カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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大雪の範囲は徐々に北陸や東海北部へ 筋状雲の中でも団子型は要注意!!

2009-12-17 23:57:23 | インポート

①12月17日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②12月17日9時気象庁発表AXFE578図 日本気象予報士会HPより引用

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③12月17日9時の本州付近雲画像図 気象庁HPより引用・加工

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④12月17日23時の24時間降雪量分布図 気象庁HPより引用

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12月17日も、東北地方南部から北陸地方中心に大雪にも見舞われました。

昨日16日と比較すると、引用図②上側図より、上空550hpaの帯状の正渦度移流域の位置が少し南西方向へ移動したのに伴い、冬型気圧配置に伴なって発生する筋状雲が発達して形成する帯状雲の位置が、引用図③より、やや北陸地方側に移動しています。

このため、17日は、特に降雪量の多い地域は北陸地方から東海地方北部に移り、引用図④より、岐阜県の一部では、17日23時現在、24時間降雪量が50cmを越えた箇所もあります。

上空の寒気の流れ込み具合が、本州付近で一層増していることを示すものですが、更に、引用図②の上側図に注目です。日本海北西部~北陸地方に延びる上空500hpaの帯状の正渦度移流域の北西側、朝鮮半島付近から日本海北西部にかけてに正渦度がU字型に分布している箇所が進んできて、前記帯状の正渦度移流域と合流し始めてきました。

この、正渦度がU字型に分布している箇所は、上空500hpaの気圧の谷ですが、前記、上空500hpaの帯状の正渦度移流域に、更に、上空500hpaの気圧の谷が重なり合う箇所の前側では、当該帯状雲はより一層発達して、渦巻き型の雲の集団が、団子状に幾重にもつならるようになります。(引用図③参照)当該箇所で、低気圧が発生することも多いものです。

こうなりますと、前記した、渦巻き型の雲の集団が通過する際に、特に降雪が強まり、当該渦巻き型の雲の集団の進行方向右側や後側外縁部では、局地的に突風が吹き荒れやすくなりますね。要注意!!です。