をレーザーで蒸発させてその元素組成を測定することが出来ます。
また、MastCamやMAHLIで岩の表面を観察する場合に表面の汚れを取り除くことにも役立ちます。
測定時間が短く、1ミリメートル未満のスポットを分析できるので、毎日多くの場所を調査できるのが利点です。
ただ、SAMやCheMinのようにしっかりサンプリングして分析する機器の分析能力にはかないませんね。

こんなことに役立ちます。

・迅速に、調査対象の岩の種類を識別する。(例えば、それが火山性か堆積物沈殿物か)

・土と小石の組成を決定します。

・人間に危険な微量要素およびそれらを含むすべての化学元素の量を測定します。

・氷および結晶構造中に水分子を含む鉱物を認識します。

・岩の風化皮膜の深さおよび組成を測定します。

・岩石コアに穴を開けて見えるようにします。

ChemCamは、LIBS(Laser-Induced Breakdown Spectrometer)とRMI(Remote Micro-Imager)とで構成されています。

LIBSは、強力なレーザーパルスで目標物を蒸発させ、発生したプラズマ光により元素組成を測定します。
岩や土に見られる典型的元素は、 Na, Mg, Al, Si, Ca, K, Ti, Mn, Fe, H, C, O, Li, Sr, Baで、その他でしばしば見られる元素は、S, N, P, Be, Ni, Zr, Zn, Cu, Rb, Csとなっています。
「LIBSの利点」
・前処理なしで遠い場所の分析が出来る。
・レーザー・パルスでほこりと風化した層を取り除く能力。
・多くの元素の同時分析。
・Li、SrそしてBaを含む微量元素の多くを低検出限界で分析。
・迅速分析;1つのレーザー発射は、数秒で分析をすることができます。
・分析スポットが小さい。 < 0.6 mm diameter
・水や含水鉱物を同定できる。
・分析時間が短いので低消費電力となっている。

RMIは、LIBSのために目標物の確認をします。LIBSと同じ望遠鏡を使用しています。
RMIは、LIBSの作ったスポットを確認・観察できます。
そのことで、LIBSの分析方針などが立てやすくなると思われます。

Mast Unitは、CESR (funding from CNES)の提供ということで、ChemCamの運用は、フランスとアメリカとで50:50となるとのことです。
しかし、運用の効率が悪くなっては、元も子もないので仲良くやるようです。

詳しくは、こちらこちら

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APXS

2012-07-22 12:14:54 | MSL

APXS(Alpha Particle X-ray Spectrometer)は、目標物の表面に接触させて岩や土中のNaから重元素まで分析します。
元素キュリウム(Cm)の放射性崩壊によって放射されたアルファ粒子とX線を試料に当ててその反射を測定することで分析します。
主要成分のみの分析は、10分程度で可能ですが、微量成分も含めた全成分分析をするには、2-3時間かかるとのことです。
APXSは、MAHLIと一緒にロボットアームの先端に取り付けられています。

科学者は、岩と土のサンプルを選択して次に、ブラシをかけて岩の内部を露出させてAPXSを使用します。
科学者は、岩と土の元素組成の分析によって、その岩や土がどのように生成したか、そして、風、水あるいは氷によって変成を受けたかを理解しようと努力するでしょう。

APXSは、既に火星で使用された実績があります。
1番目は、1996年後半のパスファインダーがアルファ・プロトンのX線分光計を使用しました。2番目は、2004年1月に赤い惑星に着いた2つの火星探査ローバー(MER)に搭載されていたAPXSです。
CuriosityのAPXSは、改良版です。MERのAPXSと比較して分析時間、感度が格段に向上してます。
(注)MERでは、岩と土のサンプル中にAPXSによって検知された元素が、Na、Mg、アル、Si、P、S、Cl、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、ZnおよびBrでした。  また、Ge、Ga、PbおよびRbが見つかった例があります。

詳しくは、こちらこちら

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MAHLI

2012-07-22 12:13:38 | MSL

MAHLI(Mars Hand Lens Imager)は、地質学者が首から提げて携帯する虫眼鏡と同様の働きをするカラーカメラです。
ロボットアームの先端に取り付けられており、調べたい岩石等の近接写真を撮ることが出来ます。

MAHLIは、市販のディジタル・カメラと同等の色品質を備えた1600×1200ピクセルの画像を撮ることが出来ます。

MAHLIは、地球上の科学者に火星の岩、やダストなどの表面層に見られる鉱物、肌理および構造の画像を提供します。
自動焦点で、人の毛髪より細かい12.5マイクロメートル程度の微小なものまで綺麗にカラー画像とするでしょう。

MAHLIは、ライトを持っていて昼夜を問わず撮影が出来ます。
また、紫外線の光源を持っていますので、紫外線によって蛍光を発する炭酸塩と蒸発残留鉱物のようなものを検知することが出来ます。
炭酸塩と蒸発残留鉱物は、どちらも火星地表上で水が関与したことを示すものです。
まさに一目瞭然ということになりますね。

詳しくは、こちらこちら

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CheMin

2012-07-22 12:12:28 | MSL

CheMin(Chemistry & Mineralogy)は、X線回析分析と蛍光X線分析を備えた分析機器です。
鉱物の同定と定量を行います。また、周期表でMg以上の元素の検出を行います。
例えば、石膏は、カルシウム、硫黄および水を含んでいる鉱物で、無水石膏は、その結晶構造中に水を持たないカルシウムと硫黄の鉱物です。CheMinは2つを識別することができます。鉱物によって、それが生成した時点の環境が推測できます。
科学者は、生命を維持したかもしれない過去の火星環境を示す鉱物の手掛かりを探索するためにCheMinを使用します。
X線回析分析=XRD(a powder X-ray Diffraction)
蛍光X線分析=XRF(X-ray Fluorescence)

XRDでサンプルの結晶構造を測定して、XRFでサンプルに含まれる元素を確認します。
この情報からサンプルがどのような鉱物であるかを特定する訳ですが、鉱物に関する膨大なデーターベースを使用する為、地球からの支援が必要です。

(注)CheMin。(左)CheMinの機器構成、(右上)X線源の回折された光子のXRD 2つのシータ・プロット、(右下)CCDによって検知されたX線のエネルギー分散方式ヒストグラム。

XRD検出限界:複雑な混合物中の3%レベル以上存在する個々の鉱物を検出することができます。
XRD正確さ(accuracy):サンプル中に12%以上(最小の検知レベルの4倍、4x MDL))ある鉱物について、絶対量±15%で測定できます。
                例えば、12%の濃度で存在する鉱物は12%±1.8%となります。
XRD精度(precision):報告される鉱物濃度の精度の目標は、4xMDL以上の量の場合で、±10%です。

正確さと精度が目標に達するためには、測定の間のセルへの粒子の流れが改善されるかどうかに掛かっているようです。

XRF検出限界、正確さおよび精度:XRFの必要条件は、今回除外されており、そのため「 "best efforts" (最善の努力)」方式となっています。
                Si-PINダイオードの使用が認められなかったため、周期表の12(Mg)以上の原子番号の元素を検出します。
                

CheMinは、SA/SPaH (Sample Acquisition/Sample Processing and Handling) systemを通してサンプルを受け取ります。
SA/SPaHは、漏斗、サンプルホイールそして分析済みサンプルを溜めて置くサンプル溜めから成っています。
サンプルは、SA/SPaHへ投入される前に150μmのふるいに掛けられ、量は65mm3以下となります。
その内の約10mm3が試料セル(直径8mm、厚さ175μm)へ投入されます。
試料セルの窓は、6μmマイラーあるいは多少厚いKaptonで塞がれています。

試料を通過したX線をCCDで検知します。CCDは、マイナス60℃に冷やされる必要があるので、測定は夜間実施されるようです。

下図は、CheMinの構成図です。

 

詳しくは、こちらこちら

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SAM

2012-07-22 12:11:05 | MSL

SAM(Sample Analysis at Mars)は、Curiosity搭載の科学機器の重量の半分以上を占めています。

通常の研究所に良く見られる科学機器の組み合わせで、 四重極質量分析計(QMS)、ガスクロマトグラフ(GC)と、波長可変レーザー分光(TLS)の3つの機器で構成されています。

SAMは、固体のサンプルと大気などガスのサンプルの分析が出来ます。
固体のサンプルは、加熱処理が出来る74個のSMS(sample manipulation system)に取り込まれて高温で加熱処理されます。

SAMは、以下の分析をします。
・メタンを含む炭素化合物を探します。
 二酸化炭素、メタン及び水蒸気を高感度で測定できます。
・水素、酸素及び窒素のような軽元素を測定します。
・また、炭素と酸素の同位体比率を測定します。
 メタンと二酸化炭素中の炭素の13C/12C、そして二酸化炭素中の酸素の17O/16Oと18O/16Oを測定できます。

下記がSAMのシステムの概要です。

各機器の主な役割は、下記の通りです。

詳しくは、こちらこちら

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RAD

2012-07-22 12:09:05 | MSL

RAD(The Radiation Assessment Detector)は、Curiosityのデッキ上に設置されています。



Curiosityが受ける高エネルギー放射線をすべて測定し識別出来ます。
それは、陽子、様々な元素の活性イオン、ニュートロンおよびガンマ線。また、宇宙からの直接放射線だけでなく、火星の大気および表面の岩や土と宇宙放射線の相互作用によって発生した二次放射線も含んでいます。
そして、更に当ブログ「宇宙放射線を測定開始です」(2011年12月14日)に記載したとおり、地球-火星間での宇宙放射線の測定が開始されています。
RADのデーターは、将来の有人火星探査の為の宇宙空間及び火星地表上で宇宙飛行士が晒される放射線の量についての貴重なデーターとなることでしょう。
RADは、トースターくらいの大きさです。



ただ、電力を喰うのでしょうか各Sol毎に約15分程度の測定をするとのことです。

RADの科学的目的は以下の通りです。
・火星の地表面で高エネルギー粒子のスペクトルを測定します。
・火星の地表面での人間のための放射線量予想被曝量を測定します。
・火星の大気の輸送モデルおよび放射線輸送規則の確認を可能にします。
・過去、そして現在、火星の表面で、および地表面の下で生命への放射線障害および突然変異を起こし得る影響を決定するためのデーターを供給する。
・火星の表面および大気での高エネルギー粒子の化学物質及び同位体の影響の決定にデーターを供給します。

下記は、RADの測定エネルギー範囲


詳しくは、こちらこちら

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DAN

2012-07-22 12:07:44 | MSL

DAN(Dynamic Albedo of Neutrons)は、地表下の水の存在を確認する装置です。
水、氷そして鉱物中の結晶水を見つけることが出来ます。
DANは、The Russian Federal Space Agency(ロシア連邦宇宙局)がNASAに提供したものです。
ロシアの連邦宇宙機関が開発した「the Dynamic Albedo of Neutrons」と呼ばれるパルシング中性子発生装置が使われています。
中性子の発生装置と反射してきた中性子を測定する検出器からなっています。
DANは、中性子を測定することで水の存在を探し当てる装置です。


Curiosity搭載のDANには、自然界の中性子の反射を利用する受動モードとpulsing neutron generatorを使って中性子を地面に打ち込むアクティブモードがあります。
中性子は、水素と衝突すると特有の速度の減少を伴って跳ね返ってくるとのことです。それを測定することで水を探すことが出来ます。
地表から50センチメートル地下まで検知可能で、0.1%の低濃度の水分まで検出できるとのことです。

DANの調査目標は、以下のとおりです。
1) 地上ミッションの全体にわたる地表下の土壌の中の水素の定量を実施する。
2) 地表下0.5mまでの土壌を調査して、地表下の土壌の中の水素含有物質の層状構造を決定する。
3) 定期的測定によって、地表下1 mまでの土壌の水素含有量の変化を探知する。
4) 定期的測定によって、中性子放射背景(エネルギーを備えたニュートロン(< 100 keV))の変化を探知する。

詳しくは、こちらこちらです。また、当ブログの「いろいろ繋がっている~」も見てください。

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REMS

2012-07-22 12:06:33 | MSL

REMS(Rover Environmental Monitoring Station)は、6つの大気のパラメーターを記録します。
それは、風速/風向、気圧、相対湿度、気温、地熱および紫外線です。
毎日、ローバーの周りの情報を報告してくれるそうです。

メインは、ローバーのマストに設置されているBoom1とBoom2です。



Boom2は、ローバーの進行方向を向いていて風速/風向、相対湿度、気温のセンサーがあります。
Boom1は、Boom2に対して120°開いて50mmほど上に位置しています。(風速等の測定の相互干渉を避けるためです。)
Boom1には、風速/風向、地熱、気温のセンサーがあります。
紫外線センサーは、ローバーのデッキ上に露出しています。
気圧センサーは、ローバーの電子ボックス内にあります。



REMは、スペイン政府の援助を受けてスペインの研究機関が提供しています。
The Centro de Astrobiologia (CAB), a joint center of Consejo Superior de Investigaciones Cientificas - Instituto Nacional de Tecnica Aeroespacial (CSIC-INTA)

詳しくは、こちらこちら

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MARDI

2012-07-22 12:05:44 | MSL

MARDI(Mars Descent Imager)は、着陸のための降下中にCuriosityの着陸地点を詳細に撮影します。
Curiosityが火星大気へ突入して約278秒後にheatshield が分離されたら、すぐに撮影が開始されます。
正確な着陸地点を特定する為と着陸後の移動等に関する情報が得られます。

MARDIは、固定焦点カラービデオカメラです。ローバーシャシーの底の前ポート・サイドに固定されています。
光軸は、+Z方角(ローバー座標系中の地面の方向)を向いています。
カメラは、heatshield分離とタッチダウンの間を通じて毎秒5フレームで1600の×1200ピクセルの画像を撮影します。
heatshield分離ータッチダウン間は、計画では約138秒ですが、数秒多く撮影するようです。

MARDIの撮影開始後、バックシェル分離→エンジン噴射→ローバー吊り下げ→タッチダウンとイベントがあり、その都度Curiosityが衝撃を受ける為、画像がピンボケとなったりすると予想されています。
その迫力ある画像を見たいものですね。
また、この際の機体の動きなどが分かることで今後の着陸機の設計に役立つものと期待されています。

詳しくは、こちらこちら

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MEDLI

2012-07-22 12:03:53 | MSL

MEDLI(Mars Science Laboratory Entry Descent and Landing Instrument)は、Curiosityが火星大気圏突入後に受ける熱と圧力を測定します。
heat shieldに温度センサーと圧力センサーを各7ケ所配置しています。

1.MISP (MEDLI Integrated Sensor Plugs)
MISPは、heat shieldの表面や内部が時間の経過によってどのような熱を受けるかを測定します。
予測では、地球大気圏へ突入するスペースシャトルが受ける熱よりも3倍ほど高温の熱を受けるようです。
Entryの75秒後に最高温度(2,100℃)になると計算されています。

2.MEADS (Mars Entry Atmospheric Data System)
MEADSは、heat shieldの表面で受ける圧力を測定します。

以上の結果は、事前の予測と比較検討されます。
その結果、より安全に正確・確実な着陸が出来て、より適切な装備の着陸機を設計することが可能になると期待されます。

詳しくは、こちら

「参考として」(Curiosityの大気圏突入速度が左程早いわけではないのですが、加熱温度への影響は、突入角度でしょうか?)
・Curiosityの火星大気突入速度  5.9km/s(着陸目標20km×7km)

他の地球大気突入速度
・スペースシャトル   7.4~7.6km/s(東京-大阪間 約1分)
・アポロ宇宙船     11.04km/s
・はやぶさ        12km/s(着陸目標200km×20km)

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