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過払金訴訟の激減

2012年11月27日 | 瑞月

 今年も残り1ヶ月余りになり,我が簡易裁判所で今年1年間に受理する見込みの過払金訴訟(サラ金に対する不当利得返還請求事件)の件数が予測できる時期になった。今年は民事訴訟1係(週に1日の開廷)当たりの過払金訴訟の新受は108件になる見込みだ(新受事件全体に占める割合は28%)。平成22年は1係当たり421件(同60%),平成23年は1係当たり286件(同52%)だったから,急激な減少である。
 いよいよ一世を風靡した過払金訴訟が終焉を迎えるのだ。過払金訴訟で潤っていた司法書士や地方の法テラスの事務所の経営は大変だろう。ビッグ司法書士事務所の最近の電車内の広告には,補償金未請求のC型肝炎患者を掘り起こそうとしているものが出てきた。
 小生は法廷の事前準備として,A4縦書き1枚に事件を8件並べてメモをしているのだが,一覧性を高めるために,過払金訴訟には黄色マーカーを,交通事故訴訟には青色マーカーを,信用保証協会・日本政策金融公庫などの公的機関の求賞金請求事件には緑色マーカーを,民間金融業者が原告の事件にはピンクのマーカーをといった具合に色分けをしている。昨年までは法廷1回あたりのA4メモが4~5枚になり,黄色が半分を超えていたが,今年はA4メモが2~3枚になり,黄色よりも青色(物損交通事故)が多くなって様変わりである。
 過払金訴訟は数が多くても,そのほとんどが取下か和解に代わる決定で終わっていたから,裁判官の負担感はそれほどでもなかったが,交通事故訴訟は過失割合と損害額の争いがつきもので,双方の運転者の尋問を要する場合が圧倒的に多いから,裁判官の負担が増してきているのだ。 瑞月