火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

火星に植物工場を作る!

2019-02-08 11:01:14 | 植物工場

 (C)SEArch +による画像提供
https://www.nasa.gov/feature/langley/big-idea-challenge-2019-finalists-to-develop-planetary-greenhouse-concepts

NASAと国立航空宇宙研究所(NIA)は、「The 2019 BIG Idea Challenge: Marsboreal Greenhouse Design Challenge」で5つの大学チームを選びました。課題は、食料生産を主な目的として、生息地サイズの火星温室の設計、設置、および持続可能な運営のための革新的なアイデアを提供することです。効率的で安全な温室設計は、火星の任務だけでなく、長期の月の任務にも役立つ可能性があります。

下図は、火星の氷の家とそれを補完可能な温室を示す初期の火星前哨地の芸術家による完成予想図。
(C)Cloud AOによる画像提供
次のチームとプロジェクトが2019年のBIGアイデアチャレンジの最終選考者です。
  • ダートマス大学の
    技術、食事、レクリエーションのための展開可能な密閉型火星環境(DEMETER) 
  • マサチューセッツ工科大学
    バイオスフィア人工生命建築用超高層建築(BEAVER 
  • カリフォルニア大学デービス
    火星農業および植物科学(MAPS) 
  • コロラド州ボールダー、ハーバード大学、コーネル大学とハワイ大学マノア校の大学は
    火星人を餌:Marsboreal Bioregenerative食品庭の設計します 
  • ミシガン州、ペンシルベニア州立大学、パデュー大学、ウィスコンシンプラットヴィルのミシガン州立大学および大学の大学
    アイスホームの建築のための温室効果アタッチメント(GAIA) 

この挑戦で、NASAは火星のアイスハウスのユニークなデザインを補完する火星の温室デザインの新しい概念を求めています。火星の氷の家は初期の火星の前哨基地に必要な広い柔軟な作業スペースを提供する費用対効果の高い生息地の概念です。

今後数カ月間、上記5つの選ばれたチームは彼らの提案した概念の開発を継続して、テクニカルペーパーを提出し、そして彼らのデザインのプロトタイプを作成します。
その後、各チームは、2019年4月にバージニア州ハンプトンにあるNASAのLangley Research Centerで開催さる2019 BIG Idea Forumで、彼らの概念を発表する予定です。
 

各チームは6,000ドルの助成金を受け取り、NASAはフォーラムに参加する学生に最大5つの夏のインターンシップも提供します。

2019 BIGアイデアチャレンジの詳細については、下記にて
http://bigidea.nianet.org

*この「The 2019 BIG Idea Challenge: Marsboreal Greenhouse Design Challenge」は、アメリカの大学に関係がないと応募できないようです。
でも、こんな試みをやってたんですね!!どのようなプロトタイプ(試作モデル)が出てくるか!楽しみです。

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火星で植物工場を!

2017-05-07 00:14:44 | 植物工場

NASAがアリゾナ大学と共同して、月や火星で使用する植物工場の製造に本気になってきました。
下記のBIGLOBEさんの記事で紹介されています。

https://news.biglobe.ne.jp/trend/0505/kpa_170505_7144542671.html

この植物工場は、Roberto Furfaro准教授とGene Giacomelli教授が中心となってNASAと共同開発してます。
プロトタイプとして制作されたもので、下図のような形をしており、長さが約5.5メートルで直径が約2.1メートルです。
(いくつかの記事に大きさの記載があって、直径が2.1mから2.4mまでいくつかあります。多分、内径と外径とか、測る場所の違いなのかな~と思っています。)
*Roberto Furfaro教授:アリゾナ大学准教授
*Gene Giacomelli教授:アリゾナ大学環境管理農業センターのディレクターである農業生物システム工学教授

植物工場は、単に食料の生産の役割だけではなく、空気・水そして廃棄物のリサイクルの役割を持ちます。
まさに、地球上で当たり前に行われているように、火星基地で排出される宇宙飛行士由来の廃棄物や汚染水を浄化する生命維持装置の一部を担うことになります。
植物に必要な光は、自然光とLED光を併用することを考えているとのことです。

Credits: University of Arizona

Credits: University of Arizona

この植物工場は、月や火星へ運ぶため膨張式となっています。
下図は、折りたたんだ状態です。

Credits: University of Arizona

アリゾナ大学の情報は、下記にて

http://www.sie.arizona.edu/researchers-greenhouse-helping-mars-gardens-grow-nasa

https://www.ag.arizona.edu/lunargreenhouse/

また、アリゾナ大学は、南極に植物工場を持っています。下記にて

http://www.tucsonnewsnow.com/story/30202427/how-to-grow-food-on-mars-the-film-the-martian-and-the-ua-have-something-in-common

NASAの記事は、こちら

https://www.nasa.gov/feature/lunar-martian-greenhouses-designed-to-mimic-those-on-earth

*いや~楽しいですね!夢が広がります。
 私は、個人的には完全閉鎖系(太陽光は、電力として利用)のほうが良いと考えていますが、どうなりますか・・・

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火星では、どんな料理が?

2013-02-04 22:24:14 | 植物工場

火星協会のMDRSでのシーズンの各チームのシュミレーションが順調に進んでいます。
現在は、Crew123チームが活動中です。

       

今回は、1月12日から1月26日に活動したCrew122のHI-SEASチームについて紹介します。
Crew122は、HI-SEASのメンバー6名と調査チームの1名の7人で編成されていました。紹介ビデオです。
メンバーや調査チームについては、2012年7月10日の「火星料理人6名決定」でお知らせしてます。
下記は、MDRSでのHI-SEASチームの写真です。楽しそうで、羨ましいです。
最終レポートも提出されています。これからハワイで開始される120日間のシュミレーションの良い準備となったようですね。

MDRSで作った料理の一部分が紹介されています。
Angelo VermeulenさんがMDRSのGreenHabから野菜や果物の安定的な収穫に成功しました。
これで食卓が格段と魅力的になってますね。
下記の写真のいくつかは、レシピ等が公開されていますので興味あれば写真をクリックしてください。
のり巻や鮨もありますね!

 

       

      

HI-SEASのサイトでは、Recipe Contest 2013が行われています。料理に興味のある方は、応募しては如何ですか?
締め切りは、3月8日です。
採用されたら、ハワイで行われる120日間のシュミレーション中に、クルーがあなたのレシピによる料理を作ります。

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火星料理人6名決定

2012-07-10 21:28:16 | 植物工場
7月9日のMarsDailyによりますと2013年に120日間の火星探査シュミレーションを実施するための6名のクルーが確定したとのことです。
2月12日に当ブログにて紹介した「火星で料理を!」の続報となります。
とにかく凄いです。700人を越す応募者があったそうです。
今回は、6人のメンバーと3名の控え要員が選ばれたわけですが、ほとんど同じレベルの人材が150人も居たということです。
日本にいると全く感じない何かが起こっているとしか思えないですね。
NASAでのリストラとか全体的な雇用の問題とかも影響しているんでしょうけど、2030年代有人火星探査が現実味を帯びているのでしょうね。
一国の指導者が明確な魅力的なビジョンを簡潔に打ち出すことの大切さを感じます。
もちろんアメリカの大統領は、実行力でも実績ありますから・・・

選出された6名は、以下の通りです。
+ Oleg Abramovさん, a research space scientist at the U.S. Geological Survey Astrogeology branch in Flagstaff, Ariz.;
(フラッグスタッフ(アリゾナ)の米国地質調査所宇宙地質学部門の研究宇宙科学者);

+ Simon Englerさん, a scientific programmer specializing in robotics currently on an internship at the Robotics Institute at Carnegie Mellon University in Pittsburgh, Penn.;
(ピッツバーグ(ペンシルバニア)のカーネギーメロン大学のRobotics研究所でインターンとしてロボット工学を専門とする科学的プログラマ);

+ Kate Greeneさん, a science and technology journalist, amateur filmmaker and avid open-water swimmer who is a native of Kansas and currently resides in San Francisco, Calif.;
(科学技術ジャーナリスト、アマチュアの映画製作者、および熱心な開放水域水泳選手。カンザスの生まれ、現在サンフランシスコ(カリフォルニア)に在住);

+ Sian Proctorさん, a geology professor at South Mountain Community College in Phoenix, Ariz.;
(フェニックス(アリゾナ)の南山コミュニティーカレッジの地質学教授);

+ Yajaira Sierra-Sastreさん, a materials scientist and educator who resides in Ithaca, NY, and is currently working with disadvantaged school districts and communities in Puerto Rico;
(材料科学者および教育者、イサカ(NY)に在住。現在プエルトリコの恵まれない学区及びコミュニティーで働いている);

+ Angelo Vermeulenさん, a biologist, space researcher and visual artist from Belgium.
(生物学者、宇宙研究者およびベルギーの視覚芸術家。)

リザーブは、次の3名です。
+ Yvonne Cagleさん, a NASA astronaut and family physician who is currently on faculty and serves as the NASA liaison for exploration and space development with Singularity University in California;
(NASAの宇宙飛行士およびホームドクター。カリフォルニアの特異性大学とNASAとの探査と宇宙開発に関する連絡);

+ Crystal Spring Haneyさん, a small business owner, personal trainer and at-home mother of two from Kapolei, Oahu, Hawaii;
(2つの小事業主。個人トレーナーおよびat-home mother );

+ Chris Loweさん, a space systems engineer from Southeast England who currently resides in Glasgow, Scotland.
(グラスゴー(スコットランド)に現在存在する南東イングランド出身の宇宙システム・エンジニア)。

下記は、先月実施されたCornell Universityのシェフである Rupert Spiesさんによる料理実習の様子です。


こちらのサイトには、動画も紹介されています。
こちらのサイトも料理実習の写真を多く掲載してます。


今後の予定は、次の通りです。
1.2012年後半に2週間のトレーニングを行います。
(500ドル支給されます。)

2.4ケ月の火星探査シュミレーション時の実験テーマ等を決める会議などを開催します。

3.いよいよ2013年に120日間の火星探査シュミレーションが実施されます。
場所は、ハワイ島にある不毛の溶岩地帯の実験場で行われます。
(1日当たり25ドルと完了した場合、5000ドル支給されます。)
2013年初旬とだけあって実施日は、まだ未定なんでしょうか?

6名のクルーを含むチームは、特別に建造された火星の基地で、実際に活動する宇宙飛行士のように生活して働くことを求められます。
クルーには、それぞれ、食物研究における彼らの役割に加えて、この期間に出先機関から依頼の研究あるいは個人のプロジェクトを持っています。
調査チームは、以下の科学者を含んでいます:
「ハワイ大学」
Kim Binstedさん、情報とコンピューター科学の準教授。
「コーネル大学」
Jean Hunterさん、生物学および環境工学。
Bruce Halpernさん、心理学と神経生物学の教授
Bryan Caldwellさん、準教授およびポスドク
更にシェフのRupert Spies上級講師がチームに加わりました。
Rupert Spiesさんは、実地の料理講習会をリードして、研究用のカスタム・メニューの開発を助けるでしょう。

シュミレーション実施の場所は、ハワイ島にあるHI-SEAS(Hawaii Space Exploration Analog and Simulation)となります。

HI-SEASは、下記の大学や研究機関が関わっています。
University of Hawaii at Manoa
Cornell University
PISCES(Pacific International Space Center for Exploration Systems)
NASA Human Research Program
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赤い星には、赤いトマトが良く似合う!

2012-03-24 22:07:37 | 植物工場
3月23日のMarsDailyにカナダやアメリカの小学生を中心に宇宙での自給自足を目指してトマトの栽培研究をしているTomatosphereというプロジェクトが紹介されていました。
先生と学生を大々的に組織しているようです。
現在、カナダとアメリカの13,700クラスが参加しているとのこと。
また、スペースシャトルの最終フライトでISSに60万個のトマトの種を届けており、今後3年間ISSに保管してから学生達に配られるとのことです。
学生は、宇宙空間を経験した種と普通の種の発芽率や生育率を観察して記録します。

Tomatosphereで目指しているのは、2つの目標です。
①若い学生へ教育と活力を与えること
②宇宙での活動範囲等を広げて、最終的に火星に行き着くこと



宇宙空間での生活、その中でも火星への有人探査を明確に打ち出しています。
火星への片道が6ケ月、滞在が18ケ月、合計で30ケ月=900日間と想定しています。
(火星協会のマーズダイレクトは、910日間としており、全く同じ前提ですね。)

宇宙で暮らす為、自給自足出来る物は極力そうするべきです。
呼気や大小便からの水や酸素の回収や現地での燃料調達なども考えられています。更に、植物を育てることで食料の確保、酸素そして水の確保をすることが出来ます。

学生達のやることは、苗の発芽から収穫までの全工程を観察することです。約3ケ月かかるとのこと。

なぜ、トマトなのか?
「それは、トマトは、広く使われていて栄養価が高い。」
「そして、ビタミンA、Cそしてリコピンが高濃度に含まれており、心疾患やガンの予防に有効な食品でもある。」
と言ってます。
宇宙空間では、放射線の影響はかなり注意する必要があるので食事で低減できるならば、より安全に宇宙で暮らせるようになりますね。
トマト料理のレシピとカナダ政府の食事ガイドラインも提供されています。

スポンサーは、CSA(Canadian Space Agency)、the University of Guelph、 Agriculture and Agro-Food Canada、the Ontario Centres of Excellence、Heinz Canada、Stokes Seedsです。

日本でも桜なども含め、色々な種子がISSに持ち込まれて宇宙に滞在後、地球に持ち帰られたものを小学生たちが育てたということはやっていますね。
でも、Tomatosphereの方がより具体的な感じを受けました。
日本でも宇宙農業を目指しているグループが居るので、Tomatosphereの活動は大いに参考となるのではないでしょうか?
事務局も今年は、トマトを育てようかと思っていたところでしたので、早速やってみようかと思います。
コメント (5)
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火星で料理を!

2012-02-12 18:43:53 | 植物工場


1月27日のMarsDailyの記事によりますと
Cornell大学の研究者が火星探査での宇宙飛行士の食事について研究しており、調査を実施する為のボランティアを募集しています。
締め切りは、2月29日となっています。

火星探査に3年の年月が掛かることを想定しており、火星には4ケ月滞在することとなっています。
その長期にわたるミッションを支える一つの重要な要素として「食事」にフォーカスして研究をしています。

食事の中心は、長期保存食となりますが、火星上では植物を育てたり、料理をすることが可能になると考えています。

今までの研究で、長期間の閉鎖空間でのミッションにおいて以下の問題点が確認されています。
①食事に飽きてくる
②無重力の状態では、嗅覚に影響が出る

上記の影響によって
①食欲が落ちて食事量が減ることで栄養不足になり、筋肉量や骨密度に影響が出る
②そして、厳しい環境での任務遂行に影響が出るし、宇宙飛行士を危険に晒すことにもなります。

③もうひとつの課題は、長期(3~5年)の保存に適した食品を開発することです。

今回のボランティア募集は、長期の宇宙探査に対応する為に次のことを調査することが目的です。
①用意したインスタント食品やクルーによって調理された食物の美味しさや好みを評価し、食べ物の好みが時間と共に変化するかどうかを判断します。
②食事の準備や片付けに必要な時間、労力そして水量を測定し、料理のレシピやコツを収集します。
③匂いが食欲などに与える影響を研究します。(無重力などの環境では、食物は口から食道、胃へと自然には落ちていきませんし、嗅覚にも影響が出るようです。)
寝たきりの病人は、地球上で同様な経験をしています。NASAの Flight Analogs Research Centerでベッドで横たわった状態での一連の実験による研究が行われています。

6人のボランティアと2人の代替要員が選出されてから研究は次のように行われます。

1.2012年夏にCornell大学で4日間のワークショップが実施されます。
個々人の能力の確認と今後の実験の為の打ち合わせとなるようです。

2.2012年後半に2週間のトレーニングを行います。
(500ドル支給されます。)

3.4ケ月の火星探査シュミレーション時の実験テーマ等を決める会議などを開催します。

4.いよいよ2013年に120日間の火星探査シュミレーションが実施されます。
場所は、ハワイ島にある不毛の溶岩地帯の実験場で行われます。
(1日当たり25ドルと完了した場合、5000ドル支給されます。)

しかしながら、ボランティアに求められる資格は、かなり厳しいものですね。
もちろん火星有人探査に強い意欲を持っていることが必要です。
英語での読み書きはもちろん技術的にもNASAの職員並みの資質が求められています。
肉体的にも強靭な資質が必要です。
食欲と嗅覚に問題ないこと。
過去2年間、タバコを吸っていないこと。
料理の経験があることが望ましいとも・・・

日本人のチャレンジャーがいることを期待します。
是非、応募して欲しいものです。
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放射線の効用

2011-12-22 23:45:57 | 植物工場
先週15日辺りから冷えの為か調子が悪く、やっと回復してきました。
少し旧聞ですが、宇宙植物が結構話題になっているのでメモしておきます。

本文とは関係ないトマトです。


「人民網日本語版」2011年11月22日の記事に宇宙空間でトマト苗の宇宙での開花・結実の実験が成功したことが紹介されています。
神舟8号は、17日間の宇宙空間の旅をして無事帰還したわけですが、いろいろなものを積んで行ったようです。

朝日は、同様な内容で紹介しています。
かなり好意的ですね。

こちらのサイトでは、宇宙育種ということで宇宙農業に関して少し詳しく紹介しています。

宇宙教育プロジェクトというサイトでは、ISSに長期滞在した日本の桃太郎というトマトの種が紹介されています。
このトマトの種は、2009年8月29日に宇宙へと打ち上げられ一時行方不明となったようですが、2011年3月10日に無事帰還したものです。
その種を中学・高校生たちが育てて実を生らせたそうです。

以上は、ISS軌道上で宇宙線をあてた植物に対して好意的な論調の記事です。

しかしながら、日本の食品衛生法では放射線照射食品について表示義務等の規制がされています。
ISS軌道上の宇宙線は、問題ないのでしょうか?
食品に照射する放射線と宇宙線との違いが今一理解出来ず、判断しかねます

また、原子力委員会食品照射部会の平成18年9月26日付けの資料によりますと

1.安全性については、
2003年のコーデックス規格「最高吸収線量は、正当な技術目的を達成するのに必要な場合を除き、10kGyを超えるべきではない。」とされています。
国際的に10kGyが上限とされているようです。
2.放射線照射の効用としては、
①食品の衛生を確保②食品の損耗を防いでその安定供給を確保することの2点が上げられています。
特に、食料の損耗量については、WHOの1988年の情報によると、世界の食料生産の約1/4~1/2が収穫後に細菌やカビによる腐敗あるいは虫害で損失しているとされています。

世界的に行政や生産者サイドは、放射線照射に前向きですが消費者の側の反対意見が根強いようです。
次のようなこと言ってますね
「食品照射や照射食品に関する国民との相互理解を深めていくことも今後の大きな課題であり、そのためには関係者による国民への情報提供や理解活動の充実とともに、国民がそのような機会を積極的に活用できるような生涯学習の仕組みの工夫も関係者に求められているといえる。」

*Gyは、グレイ(gray)と言って「放射線によって1キログラムの物質に1ジュールの放射エネルギーが吸収されたときの吸収線量を1グレイと定義する。」となっています。
生体(人体)が受けた放射線の影響は、シーベルトが使われます。
また、発生源の強度を表すベクレルがあります。
シーベルトとベクレルの関係は、東北電力のサイトで説明されています。
放射線は、中々理解しづらいですね。

Yahooの知恵袋では、中国の宇宙野菜についての疑問が話されています。
中国の宇宙野菜が危なくて日本や欧米のISS野菜は、安全なんでしょうか?

放射線の影響がわかるで少し勉強しましょう。

兎にも角にも人類は、宇宙放射線とお付き合いしていく運命です。
現在、火星を目指して宇宙空間を飛んでいるCuriosityには、RADという装置で宇宙放射線を測定しています。
このデーターが有人宇宙開発に活用されることと期待しています。
コメント (2)
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火星に野菜を!

2011-09-04 10:21:56 | 植物工場
8月29日のMarsTodayによりますとSpace Food Systems Laboratoryの上級研究者のMaya R. Cooperさんが米国化学会(ACS)の第242National Meeting & Expositionで「火星への最初の有人ミッションの成功の鍵のひとつは、食料を如何に供給するかだ」と発表したそうです。元ネタはこちら
(注1)ACS(世界最大科学界)は8月29日、コロラドコンベンションセンターとダウンタウンにあるホテルで開会しました。 出席者は約9,500人、新しい科学の進歩に関する7,500以上のレポート。2011年代の最も大きい科学的集会の1つになるとのこと。
(そのまた注)日本化学会は、ACSに次いで2番目の規模とのことです。今年の春季年会は、3月11日の大震災の影響で中止となってますね。

Cooperさんによると、1961年に人類で最初に宇宙空間を飛んだガガーリンが飛行中に食べたパテとキャビアが宇宙食の始まりだったとのこと。
それから、50年間で宇宙食は改良・発展して来ました。
①当初は、フリーズドライの塊や歯磨き粉のチューブのような容器から搾り出したべとつく食べ物を食べたようです。
②1960年代後半には、暖かい料理をスプーンで食べられるようになりました。
③1970年代のスカイラブでは、冷蔵庫や冷凍庫に格納された72個の異なった食物を選ぶことができるようになりました。
④近年、スペースシャトルの宇宙飛行士は、朝食には、いり玉子を食べ、コーヒーを飲んで、おやつにはチョコレートかブラウニー(ナッツ入りチョコレートケーキだそうです)、昼食と夕食には、鶏肉、マッシュルームスープまたはライスピラフなどから好きなものを選ぶことができます。



かなり快適になってますね。野口さんがお寿司を振舞ったこともありました。

今までの実績から、宇宙飛行士は1日あたりの3.8ポンド(1.725kg)の食物を消費します。
従って、火星への5年間の任務を想定すると、1人あたりのおよそ7,000ポンド(3,178kg)の食物が必要となることを意味します。
Cooperさんは、全てを地球から持っていくのではない新しい方法としてbioregenerativeシステムを提案してます。
どうも植物工場のようです。
植物を育てることで呼吸用の空気の循環も期待できるということです。
今回の報告では、10の作物が、火星探査ミッションの家庭菜園の主要な候補として紹介されています。
それは、レタス、ホウレンソウ、にんじん、トマト、シャロット、ラディッシュ、ピーマン、いちご、新鮮なハーブとキャベツだそうです。
従って、火星を目指すマーズノウトには、園芸の技能も求められるようです。
家庭菜園で腕を磨きましょうかね。

MARS500でも植物を育てることには、食事のバラエティを増やすことの他にマーズノウトたちの精神的癒しの効果も認められています。

(以下、事務局の夢)
火星の土で植物を育てて、それで家畜やペットを育てることになるでしょう。
それによって、将来は、定住可能な環境を整備することが出来ることでしょう。
自給自足で地球からの自立だって可能ですよ。
火星産のトマトが地球へ輸出されることもあるかもです・・・
宇宙に行くのだから我慢が当たり前と思っていましたが、快適さを追求できるレベルが可能になっているようです。
コメント (1)
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温室効果満点!

2011-06-06 22:43:32 | 植物工場
6月2日のMarsTodayに極寒の地球の南極で植物工場を運営していたことが紹介されています。
South Pole Food Growth Chamber (SPFGC)と言ってますが、日本語だと南極食物栽培室とでも言うのでしょうか?
SPFGCについては、Arizona大学の Controlled Environment Agriculture Centerで紹介されてますね。

下記は、南極のSPFGCの中でのSusan MacGregorさんです。



この植物工場は、水耕栽培で月や火星での運用を目指しているそうです。南極では、6-8ケ月外界から途絶されるので、その時の栄養補給用という効果だけでなく、滞在している科学者達隊員の精神的癒しの効果があるとのことです。

月や火星での農業を研究しているArizona大学のCEAC(Controlled Environment Agriculture Center)は、現在PⅡです。
UA's Campus Agricultural Centerのthe CEAC Extreme Climate Labに設置されているプロトタイプのlunar greenhouseは、Sadler Machine Co.という会社が作ったそうです。
維持管理は、Raytheon Polar Servicesがやっているとのこと。
sodium-vapor lights(ナトリウム蒸気ランプ)を使用しているため、非常に電力を喰い、多量の熱を発生するので取り扱い難いようですね。
アメリカの研究者とSadler Machine Co.は、下記のイタリアの2社とも共同研究しています。
Thales Alenia Space(ISSのハードウエアを製造)、Aero Sekur(空気で膨らませる膨張性の構造物を製造)

どうも、月での実施を優先している感じですね。
それも水耕栽培ということです。
事務局も植物工場に興味を持って、少しずつ勉強中ですが、出来れば火星の土で栽培したいと思ってます。
Phoenixが火星の土を掘って、いろいろ調べた結果は当ブログの2008年6月27日に下記の通り書きましたがアルカリで塩化物が多い土でした。

*「地球の南極大陸の乾いた谷で見つかる表層土の乾燥した土と類似しています。pHは、8-9のアルカリで、まだ完全に確定されていないがマグネシウム、ナトリウム、カリウムと塩化物を含む塩類のいろいろな構成要素を見つけました。」一回目のこのサンプルは表層から1インチの層からサンプリングされたものです。*



当時は、火星の土でアスパラガスが栽培できると大きな反響を呼びましたね。

最近は、東北地方での津波による農地の塩害対策として、塩トマトの栽培などが試されています。
その他、検索すると 塩キャベツやわざわざ土に塩を混ぜ込んで塩野菜を作っているところもありました。
塩野菜には、じゃがいも、タマネギ、きゅうり、オクラ、ゴーヤ、なす等いろいろあります。
火星での農業の可能性ありますね。
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