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ラーメンの話(補論)

2009年10月15日 | ムサシ
1 少し前,HPでラ-メンの話を書いたが,長すぎたため一部削除した。本稿はその削除した部分である。

2 今から2年ほど前にTVで「スポーツ大陸」という番組を見た。ゴルフの中島常幸プロのトレーニングが放映され,その努力と工夫に感銘を受けた。その中で中島プロは,郷里の栃木県佐野市であったかと思うが,長年同じあるラーメン店で,毎年新年にラーメンを食べて1年のスタートを切ることにしているというのである。最近は1杯しか食べないが,若い頃はラーメンを2杯食べることで,「今年も頑張るぞ。」と決意したと言っていた。私はこの話ですっかり嬉しくなった。私の場合はラーメンを2杯食べて何かを決意したのではない。しかしなぜか私はこの話に感動し,中島プロにとても親近感を覚えたのである。華々しい活躍を経て既に全盛期を過ぎてはいるが,今も活躍されており,その後私は中島プロを勝手に熱心に応援しているという関係にある。

3 以前私たちは夫婦で高知の裁判所に勤務していたことがある。当時その裁判所の食堂のラ-メンは家族皆とても気に入っていた。今私が凝っている郷里のラーメンよりも,ずっと淡泊な醤油味でアッサリしていたが,麺がとてもラーメン臭い強い匂いがしており,毎日でも食べたいと思ったものである。そのラーメンがおそらくわが人生で最も気に入っている。当時は土曜日も休日ではなかったので,食堂は昼ころまで営業していた。当時小学生の長女と保育園の次女が,月に1回程度,「今日の昼ご飯は裁判所のラーメンを食べたい。」と言ったものである。そこで食堂に電話して,営業時間をほんの少し過ぎた時間になるのであるが,「何時ころ行きますので,ラーメンを4杯お願いします。」と注文をしておくのである。次女は先に保育園から連れて帰っておいて,長女の下校を待って車で裁判所に駆けつけた。食堂のおばさんはいつもニコニコしながら嬉しそうに待っていてくれた。とても懐かしい思い出である。

4 高知に勤務していた同時期に,裁判官としては先輩であるが,同僚として勤務していた親しい友人が,少し前に高知の裁判所の所長になったので,電話を掛けて「今でも裁判所のラーメンは昔のままおいしいですか。」と尋ねたところ,余り要領を得ない反応であった。「昔,ラーメンがおいしかったかなー?」というのである。すでに20年も昔のことなので,今は味が変わっているのかも知れないが,ETCで1000円で行けるのであるから,夏休みにでも宿を取って,妻と車で高知までセンチメンタルジャーニーに出かけ,高知の裁判所のラーメンを食べようかと話しているところである。その話をすると,結婚して関東方面に住んでいる2人の子供もきっと「私も行きたい」と言うに違いない。(ムサシ)