カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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8日朝は、久々に冬らしい朝の関東地方、だがこれからの天気は?

2009-12-08 23:55:57 | インポート

①12月8日6時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月8日6時の関東周辺アメダス気温分布図 気象庁HPより引用

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暖冬傾向であった関東地方ですが、12月8日朝方は、上空に寒気が流れ込み、昨夜から晴れ渡ったため、各地とも冷え込みました。

宇都宮、水戸、秩父や山梨県の甲府では本シーズン初の冬日(最低気温が氷点下)となりましたし、東京都下八王子でも、最低気温が-0・4℃を観測し、初氷を観測しました。

東京都心(気象庁のある東京都千代田区大手町)では6・2℃まで下がりましたが、これでほぼ平年並み(正確には平年より0・6℃高い)の最低気温でした。

引用図②より、埼玉県中央部に気温の高いエリアがありますが、これは、昨夜から北西風がやや強まったため、気温が下がりにくかったと考えられ、他の地域を見ると、東京や横浜、千葉などの都心部で相対的に気温が高くなっていますね。

東京都心と都下八王子と比較すると、およそ7℃も気温差があります。都心部のヒートアイランド現象が顕著ですよね。

さて、引用図①より、日本海に中心がある高気圧は、その中心を、次第に本州の東海上に移りつつありますが、高気圧の中心が本州の東海上へ移りつつあり場合、関東南岸から東海地方沖の雲の様子に気をつけましょう。

関東地方あたりで朝方冷え込んだが、本州付近を覆う高気圧の中心が本州の東海上へ移りつつある場合で、関東南岸から東海地方沖に帯状の雲の集団がある場合(当該地域には気流のシアーラインがあり、このシアーライン上で雲が発生発達したものです。)、例外なく、当該雲の帯は次第にまとまりながら発達し、コンマ型(勾玉型)の雲の集団となって、関東地方(特に南部)や静岡県東部伊豆などに広がり、時ならぬ雨や雪を降らせるようになります。

このメカニズムは、本ブログで昨年12月1日の記事出紹介していますが、高気圧の中心が本州の東海上へ移動すると、関東の南海上から関東平野に向かって暖湿流が入り込むようになり、かつ、関東の東海上から関東平野には、件の、北東気流を呼び込むようになるためです。

事実、8日夜には、東京都内あたりでも雲が厚くなってきましたし、レーダーエコー図を見ると、関東南岸から東海地方沖にかけて、降水域が広がってきました。

③12月8日21時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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