トドクロちゃんと山登り

自然が好きで日本アルプスと近郊の山登り。
高山植物や四季折々の花を愛で。
史跡・歴史・ドライブがすきな自由人です。

あと30分で・・・強風の稜線で撤退(八ヶ岳:赤岳)

2011年04月03日 | データ

■2011.04.02 今年の冬山最終章は南八ヶ岳の主峰赤岳と決めていた。予定は3月で準備したが今回の大地震で自粛する事にした。
そして月が変わった最初の土曜日に山行を決めた。
深夜1:40に自宅を出発し美濃戸口の八ヶ岳山荘に5:10に到着、準備をし出発したのが5:45。
ここから美濃戸山荘までは林道歩き、車で山荘まで入る事が出来るがワダチが深いので車高の高い四駆のSUVでないとこの時期はきつい。

6:36 美濃戸山荘。山荘前では数人のグループが準備をしている。

南沢経由で
トレースはしっかりしているし、凍結部も今年は冬が長かったせいか少ない。
樹林帯を約2時歩かなければ行者小屋には着かない、汗をかかない様に注意し行く。

8:28 行者小屋に到着、小屋は閉まっているがトイレは使える。軽く食事をしアイゼンを装着しストックをピッケルに持ち替える。他の登山者もここでアイゼンを装着している。

小屋の前を抜けしばらく行くと文三郎尾根に取り付く、ここからはしばらく直登が長く続く。『フラットキック』や『逆ハの字』登高だけではアキレス腱や脛の筋肉が攣るのでフロントキックや斜登高を各種組合せ登高する。
先行者を交わせるが、初めての赤岳それも雪山という事でゆっくり着いて行く事にするがこれが後で裏目に出る。

天気は良い(この写真は下山時)

10:20 阿弥陀岳への稜線分岐に出た。

ここで山の下から強烈な風が吹き出した。全ての風がこの稜線に集まって強風となっているのか?
ピッケルで支えているだけでは飛ばされそうだ、必然的に『耐風姿勢』を取るしかなかった。

ここで数名が停滞、飛ばされそうで行動できる状態ではない。
阿弥陀岳の登高途中のパーティーも近くの岩陰に入り停滞しているが此方は稜線で身を隠す場所も無い。
約20分じっと我慢するが体温を奪われるだけで風は止まない一人が撤退を決め下山するとその場にいた数名(私も含む)も撤退を決め斜面をトラバースし標高を下げる。
ここは頂上まであと30分の場所。

『また来るさ』・・・

と自分に言い聞かせ標高をさげる。

部分拡大。吹雪ではないのでまだ余裕はある。

稜線から下がると風は弱くなる。

赤岳。

大同心、小同心の横岳。
実は赤岳登頂後に体力と時間とトレースが明瞭なら横岳~硫黄岳縦走も視野に入っていた。

下山で一箇所、ピッケルを支点にして後ろ向きで降りる場所も難なくやり越し行者小屋に着く。
小屋前では多くの同行者が食事タイムを取っている。ここで残念会と山談議で心地良い時間を過ごす。

下山は赤岳鉱泉を経由して北沢で戻ります。

赤岳鉱泉の『アイスキャンディ』

本州鹿が眼見してきます。この上に子供鹿がいました。

雪目の症状が少し出はじめる。
なるべく影を通り、雪でまぶた冷やしながら薄目で美濃戸山荘に着く。

更に林道を50分歩き。
14:30 赤岳山荘に。

今日は気温が上がり下山時の林道ではかなり雪解けが進んだ、雪も下山時では腐り始めていた。
今日は冬山→春山への分岐のような気がした。

今年の冬山は3回、ほぼアイゼンワークとピッケルワークの基礎は習得できたと思う。

このサイトの主は2003年11月に、妙義の星穴岳で帰らぬ人と・・・・・

初級向きの雪山であるが『雪山の面白さをと厳しさ知ってしまった』今後も安全に注意しながら雪山を楽しんで行こうと思う。

下山後は樅の木荘の温泉に入り、コンビニ食を食す。
諏訪南ICから高速に乗るが流石に眠いPAで仮眠を取り20:30帰宅。 疲れた~

■行動時間 5:45-14:30 9:45
■車移動距離:555km(往復)