北海道新聞2023年9月7日 05:00
アウトドア活動や異文化と触れ合うなどの体験型観光、アドベンチャートラベルの国際イベントが来週道内で開かれる。国や道もバックアップする。
コロナ禍の行動制限解除で外国人客が増える中、「量より質」重視の取り組みに注目が集まる。
観光は北海道の基幹産業と言われて久しい。1990年には当時の横路孝弘知事が全国初となる「北海道観光宣言」を行った。国の観光立国表明の13年前である。
かつては定番スポット巡りで「自然は一流、サービス三流」と揶揄(やゆ)された道内観光だが長期滞在型への模索が広がる。今回の開催を国際水準に高める好機にしたい。
一方で観光客が押し寄せ悪影響が出る「オーバーツーリズム」や受け入れ先の人手不足も問題化する。住民生活との共存なくして持続可能な観光はない。行政や業界、地域全体で解決策を考えたい。
■等身大の対応が大切
アドベンチャートラベルとは「アクティビティ、自然、異文化」のうち二つ以上の体験を、その地域でのみ味わえるものという。
生き方に変化を与える旅として欧米富裕層を中心に盛んで、世界の市場規模は70兆円に及ぶ。
今回道内で開かれるのは国際的な業界団体による「ワールドサミット」だ。オンラインではない現地開催はアジアで初となる。
各国の旅行会社やガイドら800人近くが参加し、商談会のほか合計約50コースの自然、文化体験ツアーも今週から道内外で行う。
日常から離れた豪華な旅にも思えるが、上川管内東川町のNPO法人代表でツアーも多く手掛ける荒井一洋さんは「地域が無理なく等身大で行うのが大切」と話す。
荒井さんのツアーでは大雪山系のハイクやサイクリングなど特別な行程もあるが、食事や暮らしは「普段づかいのお裾分け」の方が参加者の体験価値が高いという。
受け入れ地域の人も地元の自然や冬のスポーツ、アイヌ文化などを再認識し伝える契機となる。
重要なのは旅行者と地域をつなぐガイドの存在だ。道は認定制度を作り今週初めて11人選んだが、ツアー数の多さでなく地域に根付くことに力点を置いてほしい。
・・・・・
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/905079/
アウトドア活動や異文化と触れ合うなどの体験型観光、アドベンチャートラベルの国際イベントが来週道内で開かれる。国や道もバックアップする。
コロナ禍の行動制限解除で外国人客が増える中、「量より質」重視の取り組みに注目が集まる。
観光は北海道の基幹産業と言われて久しい。1990年には当時の横路孝弘知事が全国初となる「北海道観光宣言」を行った。国の観光立国表明の13年前である。
かつては定番スポット巡りで「自然は一流、サービス三流」と揶揄(やゆ)された道内観光だが長期滞在型への模索が広がる。今回の開催を国際水準に高める好機にしたい。
一方で観光客が押し寄せ悪影響が出る「オーバーツーリズム」や受け入れ先の人手不足も問題化する。住民生活との共存なくして持続可能な観光はない。行政や業界、地域全体で解決策を考えたい。
■等身大の対応が大切
アドベンチャートラベルとは「アクティビティ、自然、異文化」のうち二つ以上の体験を、その地域でのみ味わえるものという。
生き方に変化を与える旅として欧米富裕層を中心に盛んで、世界の市場規模は70兆円に及ぶ。
今回道内で開かれるのは国際的な業界団体による「ワールドサミット」だ。オンラインではない現地開催はアジアで初となる。
各国の旅行会社やガイドら800人近くが参加し、商談会のほか合計約50コースの自然、文化体験ツアーも今週から道内外で行う。
日常から離れた豪華な旅にも思えるが、上川管内東川町のNPO法人代表でツアーも多く手掛ける荒井一洋さんは「地域が無理なく等身大で行うのが大切」と話す。
荒井さんのツアーでは大雪山系のハイクやサイクリングなど特別な行程もあるが、食事や暮らしは「普段づかいのお裾分け」の方が参加者の体験価値が高いという。
受け入れ地域の人も地元の自然や冬のスポーツ、アイヌ文化などを再認識し伝える契機となる。
重要なのは旅行者と地域をつなぐガイドの存在だ。道は認定制度を作り今週初めて11人選んだが、ツアー数の多さでなく地域に根付くことに力点を置いてほしい。
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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/905079/