①10月8日6時の天気図 気象庁HPより引用
②10月8日6時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用
台風18号は、8日午前5時頃、愛知県知多半島付近へ上陸しました。
台風の本州上陸は、平成19年9月6日に神奈川県小田原市付近へ上陸した台風9号以来2年ぶりとなります。
台風18号は、上陸後、本州を縦断しており、8日午前中、首都圏のJR各線がほぼ運転見合わせとなるなど、交通機関に大きな影響をもたらし、強風などで、民家の破損や怪我人の被害も発生しています。
台風接近時は、台風の勢力や暴風域、強風域の範囲などに注意がいってしまいますが、あまり、暴風域、強風域の位置に固執しないほうが良さそうですね。と言うのは、台風の強い風も、究極的には、気圧経度が大きくなることで起こるものですから。暴風域や強風域以外の地域でも、強い風に見舞われることも多いものです。
台風接近時には、地表付近の風向風速のみならず、上空(1500m程度)の風向風速の状態にも注意!地表付近が比較的風速が弱めであっても、風向のコントラストが大きくなっていて、上空1500m付近の風速が強く(おおむね40ノット以上、風速で22~23m以上 となっている場の所へ、台風を取り巻く雲の帯(アウターバンドなどと呼ばれていますね。発達したものであればな尚更です。)が通過する場合は、局地的に竜巻や突風が吹きやすくなるから要注意です!!
これは、気流の鉛直シアーが地表付近にかけて大きくなっている状態(地表から鉛直方向へ気流が上昇している部分と下降している部分とが交互に発生している状態)のところに、上空を台風のアウターバンドが通過すると、当該台風のアウターバンドの発生箇所も気流の鉛直シアーだ大きくなっている箇所ですから、気流の鉛直シアーが一層増大し、局地的に気流が収束する場(その隣接部分では気流が局地的に発散下降する場となります。)を形成し、狭い範囲に竜巻や突風を発生させるようになります。
8日5時頃、茨城県土浦市~龍ヶ崎市付近と、千葉県九十九里町付近で突風被害が発生しましたが、次の引用図をご覧ください。
④10月8日5時の関東地方周辺アメダス風向風速分布図 気象庁HPより引用
⑤10月8日5時の日本付近ウインドプロファイラー風向風速分布図 気象庁HPより引用
⑥10月8日5時の関東~東海地方周辺レーダーエコー合成図 気象庁HPより引用
引用図④⑤より、突風発生当時、茨城県土浦市~龍ヶ崎市付近では東~北東風と南より風とが、千葉県九十九里町付近では、南西風と南東風とが風向の明瞭なコントラストを形成している様子が判りますが、引用図⑥より、これら、風向の明瞭なコントラストが発生している地域に、台風の発達したアウターバンド(外縁の雲)の一部が掛かっていることが判りますよね。
実は、関東平野や濃尾平野~伊勢湾岸、静岡県沿岸や四国平野、宮崎平野など、海岸に向かって平野が発達している箇所は、今回と同様な原因で発生する竜巻や突風災害が頻繁に発生している、まさに常襲地帯 と言えます。
おにいさまのお住まいの東京都内もかなりの混乱のようでしたが、こちら神戸市内でも、8日未明から明け方にかけて、大変な暴風雨でしたね。ここ数年来なかった凄さでしたよ。
神戸市内でも、最大風速25mを超えましたからね。凄かったでしょうね。どうやら、今回の神戸市内の凄い風は、六甲山系を吹き降りるおろし風の要素も大きかったように思われます。台風18号の進行方向左側では、下層で寒気移流となっていましたからね。