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鉱物の部屋へのいざない

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石が書いた字

2013-08-11 17:05:54 | 日記・エッセイ・コラム

今日は「石が書いた字」です。

ブログ更新を四日間休みました。その期間は諸用で多忙でした。書くべき事も多かったのですが、これから「石」に特化して書いていきます。

まず、先週の水曜日は久々の休日でした。その貴重な休日も石に関する事で過ごしました。今日はその事を少し書いてみます。

先日、ある知人から、面白い石の話が飛び込んで来ました。早速、その面白い石を見に行きました。

その石はこの写真です。

Photo

私は初めて見る石でした。その石は中国から運ばれてきた石という事で、石の表面に花模様の紋がいくつも入っていました。その石のサイズも大きなもので、重量は360kgある、という話でした。要はこの石を誰かに売りたいという案件です。

この石を見た瞬間、私は日本の渡良瀬川の桜石と同系統の石であろう、と推測しました。写真を撮らせてもらって、帰ってから調べました。

当初、「中国産の菊花石」で調べましたが、中々、検索では見つかりませんでした。そこで、書庫から「中国盆景の世界③ 奇石」(農文教 2000年発行)という本を取り出して、探してみると、その石そっくりの石が載っておりました。その石は河南産の牡丹石という石でした。そこで「中国産の牡丹石」としてWeb検索してみると、多くの情報を得る事が出来ました。

その牡丹石は中国河南省の洛陽が原産地となっており、集斑状輝緑ヒン岩という火成岩の一種でした。どうも結晶分化作用で斜長石が他の鉱物より先に大きく結晶成長して互いに引き寄せあって牡丹の花のような形になったようです。

この牡丹石は大型のものが多く、庭園および室内装飾品や工芸品として製品化されており、それほど珍しいものではないそうで、その値段も1トンあたり数十万円程で好きな加工も可能というものでした。もちろん、その値段は加工費、運賃は別途ですが、予想以上の低価格でした。

その事実をお知らせすると持ち主の方はガッカリした様子でした。

そのような牡丹石ですが、私はその牡丹石の表面に「石が書いた字」を幾つか発見しました。

それが次の写真です。

Photo_2
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Photo_5

上から「六花」、「芳」、「生」、「上田」という漢字のような模様が見て取れます。これは「石が書いた字」とも言えると思います。

「石が書いた字」の話題は昨年の正月に「土佐の菊花石」というタイトルで「寿」の字に見える石の事を書いた事があります。文字のような模様が見える石は珍品ながらこれまでにも幾つか見た事があります。「石」や「山」の文字が見える石は先の「中国盆景の世界③ 奇石」にも載っております。私は愛知県の「小菱屋」という豆腐屋さんで「小菱」という文字が見える石が飾ってあるのを見た事もありました。「石が書いた字」はそれだけで非常に貴重なものだと思います。その字に関係する人がその石を所有したいと思う事は自然な事だと思います。

私はその「石が書いた字」の話をその牡丹石の所有者にしましたが、話は前には進みませんでした。

私は「六花」、つまり「雪の結晶」ならば、それはそれなりの付加価値を付けて、その石の行き先は自ずと決まってくると思いましたが、話はすぐに終わってしまいました。珍品だけに残念な結果になってしまいました。

石の価値は人間が決めます。石と人間との関係はその石の所有者の価値観で決まります。そこには経済原理とは別次元の関係性があるはずです。そのような事を考えてしまいました。





コメント
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