火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

有人火星ローバーの試作品登場?

2017-05-23 18:40:04 | 火星への入植

5月11日のBusiness Insiderで、NASAケネディ宇宙センター内の民営の一般客向け見学施設であるビジター・コンプレックスに実物大の有人ローバーが展示されていることが報道されてました。
作ったのは、「Parker Brothers Concepts」社です。
この会社は、5年ほど前にテレビ局や映画制作会社の依頼で「一風変わった」乗り物を作るために設立されたとのこと。
ビジター・コンプレックスとケーブルテレビ局などがこの会社とひそかに協力して作り上げたようです。
昨年の後半から展示されていたが、最近Redditの「何だ、この車!? 」という投稿から広まりつつある模様ですね。

詳細は、下記サイトにて
https://www.businessinsider.jp/post-33538
下図が展示されているローバーです。

Shanon Parker/Parker Brothers Concepts

このローバーは、まだ名前がないようです。
仕様は、以下の通り
・6輪の完全電気自動車(電動モーター、ソーラーパネル、700ボルトのバッテリー)
・車長28フィート(約8.5m)、車幅13フィート(約4.0m)、車高11フィート(約3.4 m)の探査車は、概算で約5000ポンド(約2267.9 kg)
・タイヤ:高さ50インチ(約127 cm)、幅30インチ(約76 cm)
・フロントガラスはカーボンファイバー製のアクセント付き。NASAのロゴも入っている。
・ローバーにはGPS、空調、ラジオなど「快適な活動に必要な機器」が並ぶ一方で、ボディ全体は航空機並みのアルミ材とカーボンファイバー
・最高時速は60~70マイル(約96~112 km)、通常は時速10~15マイル(約16~24 km)
・ローバーは、操縦室と研究施設が連結されて移動することを想定している。
 ローバーの操縦室と研究室は、中央で区切られていて、後方部分は完全な研究室、前方部分は偵察に出るための操縦室。
 研究室の部分は切り離すこともでき、そのまま独自に研究を続けられる。
 そうすれば操縦室は軽くなるので、燃料をあまり消費せずに任務を行える。
 (写真を見ると操縦室が4輪で研究室は2輪となっているようです。)

NASAは、関与を否定しているものの「NASAのロゴ」が付いているので、まったく知らないはずはないかと・・・
さらに、NASAは探査車の開発に際して、いくつかの必要なパラメーターを与え、考え方として「宇宙飛行士4人で、調査、探索、テストサンプル採取を行える程度の小型偵察車」もしくは「完全な研究室」という2つを示したという。
また、このローバーは、近々NASAが共催するアメリカ国内の巡回展「サマー・オブ・マーズ」の一部として展示される予定になってます。

*どうも、盛り上げるためにいろいろ仕込んでいる感じですね。
 でも、こうしてローバーを具体化するなんて、すごいエネルギーだと思います。
 日本にも持って来てくれないかな・・・期待しましょう!

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JAXAがESAとの協力の進化を発表・・・

2017-05-17 11:24:55 | 日本

JAXAが5月15日に、欧州宇宙機関(European Space Agency:ESA)との協力をさらに拡大・深化させることで合意して、共同声明を発表しました。

詳しくは、下記にて
http://www.jaxa.jp/press/2017/05/20170515_esa_j.html

日経のオンラインニュースは、下記にて
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG15HA2_V10C17A5CR8000/

------------「内容を以下に引用します。」-------------------

JAXA-ESA共同声明
JAXA-ESA Joint Statement(仮訳)

 2017年5月15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長 奥村 直樹と、欧州宇宙機関(ESA)長官 ヨーハン=ディートリッヒ・ヴァーナーは、東京において会合を行い、以下の内容について確認した。

(協力関係の継続・拡大・深化)
 両機関長は、長年にわたり実施されてきた両機関の協力実績を総括し、地球観測、宇宙環境利用、宇宙科学等の分野における共同ミッションや、さらには国際宇宙ステーション(ISS)での協力が大きな成果を上げてきたことを確認した。

 そして、気候変動問題への貢献を目指す雲・エアロゾル・放射観測ミッション「EarthCARE」や、太陽系の中でほとんど探査がされていない惑星の起源と進化の解明に取り組む水星探査ミッション「BepiColombo」等の共同ミッションが計画通り進行し、両機関及び世界に大きな恩恵をもたらすことを確認した。

(地球規模の課題と共同貢献の確認)
 両機関長は、より良い社会のため、また持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する衛星による全球観測やその他の宇宙アプリケーションの重要性を認識した。とりわけ、両機関長は、地球温暖化対策に貢献する温室効果ガス(GHG)排出量報告の精度向上に衛星観測データを活用するための協力を深めるとともに、宇宙技術による統合的なアプリケーションの促進を図り、多くの分野での新たな事業の拡大に結び付けていくことに合意した。

(人類の活動領域の拡大における連携)
 さらに両機関長は、国際パートナーシップ活動によるISSの2024年までの最大利用を促進することの重要性を確認するとともに、新たに、月をはじめとする宇宙探査分野で欧州と日本の強みを生かしたミッション創出の検討を行うことに合意した。
また、両機関長は、宇宙探査に係る閣僚級会合である第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)が2018年3月3日に日本で開催されることを受け、その成功に向け協力していくことに合意した。

(まとめ)
 最後に両機関長は、上記の特定された分野での協議を年内に完了させるため、担当役員レベルのワーキンググループを設置した。両機関長は、全ての協力活動を通じ、宇宙技術による社会課題の解決や産業振興、人類の活動領域の拡大に貢献していくことを宣言する。

-------------------以上、引用終わりーー

ところで、
Jan Woernerさんは、下記資料によりますと、
2015年7月1日、ヨーロッパ宇宙機関(European Space Agency)長官として就任したようですね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Johann-Dietrich_W%C3%B6rner

また、JAXAの記事によりますと
「ヴァーナー長官の就任後初来日の折に、両機関の協力をさらに拡大・深化させるべく機関間の会合を開催しました。」となってます。
つまり、今回の来日の主目的では、なかったということのようですね。
とは言っても、JAXAとESAの協力関係が継続・拡大・深化したということを素直に歓迎したいと思います。
でも、要望および懸念として、日本も有人火星探査および有人宇宙活動に関して主体的に取り組む必要があるということを言っておきたいと思います。

コメント (2)
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火星で植物工場を!

2017-05-07 00:14:44 | 植物工場

NASAがアリゾナ大学と共同して、月や火星で使用する植物工場の製造に本気になってきました。
下記のBIGLOBEさんの記事で紹介されています。

https://news.biglobe.ne.jp/trend/0505/kpa_170505_7144542671.html

この植物工場は、Roberto Furfaro准教授とGene Giacomelli教授が中心となってNASAと共同開発してます。
プロトタイプとして制作されたもので、下図のような形をしており、長さが約5.5メートルで直径が約2.1メートルです。
(いくつかの記事に大きさの記載があって、直径が2.1mから2.4mまでいくつかあります。多分、内径と外径とか、測る場所の違いなのかな~と思っています。)
*Roberto Furfaro教授:アリゾナ大学准教授
*Gene Giacomelli教授:アリゾナ大学環境管理農業センターのディレクターである農業生物システム工学教授

植物工場は、単に食料の生産の役割だけではなく、空気・水そして廃棄物のリサイクルの役割を持ちます。
まさに、地球上で当たり前に行われているように、火星基地で排出される宇宙飛行士由来の廃棄物や汚染水を浄化する生命維持装置の一部を担うことになります。
植物に必要な光は、自然光とLED光を併用することを考えているとのことです。

Credits: University of Arizona

Credits: University of Arizona

この植物工場は、月や火星へ運ぶため膨張式となっています。
下図は、折りたたんだ状態です。

Credits: University of Arizona

アリゾナ大学の情報は、下記にて

http://www.sie.arizona.edu/researchers-greenhouse-helping-mars-gardens-grow-nasa

https://www.ag.arizona.edu/lunargreenhouse/

また、アリゾナ大学は、南極に植物工場を持っています。下記にて

http://www.tucsonnewsnow.com/story/30202427/how-to-grow-food-on-mars-the-film-the-martian-and-the-ua-have-something-in-common

NASAの記事は、こちら

https://www.nasa.gov/feature/lunar-martian-greenhouses-designed-to-mimic-those-on-earth

*いや~楽しいですね!夢が広がります。
 私は、個人的には完全閉鎖系(太陽光は、電力として利用)のほうが良いと考えていますが、どうなりますか・・・

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