ようこそ石の華へ

鉱物の部屋へのいざない

彫刻のような石1

2012-02-28 12:14:34 | 日記・エッセイ・コラム

Dscf7699

?サモトラケのニケ像

この写真は言わずと知れたルーブル美術館の至宝であるサモトラケのニケ像です。樹脂製のフィギュアなのですが、フランス国公立美術館連合が製作した彫刻レプリカで、本体からの忠実な再現で出来ています。

Dscf7716

?下仁田の菊花石

この写真は下仁田の菊花石なのですが、この石を見付けた時に、すぐに想起したのが上のサモトラケのニケ像です。菊花石の放射状の部分がニケ像の翼や衣の皺の部分とダブって見えてしまいました。

どうですか?似ていると思いませんか?

似ていない!

それでは、これはどうでしょうか?

Dscf7689

?安倍川の馬蹄石

これは安倍川の馬蹄石です。台座をとって石を横に水平にすると馬蹄形をしていただろうと推測されます。

この石を見た時は、一瞬であの有名な葛飾北斎の絵を想起しました。

そうです。「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」です。ダイナミックな波のような岩と富士山に見立てた山の部分が印象的です。

北斎のこの版画、実は絵のモデルがあったようです。

この絵のタイトルの最後に「浪裏」とありますが、それがヒントです。

北斎と同時代のひとで「波の伊八」という欄間職人が今の千葉にいて、彼の作品は行元寺の客間の欄間に今でも残っております。その欄間を裏から見ると、何と北斎の絵にそっくりなのです。そして北斎は行元寺に行ったという記録も残っているそうです。何故「裏」という文字が付いていたのか?という謎も解けます。

二次元の「絵」の原型が三次元の「欄間彫刻」にあったという事が面白いです。

さらに北斎のその絵の影響力は大きく、海外の芸術家たちにも影響を与えました。数ある中でひとつ挙げれば、カミーユ・クローデルの「波」という彫刻でしょうか。「波」で表現されている大きな波を見ると北斎の絵を彷彿とすると思います。

二次元の「絵」は再度三次元の「彫刻」になった事も面白いです。

(これらの絵や欄間彫刻や彫刻はWeb検索ですぐ見ることができます。)

そして、それはついに石になりました。

人間の想像力は次元や素材を超えて輪廻転生します。最後はやはり石でした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« テレビ番組2 | トップ | 石の会 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事