カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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山形県庄内に一時暴風雪警報が 雲画像で雲輪郭はっきりは局地的強風に要注意!

2010-03-27 23:50:38 | インポート

①3月27日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②3月27日9時気象庁発表AXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③3月27日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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3月27日は、引用図①より、日本列島では、等圧線はさほど混んでいなく,各地とも、風はそんなに強まらないと考えるでしょうね。

しかし、27日9時頃から15時頃まで、東北日本海沿岸部から新潟県下越沿岸部や佐渡では、南西~西よりの強風に見舞われました。

山形県の飛島では、最大瞬間風速が10時41分に西南西の風30mを観測し、10分間の平均風速の最大でも、11時05分に25mを観測しましたし、秋田県から新潟県にかけての沿岸部では、軒並み10分間の平均風速の最大で15m以上を観測しました。

このカラクリは何か?引用図①の地上天気図だけを見ていてはなかなか判りません。上空の強い風が地表付近にまで及んだことです。

まず、引用図②③をご覧いただきましょう。27日9時現在の様子ですが。

引用図②より、北海道の西には、低気圧に伴う雲の集団がありますが、当該雲の集団の南西側では、帯状となっており、雲の輪郭はくっきりしています。

引用図③(上側図)より、上空500hpaで、東北地方日本海側には正渦度移流域となって、特筆するべきは、等渦度線が非常に混んでいます。引用図③(下側図)より、引用図②で、雲の集団が見られた北海道の西から山形県域上空3000m付近では、上昇流が大変混んでおり、特に風速が強まった山形県沿岸から秋田県沿岸にかけては、下降流と上昇流とのコントラストが大変大きい部分に入りかけています。そして、当該、下降流と上昇流とのコントラストが大変大きい部分のすぐ南西側では、上空1500m付近で風速40ノット(西南西風)と大変強まっています。

今回の強風は、局地的に強まった上昇流が雲を発生発達させるばかりでなく、周辺部の上空から強い風を地表付近に吹き降ろして、引き起こされたと言えるでしょう。

今回のような強風が発生する目安として

Ⅰ:雲画像上で、雲の輪郭がはっきりしている

Ⅱ:上空500hpa(5500m付近)で等渦度線が混んでおり、上空3000m付近での下降流と上昇流のコントラスが大きい

Ⅲ:上空1500m付近の風速が強い(この付近で風速40ノット以上であれば、地表では暴風警報クラスの風速となりうるものです。)

以上です。

もっとも、前記Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの条件が全て出揃った場合に、地表で強風となりますが、逆に、当該条件が出揃わなくなると、地表の風速は次第に弱まってしまいますので、強風となる範囲は局地性が強く、比較的短時間(数時間程度)で弱まってしまうと言う特性があります。


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