火星への道

有人火星探査の実現を夢見て!火星ミッションの情報を提供しています。

いよいよ最終章です

2008-10-30 01:13:15 | Phoenix


久しぶりのCSAの天候情報のアップです。薄曇との事です。夏場に比べて10℃以上下がってますね。この寒さは太陽光の減少の影響ですが、Phoenixも冬篭りに備えて最終章を迎えたようです。
10月28日(米国時間)発表で、28日から4つの生残りのヒーターを順次止めて行く計画が明らかとなりました。
28日の遅くに一つ目のヒーターを止めるコマンドを送信するとの事です。このヒーターは、RAとRAカメラとTEGAを暖めていました。この停止によって250ワット時の節約となるようです。
次にRAの休止に備えて 近くの地表にTECPの探針を刺した状態でRAを固定しました。もう新しい土サンプルは集められませんね。TECP(腕の手首に位置する)は、表面の近くの大気の湿気とともに、土の温度と伝導率を測定し続けます。探針は働くためにヒーターを必要としなくて、数週間データを送り続けてくれるようです。MR.Ray Arvidson(RAの共同責任者)は、「RA(ロボットアーム)は期待以上の働きをしました。この馬車馬のように働いたRAをオフにします。」と労いました。
出力レベルが更に下がってきたら、第2のヒーターを止めます。それは着陸機の点火開始装置に供されています。その装置は、着陸以来使われませんでした、そして、そのヒーターを無効にすることで4~5日寿命が延びるとのこと。
そのステップの後で、第3のヒーターを無効にします。そして、それはPhoenixの主カメラ ― Surface Stereo Imagerと気象観測セット ― を暖めてきました。気象器具を操作するエレクトロニクスは、自分の熱だけで、それらの器具とカメラを機能させ続けなければならないようです。
最終的なステップでは、第4のヒーター ― 宇宙船とそのバッテリーを暖める2台の生き残りヒーターのうちの1台 ― を切るかもしれません。最後の望みとして、1台の緊急時用ヒーターを残します。
「あとは、Phoenixは火星のなすがままです」とMR.Chris Lewicki(JPL, lead mission manger)が言いました。
もう一つ問題があります。11月28日~12月13日で、火星が合となり、地球から見ると火星と太陽が2度以内に入ります。その間は、地球からコマンドが送れません。Phoenixのデーターは、軌道船のOdyssey と Mars Reconnaissanceが受取ってくれています。
下記の画像は、Sol149にTECPの探針が地表に挿入されている様子です。サッカーの試合が終わって負けチームの選手がピッチに手を付く姿を思い出しましたが、この試合は、成果の多い勝ち試合で全力を出し切って満足感の中ピッチの神に感謝している姿でしょう。
まだ、最後まで調査を続ける姿に励まされます。ドライアイスに埋もれてしまうのでしょうが、何時までも送信を続けてほしいものです。頑張れPhoenix!!




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最後まで頑張ります!

2008-10-22 23:25:12 | Phoenix
http://phoenix.lpl.arizona.edu/images.php?gID=23511&cID=237

10月21日(米国時間)の発表によると、RAは、「UpperCupboard」と「StoneSoup」の下部の領域を掘っているようです。
「我々は、地質と気候の関係を結びつけるために氷テーブルの深さと範囲を理解しようとしています。」と、NASAのジェット推進研究所、Diana Blaney は言ってます。
残り少ない時間を最大限活用しようと涙ぐましい努力が続けられていますね。

アメリカのMars Science Laboratory が予定通り2009年春に打上げられることが決まったと言うのに、今度はESAのExoMARSがどうも2016年に延長されるようです。どちらも予算関連なので、昨今の経済不安も影響しているのでしょうか?
新素材や加工法など技術的なブレークスルーが必要な時期なのでしょう。中国、インドとかいろいろな国が宇宙開発に乗り出してきてますので、安全・確実・安いを実現して欲しいものです。
宇宙開発は、金が掛かるものと思いがちですが、発想の転換が必要でしょう。そうしないと社保庁じゃないけど役人や政治家の利権にされてしまいます。この方がよっぽど無駄遣いですよね。
先日、テレビで宇宙飛行機の開発に取組んでいる緒川修治氏が紹介されていました。弾道飛行だと思いますが、40万円での宇宙旅行を目指しているとのこと。頑張ってほしいですね。詳しくは、下記サイトで見てください。

http://www.meitai.net/archives/20080128/2008012808.html
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頑張ってボーナス獲得!

2008-10-19 01:10:46 | Phoenix
日本時間10月19日1:10/Sol145 16:16



http://phoenix.lpl.arizona.edu/images.php?gID=39079&cID=345

10月7日(Sol131)の画像です。Phoenixが掘った7個の溝がオレンジ色で示されてます。小さいので上のURLを見てください。

また、10月13日(Sol137)にTEGAのオーブン6にサンプルが届けられたそうです。既にミッションの目的分はサンプル採取・分析済みなのでPhoenixチームは「ボーナスラウンド」と呼んでいます。これで8個のオーブンのうち6個が使われました。
Phoenixのパワーは日に日に落ちており、Phoenixチームは最後の頑張りをしているようです。また、Phoenixが休止状態になっても得られたデーターの調査分析に数ケ月掛かるとの事です。結果を期待して待ちましょう。
氷の層を見つけたのが大きい成果ですが、予想より固かったのでしょうか?結構、苦労した結果、その下までは掘り進めなかったですね。表土-氷-その下の土という縦方向でのサンプルを採取する予定でしたが、これからのミッションに期待しましょう。
土の成分分析の結果が待ちどうしいです。地球上で同じような土が有るかもしれません。そうなれば、その土で緑化テストなどが行えます。テラフォーミングの可能性がテストできると考えられます。





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まだまだ頑張ってます

2008-10-09 23:53:17 | Phoenix
081009、23時41分/Sol136、14:47

http://phoenix.lpl.arizona.edu/images.php?gID=38733&cID=342



かなりブログの更新の間が開いてしまいました。先週は、晴海ふ頭公園でバーベキューをしに行ってきました。良い天気で楽しかったです。1日は、国際航空宇宙展を横浜パシフィコで見てきました。私は、初めて見に行ったので分かりませんが、自衛隊関係が参加規模を増やしたようです。航空機の方が今のところ主流で三菱のMRJは人気でした。ミサイルとかは有りましたが、ロケット関係は少なかった印象です。火星は、人気無いようですね。頑張りましょう!

ところで、いよいよPhoenixの活動時間が少なくなってきているようです。頑張れPhoenix!!
残りの時間でRAの活動範囲内での氷の層の状態を調べる試みを始めました。とりあえず、「La Mancha」と呼ばれる溝を深く掘ったようです。上記の写真がそうです。氷の層の横とかも掘って、立体的に観察するそうです。
また、その他の所も氷の層が異なる地形とか様々な表面上の特徴(例えば異なる岩と土)によってRAのワークスペースの周辺でどう異なるか観察する予定です。どうなんでしょうかね。Phoenixはやれることを全てやった感じです。
でも、最後の頑張りでSol128には、「白雪姫」溝からサンプルを採取してTEGAへ届けました。また、「Headless」を動かした跡の土からサンプルを擦り取ってMECAの光学および原子力間顕微鏡で分析を始めてます。このサンプルは、「Galloping Hessian」と名づけられました。そして高濃度の塩類を含んでいることが期待されています。地球上でも乾燥地帯で岩の下とか周辺で水が蒸発し、その結果として高濃度の塩類が見られます。それと同じことが火星で起こっているかもしれないのです。
サンプルの採取や分析活動が終わった後も最後の最後まで気象観測を続ける予定です。でも、それも今年の年末までには、終わっていることでしょう。



Sol112の天候です。かなり寒くなってきました。霜とダストデビルが観測されてます。気圧は、5月26日(日本時間)に着陸した頃は、8.5位だったので、下がっています。冬の天候は、荒れ模様なんでしょうか?
まだまだ、いろいろ情報を送ってくれることを期待して最後までお付き合いするつもりです。
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雪が降る~雪が~

2008-10-01 23:35:47 | Phoenix
http://phoenix.lpl.arizona.edu/images.php?gID=36680&cID=322



いよいよ大詰めです。
9月29日の発表によると現時点で太陽の沈んでいる時間(つまり夜と言うことです)が4時間以上との事です。5月に着陸してから3ケ月は、太陽は沈みませんでしたので、十分の電力を使えましたがこれからは、節約しつつ最後まで頑張るつもりのようです。
その一つとして、火星の音を採取するためにPhoenixのマイクを動かすようです。どんな音が拾えるのでしょうか?10月末には、電力不足によりRAは全く使えなくなると予想されてます。
下図の表は、Phoenixが着陸してからのSolを横軸に、日照時間を縦軸で表したものです。黄色い線が日照時間の変化を表し、黄色い線上の緑色の線が現在時点を示してます。棒状の茶色は、合になる時期です。棒状の緑は、北極がドライアイスの氷で包まれる時期を示します。来年、2月2日から11月20日まで極寒の冬が続きますね。また、ドライアイスの氷が溶けた時、Phoenixは我々に応えてくれるでしょうか?

http://phoenix.lpl.arizona.edu/images.php?gID=36971&cID=322




しかしながら、今回の発表は、盛りだくさんでした。一つは、カナダSpaceAgencyのMET付属のレーザーで着陸地点上空4kmの雲の中に雪(水の結晶)を見つけました。雪は、上空3km位から地表に向って落ち初め、途中で昇華しているとの事ですが、カナダのチームは雪が地表に達している事を確認したいと張り切っているようです。

http://phoenix.lpl.arizona.edu/images.php?gID=36972&cID=322



また、「白雪姫」溝から採集したサンプルでTEGAでは、サンプルを高温まで過熱した際に二酸化炭素(CO2)を質量分析計で確認しました。サンプルからCO2が放出されたときの温度は、炭酸カルシウムを加熱したときにCO2を放出する温度として知られている温度と同じだったとの事です。
反応式  CaCO3 → CaO + CO2
炭酸カルシウムの分解温度は、1,000℃~1,100℃です。
更に、MECAのWCLでも「白雪姫」溝から採集したサンプルで作られた溶液のカルシウム濃度が炭酸カルシウムで作られる緩衝液で予想されるものと同一であったとの事です。
TEGAとWCLの結果からPhoenixチームは、炭酸カルシウムの存在は間違いないと確信しているとの事です。そして、このことは過去に「白雪姫」溝から採集した土と液体の水とで相互作用があった事を示すとの事です。いよいよ水に近づいてきましたね。

もう一つ、原子間力顕微鏡と光学顕微鏡で粘土のようなものを発見したそうです。これも水に繋がる発見ですね。
もう一踏ん張りお願いしましょう!
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