カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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雲画像でわかる 低気圧の前側の曲者はこれ!

2013-02-27 23:50:32 | インポート

①2月27日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月27日9時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用・加工

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2月26日夜から2月27日にかけて、東シナ海から前線を伴なった低気圧が本州に進んできて、本州南海上を西から東へと進みました。

この低気圧に向かって、南から暖湿流が流れ込んだため、雨雲が発達し、九州南部では、ところにより24時間で100㎜を超す、この時期としては珍しい大雨となった箇所もあります。

ただ、この低気圧、引用図①②を重ねてみると、低気圧の中心の北東側に、おもに白く輝く雲の集団があり、この雲の集団、北へ お椀をかぶせたような ⌒ 型をしています。

低気圧に伴う雲の集団が前記のような形をする場合、低気圧の東側に比較的勢力の強い高気圧があり、低気圧の北東側の ⌒ 型をした雲の集団は、当該高気圧の後面の外縁を廻るようにして、暖湿流が低気圧の前側に流れ込んでいるために形成されたもので、とりわけ、関東南岸から伊豆諸島近海にかけて、このような ⌒型の雲の集団が発生しやすいものです。

この、⌒ 型の雲集団は、以下の特徴があります。

ⅰ:高気圧の後面の外縁を廻るようにして流れ込む暖湿流が関東東海上の気流の関係て風向が変化し、関東平野には、北東~北より風となってしまう場合に発生しやすく、関東南岸~伊豆諸島近海に風向の明瞭なシアーラインが発生しています。

ⅱ:当該シアーライン上に ⌒ 型雲集団発生して、低気圧としてまとまることも多いものですが、天気図上には、この低気圧は解析されにくいのも特徴ですが、局地的に大雨や強風を伴うことも多いものですから油断できません。

ⅲ:この ⌒ 型雲集団が発生している箇所での上空1500m付近の相当温位分布を見ると、等温位線が混んでいる状態となっています。

2月27日の場合、前記したシアーラインが朝方から伊豆諸島北部付近に発生し、⌒ 型雲集団が当該シアーライン上に発生した様子で、シアーラインの南側にあたった三宅島では、27日5時から南~南西風が強まり、三宅島坪田(三宅島空港)では、6時には南風で、7時には南西風でそれぞれ風速19m(10分間平均毎秒値)の強風を観測し、この時刻辺りで三宅島付近に雨雲が発達して、27日8時までの1時間に、20㎜~30㎜の強い降水を観測しています。


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