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各地のアイヌ、先住権で連帯 サケ捕獲など具体的な権利の獲得を求める

2020-09-30 | アイヌ民族関連
毎日新聞2020年9月29日 12時55分

紋別アイヌ協会主催のサケを迎える儀式に各地から駆けつけたアイヌの人びと=北海道紋別市で、山下智恵撮影
 組織の枠や地域を超え、各地のアイヌが連帯を強めている。根底には、2019年5月施行のアイヌ施策推進法(アイヌ新法)で明記されなかった先住権の問題がある。河川でのサケ捕獲権など具体的な権利の獲得を求め、横のつながりが広がりつつある。【山下智恵】
 「アイヌで連帯していくことが必要だ」。9月5日、北海道紋別市のアイヌ団体「紋別アイヌ協会」が同市内で開いた行事で、浦幌町のアイヌ団体「ラポロアイヌネイション」の長根弘喜会長(35)が言った。
 この日は、紋別市内を流れる藻別川河口付近でサケの遡上(そじょう)に感謝する伝統儀式「カムイチェプノミ」が行われ、民族衣装をまとった約30人が集まった。
 紋別アイヌ協会の畠山敏会長(79)は昨年9月、サケ捕獲は明治政府のアイヌ同化政策以来奪われた権利と主張し、道に申請せずサケを捕獲したことで道内水面漁業調整規則違反などの疑いで書類送検され、不起訴となった。この日、先住権を求める意思をつなごうと、札幌市、平取町、浦幌町のほか、東京都や神奈川県からもアイヌが駆けつけた。
 畠山会長は体調を崩し入院中のため、藻別川ではサケを捕獲せず、ラポロアイヌネイションが提供したサケを祭壇にささげた。同団体は8月、地元の川で生活のためにサケを捕獲することは「先住民族の権利に関する国連宣言」が認める先住権に当たるとして、サケ漁を禁じる法や道規則が適用されないことの確認を国と道に求め提訴している。
 長根会長は「裁判と無許可捕獲、畠山会長と方法は違っても先住権を求める気持ちは同じ。アイヌで連帯していくことが今後必要だ」と語った。
 先住権は日本も賛成し、07年に採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」に明記されている。しかし、日本政府は先住権を有するアイヌの集団は存在しないとの立場で、アイヌ新法ではアイヌを「先住民族」と明記する一方、先住権には触れていない。
 儀式後、先住権について話し合う集会「ウコイタク(アイヌ語で『共に語ろう』)」が開かれた。首都圏のアイヌで文化継承に取り組む古布絵(こふえ)作家の宇梶静江さん(87)は「(アイヌは)狩猟をして成就したときに歌があって踊り、神と共にある。先祖のなりわいを取り戻さなければ」と話した。
 平取町二風谷の貝澤耕一さん(73)は宇梶さんらと共に、畠山会長の行動を支持し権利回復に向けた活動を行う「アイヌ(=ひと)の権利をめざす会」を立ち上げ、署名活動を展開。「アイヌは少人数で狩りをする狩猟民族だったためか、これまであまり地域を超えた連携がなかった。先住権を主張する各地のアイヌの連携を進め、大きな流れにしていきたい」と語った。
 相模原市から参加した島田あけみさん(64)も「先祖を語るために権利を主張し、強くならなければ」と話した。
ことば「アイヌ施策推進法(アイヌ新法)」
 2019年5月に施行された「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」。「全ての国民が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現」を目的に、アイヌを理由とした差別の禁止などを明記し、サケの捕獲事業が円滑に実施されるよう適切な配慮を自治体に求めている。ただ、先住民族が持つ資源や土地の権利である先住権には触れていない。
https://mainichi.jp/articles/20200929/k00/00m/040/097000c

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アート展で再出発 アイヌ発信 ハポネタイ【東京・清水】

2020-09-30 | アイヌ民族関連
十勝毎日新聞 2020.09.29 
 清水町旭山の森が拠点のアイヌ文化発信プロジェクト「ハポネタイ」は28日から都内でアート展を開き、7年ぶりに活動を再開した。今後はアイヌの伝統的住居「チセ」作りの体験を提供する予定で、プロジェクトを進める帯広市出身の惠原詩乃さん(都内在住)は「アイヌ文化を通し、教育や福祉に関われる場にしたい」と構想を語る。

「ハポネタイ」の活動を再開し、都内でアート展を開く惠原さん(左)。右はsayoさん
 ハポネタイはアイヌ語で「母なる森」の意味。惠原さんの母るみ子さんが2006年に清水町・剣山の麓に約5ヘクタールの森を取得し、拠点を設けた。惠原さんと共に09年から、アイヌ関連のアート展やライブ、チセ作りなどを実施。13年で活動を休止し、拠点は売却する方針だった。昨年、清水町が活用に関心を示したことをきっかけに自分の気持ちと向き合った惠原さんは「拠点を残し、やりたいことに取り組みたい」と活動再開を決意した。
 拠点での活動再開は来年からの予定で、野生動物が多く、断水時には雪を溶かして使うこともある不便な環境を生かす。木材の重さを実感でき、木の皮をゆがき、ひもにするなど、先人の知恵を体験できるチセ作り体験を活動の中心に据える。「都会とはまったく違う体験。心のリセットができ、自然に生かされていると感じる。アイヌ文化や自然体験を基に自分と向き合うことで、今後の人生に生かせる要素がある」(惠原さん)と教育的効果を期待する。チセは数棟作り、村のようなコミュニティースペースを整備する計画。
 そのほか、アイヌや障害者アートの展示、ポストコロナを見据えたアイヌ語やアイヌ舞踊のオンラインワークショップも展開する。惠原さんは「清水町や地元の人と連携し、持続可能なハポネタイにしてきたい」と話す。惠原さんはアイヌとして踊りや歌の披露、講演会などでアイヌ文化を発信している。
 アート展「ハポネタイとアイヌアート展」は、都内中央区のギャラリーモーツァルトで10月3日まで。野外ライブやチセ作り、集いの無事を神に祈る伝統儀式「カムイノミ」などハポネタイの軌跡を写真で紹介。ハポネタイのロゴを制作したイラストレーターsayoさんの作品も展示している。ハポネタイの問い合わせは惠原さん(unukaran@gmail.com)へ。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/19050

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きょうの潮流

2020-09-30 | アイヌ民族関連
しんぶん赤旗 2020年9月29日(火)
 うねる渦巻き、光る目のようなひし形、植物のトゲや新芽を表す曲線と鋭角、魚のうろこ状の精緻な連なり。衣服や帯、木工芸に施されたアイヌ文様は、大自然と共に生きる日常の中から生み出されたことがわかります▼東京・駒場の日本民芸館で開催中の「アイヌの美しき手仕事」展に出かけました。同館の創設者で思想家・美学者の柳宗悦(やなぎ・むねよし=1889~1961年)は、開館5年目の1941年にすでに「アイヌ工芸文化展」を開いています▼「なぜアイヌにあんなにも美しく物を作る力があるのであろうか。今も本能がそこなわれずに、美を創り出す働きがあるのであろうか。なぜ彼等(かれら)の作るものに誤謬(ごびゅう)が少ないのであろうか。どうして不誠実なものがないのであろうか」(「アイヌへの見方」)▼柳は「アイヌ人に送る書」でも、民族固有の文化を認めることの大切さを述べ、その文化の持つ美への感動が互いの尊敬と理解を深めるとして、国家による民族差別と同化政策を批判しました▼それから約80年。2019年、アイヌ民族を「先住民族」と明記したアイヌ施策推進法が成立し、さらに今、先祖代々暮らしてきた土地での狩猟や漁労、採取など資源に対する権利、伝統文化を維持し発展させる権利、自己決定権や自治権等を含む「先住権」を求める機運が高まっています▼展示の映像で知った竹製の口琴・ムックリの音色が忘れられません。木々のさざめき、川の流れ、風の音、キツネの鳴き声、遠い熊の咆哮(ほうこう)まで聞こえてくるようでした。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-09-29/2020092901_06_0.html

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アミ族男性「私は中国人」 原住民委「中国政府に利用されるな」/台湾

2020-09-30 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾 2020/09/29 11:54
アモイ開催の海峡フォーラムで「私は中国人」と発言したアミ族出身の男性=中新社提供
(台北、花蓮中央社)台湾原住民(先住民)アミ族出身の男性が中国・アモイで先日開かれた「第12回海峡フォーラム」で「私は中国人」と発言していたと一部メディアが報じたのを受け、原住民族委員会は28日、報道資料を通じ、「中国政府に利用され、台湾への統一戦線の見本になるのはやめよ」と呼び掛けた。
中国メディア「今日海峡」は20日、フェイスブックで海峡フォーラムの映像を公開し、東部・花蓮出身のアミ族の青年が「私は誇り高き中国人」と発言したと報じた。
同委は報道資料で、「原住民族は炎黄子孫ではなく、中華民族ではない。決して同文同源ではない」と主張した。
同委のイチャン・パルー主任委員は28日、取材に対し、同委は中国大陸との交流も含め、国際交流には反対しないとしつつ、自身が中華民国国民であることをはっきり認識する必要があると言及。個人の言論の自由やアイデンティティーは尊重するものの、個人の名義で民族全体を代表することは我慢ならないとし、男性の発言は「非常に不適切」だと非難した。
取材に応じた男性の父親によれば、男性は台北生まれで、大学卒業後に香港に渡り、その後、中国大陸で働いているという。
(張雄風、李先鳳/編集:名切千絵)
http://japan.cna.com.tw/news/asoc/202009290001.aspx

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道の駅ウトナイ湖 手作りマスク種類豊富、アイヌ文様のデザインも

2020-09-30 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 2020/9/29配信
 新型コロナウイルスの感染拡大で、日常生活に定着したマスク。苫小牧市植苗の道の駅ウトナイ湖では、市内のハンドメード作家が手作りした布マスクが人気だ。色や柄、サイズもさまざま。シックな柄からカラフルなものまで品数も豊富で、お気に入りの商品を選…
この続き:437文字
ここから先の閲覧は有料です。
https://www.tomamin.co.jp/article/news/main/30191/

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アニメ「ゴールデンカムイ」1期&2期を3日間限定で全話無料配信、オーコメ版も

2020-09-30 | アイヌ民族関連
コミックナタリー 9/29(火) 18:00
野田サトル原作によるTVアニメ「ゴールデンカムイ」第1期および第2期の全話とそのオーディオコメンタリー版が、10月2日24時から5日22時59分までFODで無料配信される。
TVアニメ「ゴールデンカムイ」第3期が10月5日より放送されることを記念したこの企画。オーディオコメンタリーには杉元佐一役の小林親弘、アシリパ役の白石晴香をはじめとしたキャストや、第3期でも監督を務める難波日登志らスタッフが出演している。
さらに小林たちキャスト8人の直筆サインが入ったB2サイズの「豪華金箔仕様!第三期キービジュアル第1弾ポスター」を、抽選で3名にプレゼントするTwitterキャンペーンがスタート。10月5日22時59分までの期間中にアニメの公式Twitterアカウント(@kamuy_anime)をフォローのうえ、所定のキャンペーンツイートをリツイートすると応募が完了する。
「ゴールデンカムイ」はゴールドラッシュに湧いた明治後期の北海道を舞台に、アイヌが遺した莫大な埋蔵金を狙う、元軍人の“不死身の杉元”と、アイヌの少女・アシリパを軸に描く冒険活劇。第3期では、キロランケと尾形百之助によって樺太に連れ去られたアシリパと、彼女との再会を目指す杉元それぞれの動向を描く“樺太編”が開幕する。
■ TVアニメ「ゴールデンカムイ」第3期
□ 放送情報
TOKYO MX:2020年10月5日(月)より毎週月曜23:00~
読売テレビ:2020年10月5日(月)より毎週月曜25:59~
札幌テレビ:2020年10月5日(月)より毎週月曜25:44~
BS11:2020年10月5日(月)より毎週月曜23:00~
時代劇専門チャンネル:2020年10月10日(土)より毎週土曜25:00~
□ 配信情報
FOD:2020年10月5日(月)より毎週月曜23:00~独占配信
□ スタッフ
原作:野田サトル(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:難波日登志
シリーズ構成:高木登
キャラクターデザイン:大貫健一
音楽:末廣健一郎
アニメーション制作:ジェノスタジオ
□ キャスト
杉元佐一:小林親弘
アシリパ:白石晴香
白石由竹:伊藤健太郎
鶴見中尉:大塚芳忠
土方歳三:中田譲治
尾形百之助:津田健次郎
谷垣源次郎:細谷佳正
牛山辰馬:乃村健次
永倉新八:菅生隆之
家永カノ:大原さやか
キロランケ:てらそままさき
インカラマッ:能登麻美子
二階堂浩平:杉田智和
月島軍曹:竹本英史
鯉登少尉:小西克幸
※アシリパのリは小文字が正式表記。
※インカラマッのラは小文字が正式表記。
(c)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会
https://news.yahoo.co.jp/articles/8f5916988731c1fb9632a252d5e7793876c99e78

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