先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

秋サケ迎える伝統儀式 9月3日公開 千歳アイヌ協会

2023-09-01 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年8月31日 22:35(8月31日 23:23更新)

新型コロナウイルスの影響で一般公開せずに行った昨年のアシリチェプノミ
 【千歳】千歳アイヌ協会は3日午前10時から、秋サケの遡上(そじょう)を迎え入れるアイヌ民族の伝統儀式「アシリチェプノミ」を市内蘭越の蘭越浄水場に隣接する長沼用水取出口で行う。
 新型コロナウイルスの影響で一般公開は4年ぶりとなる。当日は、カムイに祈りをささげる儀式カムイノミと先祖を供養する儀式イチャルパを行った後、千歳アイヌ文化伝承保存会と苫小牧アイヌ文化保存会が古式舞踊を披露する。数量限定でオハウなどのアイヌ料理が試食できるほか、アイヌ民族の伝統的な漁具マレクを使った漁の体験もできる。
・・・・
(工藤さえら)
※「アシリチェプノミ」のリとプ、「イチャルパ」のル、「マレク」のクは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/901840/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紋別・「環オホーツク海文化のつどい」28回で幕 アイヌ民族・環境・動植物など考察 実行委メンバーが高齢化 最終回は「遺跡」講演

2023-09-01 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年8月31日 18:36(8月31日 18:42更新)

オホーツク沿岸地域の遺跡などについて講演が行われた「環オホーツク海文化のつどい」
 【紋別】オホーツク海沿岸地域の民族や文化について考える「環オホーツク海文化のつどい」(北の文化シンポジウム実行委主催)の最終回が8月26日、市文化会館で開かれ、28回の歴史に幕を下ろした。市民手づくりの学術シンポジウムとして親しまれてきたが、実行委メンバーの高齢化が進み、終了を決めた。新型コロナウイルス禍による中断を経て4年ぶりとなる最後の「つどい」では地元オホーツクから3人が講演・報告を行い、全国から集まった約80人が耳を傾けた。
 「つどい」は1993年、市立図書館の5周年記念事業として始まった。「環オホーツク海」という言葉はオホーツク海を取り巻くという意味で、アイヌ民族やサハリンの少数民族、オホーツク海沿岸の遺跡や環境、動植物、文化など多彩なテーマの講演や報告が行われてきた。実行委の1人で第8回から実行委員長を務める桑原誠さん(75)は「稚内と知床の中間にある紋別から発信しようという熱気が『つどい』につながった」と振り返る。
 ・・・・・
(須藤幸恵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/901583/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宇梶静江さんの映画「大地よ」、浦河・大黒座で上映スタート 初日は舞台あいさつも

2023-09-01 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年8月31日 18:18(8月31日 18:26更新)

舞台あいさつを終え、訪れた人と手を握りあう宇梶さん(右)
 【浦河】荻伏村(現在の浦河町)生まれのアイヌ民族の詩人で古布絵作家の宇梶静江さん(90)=胆振管内白老町=の人生をたどったドキュメンタリー映画「大地よ~アイヌとして生きる~」の上映が大黒座で始まり、初日の8月27日には、宇梶さんが舞台あいさつに立った。
 「大地よ」は、自然と共生するアイヌ民族の精神や、文化の復興を目指す様子を描いた作品。2019年に宇梶さんが先祖の墓参りに訪れた姿も収められている。
・・・・ 
(加藤敦)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/901555/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浦河でアイヌ音楽祭 会場大きく 9月10日

2023-09-01 | アイヌ民族関連
北海道新聞会員限定記事
2023年8月31日 18:18 【浦河】第一線で活躍するアイヌ民族の伝統歌の歌い手や楽器奏者が集う「アイヌ音楽祭2023」が、10日午後1時から町総合文化会館で開かれる。
 三石アイヌ協会と浦河アイヌ協会の共催。昨年、新ひだか町三石で開かれたアイヌ音楽祭に450人が訪れて超満員となったことから、今年は定員700人のホールで開催する。
 弦楽器のトンコリ奏者OKIさん、釧路市阿寒湖を拠点とする姉妹ユニット「カピウ&アパッポ」が昨年に続いて出演するのをはじめ、7組が伝統歌や舞踊、影絵などを披露する。
 ・・・・・
 入場無料、直接会場へ。問い合わせは三石アイヌ協会事務局の新ひだか町三石庁舎地域振興課、電話0146・33・2111へ。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/901553/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米ホピ族、浦河の園児に絵画指導 先住民族との共生考える

2023-09-01 | アイヌ民族関連
会員限定記事
北海道新聞2023年8月31日 18:17(8月31日 18:28更新)

浦河高での授業後、生徒の質問に答えるアキマさん(左)
 【浦河】海外の先住民族を招いて幅広い世代と交流し、その現状を知ってもらう体験型講座が8月28、29の両日、町内の幼稚園や中学、高校で開かれた。子どもたちは、絵を描いたり同化政策の歴史を聞いたりして、先住民族との共生のあり方を考えた。
 アイヌ民族自らが歴史や文化を学び伝えようと取り組む地元の住民団体「レヘイサム」(八重樫志仁代表)が、アイヌ民族文化財団の助成で実施した。招いたのは、米アリゾナ州の先住民族ホピの美術家アキマ・ホニョンティーワさん(42)。伝統的な人形制作や織物、絵画を手がけている。
 アキマさんは札幌でアイヌ民族文化祭に出席後、浦河を訪問。28日には浦河フレンド森のようちえんで、園児にアリゾナの砂漠気候やカチーナという精霊について説明し、園児たちは貴重な雨をもたらす雲を単純化したホピのデザインをまねて、自分なりに描いた。
・・・・・
(加藤敦)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/901549/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

出自と向き合い生きる 白老町在住・井上千晴さん /北海道

2023-09-01 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2023/9/1 地方版 有料記事 1705文字
復権活動尽力 宇梶さんとの出会い 転機に
 40歳になる目前までアイヌであることを隠し続けてきた。だが、ある女性との出会いで突然、重い扉が開いた。「アイヌとして生きていこう」と決意した。井上千晴さん(42)=白老町在住=に大きな転機をもたらしたのは、アイヌ民族の復権運動に力を注ぎ続ける詩人で古布絵(こふえ)作家の宇梶静江さん(90)=白老町在住=だった。「静江さんに出会ったことで、自分のルーツを見つめ直そうと思った」と語るその目は、輝いていた。【真貝恒平】
 浦河町出身。母親がアイヌ民族にルーツを持ち、「母の時代に比べれば」と前置きをしつつ、「アイヌであることで陰湿ないじめや嫌な思いをしたことはあった」と振り返る。中学卒業後、地元に残りたかったが、母の強い勧めで札幌市内の高校に進学。後に知ったが「狭い町で差別に苦しむよりは広い世界で生きてほしい」という母の願いだった。
 札幌市でアイヌであることを口にすることは一切なかった。高校から短大を経て仕事に就き、やがて結婚し、長男が生まれた。井上さんの人生を変えたのは2020年7月、母親に付き添って東京都に出かけたことだった。母親が向かったのは、宇梶さんの授賞式。アイヌ民族の精神性をとなえ続ける姿が医師で東京市長(当時)などを歴任した後藤新平(1857~1929年)の「共生の理念と通じる」と評価され、第14回後藤新平賞を受賞したのだった。浦河町出身の宇梶さんと井上さんの祖母は以前から親交があったという。その会場で初めて宇梶さんと出会った。
 「こんなにユーモアがあふれて、すてきなアイヌの女性がいるんだ」。素朴な語り口に、魅了された。宇梶さんの「分け合って生きる。生きることを楽しむ」という言葉が心に響いた。その夜、高校時代の友人にアイヌであることを打ち明けた。自然と涙がほおを伝った。友人たちは「気づかなくて、ごめん」と一緒に泣いてくれた。ずっと「内なるアイヌ」に対する葛藤を抱え続けてきた。
 「自分はアイヌの血が流れている」と強烈に意識したのは、2016年に長男が誕生したときだった。「私は自分にウソをついて生きているんじゃないか。そして、この子にもウソをついてしまう」とやりきれない気持ちになった。しかし、そのわだかまりが宇梶さんとの出会いによって一気に霧散した。もう迷いはなかった。だから、友人たちにも出自を告げた。その後、少しでも文化を勉強しようと、アイヌの古式舞踊に励んだ。
 白老町の古い民家。入り口付近に立て掛けた看板に「白老シマフクロウの家」とある。宇梶さんの自宅だ。21年11月、宇梶さんは埼玉県から65年ぶりに、故郷の北海道に戻った。シマフクロウは宇梶さんが古布絵と出合い、アイヌであることを気づかせてくれたカムイ(神)だ。自宅横に建つ「アイヌ学舎」は、アイヌの人々やアイヌ文化に興味を持つ人々が訪れ、宇梶さんと言葉を交わす。宇梶さんの活動を支えたいと、井上さんは長男の小学校入学を機に、今春に札幌市から白老町に移り住んだ。毎日、宇梶さんの自宅に通い、イベントの企画などで宇梶さんをサポートする。
・・・・・
https://mainichi.jp/articles/20230901/ddl/k01/040/025000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

文化継承、多くの人に 民族共生象徴空間(ウポポイ)職員・茂木涼真さん /北海道

2023-09-01 | アイヌ民族関連
毎日新聞 2023/8/31 地方版 有料記事 2246文字

白老町の国立施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で働く茂木涼真さん=白老町で2023年7月13日、山田豊撮影
 「イランカラプテ」。7月、白老町の国立施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」で爽やかな明るい声が響いた。「こんにちは」を意味するアイヌ語だ。公益財団法人・アイヌ民族文化財団の茂木涼真さん(31)。アイヌの家系にありながら、一度はアイヌの世界と距離を置きたいと思った。しかし、一人でも多くの人にアイヌ文化を伝えたいという思いは消えなかった。【山田豊】
就職で一度離れた夢への情熱、再燃
 白老町出身。幼いころは活発で、いつも外で遊び回っては、体に傷をつけて家に帰った。性格や特徴から名付けられるアイヌのあだ名(ポンレ)。茂木さんは傷が付くという意味を含む「ピロマ」と名乗っている。
 父方の祖母が白老町出身のアイヌだが、家族間でアイヌに関する話題が上ることはほとんどなかった。小学生のときに祖母は亡くなり、遺品整理の際、アイヌ文様の着物の切れ端を見つけた。「話を聞きたかった」と思ったことを覚えている。
 「上の世代の人に比べると、差別されたという意識はほとんどない」と語るが、中学校で抱いた疑問がある。日本史の授業中、ふと教室で「日本史の授業はあるのにアイヌ史がないのはなぜだろう」と考えた。教科書をめくっても、アイヌに関する記述は数行だけだった。「学校でルーツを勉強することもできないのか」
 友人らと「アイヌにルーツがある」と話をすることもほとんどなく、アイヌ、和人の区別を意識することのない学生生活を送ったが、「教科書に2行だけのアイヌは、その前にどんなことがあって、その先はどうなったのか。アイヌにしかルーツがない人は、日本の学校教育だけでは先祖のことも満足に知ることができない」と感じた。
 アイヌを意識するようになったのは高校2年のとき。札幌大学から届いた「ウレシパ奨学制度」に関する資料がきっかけだった。制度は「所定の要件を満たすアイヌ子弟が札幌大に入学し、ウレシパ・プロジェクトに主体的に参加しながら修学に努めれば、授業料相当額の奨学金を得られる」という内容で、茂木さんはウレシパ2期生として応募し、札幌大に入学した。
 奨学生は積極的にアイヌ文化に関わる学習活動を行い、成果を社会に向けて発信する使命を持って修学することが求められる。茂木さんは大学で学芸員資格を取得した。「歴史を学ぶだけでなく、生まれ育った白老以外の二風谷や阿寒などのアイヌとも交流し、アイヌ文化の奥深さを知ることができた」と振り返る。学芸員として、魅力を多くの人に知ってもらいたかった。
 ところが、大学卒業後は自動ドアメーカーに就職した。「深い理由はないけれど、大学時代にみっちりと関わり過ぎた反動かもしれない」と言う。アイヌの世界から少し距離を置きたいと考えるようになっていた。
 27歳まで営業職として働いたが、ある日、インタビューを受ける機会があった。「民族共生象徴空間(ウポポイ)」が開業する前、博物館の職員から「今、アイヌにルーツがある人は、どんな仕事をしているのか」というテーマで話を聞きたいと誘われた。
 快諾し、受け答えを繰り返す中で、「高校卒業後はすぐ働いてもいい」と思いながらも、大学に進学した初心を思い出した。それは「アイヌ関連施設で、自分のルーツでもあるアイヌ文化を守り、一人でも多くの人に興味や関心を持ってもらえるように伝えたい」という夢だった。インタビューを受ける中で、目標に向かって懸命に励んだあの頃の気持ちが掘り起こされた。
・・・・・・
   ×  ×
 長く差別と偏見に苦しんできたアイヌ民族。法律で初めて「先住民族」と規定したアイヌ施策推進法(アイヌ新法)が施行されてからまだ4年あまりだ。差別が解消されたと言えない中、「内なるアイヌ」と向き合い、ルーツをつなごうとしている人たちがいる。その群像から「手を重ね合わせる(エテケカンパ)」共生社会のあり方を探る。=随時掲載
https://mainichi.jp/articles/20230831/ddl/k01/040/010000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

実写『ゴールデンカムイ』アシリパ役は?山田杏奈に注目

2023-09-01 | アイヌ民族関連
シネマトゥデイ2023年8月31日 5時35分

山田杏奈
 山崎賢人(崎はたつさき)主演で野田サトルの人気漫画を実写化する映画『ゴールデンカムイ』(2024年1月19日公開)。主人公・杉元佐一(山崎)の相棒として旅をすることになるアイヌの少女・アシリパ(「リ」は小文字が正式表記)を山田杏奈が演じる。
【画像】イメージ合う!アシリパ役・山田杏奈
 原作屈指の人気ヒロイン・アシリパは、自然の中で生きるための豊富な知識を持ち、北海道の過酷な大地で生きるアイヌの少女。アイヌの埋蔵金を奪った男に父親を殺されており、仇を討つため、埋蔵金を追う元軍人の杉元と行動を共にすることになる。
 そんなアシリパを演じる山田は、2001年1月8日生まれ、埼玉県出身の22歳。「ちゃおガール2011☆オーディション」でグランプリを受賞し、芸能界入り。2018年、「幸色のワンルーム」でドラマ初主演、『ミスミソウ』で映画初主演。今年は映画『山女』の主演も話題となった。
 山田は「年齢や身長など原作と異なる部分に不安も感じましたが、自分に任せていただいたことに責任を持って演じようと覚悟しました」と胸中を明かし、「現場で演じるほどにアシリパの意思を持って進む姿、想いの強さに共感し彼女がより好きになりました」と語っている。
 『ゴールデンカムイ』は、「マンガ大賞2016大賞」など多くの賞を受賞し、シリーズ累計2,500万部超(全31巻)のベストセラーとなった野田サトルによる同名漫画の実写映画化作品。時代は、激動の明治後期。気高き北の大地・北海道を舞台に、金塊をめぐる三つ巴のサバイバル・バトルが繰り広げられる。本作を牽引するのは、映画『キングダム』シリーズを手掛けた制作プロダクション・CREDEUS。監督は映画『HiGH&LOW』シリーズなどの久保茂昭。脚本は『キングダム』シリーズなどの黒岩勉が担当する。(清水一)
https://www.cinematoday.jp/news/N0138771

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サケ豊漁を祈り、ペッカムイノミ 白老アイヌ協会

2023-09-01 | アイヌ民族関連
室蘭民報2023/08/31 20:00白老
 白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)は8月28日、新しいサ...
ここから先の閲覧は有料です。
https://www.muromin.jp/news.php?id=92748

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一度は“絶滅”した地球儀みたいな「飛べない鳥」、先住民の土地を約100年ぶりに駆け回る ニュージーランド

2023-09-01 | 先住民族関連
ハフポスト日本版編集部2023年08月31日 16時30分 JST
「タカへの繁殖を望むのであれば、私たちは新しい場所を探索し、現在そして将来にわたって鳥を保護するためにできる限りのことを学ぶ必要があります」

ニュージーランドの南島で保護されていた「飛べない鳥」のタカへDavid C Tomlinson via Getty Images
一度は絶滅したと思われていた希少な鳥が、再び大地を駆け抜けた。
ニュージーランドのワイマオリ渓谷で8月23日、18羽の「タカへ」が放された。
タカへは体長約50センチの飛べない鳥で、山地に生息する。文献の史料が存在しない先史時代からそのままの姿形を留めているとされ、世界で最も希少な鳥の一種だ。
その姿は個性的で、正面からはほぼ完全な球形に見える。羽毛は青緑色で、くちばしと足は赤い。
英紙ガーディアンによると、タカへは1898年に正式に絶滅が宣言された。当時すでに減少傾向にあった個体数は、ヨーロッパからの入植者に連れられたヤギやネコなどの動物によって壊滅的な被害を受けた。その後、1948年に再び発見され、現在約500羽まで回復して個体数は増加傾向にある。
自然保護の活動家たちは、タカヘの天敵であるオコジョやフェレット、ネズミなどの個体数を抑制しようと、罠を仕掛けるなどの手立てを長年打ってきた。
ニュージーランド自然保護局(DOC)でタカへの保護活動を担当するデイドラ・ヴァーコー氏は、「タカヘの数が500羽に迫り、年約8%のペースで増加しているため、新たな住処が必要です。タカヘの個体数を増やすために何十年にもわたって努力してきた後、現在はより多くの野生群を確立することにはやりがいがありますが、課題も残されています」と語っている。
「新たな野生在来種の個体群を確立するには時間がかかり、成功が保証されているわけではありません。タカへの繁殖を望むのであれば、私たちは新しい場所を探索し、現在そして将来にわたって鳥を保護するためにできる限りのことを学ぶ必要があります」(ヴァーコー氏)
タカへがおよそ100年ぶりにワイマオリ渓谷に戻ってきたことは、土地を所有するニュージーランドの先住民族マオリのナイタフ(Ngāi Tahu)族にとっても大きな意味がある。タカへは古くから部族にとって神聖なものとして大切に扱われた鳥で、その羽毛をマントなどに織り込んでいた。
ナイタフ族のトゥマイ・キャシディ氏(Tūmai Cassidy)は、「私たちの土地で放鳥できることは、私たちの権利と土地を取り戻すために闘争した7世代にわたる先祖のことを思い出し、考えるだけでも意義深い」と胸の内を明かした。
放されたタカへたちが新しい住処に慣れたことが確認されれば、10月にさらに7羽、2024年の初めには最大で10羽のタカへのひなが新たに放される予定だ。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_64eedd2ee4b03bdff3adc0f4

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美術 /東京

2023-09-01 | 先住民族関連
毎日新聞 2023/9/1 地方版 787文字
 ■テート美術館展 光―ターナー、印象派から現代へ
 10月2日まで、10~18時(金・土曜は20時)、国立新美術館(港区・乃木坂駅)。英国テート美術館のコレクションから「光」をテーマに厳選した約120点を展示。作品は、18世紀末から現代まで約200年間に及ぶアーティストの絵画や写真、彫刻、キネティック・アート、インスタレーション、映像など多彩=写真はジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」1871年。火曜休館。一般2200円、大学生1400円、高校生1000円、中学生以下無料。050・5541・8600(ハローダイヤル)
 ■企画展「糸で描く物語 刺繍(ししゅう)と、絵と、ファッションと。」
 18日まで、10~17時半、静岡県立美術館(静岡市駿河区・草薙駅からバス)。一針一針を縫い進める刺繍の表現技法に焦点を当て、中・東欧の民俗衣装やカナダの先住民族イヌイットの壁掛け、フランスのオートクチュールを彩る華やかな刺繍、現代の絵本原画など約230点を展示。大塚あや子や蝸牛あや、樹田紅陽ら近現代のアーティストの作品も紹介している。月曜休館(18日は開館)。一般1200円、70歳以上600円、大学生以下無料。054・263・5755
 ■収蔵品企画展「版画家たちの世界旅行―古代エジプトから近未来都市まで」
 24日まで、10~17時(土・日・祝日は17時半)、町田市立国際版画美術館(東京都町田市・町田駅)。西洋の版画家は、旅から作品のインスピレーションを得てきた。西洋版画を中心に旅や移動に関わる16~20世紀の作品を約160点展示。古代文明発祥の地のエジプトからイタリア、イギリス、フランス、高層ビルが建ち並ぶアメリカまで紹介している。月曜休館(18日開館、19日休館)。一般800円、大学・高校生400円、中学生以下無料。042・722・3111
https://mainichi.jp/articles/20230901/ddl/k13/040/014000c

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アウディの全国正規販売店で地球にやさしい紙パックナチュラルウォーターを導入。サステイナビリティを推進

2023-09-01 | 先住民族関連
MotorFan2023/08/31

アウディジャパンはこのほど、サステイナビリティの取り組みの一環として、株式会社ハバリーズの再生可能な資源を活用した紙パックナチュラルウォーターを採用し、全国のアウディ正規販売店(一部取り扱いの無い場合あり)で提供を開始すると発表した。
パッケージには電動レーシングカープロトタイプ「S1 e-tron quattro Hoonitron」や、2026年より参戦するフォーミュラ1のコンセプトモデルからヒントを得たオリジナルデザインをあしらう
アウディでは、脱炭素、水の有効利用、資源効率、生物多様性にフォーカスした環境保護プログラム「Mission:Zero(ミッションゼロ)」を推進し、持続可能な未来の実現に向けて取り組んでいる。“1本の水から世界が変わる”をスローガンにしたハバリーズの紙パックナチュラルウォーターは、資材調達から、消費・回収・再生までの一貫したリサイクルアクションでSDGsの達成、カーボンニュートラルの実現に貢献しており、「Mission:Zero」との親和性が高いブランドであることから、今回の採用に至った。
ハバリーズの紙パックナチュラルウォーターは、佐賀県は多良岳の成層火山から流れるカルシウムとマグネシウムが豊富な、国産では珍しい中硬度の天然水。FSC認証(※1)を取得した再生可能な紙資源が使用され、CO2 排出量をペットボトルより46%以上、アルミ缶より59%以上低減することを実現している[LCA(※2)評価より]。
※1:26カ国の環境NGO・林業者・林産物取引企業などによって構成されるFSC(Forest Stewardship Council=森林管理協議会)による認証。森林の生物多様性を守り、地域社会や先住民族、労働者の権利を守りながら適切に生産された製品に付与される。
※2:LCA(Life Cycle Assessment、ライフサイクルアセスメント)とは、製品の資源採取から原材料の調達、製造、加工、組立、流通、製品使用、さらに廃棄にいたるまでの全過程(ライフサイクル)における環境負荷を総合して、科学的、定量的、客観的に評価する手法。
また、製品1本あたり1円が環境保全団体に寄付され、水源の保全に役立てられる。キャップには植物由来(サトウキビ)の素材が使用されており資源を有効に活用しつつ、使用後の容器は小さく折りたためゴミを削減、トイレットペーパーに100%リサイクルされる。
パッケージには、quattro(クワトロ)電動4輪駆動システムを搭載した電気レーシングカープロトタイプ「S1 e-tron quattro Hoonitron」や、アウディが2026年より参戦するフォーミュラ1のコンセプトモデルからヒントを得たオリジナルデザインをあしらう。これまでのアウディのモータースポーツの輝かしい歴史を彷彿させつつも、エキサイティングな未来への道を切り開く象徴的なデザインで、アウディの掲げる「Vorsprung durch Technik(フォアシュプルング ドルヒ テヒニーク=技術による先進)」を体現し、アウディが自動車メーカーとしてカーボンニュートラルをはじめとした環境負荷の軽減をリードしていく決意を表している。
https://motor-fan.jp/mf/article/162723/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SMラナンでルソン島の人間国宝マグダレナ・ガリナト・ガマヨ氏らの展覧会開催

2023-09-01 | 先住民族関連
ダバウオッチ2023年8月31日

フィリピン国家文化芸術委員会(以下NCCA)は、ダバオ市内のSM Lanangで人間国宝マグダレナ・ガマヨ氏のイナベル(イロコス地方の織物の総称)の展覧会を開催した。
「Panaga Ti Lagda」と題された6日間の展示会の開会式では、ダバオのファッションデザイナー、ニール・パトリック・ジムラニ氏とマーク・ジョセフ・サヤド氏のコレクションを紹介するファッションショーがハイライトとなった。参加者はNCCA事務局長のオスカー・カサイサイ氏、ダバオ市議会議員で元NCCA事務局長のアル・ライアン・アレハンドレ氏、人間国宝エステリタ・バンティラン氏、ダバオ市観光事業事務所(CTOO)のジェニファー・ロメロ氏などが出席した。
「人間国宝の賞は、私たちのきょうだいである先住民族に与えられる賞だ。この機会に、各文化コミュニティの工芸品や文化、遺産の焦点を当てることを奨励したい」とカサイサイ氏は挨拶した。
この賞はダバオ地方での知名度が低く、受賞しているのはバゴボ・タガバワ族の故サリンタ・モノン氏1人だけである。「私たちは、ダバオ地方の文化的なコミュニティが人間国宝を受賞することを応援している。イナベルをダバオに呼ぶことで、ダバオ市民やミンダナオ島の人々はルソン島の先住民族の文化に触れることができる」とのことだ。
99歳の人間国宝マグダレナ・ガリナト・ガマヨ氏の織るイナベルは、他のイナベルよりも繊細で、糸の本数が多く、複雑なデザインで知られており、時には5色の糸を自在に扱う。他の人間国宝の作品も展示されたこの展覧会は、SM Lanangの1階で8月25日まで開催される。
先日まで開催されたカダヤワンではダバオ市の文化が中心に披露されたが、アイミー・マルコス上院議員が招待したイロコス地方のグループも参加した。また、NCCAはこのような民族の文化の他にも、ダバオ市内の建造物の保存にも力を入れ始めた。あらゆる文化を等しく保存する難しさは想像を絶するが、多彩な文化が少しでも長く息づくよう、学ぶ機会があれば積極的に活かしたい。
https://davawatch.com/articles/2023/08/31/55310.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スコセッシ×ディカプリオ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』キーアート公開

2023-09-01 | 先住民族関連
シネマカフェ8/31(木) 20:00配信

レオナルド・ディカプリオをはじめ、ロバート・デ・ニーロやジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーンなどが共演したマーティン・スコセッシ監督によるApple Original Films『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のキーアートが解禁。本作は、Apple TV+での配信に先立ち、パラマウント・ピクチャーズの協力のもと日本では東和ピクチャーズにより10月20日(金)より劇場公開される。
第76回カンヌ国際映画祭で初上映され、長いスタンディングオベーションで迎えられるとともに広く称賛された本作は、真実の愛と残酷な裏切りが交錯する西部劇でありサスペンス超大作。
デイヴィッド・グランによる同名小説を原作とし、1920年代のオクラホマ州、石油により富を手にした先住民オセージ族の人々が被害者となった一連の残酷な事件であり実話を基に、アーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)とモーリー・カイル(リリー・グラッドストーン)の思いもよらないロマンスを描いていく。
20世紀初頭、アメリカ先住民のオセージ族は、石油の発掘によって一夜にして世界でも有数の富を手にする。その財産にすぐに目をつけたのが、すでに入り込んでいた白人たち。彼らはオセージ族を巧みに操り、脅し、奪える限りの財産を強奪し、やがて殺人に手を染め…。
本作が公開される数々の劇場の中には、IMAXシアターも含まれる。ひときわ鮮明な映像と、IMAXならではの劇場構造と力強いデジタルオーディオの組み合わせがほかにはない環境で、観客はまるで映画の中に入り込んだような感覚を体験できるだろう。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は10月20日(金)より世界同時劇場公開、その後Apple TV+にて世界同時配信。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b6e0cf0d8b48371df75cd3d7fd85e23127e338bb

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カダヤワン祭2023 #2「ダバオ市の11の少数民族・文化プレゼン・民族ゲーム」

2023-09-01 | 先住民族関連
ダバウオッチ2023年8月31日

皆さんこんにちは!ダバオッチのミズキです。ダバオの一大祭典カダヤワンでは、ダバオの11の少数民族にスポットライトが当てられています。彼らそれぞれの文化を多角的な面から知ることができ、ダバオという都市の奥深さを市内外の人に伝えるお祭りでもあるわけです。
今回は、カダヤワン祭の会場の1つであるマグサイサイ公園で展示されている民族村の紹介も兼ねて、11の少数民族をご紹介します。14日の文化プレゼンテーション(Bantawan sa Kadayawan)や、 17日に開催されたカダヤワンゲーム(Dula sa Kadayawan)の様子も最後に載せています。
これを知ればカダヤワン祭やダバオの観光がもっと楽しくなること間違いなし! ぜひ最後までお読みください。
バゴボ・クラータ族(Bagobo-Klata)
バゴボ・クラータ族の家
最初は原住民族(Indigenous People)から。まずはバゴボ・クラータ族。伝統的な家は竹でできており、見ての通りの高床が特徴的です。空いた1階部分はベンチなどが置かれています。
ドリアン売り場
工芸品
彼らは森の住人として、また屈強な戦士としても知られています。さらに、最も手の込んだ衣装を身につけ、優れた芸術性を発揮する民族の1つでもあります。一方で生活自体はごくシンプル。果樹栽培を生業としており、これは彼らの栄養源としても機能しているようです。
居住地域は市内西部のカタルナンペケーニョ、トゥグボク地区、カリナン地区と、バギオ地区の広い範囲です。
服装の説明
バゴボ・クラータ族の家の中
家の中にはバゴボ・クラータ族の生活用品や、服装の説明などもありました。外から見るよりも竹の質感が分かりやすいですね。柱から壁まで、素材の性質を熟知して使いこなしている様子がよく分かります。
アタ族(Ata)
アタ族の音楽
アタ族の家の前では、前回記事でも紹介した民族音楽が披露されていました。一般参加らしき人も何人か加わっていたので、体験もできたようです。家は茅葺き屋根と、大棟の端の装飾が特徴的です。
アタ族エリアの入り口
アタ族の人々
アタ族は「山の民」で、ダバオ市パキバト地区やダバオデルノルテ州、ブキッドノン州に居住しています。高地に住み、他の民族とも領域をともにしているようです。

基本的にはシャイで優しい気質ですが、油断は禁物。短気な一面も持ち合わせているとされています。自ら組織的に文化を継承することに長けているのは、若者が積極的に演奏やパフォーマンスを楽しむ姿から伺えるかもしれません。
細い階段
カラフルな盾
家はここが一番難易度が高く、細いハシゴのような形に彫られた木を伝って上ります。中には写真やカラフルな盾の展示がありました。
オボ・マノボ族(Obu-Manuvu)
オボ・マノボ族の家
オボ・マノボ族の家は、アタ族同様の茅葺き屋根。しかし先ほどよりも鋭い印象を受けるのは、鋒のような屋根の形ゆえでしょうか。色の濃淡を活かした壁の模様が特徴的です。よく見ると窓格子にも装飾がされています。
オボ・マノボ族エリア入り口
工芸品販売コーナー
オボ・マノボ族はダバオ市内では最古の民族の1つです。「Ovu」は「人々」、「Manuvu」は「方言」を指します。精巧な武器やアクセサリーを作ることで有名で、主にカカオや野菜を育てることで生計を立てています。
ダバオではバランガイ(最小行政区)タムガンの北の高地や、ダバオ西部にも住んでいます。マグサイサイ、マランバ、カリナン、バギオ、マラゴスなどの地域は、現在に至るまで、彼らが人口の多数を占めているようです。
カラフルな布
写真の展示など
中に入ると、外からはあまり見えなかった織物の鮮やかな色彩に目を奪われます。写真や伝統楽器の大小様々なゴングもここに保管されていました。壁の組み立て方(編み方?)も、ここまでの民族全てで異なっていて面白いですね。
マティグサログ族(Matigsalug)
マティグサログ族の家
マティグサログ族の家は壁と窓が特徴的。異素材(?)切り替えの壁に、上部の窓は外開きになっています。ここまで全て高床ですが、一段上がった舞台のようなところから2階に上がるタイプです。1階部分ではお土産の販売や衣装の貸し出しを行っています。
マティグサログ族エリア入り口
マティグサログ族のアクセサリー
「Matig(由来)+Salug(川)」で川沿いに住む祖先を持つ者という意味のマティグサログ族。2階部分の小さな屋根から見張りなどを行っていました。食べていたのは主に在来種の米、狩った動物、魚、自生するフルーツなど。暮らしはバゴボ・クラータ族同様、飾らないものだったようです。
伝統的に彼らが住んでいたとされる土地の総面積は約10万ヘクタールほど。ブキドノン州やノースコタバト州の一部や、ダバオ市ではマラハン地区、グミタン地区、バガニハン地区、バランガイ・マリログやバランガイ・マランバの奥まった土地にほとんどが居住しています。
ロフト
作りかけの竹細工
家の中にはロフトが作られていました。面によって壁が違うように見えますが、何か意味があるのでしょうか。よく見ると制作途中のカゴも。これが箱やバッグになるんですね。現代にも脈々と技術が受け継がれているようです。
バゴボ・タガバワ族(Bagobo-Tagabawa)
バゴボ・タガバワ族の家
バゴボ・タガバワ族の家は、高床といえどやや低め。階段部分も板状になっており、足に優しい設計です。比較的薄く直線的な屋根や、垂直な柱と壁から、どことなくカッチリとした印象を受けます。
バゴボ・タガバワ族エリア入り口
バゴボ・タガバワ族のビーズ細工
Taga(from)+bawa(the South)ということで、南の人々という意味の言葉で呼ばれるバゴボ・タガバワ族。彼らはフィリピン最高峰アポ山の守護者として知られています。守護者というだけあり、アポ山の麓に根ざし、アポ山を神聖なものとして崇めています。

また、彼らはフィリピン国内でも屈指のファッション性の高い服装を誇る民族でもあります。特にビーズ細工が有名で、今回の民族村の家の前でも多くのアクセサリーが販売されていました。しかもしれっと実演まで(!)。「Pangulabe」と呼ばれるデザインは、目に見えるものや夢、自らの感情、自然などからインスピレーションを受けているのだとか。
バゴボ・タガバワ族の衣装
台所は外側に
家の中ではバゴボ・タガバワ族の伝統衣装を着たマネキンがお出迎え。手間を考えると恐ろしくなるほどの緻密な模様が、ビーズを1粒1粒手縫いで縫い付けることで描かれています。織物の模様も手が混んでいますね。他にもカゴや篩に矢筒など、諸々の道具が揃っています。
サマ族(Sama)
サマ族の家
お次はイスラム民族(Moro)の紹介に移ります。サマ族の家のポイントはなんと言ってもこの色! 緑の壁に黄色い線が走り、赤い装飾がぐるりと囲んだ下に青いヒラヒラが垂れています。緑黄色の原色で堂々と聳えているので気づきにくいのですが、緑一色の中にも模様が浮かび上がります。まさに匠の技ですね。
サマ族エリア
サマ族の船
平和を愛し、結束力の強い民族であるサマ族。彼らの先祖は特別な力を持ち、ジンと呼ばれる協力的な精霊を呼び寄せることができたとされています。中東の伝承にも通じているのかもしれません。彼らの多くはダバオ市のブナワンや他の沿岸の地域に住んでいます。
サマ族の家の中
当然といえば当然ですが、内側もカラフルです。とはいえ意外とこの強い緑が馴染んでおり、縁の黄色が良いアクセントになっています。サマ族の特徴である布にも「SAMA TRIBE」の模様が見られます。
カガン族(Kagan)
カガン族の家
カガン族の家は、竹を焼いて模様をつけるのが特徴です。竹を丸っと使った曲線とまろやかな色味が安定感と安心感を与えてくれます。
カガン族のパネル
カガン族の伝統織物を使ったグッズ
カガン族は「ダバオのモロ」の人々。モロというとバンサモロ自治地域(BARMM)が思い浮かびますが、バンサモロというのは「モロの国」という意味です。なのでダバオのイスラム系の民族に対しても「バンサ〇〇」という呼び方が使われるんです。カガン族は「バンサカガン」という訳です。そして肝心の「カガン」は「警告」という意味だそう。
彼らはダバオ湾周辺に住みますが、同じ地域の他の民族とも平和に共生してきました。ダバオ湾は彼らの生活に欠かせない要素であり、伝統や文化を育んだとのこと。彼らの織物を使ったバッグなどが1階部分で販売されていましたが、これはその一端ですね。
カガン族の家の中1
カガン族の家の中2
家の中にもこだわりが見えます。ゴングや太鼓の楽器の間の奥には、身分の高い人が休んだであろう黄色い天蓋の部屋が控えています。先ほどのサマ族の家と同様に黄色と緑が目立ちますが、共通して重要な色なのかもしれません。緑はイスラム教で重要な色ですが、黄色は一体どこから来たのか、気になりますね。
イラヌン族(Iranun)
イラヌン族の家
イラヌン族の家は竹ではなく木で建てられています。ここまで木造の建物はなかったのではないでしょうか。照明に被ってますが、後ろには櫓のような小さな2階部分が見えます。
イラヌン族のパネル
バッグなどの他食べ物の販売も
彼らはフィリピンでも最古の民族の1つで、16世紀からコタバト州近辺の地域に栄えたマギンダナオ王国の王であるスルタン・ディパトゥアン・クダラットの血を引いている人々です。彼の名を持つスルタン・クダラット州は言うまでもなく、ミンダナオ島の西側に広く居住地が広がっています。
西洋中心的な歴史観では海賊として記述されることが多いのですが、ミンダナオ島の人々から見ると、島を守るために闘った英雄の民族でもあります。
イラヌン族の家の中
鏡?らしきもの
やはりここでも家の中の色は黄色がメイン、というかほぼ黄色一色です。装飾にもアラビア語が使用されており、イスラム文化の影響が色濃く残っています。イスラム民族に共通して、先住民族の家よりも「家を飾る」という概念が強いように感じます。
マギンダナオン族(Maguindanaon)
マギンダナオン族の家
マギンダナオン族の家は、家というか何かの目的に使われる館のよう。公私の「公」の雰囲気が漂ってきます。赤・黄・緑の幟が華やかでイベントっぽいです。
マギンダナオン族パネル
マギンダナオン族エリア入り口
マギンダナオン族はミンダナオ島で初めて誕生したムスリム民族の1つに数えられます。その豊かな歴史と伝統が特徴的です。ほとんどがマギンダナオの氾濫原に居住していますが、ダバオ市では第3地区のさまざまな自治体に分かれて暮らしています。
歴史的には、スペインやその後の外国勢力の侵入からミンダナオ島を守った人々として知られています。
1階部分のフォトスペース
家の中の写真を撮り忘れるという失態を犯しました! 非常に申し訳ありません。これも見えにくいのですが、実は正面ど真ん中の1階部分はフォトスポットになっていて、いい感じの写真が撮れますという情報だけ共有させていただきますね……(泣)。
タウスグ族(Taosug)
タウスグ族の家
タウスグ族の家は一見して飾りっ気のない簡素なイメージを抱きますが、その分中からチラつく色の鮮やかさが一層引き立っています。竹の丸々とした、ところどころボコボコした質感と、計算され尽くしたベランダ部分の収まりの良さに匠の腕が光ります。
タウスグ族のパネル
家の前の舞台では伝統舞踊のショーも
タウスグという言葉は「Tao(人)」と「Sug(Maisug、勇敢さ)」という2つの言葉を組み合わせたもの。元々はホロの辺りを領土としており、惜しみないホスピタリティと名前の通りの勇敢さが特徴とされています。
色彩豊かな衣装でも有名で、古くから主な生計は漁業と商売、交易で成り立つという強かさも持ち合わせている人々です。
ビビッドな室内
タウスグ族のゴング
外からもチラッと見えてはいたものの、ピンクと黄色、そして照明の光が豪華な空間を演出しています。壁や天井にも装飾が施されており、交易で栄えていたのも納得の雰囲気です。ちなみに外に置かれていたゴングは実際に鳴らしてみることもできます。音はレイクセブの記事のものを想像していただけると良いかもしれません。
マラナウ族(Maranao)
マラナウ族の家
さて最後はマラナウ族です。マラナウ族の家は一言で言うと「荘厳」。お寺やお城にも通じる左右対称の圧を感じる出立ちです。ぱっと見ですごいと思わせるオーラがあります。屋根をよく見たら「ロイヤルハウス」とのこと。納得できる装飾の凝り様と建築の力強さです。
マラナウ族のパネル
マラナウ族の家の中1
彼らの伝統衣装はフィリピン全土の民族の中でも最高の出来と言われています。「湖の人々」との呼び名がついており、勇敢な気質でも名高い民族です。
かつては祖国の地を守るために生贄を捧げたとも信じられていて、イスラムへの篤い信仰でも知られています。ダランガンと呼ばれる洗練された文学と、この家の中の物にも見られる木と金属の流麗な細工にも誇りを持っています。
マラナウ族の家の中2
マラナウ族の家の中3
家に上がると、先述の創作物や鮮やかな黄色の衣装が飾られています。壁にはマラナウ族の重要人物などに関する説明も。独特の模様のデザインと色の組み合わせが見ていて楽しいですね。
バンタワン文化プレゼンテーション(Bantawan sa Kadayawan)
民族村と同じくマグサイサイ公園で開催された文化プレゼンテーション。実はこのイベントは文化アクティビティ文化プレゼンテーションの2本立てなのですが、今回はマラナウ族のプレゼンテーションを見てきました!
扇のダンス
最初は扇のダンスから始まりました。音楽も比較的のんびりで、「そう、これこれ」というような安心安定のオープニングです。
爆速ゴングタイム
スティックパフォーマンス
と思いきや、楽器オンリーの時間に突入するや否や、聞いたこともない爆速のゴングが鳴り響きました。これまではセーブしてたというのがありありと分かるノリノリ加減で、スティックパフォーマンスまで披露してくれました。
豪華な扇のダンス
鞭のダンス
続いては先ほどよりも豪華な装飾のダンスと、下のカダヤワンゲームで使い方の判明する鞭のダンス。洗練された手首の返しに、バチンと客席にまで届くほどの鞭の音は迫力十分でした。
豪華な扇のダンス2
それが終わると今度は先ほどの扇のグループが戻ってきてしっかり目にダンスを披露してくれます。あまりにも滑らかに扇がくるくる回るので手首の動きを追ってみたのですが、何が起こっているのか全然わかりませんでした。
戦いのダンス
戦いのダンス2
そして戦装束を身に着けるところから始まる戦いのダンス。息のあった動きで実戦さながらの緊張感を演出しました。
マロン(筒状の布)のダンス
マロンのダンス2
まだまだあります。今度はマロンという長い筒状の布を使ったダンスです。手で持ったり腰に挟んだり被ったり揺らしたりしながら、身ひとつでは出来ないダンスを仕上げています。
バンブーダンス
竹が登場
終演
そして最後はお馴染みバンブーダンス。手では扇を翻し、足では竹の間を縫って飛び跳ねる。竹が地面につくリズムも一定で、一体感が感じられる、まさにクライマックスにふさわしいパフォーマンスでした。
実は最初10分くらいで終わるのかなと思っていたのですが、1時間くらい続いたので驚きました。1つの民族にこれだけ沢山のダンスや音楽が伝わっていることに気付かされますね。
カダヤワンゲーム(Dula sa Kadayawan)
ピープルズパーク
お次に紹介するカダヤワンゲームは、ダバオ市の中心部にあるピープルズパークで行われました。観戦できたいくつかの遊びを紹介していきます。
竹馬
まずは竹馬。子どもたちが自分の肩くらいの高さの竹馬を乗りこなしていました。大人も挑戦していましたが、普段から遊んでいるらしき子どもたちは片足で飛び跳ねたり片方の竹馬を上下ひっくり返したりと、もはやプロの領域でした。
綱引き
続いては綱引き。民族ごとに分かれて真剣勝負に挑んでいました。フィリピンの民族にも綱引きというスポーツがあることが驚きです。日本固有の遊びだと思っていました。
ボール当て
正直こちらのゲームの詳しいルールは最後まで分からなかったのですが、2人1組で片方が投げたボールをもう片方が蹴り上げ、木に吊るされた装飾に当てたり乗せたりするゲームだと思われます。いろんな人が挑戦していましたが、筆者が見ているときには成功者は現れませんでした(笑)。
リフティングゲーム
そして何と言ってもこのリフティング。足首に固定した板と、手に持った鞭のような布で器用にボールを操っています。全くボールが落ちる気配がありません。10分間ボールを落とさな勝った方が勝ち、あるいはより長く続けた方が勝ちというルールで勝負したのですが、手練れのチームは本当に10分間1回もボールを落としませんでした。凄すぎる……! インスタに長めの映像が載っていますので、ぜひそちらもご覧ください。
まとめ
いかがでしたか? ダバオの11の民族はまず原住民族とイスラム民族に大別され、とはいえそれぞれに特有の文化を持っていることが見てとれたかと思います。
筆者も正直カダヤワンが始まるまでは「11の少数民族」というぼんやりした概念があるだけで、記事を書きながら特徴を発見したくらいです。壁の作り方や服のデザイン、暮らし方まで民族によって全く違う、というのはやはり百聞は一見に如かずという言うべきか、民族村に行ったり他のカダヤワンのイベントで感じられるところです。
これはきっとこのお祭りの目的の1つで、このような場が設けられて初めて、広い範囲の人々がローカルな深みを体験することが出来るんですよね。伝統文化を保護するという点でも重要なお祭りであることが実感できるイベントでした。
次回の記事では前回ちょっとだけ触れた「ヒヤス」のイベントを紹介する予定です。どうぞお楽しみに!
https://davawatch.com/articles/2023/08/31/55325.html

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする