少し前に、ラザニアのことを書きましたが、そのあとにふと気づいたことがあったので追記です。
まず、この国ではスパゲティやマカロニ以前にラザニアが定着していたこと。
90年代初頭、わたしが初めてアイルランドに来た頃ですが、パスタを食べられる店はとても少なかったと記憶しています。
アイリッシュの友人たちも、イタリアンがカジュアルに食べられるようになったのは、ケルティックタイガー以降だといいます。
それでも、ラザニアはずっとポピュラーな食べ物でした。
大衆食堂といった感じの、食事のできるカフェでは必ずといっていいほどある定番料理で、またどこで食べてもがっかりすることのない、信頼できる料理でもありました。
手間がかかるので家でつくることの少ない一品だったかわりに、デリカテッセンのテイクアウエイや冷凍食品ではよく見かけるので、自分でつくらないにしろ、家でも食べる人気料理のひとつといえそうです。
ラザニアが定着した理由のひとつは、たぶんつくりおきが可能だから。オーブンで温めなおしても、なんとかオッケーです。寒い国なので、あつあつを食べられる嬉しさもあったでしょう。
パスタが長いこと市民権を得なかったのは、食べにくさもあったかも。
今でも、スパゲティをナイフで短く切って、フォークにのせて食べてる人見かけるもん。
じゃあ、マカロニも一緒にポピュラーにならなかったのは?と考えると、パスタのゆで方に問題があったのでは?と思いあたりました。
アルデンテという概念が、アイルランド人に理解しづらいのかも。
日本人は麺の国に住んでいるから、アルデンテを解釈することが可能だったのでしょう。
アイルランド人にとって、麺は未知の食材でした。
中華だって、麺ものは今でも発展途上ですもん。焼きソバは具ばっかだし、汁麺は汁だくすぎるか、やはり具だくさんで麺の存在感なしのケースがほとんど。
アルデンテが理解できない理由のひとつは、これか!?と思い当たることがありました。
ハインツのフープスという缶詰です。チープな食品で、もう廃ったかと思ったら、つい先日スーパーで見つけました。おまけに缶のサイズが大きくなってて、ファミリー版?需要はあるわけね。
ビーンズと同じ、トマトというよりケチャップ味の汁で煮てある、わっかの形のパスタです。
不思議な食べ物でしょう?これをトーストの上にのせていただくの。
いったい、わたしはどこで最初にこれを食べたのだろう??
いかにも、こどもの好きそうな、けったいな食べ物なのですが、妙に病みつきになるのも否めません。
ふっと、この腰抜けのパスタが食べたくなって買ってみました。何年ぶりだろう?
朝、トーストの上にのせて、ブラックペパーをふんだんにかけて食べてみたら、おおーなかなかイケます。マークも「なつかしー」といいながら、けっこう喜んで食べてる。
これだ。きっと、この腰抜け腑抜けのパスタの食感が、アイルランド人に染み付いていて、それでアルデンテが受け入れられないのよ。そうに決まってる。
ラザニアは、アルデンテにしなくてもまあオッケーな食べ物ですから、これもポピュラーになった理由かも。
スパゲティのやわらかいのは、ソースにからめればまだ我慢ができるけど、マカロニのふぬけは、どうにもならないですよね。きっとアイルランド人も、そこは理解できたのでしょう。
もうひとつの問題は、パスタソースにすぐクリームを入れちゃうくせ。
さわやかなトマト味のパスタや、あっさりシンプルなボンゴレなどは、ここの人たちのお口に合わないらしく、まずお目にかかりません。
うーむ、きりっとしたペペロンチーネや、クリームでなくねっとりと濃厚なウニソースの手打ちパスタを教えてあげたい。
でもね、なんでも器用に取り入れてしまわないところが好ましかったりするんですけど。
*メッセージをいただきました。*
ワーホリでアイルランドにいらしてる、はなこさん。ありがとう。
いっぱい、おいしいもの食べていってくださいね!
ワーホリ、人気が高まってきてますね。コークのイングリッシュマーケットや、サンディコーヴのフーディ(くいしんぼう)が集まる場所で働いている日本人の方に何人かお目にかかりました。
楽しそうに働いてらしてて、嬉しくなります。いい体験していってくださいね!!
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90年代初頭、わたしが初めてアイルランドに来た頃ですが、パスタを食べられる店はとても少なかったと記憶しています。
アイリッシュの友人たちも、イタリアンがカジュアルに食べられるようになったのは、ケルティックタイガー以降だといいます。
それでも、ラザニアはずっとポピュラーな食べ物でした。
大衆食堂といった感じの、食事のできるカフェでは必ずといっていいほどある定番料理で、またどこで食べてもがっかりすることのない、信頼できる料理でもありました。
手間がかかるので家でつくることの少ない一品だったかわりに、デリカテッセンのテイクアウエイや冷凍食品ではよく見かけるので、自分でつくらないにしろ、家でも食べる人気料理のひとつといえそうです。
ラザニアが定着した理由のひとつは、たぶんつくりおきが可能だから。オーブンで温めなおしても、なんとかオッケーです。寒い国なので、あつあつを食べられる嬉しさもあったでしょう。
パスタが長いこと市民権を得なかったのは、食べにくさもあったかも。
今でも、スパゲティをナイフで短く切って、フォークにのせて食べてる人見かけるもん。
じゃあ、マカロニも一緒にポピュラーにならなかったのは?と考えると、パスタのゆで方に問題があったのでは?と思いあたりました。
アルデンテという概念が、アイルランド人に理解しづらいのかも。
日本人は麺の国に住んでいるから、アルデンテを解釈することが可能だったのでしょう。
アイルランド人にとって、麺は未知の食材でした。
中華だって、麺ものは今でも発展途上ですもん。焼きソバは具ばっかだし、汁麺は汁だくすぎるか、やはり具だくさんで麺の存在感なしのケースがほとんど。
アルデンテが理解できない理由のひとつは、これか!?と思い当たることがありました。
ハインツのフープスという缶詰です。チープな食品で、もう廃ったかと思ったら、つい先日スーパーで見つけました。おまけに缶のサイズが大きくなってて、ファミリー版?需要はあるわけね。
ビーンズと同じ、トマトというよりケチャップ味の汁で煮てある、わっかの形のパスタです。
不思議な食べ物でしょう?これをトーストの上にのせていただくの。
いったい、わたしはどこで最初にこれを食べたのだろう??
いかにも、こどもの好きそうな、けったいな食べ物なのですが、妙に病みつきになるのも否めません。
ふっと、この腰抜けのパスタが食べたくなって買ってみました。何年ぶりだろう?
朝、トーストの上にのせて、ブラックペパーをふんだんにかけて食べてみたら、おおーなかなかイケます。マークも「なつかしー」といいながら、けっこう喜んで食べてる。
これだ。きっと、この腰抜け腑抜けのパスタの食感が、アイルランド人に染み付いていて、それでアルデンテが受け入れられないのよ。そうに決まってる。
ラザニアは、アルデンテにしなくてもまあオッケーな食べ物ですから、これもポピュラーになった理由かも。
スパゲティのやわらかいのは、ソースにからめればまだ我慢ができるけど、マカロニのふぬけは、どうにもならないですよね。きっとアイルランド人も、そこは理解できたのでしょう。
もうひとつの問題は、パスタソースにすぐクリームを入れちゃうくせ。
さわやかなトマト味のパスタや、あっさりシンプルなボンゴレなどは、ここの人たちのお口に合わないらしく、まずお目にかかりません。
うーむ、きりっとしたペペロンチーネや、クリームでなくねっとりと濃厚なウニソースの手打ちパスタを教えてあげたい。
でもね、なんでも器用に取り入れてしまわないところが好ましかったりするんですけど。
*メッセージをいただきました。*
ワーホリでアイルランドにいらしてる、はなこさん。ありがとう。
いっぱい、おいしいもの食べていってくださいね!
ワーホリ、人気が高まってきてますね。コークのイングリッシュマーケットや、サンディコーヴのフーディ(くいしんぼう)が集まる場所で働いている日本人の方に何人かお目にかかりました。
楽しそうに働いてらしてて、嬉しくなります。いい体験していってくださいね!!
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パスタまだまだ 波及していないのですね
いろんな食べ方があり おもしろいです
ありがとうございます
イングランドの「スパゲッティ・オン・トースト」という料理だと思われます。
うどんみたいに煮て作ったナポリタンを、おなかを膨らませるためにカリカリトーストに乗せた、という、イタリア人から見れば罰当たり極まりない料理ですね。
しかし、ヨーロピアン系の人は、パスタ以外の料理では、何故形も歯ごたえも無くなるまで煮込むのでしょうね?