火星への道

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バラバラバラ・・・神託は下されたのか?

2015-11-17 23:48:44 | Phobos

メリーランドで開催されたアメリカ天文学会の年次総会の惑星科学部門で11月10日発表された内容は、フォボスに関することでした。
発表者のTerry Hurfordさんによりますと、フォボスは、岩ではないと考えられ、3,000万年から5,000万年以内にばらばらに壊れることが予想されるとの事です。
*Terry Hurfordさん:NASA’s Goddard Space Flight Center in Greenbelt, Maryland.  

その発見の鍵は、フォボス最大のクレーターのスティックニー・クレーター(直径10km)にある放射状の溝だとの事です。
この溝は、スティックニーを作った天体が衝突した際の衝撃でできたと考えられていました。


しかしながら、この溝を良く調べると、下記の点で隕石による衝突で出来た溝ではなく、火星との潮汐力によって変形されたため生じた溝であることが分かったとの事です。
・溝が放射状に伸びていない。(隕石の衝突で出来た場合は、中心から放射状に伸びるはず)
・新しい溝が出来ていることが確認された。 (クレーターの変形は、確認されていない)

更に、最近の研究で、フォボスはしっかり固まった天体ではなく岩石などの破片の集合体で、表面を100mくらいの厚さでレゴリスが覆っている形ではないかと考えられているとの事です。

GIZMODOさんでも取り上げています。
http://www.gizmodo.jp/2015/11/post_20161.html

*今回の発表で、新しい内容としては、フォボスが岩ではないということだけです。
Wikipediaによりますと、もともとフォボスは、火星の潮汐力によって100年間で約1.8m引き付けられており、やがてロシュ限界に達し壊れる運命にある。そして、5,000万年以内に火星の表面に激突するか、破壊され火星のとなると考えられていましたので、既定路線と言えますね。

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Phobos、木星をバックヘッド!

2011-06-19 18:45:42 | Phobos
6月17日にESAのMars ExpressのサイトでPhobosが木星を横切る映像が発表されています。
6月1日にMars Expressから見てPhobos-木星が合になった瞬間を狙ったとのことです。
サイトでは、68秒間で104枚の画像を撮ったものを繋げて動画にした画像を見ることが出来ます。
これは、単なるお遊びではなくて、こういう相互の位置関係を確かめることでPhobosの軌道をより正確に理解できるようになるそうです。
でも、我々の住んでいる宇宙が隅々まで物理法則に支配されていると思うと不思議な感じがします。
その物理法則を解明したのが我々人類ということで、尚更この画像が貴重に思えます。



撮影した時のMars ExpressとPhobosの距離は、11,389 km、木星までは、5億2千9百万kmとのこと。
下の画像のような位置関係での撮影です。


大きい画像はこちら

Mars Expressは、いろいろ自由度のある探査機ですね。
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最近変わったの・・・

2011-01-23 21:49:41 | Phobos
1月21日のESAのMarsExpressのブログにPhobosの最新の画像が報告されてますので紹介します。
HRSC(the High Resolution Stereo Camera)で1月9日撮影のようです。

下記の位置関係で撮影しました。



詳しくは、ここにて
各画像をクリックすると倍率を自由に変えて見ることが出来ます。
日々進歩してますね。

今回の画像で今年の後半に打ち上げ予定のPhobos-Gruntの着陸予定地も示されています。
当初の予定は、赤の丸で囲んだところでしたが、青で囲ったところに変わったとのことです。



こういった画像が定期的に撮影できるのは、MarsExpressの軌道がフラフープのようになっているからです。
そのアニメーションが紹介されています。

それにしても、Phobos-Gruntの着陸予定地が変更になっていたとは・・・
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肌理はいいけど中味はスカスカ

2010-09-22 01:02:04 | Phobos


大きい画像は、下記にて
http://www.europlanet-eu.org/outreach/images/stories/ep/news/epsc2010/giurannafig1a.bmp

当ブログにて2月20日に下記のとおり書きましたが。
「Phobosの正体は、いまだ謎です。次の3通りの可能性が考えられていますが、真実は解るでしょうか?
①火星の重力に捕まった小惑星である。
②火星が形成された時に同時に形成された。
③火星に大きな隕石がぶつかって、飛び散った残骸が火星軌道上で形成された。」

その続編となります。

9月20日のMarsTodayによりますと③の可能性を示唆するデーターが集まってきたとの事です。
個別にESAの Mars ExpressとNASAの Mars Global Surveyorが熱赤外スペクトルで測定した結果、かなり似た結果を得たのと、Mars Express搭載のthe Mars Radio Science Experiment (MaRS)での測定でPhobosが高多孔性であることも確認されました。
これらの結果は、9月20日ローマで開催された欧州惑星科学会議にて Dr. Giuranna とDr. Rosenblatt によって発表されたとの事です。

詳しくは、下記にて
http://www.marstoday.com/news/viewpr.html?pid=31665

元ねたは、下記にて
http://www.europlanet-eu.org/outreach/index.php?option=com_content&task=view&id=304&Itemid=41

以前の可視近赤外での観測では炭素質コンドライトの存在を示唆する結果であったので、上記の①の可能性が有力視されていたが、今回の結果からは、コンドライト隕石であるということが難しいとのこと。
その代わりPhobosの表面にphyllosilicates(珪酸塩)鉱物を確認したとのことです。特にPhobosの最大のクレーターのStickneyの北東の地域に多いとのこと。
このことは、Phobosの生みの親のところで、液体の水の中で珪酸とミネラルの反応が起こっていたことが示唆されます。
または、Phobosでその反応が起きたとするとPhobosに液体の水の存在が可能であるための条件(熱源など)があったことになります。
もっと詳しく調査するためには、探査車での調査やサンプルを地球に持ち帰ってくることが必要となります。
火星表面の調査結果から言っても、火星とPhobosの地表面の組成はかなり似ているようです。
また、こうなると現在のPhobosとDeimosの軌道は、①の説をとると説明が難しいとも言い出してますね。

今回は、MaRSによって3%の精度でPhobosの重量が測定され、密度が1.86±0.02 g/cm3と計算されました。
結構、軽いです。コンドライト隕石が、2.2~3.8g/cm3くらいのようですので。

こうなると、来年のPhobos-Gruntがますます楽しみになってきました。
ぜひ、サンプルリターンに成功して欲しいものです。

ESAの Mars ExpressがPhobosに接近する様子の動画がまた出てますので、下記にて見てください。

http://didac.oma.be/phobos.php
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肌理はどうですか?

2010-03-16 23:46:11 | Phobos
3月15日にESAは、MarsExpressが3月7日に接近撮影した画像を公開しました。
枚数が少ないのですが、今までにない1画素当り4.4mという詳細な画像です。
MarsExpressの周回軌道から5ケ月毎にPhobosに接近できるチャンスがあるとのこと。今回は、3月末まで接近を繰り返しながらデータの取得を続けます。
Phobos-Gruntでも地球のESA stationsが役割を担うことになっており、今回は良い練習でもあるんですね。

詳細は、下記にて
http://www.esa.int/SPECIALS/Mars_Express/SEMK17CKP6G_0.html

大きい画像は、下記にて
http://www.esa.int/images/3_h7915_phobos_nadir_H.jpg

もちろん、Phobos-Gruntの着陸予定地点も撮影してます。
予定地点は、南緯5°から北緯5°東経230-235°の範囲だそうです。
やはり、平らそうなところを選んでます。



大きい画像は、下記にて
http://www.esa.int/images/5_h7915__Phobos_LandingSites_H.jpg

今までの画像の精密さの比較は、下記の写真で比べてみてください。
元データを忘れましたので大きい画像は、なしです。
右下の一番大きな画像で1画素当り19.2mです。
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最接近です。

2010-03-07 11:11:05 | Phobos
ESA(欧州宇宙機関)は3月3日にPhobosへのMars Expressの接近(flyby)に成功したと3月4日に発表しました。
接近距離は、67Kmでした。


大きい画像は、下記にて
http://esamultimedia.esa.int/images/marsexpress/Image5_422-20081013-0000-6-mos-01-PhobosSeries_H1.jpg

今回は、Phobosの重力場を測定して内部構造を調査することが目的でした。
地球からの無線信号をMars Expressが受け取って地球へ返信することで、かなり良いデータが取れたとのことです。

Mars Expressは、中央ヨーロッパ標準時21時20分(世界時20時20分)頃に地球からの無線信号を自動追跡しました。
無線信号は、片道6分34秒かかり往復では13分8秒かかります。
Mars Expressからの信号は、明瞭でアマチュア無線でも受信できるほどだったようです。聞いてみたいものですね。
このデータによってPhobosの内部の密度変化を割り出せるとのこと。結果を待ちましょう。

ESAの火星無線科学(MaRS)実験のMartin Pätzoldさんが“Phobos is probably a second-generation Solar System object,” と言ってます。
Martin Pätzoldさんは、ドイツのケルン大学の方です。
第二世代ということは、火星が出来た後に形成されたものであるということですね。
小惑星が火星軌道に捕まったものである可能性が高いということでしょう。
火星のDeimos(ダイモス)も同じと考えられていますし、木星のAmalthea(アマルティア)も第二世代のようです。

詳しくは、下記にて
http://www.esa.int/SPECIALS/Mars_Express/SEMIPX6K56G_0.html

また、今回の接近の様子をアニメーションとしてYOUTUBEで紹介しています。
http://boxx.over-blog.com/article-survol-phobos-mars-express-45426323.html

次のFlyby(接近)では、Phobos表面の詳細な画像を撮るとのことです。

Phobosについては、下記にて
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%9C%E3%82%B9_(%E8%A1%9B%E6%98%9F)
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三角関係

2010-02-23 23:32:58 | Phobos
ESAのMars Express Blogの2月17日の記事によりますとPhobosの内部構造の詳細を得るためにMars ExpressがPhobosに接近した時にPhobosから重力の影響を受けるのを利用する計画を立てているようです。
火星とPhobosとMars Expressの三角関係をMars Expressと地球上の2台の巨大アンテナとの三角関係でPhobosの内部構造を解き明かそうと言うことです。
使用される巨大アンテナは、ESAの35mDSA-2(Deep Space Antenna、SpainのCebreros stationにある)とNASAのこれもSpainにある70mのDSS-63(Deep Space Station、SpainのRobledoにある)です。



Mars ExpressがPhobosを追い越す時、Phobosの重力の影響によってMars Expressの速度変化が引き起こされる。それをMars Expressからの無線信号の微妙な変化から捕らえることでPhobosの重力分布が推定できるとのことです。

詳しくは、下記にて
http://webservices.esa.int/blog/post/7/1006
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雛祭りが最高!

2010-02-20 18:58:59 | Phobos
2月16日のMarsTodayによりますとESAのMars ExpressがPhobosへのフライバイを開始しました。
フライバイは、2月16日05:52 UTに開始され、そして最接近が3月3日で3月26日まで続けられるとのことです。



Mars Expressに搭載されている全ての機器を活用してPhobosのデータを集めます。
前回のフライバイでPhobosの体積と質量をかなり正確に測定して、Phobosの内部に空洞があると予測されています。
今回の最接近の距離は50kmとなる予定で、その時にPhobosの重力分布を測定する計画です。

Mars Expressは、極を回る最大距離10,000kmの楕円形の軌道を回ってます。
Phobosは、約9400kmの高度を7時間39分間で回っています。火星表面から見ると西から昇って東へ沈んでいくのが見られることでしょう。
Mars ExpressとPhobosは、定期的に接近することがあり、今回は絶好の機会であるとESAでは張り切っています。

詳細は、下記にて
http://www.marstoday.com/news/viewpr.html?pid=30242

http://www.esa.int/SPECIALS/Mars_Express/SEM4Q1NEG5G_0.html




Phobosの正体は、いまだ謎です。次の3通りの可能性が考えられていますが、真実は解るでしょうか?
①火星の重力に捕まった小惑星である。
②火星が形成された時に同時に形成された。
③火星に大きな隕石がぶつかって、飛び散った残骸が火星軌道上で形成された。

雛祭りの頃には、何かニュースがあるかもしれません。
楽しみに待ちましょう!
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