先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

阿寒湖温泉でシカ革アパレル店開業 ジャケットやコート販売

2023-09-10 | アイヌ民族関連

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北海道新聞2023年9月9日 22:23

釧路市の阿寒湖温泉街にオープンした「阿寒レザー」の第1号店舗

 【阿寒湖温泉】エゾシカ革のアパレルブランド「AKAN LEATHER(阿寒レザー)」を展開するイベント企画会社「オワゾブルー」(札幌)が9日、同ブランド商品をそろえた第1号店舗を釧路市阿寒町阿寒湖温泉4に開業した。

 道内でシカによる森林被害が深刻化する中、同社は「シカ活用のビジネスモデルを新たに確立できれば、捕獲数が増えて被害を抑えられる」と構想。油分が豊富で柔らかく、滑らかな手触りが特徴のシカ革を生かそうと、同ブランドを1月に立ち上げた。主に阿寒湖周辺で捕獲されたシカの革を用いることから、阿寒レザーと名付けた。

・・・・

 店舗の営業時間は午前9時~午後8時(バーは午前8時~翌日午前0時)。毎週火曜定休。問い合わせは同店、電話0154・64・1710へ。(松井崇)

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/906682/


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映画「カムイのうた」主題歌初披露 映画出演の島田歌穂さん、東川でコンサート

2023-09-10 | アイヌ民族関連

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北海道新聞2023年9月9日 21:29

美しい歌声で観客を魅了する島田さん(右)とピアノを演奏する島さん(宮永春希撮影)

 【東川】大正期のアイヌ文化伝承者、知里幸恵(1903~22年)の生涯を描く映画「カムイのうた」に出演した、歌手で俳優の島田歌穂さんが9日、夫で音楽家の島健さんと町複合施設「せんとぴゅあ」でコンサートに出演し、聴衆約350人を魅了した。

■「町民との縁 生涯の宝物」

 島田さんは島さんのピアノ演奏に合わせて、テレビドラマ「ホテル」の主題歌「約束」といった自身のヒット曲や、出演したミュージカル「レ・ミゼラブル」の曲などを歌い上げた。

 島田さんはこの日、島さんが作曲した映画の主題歌「カムイのうた」を初披露。練習を重ねて撮影に臨んだユカラを歌ったほか、知里が残した「アイヌ神謡集」の序文を朗読した。島田さんは「町民のみなさんに撮影現場などで温かく支えられ、役を演じることができました」と感謝。「映画を通して町民と深い縁ができたことは生涯の宝物です」と語った。

・・・・

※「ユカラ」の「ラ」は小さい字。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/906657/


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<ウポポイ オルシペ>73 アイヌ文化とサケ 貴重な食料、靴や服にも

2023-09-10 | アイヌ民族関連

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北海道新聞2023年9月9日 09:24(9月9日 15:40更新)

白糠の伝統漁法を受け継ぎ、マレプ(突鉤)でサケをとる天内さん

 アイヌ文化にとってサケは、重要な食料資源でした。アイヌ語ではカムイチェプ(神の魚)やシペ(本当の食べ物)、チュフチェヘ(秋の魚)などの総称がありました。

 その他、海にいるサケや川を遡上(そじょう)するサケ、産卵後のいわゆるホッチャレといった時期による名称のほか、筋子などの部分名称など、北海道や樺太各地の方言による約150語もの名称が、登別出身の言語学者の知里真志保(1909~61年)による「分類アイヌ語辞典動物篇(遺稿)」(62年)に掲載されています。それほど身近な魚だったわけです。

 冷蔵・冷凍保存が主流の現代では海でとれた脂ののったサケが好まれますが、19世紀までは脂が落ちて保存に適しているということから川を遡上したサケが捕獲されていました。

 川ではウライ(うけ)や、テシ(柵)という仕掛けを使って、先端にかぎ針の付いたマレク(突鉤(つきかぎ))という漁具で1匹ずつとりました。トゥパ(とば)などのように身を細く裂いたり、三枚におろして背骨を取り除いて干したりと、主に乾燥保存されました。また、北海道ではサケの皮から靴が作られたり、樺太では服が作られたりしました。

 しかし、明治に入ると移住者の増加もあり、資源保護を目的として川におけるサケの捕獲が禁止されたことから、アイヌ民族にとって大きな打撃となり食生活に大きな影響が出ました。

・・・・・

 <文・田村将人=国立アイヌ民族博物館資料情報室長、山道陽輪(ムカラ)=民族共生象徴空間文化振興部体験教育課工房プログラム担当>

※カムイチェプの「プ」、チュフチェヘの「フ」と「ヘ」、テシの「シ」、マレクの「ク」、マレプの「プ」、チェプケレの「プ」と「レ」、ウパシクマの「シ」、サッチェプの「プ」、ムカラの「ラ」はいずれも小さい字

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/906462/


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「死ぬな。生きるんだ」教えを棄ててでもと叫ぶ…キリスト教弾圧の中で信徒を支えた“最後の日本人司祭”

2023-09-10 | アイヌ民族関連

著者は語る 『パシヨン』(川越宗一 著)

週刊文春2023/09/10

 週刊文春 2023年9月14日号

 樺太に生きるアイヌを描いた『熱源』をはじめ、国や文化の境界で生きる人々を描いてきた川越宗一さん。最新作『パシヨン』で取り上げたのは、キリスト教禁制下で“最後の日本人司祭”となった小西マンショ(彦七)だ。

 彦七はキリシタン大名・小西行長の孫として生まれるが、関ヶ原の戦いで行長が処刑されると母とともに追放された。また小西家旧臣のキリスト教信徒たちも、法華宗に改めるか放逐かを迫られる。

 序章の殉教の場面が印象的だ。磔にされたキリスト教信徒たちを見た仏僧は、自分の寺をキリシタンに壊されたことがあり、磔刑も仏罰だと言って憚らない。だが、想像を絶する苦痛の中で使徒信条(クレド)を唱える信徒の姿に「聞いてやらぬか」と叫び、手を合わせて読経する――。当初、信仰を描く難しさを感じていたという川越さんは、この場面を書いてまず手応えを得たという。

「徳川幕府が開かれ天下が一つになっていく過程でキリシタンが迫害されていくのですが、少数派が弾かれていく経緯は現代にも通じます。それに気づいた時、この題材で、今につながる書き方が出来ると思いました」

 迫害が激しさを増す中、彦七に小西家再興の重責がのしかかるが、彦七は自ら司祭となって彼らの信仰を支えるため海を渡る決心をする。そんな彼を描くうえで主題となっているのが「自由」だ。

「当時の宣教師が日本語で書いた『どちりなきりしたん』というカトリックの教理本の中に、『自由』という単語が出てきます。神が悪魔から人間を自由にしてくれたと説かれていて、自由だからこそ人間は悪魔の誘惑にもなびいてしまう、ということかと受け取りました。強制がない状態で自分のことを決定するのが自由だと思いますが、人間ってそれほど自立できるものなのか、雰囲気に流されたりその場の感情で動いてしまうものではないのかと、執筆中ずっと考えていました」

 彦七を取り巻く人々の中には自分たちを守るために挙兵しようと扇動する者もいる。だが彦七は、「死ぬな。生きるんだ」と説き、司祭となってローマから帰国してからも、激しい弾圧の中で信徒たちを支え続ける。島原の乱では、籠城し飢餓と総攻めに怯える信徒たちに、教えを棄てて生き延びよと叫ぶ。

「小西マンショについてはローマのイエズス会の名簿やベトナムの司教の日記に名前が残っている、と研究でわかっているくらいで、まとまった史料がないんです。そのぶん、創作しがいのある人物でした」

 本書のもう一人の主人公とも言えるのが、幕府の宗門改役としてキリシタンを取り締まる井上政重だ。徳川の天下を盤石なものにし万民を守るためと自分に言い聞かせながら、苛烈な取り締まりを行っている。

 やがて捕らえられた彦七は、井上の尋問を受ける。凄絶な拷問を受けながら、井上の中にある罪の意識を見抜く彦七。終盤の二人のやりとりは圧巻で、胸を打つ。

「最初はキリスト教とは何かを捉えようとしながら書いていたのですが、僕自身は信仰心を持っていないので、なかなか想像が及ばないところがありました。それで途中から、理解しようとするのをやめたんです。理解できない相手と一緒に暮らせないとしたら、対立しかない。でもそうではなく、分からないことを認め合ったうえで一緒に社会を営んでいくのが自由な社会だと思いますし、それは現代にも言えることだと思っています」

かわごえそういち/1978年鹿児島県生まれ、大阪府出身。2018年『天地に燦たり』で松本清張賞を受賞しデビュー。19年刊行の『熱源』で本屋が選ぶ時代小説大賞、直木賞を受賞。その他の著書に『海神の子』『見果てぬ王道』。

https://bunshun.jp/articles/-/65631


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ピアニスト、菊池洋子が子守歌アルバムをリリース

2023-09-10 | アイヌ民族関連

産経新聞9/9(土) 15:30

日本とウィーンを拠点に活躍するピアニスト、菊池洋子の古今東西の子守歌を集めたCD「子守歌ファンタジー」(キングインターナショナル)が9日、リリースされた。よく知られたモーツァルトやブラームス、リストやグリーグ、チャイコフスキーにショスタコーヴィチ、そして美智子上皇后の作品まで29曲が収録されている。菊池は「祖母や母親から受け継いだ子守歌を自分の子に伝えていく。子守歌は命の伝承であると感じています」と話す。

■短い曲にも作曲家の個性

菊池は前橋市生まれ。田中希代子、林秀光に師事。桐朋学園女子高等学校音楽科卒業後、イタリアのイモラ音楽院に留学。2002年第8回モーツァルト国際コンクールにおいて日本人として初めて優勝。ザルツブルク音楽祭に出演するなど国内外で活動している。09、18~19年にモーツァルトのピアノソナタ全曲をフォルテピアノとモダンピアノを用いて演奏するという意欲的な企画は話題を呼んだ。今年3月よりウィーン国立音楽大学にて後進の指導に当たっている。8月にはバッハの鍵盤曲の傑作「ゴルトベルク変奏曲」だけのリサイタルを行った。

「コロナ禍のときバッハを毎日聴いていました。時間ができたのでバッハに取り組みました。『ゴルトベルク変奏曲』は生涯かけて取り組んでいく作品です。コロナの感染やロシアのウクライナ侵攻など大変な時代です。こんな時だから人は子守歌のような音楽で癒やしを求めているのではないのでしょうか。子守歌はみな短い作品ですが、作曲家の個性がよく出ています。じっくりと聴くベートーベンのピアノソナタではないので、何かしながらBGMのように聴いてほしい」と菊池は話す。

■懐かしい、癒やしの時間

29曲は18世紀フランス・バロックのクープランから20世紀、またドイツ、ポーランド、イタリアなど世界各国にまたがっている。

日本では堀内敬三の「眠れよい子よ」の歌詞で知られるモーツァルトの子守歌だが、今日ではオーストリアのアマチュア作曲家の作品とされている。このCDではイギリスの名ピアニスト、ジェラルド・ムーアの編曲を初録音した。また「眠れ眠れ、母の胸に」と歌われるシューベルトの子守歌。これはサン=テグジュペリの「星の王子さま」を最初に翻訳したフランス文学者、内藤濯(あろう)の詩。フランスの作曲家トーメの編曲を初録音した。

ほかにもドボルザークの「母の教えたまいし歌」など異なる編曲者の新録音が多い。曲の大本は変わらないが、聴きなじんだ曲と少し違った音が聴こえるのも面白い。

菊池は「みんなどこかで聴いた曲でしょうか。バインベルクなど私は初めて聴いた曲もありました。29曲も録音しましたから覚えるのは大変でした。子守歌は人生の最初に聴いた曲ですからすごく懐かしい気分になってきます。ラフマニノフが尊敬するチャイコフスキーを編曲した子守歌は、彼が亡くなる直前に書かれました。私の先生、田中希代子先生が師事したフランスのラザール・レビィの子守歌もあります。世界初録音が多いのでまっさらな状態で新鮮に取り組めました」と話す。

日本の子守歌は4曲取り上げられている。草川信(斎藤高順編)「ゆりかごの歌」、奥村一編「江戸子守唄」、小平時之助「イフムケ(アイヌの子守歌)」、そしてCDの最後に収録されている美智子上皇后「おもひ子」。昭和35年、今上天皇の誕生に際し恩賜財団母子愛育会の機関紙「愛育」で特集が組まれ、宗教家で作家、宮崎湖処子(こしょし)(1864―1922)の詩「おもひ子」が掲載された。それに心を打たれた上皇后が曲を付けられ、今上天皇が幼いころ、おやすみの際に自ら歌われた。

菊池は「どれもすてきな曲で全部楽しんでいただけると思います。何回も何回も聴いてもらえます。このアルバムをお聴きくださる皆さまが、懐かしい思いや癒やしの時間をお過ごしいただけることを願っています」と話した。(江原和雄)

https://news.yahoo.co.jp/articles/15920a30996ce726fa00e586c74cda59f8de920b


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クリミア半島「焦土作戦を懸念」 先住民団体指導者

2023-09-10 | 先住民族関連

日本経済新聞2023年9月10日 5:00 [会員限定記事]

【キーウ=田中孝幸】ロシアの占領下にあるウクライナ南部・クリミア半島の先住民族、クリミア・タタール民族会議のジェミレフ元議長はキーウ(キエフ)で日本経済新聞の取材に応じた。ウクライナの反転攻勢でロシア軍が撤退を迫られた場合、同半島の民間インフラを破壊する焦土作戦に及ぶ可能性があると指摘。市民の犠牲を減らすための国際的な圧力の必要性を訴えた。

1991年から2013年まで同会議の議長を務め、ウクラ...

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR091L90Z00C23A9000000/


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【News】少数民族アタ・マノボ族の学生30人にタタグ先住民族学生財団の奨学金開始

2023-09-10 | 先住民族関連

ダバウォッチ2023年9月9日

マティグサログ族の家

ダバオデルノルテ州タラインゴッド町サントニーニョのプロック6Aにあるタタグ先住民族学生観光センターに、アタ・マノボ族の青少年30人が入所した。

タタグ先住民族学生財団(TIPSF)の下、同観光センターは12名の大学生と18名の高校生の教育を支援している。この支援には、日当と寮費が含まれる。この奨学金を受け取る学生の大半は、以前ダバオ市のフィリピン合同キリスト教会(以下UCCP)ハランセンターに避難していた先住民族グループに所属している。

2015年以来、ダバオ市セルガ通りにあるUCCP内のハランセンターは、ダバオ地方の様々な州やミンダナオ島の他の地域から来た先住民族の一時的な避難所となっている。また、セブ市やフィリピン大学ディリマン校から革新派のグループによって連れてこられたとされる学生もいる。

TIPSFは声明の中で、タタグの先住民族の学生であるミシャン・ドギョンさんについて言及し、彼女のコミュニティでは誰も教育を終えておらず、大学に行けるのは彼女だけだと述べた。

「私がこの奨学金をもらう前、私たちの生活は大変厳しいものだった。勉強はしていたけれど、大学を卒業できるとは思っていなかった。読み書きができるのは私しかいなかった。だから今は彼らのロールモデルとなるよう、卒業に向けて努力している。現在私たちは財団の支援を受けていて、可能性が広がったし、私たちに必要なもの全てをもらっている。ノートパソコンのような、私たちが知らなかったものが提供されている」とドギョンさんは語った。

このプロジェクトは、TIPSF、第10歩兵師団傘下の第56歩兵大隊、フィリピン空軍第7航空予備センターの協力により実現した。第10歩兵師団のマーク・アンソニー・ティト大尉は、「第10歩兵師団は、ハランセンターで学んでいるフィリピン人学生を支援するための財団に協力している」と述べた。また、同師団の司令官ホセ・エリエル・M・ニエンブラ少将は声明の中で、同師団が財団と先住民族学生たちの夢の実現を支援することを誓った。

少数民族は奥まった地域に居住していたり、政治的な圧力を受けたりしていることから教育についての課題が議論されている。各地で文化継承に向けた支援やギフトの支給などが行われているが、教育も1つの大きな重要な論点だ。少数民族の教育への道が継続的に確保されるよう、今後の動きにも期待したい。

https://davawatch.com/articles/2023/09/09/55437.html


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万博で「いのちの輝き」を体感 現代人が失った五感をハイテクで増幅

2023-09-10 | 先住民族関連

産経新聞2023/9/9 10:00

私は子供の頃、宇宙開発や飛行機の開発に憧れていました。1970年の大阪万博は、そんな少年時代の自分にとって夢と衝撃に満ちあふれた体験でした。当時11歳。もしあの時、万博に連れて行ってもらわなかったら。私は今の創作活動に就いてはいなかったとさえ思います。その後もSFやロボット、最新のテクノロジーなどにのめり込み、新たな発見や創作の手がかりを求めて世界中を旅したり、創作活動を続けたりしていきました。

そして86年のある日、中国の奥地の村で衝撃的な出会いをしました。テレビも電気もない村の子供たちの瞳はいまだかつて見たことのない輝きを放っていたのです。それは人類の子供たちが〝いきもの〟だったのだとはじめて実感した瞬間でもありました。

今まで自分は最先端のテクノロジーを追いかけるばかりで、世界の半分を見落としていたのではないのか? そんな感情に突き動かされ、その後は進んだテクノロジーに頼らずに、何万年も何億年も、いのちをつないでいる先住民族や、野生動物たちの元へと赴きました。彼らが持つ野生の輝きと、最先端テクノロジーが共存できる未来のビジョンを夢見て。

それから三十数年後。2025年大阪・関西万博のテーマ事業プロデューサーのお話をいただいた時に真っ先に思い浮かんだのは、テレビや電気のないところの子供たちの瞳の輝きや、激しくも美しい野生動物たちのいのちの輝きでした。万博のメインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ですが、実はいのちはいつでも、今も輝いていて、ただそれを感じるチカラが現代人の多くは衰えてしまっているのではないのか?

それが世界各地の少数民族や先住民、野生動物や多種多様な生態系の元を訪ねて得た私の実感です。進んだテクノロジーに頼ることのできなかった彼らは、その代わりに五感やさまざまな微細な感覚を発達させ、その豊かな感受性によって危険を察知したり、安全な食べ物を見つけたり、生態系の流れや営みとひとつながりになったりして、いのちの輝きを実感していたのではないかと思うのです。

そこで、もし先住民族や野生動物たちが持っている豊かな感受性を、最先端テクノロジーのチカラを借りてさらに増幅し、体感的に伝えることができたら、いのちの輝きを感じる全く新しいエンターテインメントが生み出せるのではないのか?

それが、今回の私やスタッフたちの挑戦です。拡張された感覚で、今、この宇宙•海洋・大地に広がるいのちを見たら、いったい何を感じるのか? 大阪・関西万博で、ご体感いただけると幸いです。(大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー 河森正治)

かわもり・しょうじ アニメーション監督、企画、原作、脚本、映像・舞台演出、メカニックデザインなどを手がけるビジョンクリエーター。慶応大在学中、テレビアニメ『超時空要塞マクロス』に原作者の一人として携わり、そこに登場する三段変形メカ『バルキリー』のデザインも担当。23歳の若さで『マクロス』の劇場作品監督に抜擢される。代表作に『マクロス』シリーズ、『アクエリオン』シリーズなど。

https://www.sankei.com/article/20230909-E45HWO7YUFKIBPZHTCSASDCBRQ/


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