先住民族関連ニュース

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サケ捕らえカムイに感謝の祈り アイヌ伝統儀式、千歳で4年ぶり公開

2023-09-05 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年9月4日 23:21(9月4日 23:35更新)

千歳アイヌ協会の儀式「アシリチェプノミ」で行われたマレクを使ったサケの捕獲
 【千歳】千歳アイヌ協会は3日、秋サケの遡上(そじょう)を迎えるアイヌ民族の伝統儀式「アシリチェプノミ」を市内蘭越の千歳川河畔で4年ぶりに一般公開した。伝統的漁法でサケを捕らえ、カムイ(神)への感謝の祈りをささげた。
 地元のほか苫小牧、豊浦などから約100人が参加した。儀式ではチプ(丸木舟)に乗った2人が、道の許可を受けて水路に放したサケをマレク(もり)で突いてサケを捕獲。河岸に設けた炉の前に供え、祝詞をささげた。
 ・・・・・
(工藤さえら)
※アシリチェプノミの「リ」と「プ」、チプの「プ」、マレクの「ク」はいずれも小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/903789/

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体験型観光の写真や映像展示 札幌・大通ビッセ

2023-09-05 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年9月4日 19:06

大通ビッセで始まったATWSの写真展
 体験型観光の国際イベント「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)」の開催を前に、北洋銀行は4日、道内各地で楽しめる体験型観光の映像や写真の展示を札幌市中央区の大通ビッセ(大通西3)で始めた。
 ・・・・
 15日までの午前10時~午後5時。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/903571/

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自然と共存しながら持続可能 弟子屈のあり方考える 10日にオンライン会議

2023-09-05 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年9月4日 18:30(9月4日 19:16更新)
 【弟子屈】豊かな自然と共存しながら、持続可能な弟子屈のあり方を考える「てしかがスタイル会議」が10日午前9時半~午後3時、オンラインで開かれる。木の葉を商品化した徳島県の事例についての講演があり、参加者との意見交換もできる。
 町内にある加藤水産の加藤敏明社長が、弟子屈の地方創生を町内外の人たちと考える場をつくりたいと2021年に「てしかがスタイル」を立ち上げた。オンライン会議は、そのプロジェクトの一環として開かれ今回で4回目となる。
・・・・
 参加は無料だが寄付付きチケットもある。申し込みはこちらから。(清水竜也)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/903527/

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きょうの潮流

2023-09-05 | アイヌ民族関連
赤旗2023年9月4日
 いまから100年前に1冊の本が世に出ました。「その昔この広い北海道は、私たちの先祖の自由の天地でありました」という序で始まる『アイヌ神謡集』です▼1923年8月に刊行された同書は、アイヌの間で伝承されてきた叙事詩、カムイユカラ13編を日本語訳付きで収録しています。戦後、岩波文庫として再刊され、このほど補訂新版が発行されました▼この本を残したのは、現在の北海道登別市に生まれたアイヌの女性、知里幸恵です。冒頭に置かれた叙事詩の「銀の滴降る降るまわりに、金の滴降る降るまわりに」という美しいフレーズが、読む人を先住民族アイヌの世界観の中に引き込みます▼心臓が悪かった彼女は、タイプで打ち直された原稿の校正を終えた夜に、発作を起こし亡くなったといいます。19歳という短い生涯でした。『神謡集』の出版は彼女の死から1年後です▼明治以降、日本政府による強制移住や同化政策によって先住民族であるアイヌはそれまでの暮らしや文化を奪われました。「研究目的」として墓地から遺骨を持ち出すことまで行われました。その中で自らの民族の文化に誇りを持って『神謡集』を残した知里幸恵の思いは引き継がれ、アイヌ文化やアイヌ語を守ろうという努力が若い世代も含めて続いています▼いまもアイヌに対する差別と偏見はなくなっていません。国としての謝罪はいまだなく、しばしば政治家による差別発言も。先住民としてのアイヌの権利と尊厳を守る施策が求められています。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-09-04/2023090401_06_0.html

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24年メキシコ大統領選、野党連合がガルベス候補を正式指名

2023-09-05 | 先住民族関連
ロイター2023年9月4日10:58 午前18時間前更新

メキシコの野党連合は3日、国民行動党(PAN)の女性上院議員ソチル・ガルベス氏(60)を2024年大統領選の公認候補に指名した。写真は、2023年9月3日にメキシコシティ市内での集会に参加したガルベス氏。(2023年 ロイター/Henry Romero)
[メキシコ市 3日 ロイター] - メキシコの野党連合は3日、国民行動党(PAN)の女性上院議員ソチル・ガルベス氏(60)を2024年大統領選の公認候補に指名した。
PANと制度的革命党(PRI)、民主革命党(PRD)の野党連合は統一候補を出す方向で調整していたが、他党の候補が出馬を辞退したことからガルベス氏の指名が事実上固まっていた。
ガルベス氏は指名式典で「大きな誇りを持って」指名を受けると述べた。スペイン語でスピーチをする前に先住民族の言葉であいさつした。
式典に参加した支持者からは「先住民や貧困層、中産階級など全ての人々を救い出し、経済を活性化してくれる」と期待の声が聞かれた。
ロペスオブラドール大統領の与党・国家再生運動(MORENA)は6日に党候補を発表する。
https://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL6N3AG00M

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ウクライナ国防相、汚職巡り更迭 欧米支援停滞を懸念

2023-09-05 | 先住民族関連
日本経済新聞2023年9月5日 2:00 [会員限定記事]
【ウィーン=田中孝幸】ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、レズニコフ国防相を交代させると発表した。軍で相次いだ汚職事件の監督責任を取らせた形だ。欧米からの軍事支援の調達を主導してきた大統領側近の更迭には、軍部の腐敗対策が進まず、西側の支援が停滞しかねないことへの危機感がにじむ。
「国防省には新しいやり方と軍や社会との新たな関係が必要だ」。ゼレンスキー氏は3日の動画メッセージでレズニコフ氏の更迭...
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り823文字
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74169180V00C23A9EA2000/

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【特集】カダヤワン祭2023 #3「民族パフォーマンスコンテスト・戴冠式」

2023-09-05 | 先住民族関連
ダバウォッチ2023年9月4日 特集

Hiyas sa kadayawan
皆さんこんにちは! ダバオッチのミズキです。カダヤワン2023の特集第3回となる今回は、各部族の代表「ヒヤス(Hiyas、宝石)」による民族パフォーマンスコンテストと、その頂点を決める戴冠式を特集します。
十人十色な魅力を持つヒヤスのパフォーマンスには、歌や踊りの実力以外にも求められるものが多く、自身の文化に対する知見の深さが見てとれます。第1回のオープニングセレモニーの辺りでチラッとだけお話した彼女たちの大舞台。前回記事でダバオの部族について少し知っておくと、より楽しめるかもしれません。
ぜひ最後の戴冠式までお楽しみください。
民族パフォーマンスコンテスト(Hiyas sa Kadayawan)
Hiyas sa Kadayawanオープニング
8月13日にSMシティダバオで開催されたこのコンテストでは、各民族の「ヒヤス」が、その民族の文化を紹介するパフォーマンスを見せてくれました。
実は筆者がこれまでヒヤスと呼んでいた彼女たちは、ある意味ではヒヤス「候補」。各民族のヒヤスではあるものの、「カダヤワンのヒヤス」に選ばれるのはただ1人なんです。さて一体誰が選ばれるのか。気になりますね。
それでは早速紹介していきます!
Hiyas sa Kadayawan会場
各ヒヤスの挨拶
No.1 アタ族 ニーニャ・ミエ・ラウサンさん(Niña Mie Lausan)
アタ族のヒヤスのパフォーマンス1
アタ族のニーニャさんは、彼らの伝統的な暮らしを模したダンスを披露しました。竹の棒や籠など、生活に使っていたものをリズミカルに動かしながら、アップテンポな民族音楽に乗って踊ります。途中寸劇も挟まりました。10分ほどのパフォーマンスの間、疲れた素振りもなくパワフルに踊り切っていました。
Hiyas sa Ata 2
Hiyas sa Ata 3
No.2 バゴボ・クラータ族 クリスティン・クレア・タルさん(Kristine Claire Tar)
バゴボ・クラータ族のヒヤス1
バゴボ・クラータ族のクリスティンさんは、ダバオの名産であるアバカ(マニラ麻)で糸を繰理、布を織る様子を表現しました。途中、自ら後ろのゴングを叩くパフォーマンスや、台の上でダンスをしたり、伸びやかな歌声を響かせたりと、その内容は多岐に渡りました。
Hiyas sa Bagobo-Klata 2
Hiyas sa Bagobo-Klata 3
No.3 バゴボ・タガバワ族 エドマリー・キントさん(Edmary Quinto)
バゴボ・タガバワ族のヒヤス1
バゴボ・タガバワ族のエドマリーさんのパフォーマンスのテーマは、古くから伝わる水や火の起源の言い伝え。言葉が分からなくても、表情や声の調子、ジェスチャーでなんとなくストーリーが理解できるような、迫真の演技でした。特に語りの部分は、長台詞を一度も噛まずにすらすら話しました。驚異の記憶力と滑舌です。
Hiyas sa Bagobo-Tagabawa 2
Hiyas sa Bagobo-Tagabawa 3
No.4 マティグサログ族 アンジェリー・ベニートさん(Angelie Benito)
マティグサログ族のヒヤス1
マティグサログ族のアンジェリーさんのパフォーマンスは、ゆったりとした調子の唄いから始まりました。ダンスパートは男性と対になり、呼吸を合わせて場所を入れ替えたり、アップテンポで繊細なステップを踏んだり。緩急の付いた飽きないステージでした。
Hiyas sa Matigsalug 2
Hiyas sa Matigsalug 3
No.5 オボ・マノボ族 プリンセス・エリッカ・パガヤオさん(Princess Ericka Pagayao)
オボ・マノボ族のヒヤス1
オボ・マノボ族のプリンセスさんは、後ろの櫓(?)から登場。伝統楽器の横笛を見事に吹き鳴らしたかと思えば、ステージに降りてセリフを言いながら踊ったり、さらにはゴングでメロディを奏でたり。素人目にもなんでも出来るなあと感心してしまいました。全体を通してストーリー性もあり、手の込んだ舞台でした。
Hiyas sa Obu-Manuvu 2
Hiyas sa Obu-Manuvu 3
No.6 イラヌン族 ジョハラ・ブイサンさん(Johara Buissan)
イラヌン族のヒヤス1
イラヌン族のジョハラさんのパフォーマンスは、結婚式のような場面から始まりました。幸せな話かと思ったら、次の瞬間には浮気のような、2人目の妻を迎え入れるだかの話になるという急展開。怒りと悲嘆に暮れた歌声と、迸る絶叫がこの日一番のインパクトを残してくれました。ちゃんとハッピーエンドっぽかったのでめでたしめでたし。
Hiyas sa Iranun 2
Hiyas sa Iranun 3
No.7 カガン族 マイムナ・パンコガさん(Maimuna Pangcoga)
カガン族のヒヤス1
カガン族のマイムナさんのパフォーマンスは、両手に持った布が特徴的。自由自在に靡かせながら、小道具を使うダンスならではのシルエットの多彩さを披露しました。バックダンサーが使う竹を立てた上に立ってのパフォーマンスは、見ているこちらもヒヤヒヤするような緊迫感がありました。
Hiyas sa Kagan 2
Hiyas sa Kagan 3
No.8 マギンダナオン族 ルハイナ・ウットさん(Ruhaina Utto)
マギンダナオン族のヒヤス1
マギンダナオン族のルハイナさんは、イスラム民族に伝わる「マロン」という筒状の布を使って踊ったり、1つ1つ楽器を演奏して回ったりするパフォーマンスを披露。観客も参加しているような感覚を覚え、楽器やダンスはもちろんのこと、何より観客を引き込むのが上手いという印象を受けました。
Hiyas sa Maguindanaon 2
Hiyas sa Maguindanaon 3
No.9 マラナウ族 ジュハナ・スルタンさん(Juhanah Sultan)
マラナウ族のヒヤス1
マラナウ族のジュハナさんのパフォーマンスは、一言で表すなら「圧巻」。2本の竹に腰掛けて踊っていたはずが、あれよあれよという間に黒い目隠しで視界を奪われてしまいます。しかしそこから竹を足場に立ち上がり、その上でダンスを続行! 地面に降りて漸く目隠しを外しました。なんという安定感と度胸。今でもあの衝撃は忘れられません。
Hiyas sa Maranao 2
Hiyas sa Maranao 3
No.10 サマ族 ヘッサ・サイラビさん(Hessa Sailabi)
サマ族のヒヤス1
サマ族のヘッサさんのパフォーマンスはかなり演劇成分強め。サマ族の織物と、他の地域との交易の様子など、当時の暮らしが丁寧に描写されました。最後に少しだけダンスパートもありました。色々な地域の人々が出入りしていた描写から、当時から多くの文化の影響を受けてサマ族の文化が醸成されたことが伺えました。
Hiyas sa Sama 2
Hiyas sa Sama 3
No.11 タウスグ族 アルテア・アスナウィさん(Althea Asnawi)
タウスグ族のヒヤス1
タウスグ族のアルテアさんのパフォーマンスは、歌とダンスに全振りの直球勝負。伝統的な音色からバラード、少し新しめのアップテンポな曲も組み込まれました。最後は竹の上に立ったり、座って大きく背中を反らしながら踊ったりと、ダイナミックな動きを見せてくれました。
Hiyas sa Tausog 2
Hiyas sa Tausog 3
結果発表
3人のヒヤスが選ばれる
最後は結果発表。ここで今年の「カダヤワンの宝石(Hiyas sa Kadayawan)」が決定するかと思いきや、それは戴冠式に持ち越し。今回は、今日のパフォーマンスが特に優れていた3人が表彰されます。
まずはバゴボ・タガバワ族のエドマリー・キントさん。水と火の始まりについてのパフォーマンスでした。続いてマラナウ族のジュハナ・スルタンさん。まさか目隠しで踊り切るとは。最後にマギンダナオン族のマイムナ・パンコガさん。生粋のエンターテイナーの風格でした。彼女たち3人は、戴冠式でもパフォーマンスを披露します。
それではいよいよ、今年のヒヤスには誰が選ばれたのか、戴冠式の様子をご覧ください。
戴冠式(Coronation Night)
会場の様子
ヒヤスの紹介ムービー
8月17日に会場を移して行われた戴冠式。アーティストのライブと見紛うほどの熱気と歓声が会場中に満ちています。6時半ごろ、いよいよイベントが始まりました。
先住民族のヒヤス登場
先住民族のパフォーマンス
先住民族のヒヤス2
ヒヤス候補の紹介の後は、軽快な音楽と共に少数民族の伝統舞踊が始まります。最初は先住民族のダンスから。先住民族のヒヤス候補たちもどこからともなく現れます。会場のボルテージがぐんと上がりました。
イスラム民族のヒヤス登場
イスラム民族のパフォーマンス
イスラム民族のヒヤス2
ヒヤスたちが捌けると、続いてイスラム民族のパフォーマンス。こちらも同様にヒヤス候補が現れて、各々のダンスを少しずつ披露してくれました。
ヒヤス揃い踏み
1人ずつ挨拶
いよいよ全員が揃うと、そこから1人ずつ挨拶をしていきます。友達なのか、親戚なのか、それともはたまた両方なのか、ファンクラブのような組織票を感じる歓声も時折上がりました。
質疑応答
開会式の様子
1人1人改めて登場
その後改めて1人ずつステージを歩いたり、これまでのイベントの様子をまとめたムービーなんかも流れました。そして、この日のハイライトの1つ、各民族のヒヤス候補を試す「質疑応答」です。
このHiyas sa Kadayawanのイベントや、ヒヤスであるということと、社会問題などを絡めた質問が1人1人に出題されます。環境問題や女性のエンパワーメント、文化の保存と多様性、若者と伝統文化、子どもの教育、などなど……。フィリピノ語と英語で1回 ずつ同じ内容が質問され、1分の制限時間以内に答え切るという難関です。
しかし皆さん堂々と自分の言葉で思いを語っていて、ヒヤス候補としてここに来るまでに多くのことを考えて来たのだということが伝わってきました。
バゴボ・タガバワ族のヒヤスのパフォーマンス
マラナウ族のヒヤスのパフォーマンス
マギンダナオン族のヒヤスのパフォーマンス
質疑応答の後は、先日トップパフォーマーとして選ばれた3人のステージです。内容はもちろん同じだったのですが、マラナウ族の目隠しパフォーマンスの途中でヒヤスが落ちてしまい、かなり痛そうでした。しかし最後まで堂々と笑顔で踊り切りました。とんでもないプロ根性です。
授賞式
最後はいよいよ授賞式です。ダバオゆかりの企業や団体から、様々な賞が贈られます。かなり沢山の賞があったのですが、断トツで選出回数が多かったのがマラナウ族のヒヤス。やはりあのパフォーマンスは一際観客に響いていたようです。
Hiyas sa Kadayawanに輝いたバゴボ・クラータ族のクリスティン・クレア・タルさん
そして最後の最後、今年の「Hiyas sa Kadayawan」が発表されました。バゴボ・クラータ族のクリスティン・クレア・タルさんです。13日に選ばれた3人からではないこと、そして2019年から2022年までずっとイスラム民族のヒヤスだったことを考えると、少し驚きもありました。
しかし、今回の受賞の決め手はやはり、先ほどの質疑応答。「カダヤワンのヒヤスという存在は、どのようにダバオ市の女性に力を与えるか」という質問に対し、クリスティンさんは「カダヤワンのヒヤスというのは、私たちが少数民族の人間であるということだけでなく、女性であるということにおいても、パワフルで、発言権があり、そして才能に溢れているということを示すための素晴らしい道筋です」と答えました。
歌って踊れるだけでなく、少数民族や女性のこれからについてもしっかりとした意見を持っていることが評価されたようです。
まとめ
少数民族の代表「ヒヤス」。彼女たちは、そこに至るまでに誰よりも自らの文化を理解し、自らの民族の将来を見据え、さらに高いレベルのパフォーマンス力も兼ね備え……と、果てのない努力を積み重ねてきました。
その努力に裏打ちされるように、彼女たちのパフォーマンスや立ち振る舞いは洗練され、多くの観客を魅了していました。この祭りでスポットライトが当たるまで、彼らは差別され、お世辞にも良いとは言えない感情を向けられていました。しかし今や、会場の少数民族の人々は、誰もが自分の民族の文化を誇ってヒヤスを応援していました。
この祭りによって、知らない文化を知り、尊重し、その上で共存することを自然と学べるような気がします。それからそのような深いことまで考えずとも、ダバオの皆さんのパフォーマンス力の高さで普通にめちゃくちゃ楽しめるお祭りでもあります。観客のノリも格別で、会場全体で楽しもうという雰囲気が今回のイベントでも満ちていました。
さて次回はここまでの記事までで触れてこなかったイベントをまとめて一気にご紹介しようと思います。全5回のカダヤワン特集。ぜひ最後まで筆者と一緒に走り抜けてくださいね!
https://davawatch.com/articles/2023/09/04/55453.html

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先住民支援改憲、反対が53% 豪州の国民投票、否決の瀬戸際

2023-09-05 | 先住民族関連
東京新聞2023年9月4日 19時04分 (共同通信)

オーストラリア・シドニーの浜辺で開かれた先住民の文化を祝うイベント=5月26日(ロイター=共同)
【シドニー共同】オーストラリアで先住民の意見を議会に反映させやすくする憲法改正の是非を問う10月14日の国民投票に関する最新の世論調査で、「反対票を投じる」と回答した人が過去最高の53%となり、初めて過半数となった。賛成は38%まで落ち込んだ。4日付オーストラリアン紙が報じた。
 先住民を巡る憲法改正は、アルバニージー首相の目玉政策。しかし「国民を分断する」「先住民への賠償や増税につながる」といった批判を背景に、各種世論調査では支持は低下の一途をたどる。国民投票は否決の瀬戸際に立たされた。
 国民投票は、先住民の代表でつくる諮問機関「声」を設置する憲法改正への賛否を問う。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/274782

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[時代の証言者]グレートジャーニー 関野吉晴<25>皮なめし 技と心意気

2023-09-05 | 先住民族関連
読売新聞2023/09/05 05:00
グレートジャーニー 関野吉晴

体験労働した皮なめし工場
 野球少年だった僕は、実家があった東京都墨田区八広の工場街のグラウンドでよく試合をしていました。当時、脳裏に焼きついたどぶ川の色鮮やかな青い排水。それは荒川河川敷に近い皮なめし工場の集まる工場街で見た光景でした。
[時代の証言者]グレートジャーニー 関野吉晴<1>人類5万キロの旅 人力で
 2002年に武蔵野美術大の教授に就任した翌年、そこにある工場の一つで働かせてもらうことになりました。「無給でいいから働かせてください」とお願いしました。すんなり認められたわけではありませんでしたが、1軒が受け入れてくれました。1年弱で140日近く通うことができました。
 働き始める少し前、友人の誘いで工場街を久しぶりに訪れ、ここで全国の豚皮の大半を加工していることを知りました。産業の空洞化、外国人労働者、そして不当な差別。東京の縮図であり、日本の縮図でもあるように思いました。
 アマゾンで狩猟をした経験から、獣の皮の利用にはもともと関心がありました。先住民は肉だけでなく、皮も上手に利用していた。日本はどうなのか、知りたくなりました。
 働かせてもらった工場では、各地の食肉処理場から集めた毛と脂のついた豚皮を伸縮性と色つやがある革に加工していました。革製品の原料は牛や馬はほとんどが輸入品、国産品が多いのは豚です。
残り:621文字/全文:1248文字
https://www.yomiuri.co.jp/serial/jidai/20230904-OYT8T50153/

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「アイヌ神謡集」刊行100年 知里幸恵と金田一京助の思い、講話や朗読で 文京で7日、記念イベント /東京

2023-09-05 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2023/9/5 地方版 有料記事 414文字

金田一秀穂さん=前田梨里子撮影
 アイヌ文学の原点ともされる「アイヌ神謡集」の刊行100年記念イベント「アイヌの叡智(えいち)と言の葉」が7日、文京区春日1の文京シビックホールで開かれる。
 神謡集をまとめたのは知里(ちり)幸恵(1903~22年)。15歳で言語学者の金田一京助と知り合い、祖母らが口ずさんだ物語をローマ字でアイヌ語の発音通りに記し、日本語に翻訳した。心臓病のため19歳で早世したが、神謡集は翌23年に出版された。
 ・・・・
 午後7時開演。定員300人で、参加費3000円。問い合わせは主催のオフィスTEN(03・3828・5070)。
https://mainichi.jp/articles/20230905/ddl/k13/040/013000c

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P・ジャクソン監督、再開発めぐり論争の土地購入 計画中止に

2023-09-05 | 先住民族関連
時事通信9/4(月) 18:49配信

ピーター・ジャクソン監督。英ロンドンで(2018年11月27日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】映画「ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings)」シリーズなどで知られるニュージーランドを代表する監督ピーター・ジャクソン(Peter Jackson)氏とパートナーは先週、再開発をめぐり論争になっていた首都ウェリントンの沿岸部の土地を購入したと発表した。
【写真12枚】「ホビット」シリーズのジャクソン監督、ハリウッドの殿堂入り(2014年)
 開発計画の総事業費は2億9800万米ドル(約436億円)で、シェリーベイ(Shelly Bay)の軍事基地跡地に350戸の集合住宅、ブティックホテル、醸造所を建設する予定だった。
 しかし、再開発計画により住民は分断。土地の売却に反対する先住民マオリ(Maori)が2年近く予定地を占拠するなど、法廷闘争に発展していた。
 今回、ウェリントン出身のジャクソン氏と脚本家・プロデューサーでパートナーのフラン・ウォルシュ(Fran Walsh)氏が土地を購入したことでプロジェクトは中止となった。
 両氏は連名で、シェリーベイは「文化的、歴史的重要性がある素晴らしい海岸」で「湾の美しい自然を取り戻すのが楽しみだ」との声明を出した。購入額については明らかにしていない。
 ジャクソン監督は、「ロード・オブ・ザ・リング」や「ホビット(The Hobbit)」シリーズで知られ、米アカデミー賞(Academy Award)も受賞している。【翻訳編集】 AFPBB News
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca922f69d368b8fa51b92849f1bc14870406892d

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アンワル首相が独立記念日に向けた演説、団結の重要性を訴え

2023-09-05 | 先住民族関連
AsiaX2023年9月4日
 アンワル・イブラヒム首相は8月30日、就任後初の独立記念日に向けた演説を行い、マレーシアを偉大な国へ変えるための行程においてマレーシアの独立を守る必要があるとして国民に団結の重要性を訴えた。
 プトラジャヤ国際コンベンション・センター(PICC)で、7,000人以上の観衆を前に演説したアンワル首相は、マレーシアには、他国と競争できる技術者や専門家になれるような豊富な労働力があるため、マレーシアを偉大な国へと変えることができると強調。大志をもって団結し、持続可能な「マダニ経済」を構築し、様々な民族かつ宗教で構成される国民の公平性を保障しなくてはならないとした。その上で、大志を実現するための条件の一つが、心と魂が「自立」していることであり、植民地主義や時代遅れな考え方から解放された社会を形成することにより「国民を解放する」と述べた。
 またアンワル首相は、マレーシアの発展を確実にするには、社会のあらゆる階層が搾取されたり、人々が個人的な利益を得ることに必死なエリートたちの道具にされたりすることがないよう、「自由の精神」を持って前に進み続けなくてはならないと強調。過去20年間は停滞してきたが、マレーシアが今後偉大な国となるためには民族間の団結が不可欠だとし、現政権は誰も阻害することなく全てのマレーシア人の人権を守ることを保証した上で、憲法に明記されているブミプトラ(マレー人と先住民の総称)の権利や国教としてのイスラム教を引き続き守り続けるとした。
(提供:ASIA INFONET.COM)
https://www.asiax.biz/news/63248/

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北欧で先住民は未だに抑圧されている サーミとイヌイットの尊厳を取り戻せ

2023-09-05 | 先住民族関連
Yahoo!ニュース9/4(月) 7:01
鐙麻樹北欧ジャーナリスト・写真家・ノルウェー国際報道協会役員

Twice Colonize/Oslo Pix Film Festival
「先住民」を主題とした映画の公開が北欧で相次いでいる。デンマーク・グリーンランド・カナダ合作の『Twice Colonized』(2023)はイヌイットの基本的な人権を求めて闘う活動家のドキュメンタリー映画だ。
アーユ・ピーター(Aaju Peter)はグリーンランドで遊牧民のイヌイット一家で育った弁護士・活動家だ。幼い頃にグリーンランドの家族から引き離されデンマークに送られ、言葉も文化的帰属も失った。成人後はカナダの北極圏に移り住み、イヌイットの植民地化を経験した。映画タイトルにもあるように「二度、植民地化された」自らの体験に基づき、孫や未来の世代のためにより良い世界を作りたいと彼女は活動している。
植民地主義的な構造は今も先住民の暮らしやメンタルヘルスに影響を与えており、彼女の息子も突然命を絶った。自ら命を絶つ若者が絶えない背景には抑圧されてきた歴史がある。苦しみの連鎖が孫の世代で減るように、アーユ・ピーターは先住民の権利と可視性のために闘うことに人生を捧げている。本作では先住民のための常設のEUフォーラムを作ろうと奮闘する姿を見ることになる。これは先住民の権利を取り戻そうと闘いながら、白人社会と同化されたことによって傷ついたピーター自身の傷を癒す旅でもあるのだ。
エッラ・マリエ・ヘッタ・イサクセン(Ella Marie Haetta Isaksen)は環境保護とサーミの権利のための闘いにおけるノルウェーでは有名な女性だ。筆者は彼女を「ノルウェーのグレタ」と讃えたいほど、今革命を起こしている。
サーミ人はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの先住民族だ。ノルウェーでは「劣った民族」として再教育が必要だとされ、1800年代の同化政策により、子どもは親から引き離され、寄宿学校で強制的にノルウェー語を勉強させられた。サーミ語を話すことを禁じられ、サーミ人であることは「恥」であると教えられ、アイデンティティを奪った抑圧政策。その影響ともたらされた低い自己肯定感は、現代のサーミ人にも受け継がれている。低い身長などの「外見差別」も受け、カラフルな民族衣装を着ていると冷たい眼差しを浴びせられ続けた。
ノルウェーのドキュメンタリー映画『RAHCAN - Ellas oppror』(2022)では、フィンマルクのレッパルフィヨルドでの鉱山投棄に反対するサーミ人と地元の環境団体の活動を追っている。音楽、愛、連帯がどこまで人や自然を救えるかという物語でもある。
自国の抑圧の歴史を反省する動き
ノルウェーの映画祭Oslo Pixには「北欧映画」「ドキュメンタリー」などの複数のカテゴリーがあり、両作品とも「先住民族」というカテゴリーに振り分けられている。そもそも、日本では映画祭などで「先住民族」や自国の歴史の反省にフォーカスすることがあるだろうか。
グリーン・コロニアリズム という現代の植民地支配
両作品にはいくつもの共通点がある。サーミ人はトナカイ放牧やサーモン漁業を生活の糧としてきたが、ノルウェー政府によるトナカイの放牧数の規制、養殖サーモンの発展で生態系が変わり、野生サーモンが減少するなど、サーミの従来の仕事の場は失われつつある。石油・ガス採掘の国から再生可能エネルギーの国に移行したい政府の意向に対して、風力発電の促進による風車の増加はトナカイ放牧を難しくさせている。
再生可能エネルギーなどの活動によって、すでに社会から疎外されている先住民のようなコミュニティが犠牲になる「グリーン・コロニアリズム」は大きな問題となっている。
イヌイットの経済は、毛皮の取引で長い間支えられてきた。しかし欧州による規制とアザラシの殺害が残酷だとする環境活動家たちの反対により、漁師の歴史とコミュニティの維持ができなくなっている。欧州と環境活動家の規制と反対運動が、いかにイヌイットの生きる手段を奪っているかをアーユ・ピーターが国際社会で訴え続ける姿が本作では描かれている。
「あなたたちは私たちの土地もアイデンティティも可能な限り全てを奪ってきた。身勝手な理由の押し付けで、収入源や土地をさらに奪おうというのか。いい加減にして」という怒りが両作品からは伝わってくる。
親子の時間と言葉を奪うという残酷な「おせっかい」
両方の先住民に対して、ノルウェーやデンマークがしてきたことは「劣った民族のあなたたちを教育してあげる」というおせっかいと傲慢さの押し付けだ。かつて親と子どもを引き離し、白人の言葉を無理やり教え、母国語を奪った歴史は、今の世代のアイデンティティにも大きな影響を与えている。
「言葉を奪われることはアイデンティティを失う」ことだとエッラ・マリエ・ヘッタ・イサクセンは言い続けており、彼女のバンドISAKでもサーミ語で歌っている。
ISAKVEVO
https://www.youtube.com/watch?v=rLHwKh-jvzc
ISÁK - Son (Lyric Video)
アーユ・ピーターもデンマーク語を話すことを嫌がり、英語に切り替える場面が映画には登場する。デンマーク語を話すことで自らを失っているようなアイデンティティ・クライシスに陥っていた。
北欧の福祉制度の網から抜け落ちる先住民
北欧社会はかつて親から子どもを引き離して子どもを再教育した。先住民として背負う抑圧のルーツ、恥として教えられた血筋、社会に見つけられない自分の居場所。北欧では福祉制度が豊かと言われているが、先住民の言葉や悩みを理解する医療従事者やカウンセラーは少ない。そのため先住民は現地の人と同じようには福祉制度を利用できておらず、若い世代ではメンタルヘルスの悪化で特に男性の自殺が絶えない。アーユ・ピーターのように子どもの死を嘆く親は今もおり、抑圧の歴史は今も親と子を引き離しているのだ。
北欧で先住民が受けてきた抑圧の歴史、そして今も続いている抑圧の遺産を知れば知るほど、人間と言うのはいかに残酷で身勝手なのかを再認識させられる。過去の反省から対話で歩み寄ろうとする現代社会と、同時に経済発展や動物愛護の観点でぶつかる両者の主張。
共存の道を今も悩みながら探っているが、失われつつあるコミュニティで生き延びようと必死に悲鳴をあげる先住民の姿を見ていると、人類はいったい何をやっているのだと、困惑と悲しみを筆者は感じるのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=EZ__dVkWkFoánorâk film
Twice Colonized - international trailer
https://www.youtube.com/watch?v=26l-wvwSgZk
Nordisk Film Kino
チャンネル登録者数 949人
RAHČAN - Ellas opprør | Official trailer | NFkino
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/9396203c68ff5272c124486d2af69f539969683b

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大英博物館がピンチ、中国が掻き立てる欧米帝国主義に「虐げられた側」の怨讐

2023-09-05 | 先住民族関連
JBpress9/5(火) 6:02配信 (国際ジャーナリスト・木村正人)

■ 「紛失・盗難・破損に関するお知らせ」
 [ロンドン発]ロンドンにある大英博物館が8月16日「紛失・盗難・破損に関するお知らせ」というプレスリリースを流した。収蔵品の紛失・盗難・破損が発見されたことを受け、警備体制に関する独立したレビューを開始、疑惑の学芸員を解雇し、法的措置をとるという。ロンドン警視庁経済犯罪班も捜査に乗り出した。
 1993年から大英博物館に勤務し、ギリシャ・コレクションを担当していた渦中のピーター・ヒッグス氏(56)の家族は英紙デーリー・テレグラフに「父に通告があったのは7月5日だったと思う。父は35年間もこの仕事に携わってきた。父は長い間この仕事を愛し、素晴らしい仕事をしてきた」と無実を主張している。
 大英博物館は行方不明の収蔵品を回収するためのプログラムも始動した。その大半は博物館の倉庫に保管されていた。紀元前15世紀から紀元後19世紀にかけての金や、ダイヤモンドなど四大宝石以外の半貴石、ガラスの宝飾品が含まれている。最近展示されたことはなく、主に学術・研究目的で保管されていた。
 大英博物館のジョージ・オズボーン理事長(元英国財務相)は「大英博物館の理事会は今年初めに収蔵品が盗まれたことを知り、博物館のチームと協力して断固とした行動をとった。警察に通報し、警備を強化する緊急措置を講じた。何が起きたのか教訓を得るため独立したレビューに取り掛かり、問題の職員を処分するために懲戒権を行使した」と強調した。
■ 「大英博物館を愛するすべての人々にとって悲しい一日」
 オズボーン理事長は第一に盗まれた収蔵品を取り戻すこと、第二に問題の原因を突き止めること、第三に再発防止のため警備体制の強化や収蔵品の記録への投資――を再建策として打ち出した。「大英博物館を愛するすべての人々にとって悲しい一日だが、過ちを正し、この経験を活かしてより良い博物館を築き上げることを決意している」と話した。
 ナイジェル・ボードマン副理事長も「大英博物館は窃盗の被害に遭っており、事件の真相を究明し、教訓を得るためレビューを活用する。ロンドン警視庁の捜査を支援している。収蔵品の回収は内外の専門家を巻き込んだ骨の折れる作業になるが、どんなに時間がかかろうとも絶対的な優先事項として取り組んでいく覚悟だ」と表情を引き締めた。
 大英博物館のハートウィヒ・フィッシャー館長は「非常に稀な事件だ。全職員を代表して申し上げるが、当館ではお預かりしているすべての収蔵品の保護に細心の注意を払っている。このような事態を招いたことをお詫びする。すでに警備体制を強化し、外部の専門家と紛失・盗難・破損の原因究明に取り組んでおり、収蔵品の回収に全力を注ぐ」と弁解した。
 「小さな政府」の信奉者オズボーン理事長は2010年からキャメロン連立政権の財務相として緊縮財政を主導し世界金融危機後の英国経済を立て直し、15年総選挙で保守党を単独勝利に導いた。しかし「弱者切り捨て」との批判を浴び、16年の欧州連合(EU)国民投票で離脱派に屈し、失意のまま政界を去った。今回もまた損な役回りを引き受けるハメになった。
■ 「eBay」で売り出された大英博物館の収蔵品
 英紙フィナンシャル・タイムズ(9月1日付電子版)の特集記事「大英博物館の危機」によると、デンマークの古美術商イッタイ・グラデル氏が世界最大級のネットオークションサイト「eBay」で売りに出されている収蔵品を発見し、2021年2月に大英博物館に通報した。しかし大英博物館の最初の調査で問題はなかったとして片付けられた。
 グラデル氏は昨年10月、オズボーン理事長に「事件が無視されている」と直訴。同理事長はフィッシャー館長に説明を求めた。大英博物館は同年12月になって、ようやく収蔵品が紛失していることを確認し、ロンドン警視庁に通報した。膨大なコレクションから2000点が持ち去られたことが明らかになり、フィッシャー館長は8月25日に辞任した。
 7月には来年勇退すると表明していたフィッシャー館長は「大英博物館が21年の警告、現在は白日の下に晒された問題に対してあるべき包括的な対応をしていなかったことは明らかだ。責任は最終的に私にある。事件を通報したグラデル氏を非難するような発言についても判断を誤った。心から遺憾の意を表明し、発言を撤回したい」と責任を認め、引責辞任した。
 フィッシャー館長はそのわずか2日前、英紙ガーディアンのインタビューに「収蔵品がなくなっているとの疑惑は21年に初めて大英博物館に持ち込まれた。懸念が持たれたのはごく少数の収蔵品だけで、われわれの調査ではすべて説明がついた。懸念を表明した人物(グラデル氏)がもっと多くの収蔵品を所持していたと信じる理由がある」と強弁していた。
■ 「愚か者」のように扱われた告発者
 グラデル氏はデーリー・テレグラフ紙(8月23日付電子版)のインタビューに「フィッシャー館長とジョナサン・ウィリアムズ副館長の2人から『愚か者』のように扱われた。大英博物館は2年も耳を貸そうとしなかった。世界的に有名な大英博物館へのこれ以上の損害を防ぐためには2人をクビにする必要がある」と指弾した。結局、ウィリアムズ副館長も館長と一緒に辞任した。
 グラデル氏は20年に仲介業者を通じて盗難の疑いを大英博物館に知らせ、21年2月にウィリアムズ副館長に連絡、ヒッグス氏名義の銀行口座を持つ出品者からeBayで収蔵品が売られていることを示す証拠書類を提出していた。古美術商としては盗品を扱うわけにはいかない。グラデル氏が最初に疑念を抱いたのは16年まで逆上る。
 eBayでカメオ(浮き彫り装身具)の破片が売りに出され、数時間後には削除されたが、グラデル氏はスクリーンショットで記録。「1926年の大英博物館のカタログに収録された線画のようだった」という。20年に同じ出品者から出品されたローマ時代のカメオの破片は大英博物館のウェブサイトに掲載されていた。
 大英博物館の収蔵品800万点すべての目録はないため、盗品かどうか確認できなかった。15年に別のディーラーが購入した宝飾品の破片も大英博物館の目録と一致した。大英博物館のコレクションにアクセスできる何者かが最初は目録にない収蔵品を盗んでいたが、チェックがずさんになり追跡可能な収蔵品を売るようになったとグラデル氏は結論付けた。
■ 宝物を収奪された側からの「返還請求」にどう応えるのか
 大英博物館は、医師で英国王立協会会長だったハンス・スローン卿(1660~1753年)が8万点超の「自然と人工の珍品」、4万点超の書籍や写本、3万2000点超のコインやメダルを収集したのが始まりだ。帝国主義の世界的なネットワークを利用して世界中の文化財が収集され、購入資金には、ジャマイカの砂糖プランテーションでの奴隷労働による収入が充てられた。
 大英博物館の収蔵品800万点のうち一般展示されているのは1%、目録になっているのは約半分だ。
 旧宗主国対旧植民地の歴史的搾取をあぶり出すことで米欧批判を強める中国共産党系機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」英語版(8月28日付電子版)は「大英博物館に『21世紀の帝国主義』を止めるよう求める声が世界で急増している」と報じている。
 「世界的に権威のある公共文化施設、大英博物館から2000点以上の収蔵品が盗まれた事件は文化スキャンダルとして西洋の博物館を信頼の危機に陥れるとともに、中国やエジプトなどの国々から英国の博物館がまだ所蔵している収奪品の返還を求める声が上がっている」(環球時報)
 大英博物館を巡っては「征服者や植民地支配者によって服従させられた民族から奪われた宝物を返還せよ」という声が中国やナイジェリア、ギリシャ、エジプトだけでなく、英国の人権派弁護士からも上がっている。今回の事件では盗難を誘発した学芸員の待遇の悪さ、収蔵品の目録もつくれない予算の窮状、組織の隠蔽体質が浮き彫りになった。
 8月28日、英北部スコットランドから高さ11メートルのトーテムポールがカナダの先住民族に返還された。大英博物館の管理不行き届きと責任感の欠如は、西洋が帝国主義の時代に収奪した歴史的文化財を管理し続ける正当性がなくなっていることを物語る。中国の肩を持つ訳ではないが、大英博物館は収蔵品の返還要求と真剣に向き合うべきだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/39add14a33183f9b45fc66f3515be5c7de571415

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ウクライナ国防相、突然の「更迭」のなぜ? 後任人事に込められたウクライナ政府のメッセージ

2023-09-05 | 先住民族関連
COURRiER Japon9/4(月) 18:31配信

開戦以降、ウクライナ国防の「顔」を務めてきたオレクシー・レズニコフ Photo by Thomas Lohnes / Getty Images
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は9月3日、オレクシー・レズニコフ国防相(57)を交代させると発表した。
ロシアとの1年半にわたる戦争を経て「新たなアプローチが必要だ」とゼレンスキーは述べたが、国防省では軍備の調達に関する汚職疑惑が相次いで発覚しており、事実上の更迭とみられる。
ゼレンスキーは後任に国有財産基金のルステム・ウメロフ総裁(41)を起用する方針で、議会の承認を経て正式に決まる。
【画像】新国防相となる見込みのルステム・ウメロフ
国防省スキャンダルの荒波
米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、ウクライナ大統領府の高官の話として、解任の要因は主に3つあると報じている。
ひとつは、戦争が長引くにつれ新たなリーダーシップが必要だったこと。2つ目は、国防省の契約スキャンダルをめぐり市民団体やメディアから批判が強まっていたこと。そして最後に、レズニコフ自身から退任要求があったという。
国防省のスキャンダルは今年になって相次いで浮上している。契約した9億8600万ドル相当の兵器が期日までに納入されていなかったり、兵士らの食料や防寒着の調達で市場価格を大幅に上回る額を支払っていたりしたことが明るみになったのだ。
ウクライナ政府はこのような汚職疑惑について調査を進めており、すでに今年初めには国防次官が解任されている。
米メディア「アクシオス」によれば、レズニコフ自身はこうした汚職に直接関与していないとされるが、監督責任を追及する声は高まっていた。
ゼレンスキーはウクライナのEUとNATO加盟には国内の汚職撲滅が必須条件と考えており、対策に力を入れている。
後任はイスラム系少数民族から
ニューヨーク・タイムズによると、投資銀行出身のウメロフは野党の政治家ではあるが、戦争が始まって以来、ゼレンスキー政権でさまざまな重要な役割を担ってきた。
ウクライナ産穀物を黒海経由で輸出するためのロシアとの取り決めや、戦争捕虜の交換においてウクライナ側の交渉団を率いたのが彼だった。
ウメロフはまた、クリミア半島の先住民族クリミア・タタール人でもある。クリミア・タタール人は大半がイスラム教徒で、ロシアが2014年にクリミアを併合した後に迫害された少数民族だ。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、ウメロフが国防相に指名されたことはウクライナ政府がクリミア半島を取り戻すという意志の表れだ、と報じている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3739d1a25615f580f87b739806689b839a92f3b9

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