カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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日本海側で大雪続く 大雪範囲濃尾平野にも 東京では初霜初氷

2009-12-19 23:51:45 | インポート

①12月19日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月19日9時気象庁発表AXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③12月19日9時の本州付近雲画像図(赤外画像) 気象庁HPより引用・加工

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④12月19日22時現在日本全国24時間降雪量分布図 気象庁HPより引用

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12月19日も、日本海側では、北海道から九州まであちことで大雪が降り続きました。

引用図②の上側図より、19日は、上空500hpa付近の帯状の正渦度移流域(イコール上空3000m付近の上昇流域)は北陸地方から東海地方周辺へと位置し、大雪の中心は北陸地方や東海地方北部中心となりました。

19日22時までの24時間に、福島県只見で77cm、群馬県藤原で66cmを観測したほか、北陸地方や東海地方北部では、軒並み50cmを超えています。

また、引用図②③より、上空500hpa付近の帯状の正渦度移流域(イコール上空3000m付近の上昇流域)は北陸地方から東海地方周辺へと位置したことと、上空1500m付近の風向が、東海地方上空ではおおむね北西風となったため、日本海で発生した雪雲が若狭湾から濃尾平野へと続く地形的な鞍部に入り込んで来ました。(引用図③)

このため、日本海側のみならず、東海地方の濃尾平野周辺でも19日午前中を中心にして本格的な降雪となりました。岐阜では20cmの降雪、名古屋でも初雪を観測しています。

Ⅰ:若狭湾上空~濃尾平野1000mから1500mの風向がおおむね北西風~西北西風で風速が15m以上、

Ⅱ:北陸地方各地で大雪警報クラスの降雪となっている場合

Ⅲ:上空500hpa付近の帯状の正渦度移流域(イコール上空3000m付近の上昇流域)は北陸地方から東海地方周辺へと位置している。

以上3つを満たす気象条件の場合、例外なく、名古屋市周辺でも大雪注意報クラズ(5cm~10cm)以上の降雪量となりますが、今回19日は、前記Ⅰの若狭湾上空~濃尾平野1000mから1500mの風向がおおむね北西風~西北西風であるものの、風速は15m以上には今一歩であったため、名古屋市周辺では降雪量を観測するまでには及びませんでした。

一方、19日朝方は、関東地方各地でも冷え込みが強まり、東京(気象庁のある千代田区大手町)では、最低気温2・2℃となり、初霜(昨年より4日遅く)と初氷(昨年より8日早く)を観測しました。

⑤気象庁の観測露場(筆者撮影)

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