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カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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記兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)から20年! 繰り返し言います!地震は揺れ方の個性が豊富です!)

2015-01-17 00:34:22 | 日記

Kasoku_outou



②兵庫県南部地震発生時の神戸海洋気象台(兵庫県神戸市中央区中山手。震央距離16・5㌔)の加速度、速度、震度波形図 気象庁HPより引用


③㍻12年10月6日発生 鳥取県西地震発生時の境測候所(鳥取県境港市東本町。震央距離31・4㌔)の加速度、速度、震度波形図 気象庁HPより引用


ちょうど20年前の午前5時46分 兵庫県明石海峡の深さ約20㎞を発端とした地殻破壊は、淡路島北部 それに、神戸市南沖の計2つの地殻破壊が連なり、マグニチュード7・2の大地震を発生させて、神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市と淡路島北部の広範囲に震度7の猛烈な地震動を引き起こし、死者約6500人 全壊家屋10万以上の甚大な被害を引き起こしました。これぞ、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)です。



この兵庫県南部地震では、昨年の1月17日に本ブログにての記事でも紹介しましたように、建造物の倒壊被害が甚大でありました。



◇揺れ方の継続時間 ですが、地震の規模が大きくなるほど、揺れの継続時間は長くなります。地震の規模が大きいほど、地震波を引き起こす地殻が変動する面積はより広くなるからです。



◇揺れ方の周期 は、地震を引き起こす地殻変動の速度や地殻の硬軟、地殻変動が複数にわたってドミノ崩しのごとく発生したか、地震波が地殻変動で引き起こされて地表に達するまでの間、地震波同士が地形的特性などで、屈折を受けてきたかどうか、によります。変動する地殻が軟らかいほど、発生する地震波の周期は長くなります。



ここで、引用画像①②③をご覧ください。



引用画像②は、、兵庫県南部地震と、その後の、おもな強い地震の主な観測地点における、発生した地震によって、おのおのの固有周期を持つ建造物でどれほどの加速度(瞬間的な揺れの強さ)をさせたか、図示したものですが、一般的に、平成15年5月発生の宮城県沖地震のように、比較的震源の深い地震は、短い周期の部分に高い加速度(短い周期で強い揺れ)があるものです。



そこで、図内赤字で表示されている、兵庫県南部地震時の神戸海洋気象台(神戸市中央区)は、周期0・3秒~0・4秒 0・7秒~0・9秒で高い加速度を記録しており、この周期の揺れが特に強かったと言えますね。



さらに引用図②③より兵庫県南部地震発生時の神戸海洋気象台や大阪管区気象台では、双方の地震の規模(兵庫県南部地震と鳥取県西部地震はともにマグニチュード7・3)で、震央距離も神戸海洋気象台のほうが短いにもかかわらず、波形(揺れ)の継続時間が境測候所よりも長くなっています。
一般に、周期の短い地震波は地震発生食後からすぐ発生して、すぐ減衰してしまいますが、地震波の周期が長くなるほど、当該地震波は減衰しにくく、継続時間も長くなります

これに対して、建造物は、おおそ、0・7秒以上の周期で大きく揺れ易くなる(この周期の地震波がやってくると建造物は共振して、揺れがよりいっそう大きくなる)という性質があります。兵庫県南部地震は、建造物を共振させうる周期の地震波が強かったため、建造物がいっそう共振して激しい揺れを引き起こし、大きなダメージを与えたため、建造物の倒壊被害が顕著であったわけです






平成27年は、寒気襲来と大雪で始まる!上空寒気+上空谷で、時ならぬ広範囲で大雪に!

2015-01-02 22:24:27 | 日記

平成27年元日、日本付近上空を、石川県輪島上空5500m付近で-40℃以下という、大変強う寒気に覆われました。その所へ、日本海から本州上空へ、上空5500m付近のの気圧に谷(上空3000㍍付近の上昇流域)が通過したため、本州付近では、大気が不安定となり、雪雲や雨雲が発達しやすい気象条件となったため、日本海側のみならず、太平洋側でも、時ならぬ降雪や降雨に見舞われて、京都では、1日18時までに、積雪16㌢を観測したほか、東京都心でも1日午後、降雪を観測して、㍻18年以来9年ぶりの元日の降雪となりました。

この様子を以下の引用図基に解説していきます


①1月1日9時の天気図 気象庁HPより引用


②1月1日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像)気象庁HPより引用・加工


③1月1日15時の天気図 気象庁HPより引用


④1月1日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像)気象庁HPより引用・加工


引用図②より、1日9時現在、日本海より水蒸気画像上で、帯状に白くぼやけた区域 A が現れていますが、この A は、上空3000m付近の上昇流域を表現しています。

さらにこの A は、大陸にかけて、U 字型に分布しておりますが、上空3000m付近の上昇流域がこのような軌跡をとる場合、当該、上空3000m付近の上昇流域の北西~北側に、500㍱(上空およそ5500㍍付近)の気圧の谷がある証拠で、気象学上のややこしい言い回しになりますが、当該気圧の谷に伴う、500㍱(上空およそ5500㍍付近)の正渦度移流の前側に伴って、上空3000m付近の上昇流域が分布していることなのです。

引用図②内、A の影響を受けて、季節風に伴う筋状雲の一部がとりわけ発達した雲の集団 B を形成していますが、その箇所は、引用図①より、地上天気図上では、等圧線が袋型になって、北西風と西寄り風とが収束している様子を示していますね。

そして、1日15時になりますと

引用図③より、前記、引用図②上での A は、本州上空までに進んでいます。B は、日本海中部から西部での気流の収束がはっきりしなくなったのでしょか。その存在がはっきりしなくなっていますが、 A が本州上空への移動とともに、一部が、北陸地方や近畿地方北部へ移動して、その形がはっきりしなくなったと考えられますね。
(引用図⑤⑥より)

⑤1月1日9時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象予報士 西村氏主宰 気象舎HPより引用



⑥1月1日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象予報士 西村氏主宰 気象舎HPより引用



更に、
⑦1月1日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図(上空1000㍍から3000㍍まで)気象庁HPより引用


⑧1月1日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図(上空1000㍍から3000㍍まで)気象庁HPより引用


共々併せて検討すると、1日9時頃、西寄り風と北西風とが収束状態であった関東地方南部には、前記、上空3000m付近の、
帯状の上昇流域が本州上に到達した1日15時頃には、ほぼ東西方向に帯状に降水域(雪雲や雨雲)が発生してきました。
このために、東京でも9年ぶりの元日の降雪となったわけですが、

近畿地方周辺に目を向けますと、
福井や鳥取では、、上空1000㍍や2000㍍では、1日9時にはおおむね西寄り風でありましたが、1日15時には、おおむね北寄り風になってきています。

更に、引用図⑤⑥より、1日15時になると、紀伊水道付近にも、筋状の降水域が現れて、近畿地方北部のみならず、京都や大阪神戸といった、近畿中部地域の広範囲にかけても、降水域に覆われている様子が解ります。

こういった冬型気圧配置時で、紀伊水道に筋状降水域が発生する場合は、近畿地方上空の寒気が強く、近畿北部沖でおおむね北より風の場合ですね。前記したような上空3000m付近の上昇流域が日本海中部〜西部から近畿地方を通過する場合、先行して発生していた日本海中部〜西部の発達した降水域が近畿地方へ一部南下することと、近畿地方北部から中部にかけて、ほぼ南北方向へ地形的な鞍部となっている箇所が多いため、近畿地方北部のみならず、中部や南部にまで降水域がかかり、特に京都や大阪、神戸といった京阪神地域も、時ならぬ降雪に
見舞われますから、注意が必要ですね!


ちなみに、京都では、1日昼過ぎから降雪となった様子で、以下に、1日14時から18時までの1時間降雪量を記しました


13時〜14時・・・・・1㌢  

14時〜15時・・・・・2㌢   

15時〜16時・・・・・4㌢  

16時〜17時・・・・・3㌢

17時〜18時・・・・・6㌢  ※1日18時までの積雪は16㌢を観測

改めて、しっかり認識しましょう!冬型気圧配置時の降雪の特徴について

2014-12-11 18:03:23 | 日記
今週後半より、本州付近では冬型気圧配置が強まり、本州の上空には、強い寒気がやってきて、
日本海側の各地では、広範囲で大雪のおそれがでてきました。

冬型気圧配置時の降雪について、上空の寒気の勢力が強いほど雪雲が発達して、併せて、上空の風速が強いほど、当該雪雲は風下側の広範囲に流されるわけですが、雪雲がどのような形で、どこから流れ込んでくるかによって、降雪量が左右されるということになりますが、冬型気圧配置に伴う雪雲というもの、本州の意脊梁山脈の斜面沿いのみならず、本州の脊梁山脈の地形的鞍部で強まり、当該地形的鞍部の分布する方向へ流れ込みやすいという特性(筆者調べ)をご存知でしょうか?

私自身、この、冬型気圧配置時の雪雲が強まったり、流れ込みやすい方向を見極めるのに、標高1000㍍以上で、地形的に鞍部になった地域の鞍部の形状と、上空1000㍍以上での風向とが一致する地域とを注目しています。当該箇所で、雪雲が強まりやすく、当該地形的鞍部の走向にそって、雪雲が流れ込みやすく、降雪量がが多くなりやすいですね。

では、そういった地域はどこか?というと、本州を北から、

<上空1000㍍以上でおおむね北西風の場合>

:青森県南東部から秋田県北東部をへて岩手県内陸部にかけて

:秋田県南東部から宮城県北西部にかけて

:山形県南東部から山形・福島県境から福島県北部にかけて

:北アルプス中部の鞍部から長野県松本周辺にかけて

:若狭湾より、岐阜県関ヶ原周辺を経て、濃尾平野周辺にかけて

:中国山地の地形的鞍部を経て瀬戸内地域

:関門海峡から周防灘を経て四国西部にかけて


<上空1000㍍以上でおおむね西寄り風の場合>

:山形県から宮城県にかけての地形的鞍部沿い

:新潟県下越地域から阿賀野川沿いを経て、福島県会津地域周辺

:長野県南部から中部にかけて

:四国山地周辺
といった地域でしょうか。

以上掲げた地域のどこで多くの降雪になるか?ですが、
それは、

◆500hpaの正渦度移流域に伴う上空3000㍍付近の上昇流域 

にそって多くの降雪が観測されるものですね。(筆者調べ)

①冬型強まった 12月6日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用



この日は、上空1000㍍以上の風向が 本州の東北地方あたりで おおむね北西風、西日本で、おおむね、北西から西寄り風といった風向でしたが、前記した地域で
降水(大部分が降雪の様子と思われますが)がまとまっている様子がわかりますよね。



さらに、降雪が予想される場合、雨か雪かの区別が気になるところですが、僅か1℃程度の差で、みぞれ から 積雪 となったりします。油断なりません。

◆(筆者自身の調査による)降水量をX(単位㎝とすること に注意!) 湿度90%とすると そのときの積雪量Y(単位㎝)の間には、以下の法則があります。

気温2・5℃以下で・・・・・みぞれ

気温1・5℃以下で・・・・・降雪となる

気温1・25℃・・・・・Y=5X

気温0・75℃・・・・・Y=7X

気温0・25℃・・・・・Y=10X

気温-0・25℃・・・・・Y=15X

気温-0・75度・・・・・Y=20X

となります。

この法則から、同じ降水量でも、気温が低いほど積雪量は増えることになりますが、仮に湿度90%で、降水量が10㎜とすると 10㎜は1㎝ですので

気温1・25℃・・・・・5cm  

気温0・75℃・・・・・7cm

気温-0・75℃・・・・・20cm  の積雪となるわけです。

22日夜、長野県北部で強い地震!改めて、地震は個性豊富な自然現象です!

2014-11-23 12:43:49 | 日記
引用画像は、22日22時08分に発生した地震の震央と各観測地点(甲信越地域中心)震度分布図です。気象庁HPより引用・加工


22日22時08分頃,長野県北部(北緯36.7度、東経137.9度で、
震源の深さは約5km、地震の規模(マグニチュード)は6.8と推定される強い地震がありました。

震度5弱以上を観測した観測地点は次の通りです。
(地点名称の後ろ*印の地点は気象庁以外の震度観測点についての情報です。)

震度6弱 <長野県>長野市戸隠*長野市鬼無里*小谷村中小谷*小川村高府*

震度5強 <長野県>長野市箱清水長野市豊野町豊野*長野市中条*白馬村北城*信濃町柏原          東裏*

震度5弱 <長野県>長野市信州新町新町*長野市大岡*中野市豊津*大町市八坂*飯綱町牟          礼*飯綱町芋川*
     <新潟県>糸魚川市能生* 妙高市関川*


震源の深さと地震の規模が今回と同程度の地震が発生した場合、震源地付近では、地盤の良し悪し等の条件次第で、震度7程度の揺れに見舞われてもおかしくはありません(この点、本ブログの平成19年4月15日の記事も参照ください!)。また、観測地点周辺では、観測地点発表震度より、場合によっては、計測震度で0・7以上(震度階級で2段階程度以上)異なることは珍しくありません。地震の揺れ方、被害分布は局地性がたいへん強く、語弊承知な言い方ですと、個性が非常に豊富であるといえますね。

地震発生後、各メディアの報道では、長野県白馬村の神代地区の被害痕跡を放映されています。殆どすべての民家が倒壊もしくは被害を受けている様子がわかりました。
この神代地区、地図をみますと、地形的に窪地になっているようで、こういった、地盤の良しあしなどの地形的特性などが要因で、地震の揺れが局地的に相当増幅された
ようにも思われます。

さらに、今回地震が発生した地域周辺は、火山性地質が分布し、比較的地層が脆い個所が多くなっていますから、今後、余震が非常に多発しやすいと思われます。
強い余震による、建造物の倒壊、破損や、土砂災害には、充分に警戒なさっていただきたいものです。

寒気流入前に、必ず 有難くないセレモニーが・・・・・

2014-11-02 13:48:08 | 日記
①11月2日9時の天気図 気象庁HPより引用


②11月2日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像で拡大版)気象庁HPより引用・加工


日本海に前線を伴った低気圧が現れ、これから明日3日にかけて発達しながら北海道の北へと進む予想です。

発達する低気圧の寒冷前線の後ろ側では、強い寒気が入り込んでくることは定石ですが、
この寒気の流れ込む形状、実は、低気圧や周辺にお気圧配置などによって、さまざまな装いをするものです。

まず、今回の場合ですが、引用図①②より、
日本海にある低気圧から延びる寒冷前線の北西側、シベリア大陸には、水蒸気画像上で、画像が比較的鮮明に映る暗域がU字方に分布しておりますが、このU字型の暗行は、上空寒気の範囲を表します。

さらに、このU字型になった暗域の外縁部、特に、東側から南東側、南側にかけて、大きな帯状の白い画像域がありますが、この帯状白画像域、中層(上空およそ3000m周辺付近)の上昇流域を表現しているもの。つまり、流れ込んでくる寒気の外縁部の大気の状態は、
中層では、隣接する暖気と激しいせめぎあいをしている状態をしていることの証左
なのです。

私自身の調べでは、この寒気の外縁部の帯状白画像域が顕著になり、そして、より、その数が多くなるほど、流れ込んで切る寒気と隣接する暖気とのせめぎあいがより強まっている状態(寒気の暖気の温度差が、より大きくなっている状態)
を示しているといえますね。

ところで、この、水蒸気画像上での、帯状白画像域、中層の上昇流域であるわけですが、これまで述べたことより

気の外縁部は、

:中層の上昇流域を伴っている。つまり、中層では、気流が乱れており、対流性の雲を発生・発達させやすい場でもある。

:寒気と、その前側の暖気との勢力関係で、双方の温度差が増大するほど、寒気の外縁部の中層上昇流域はより顕著となり、
  帯状に幾重にも分布するようになる。

以上のことがわかりますね。

寒気の流入する前には、手痛い洗礼(急な強い雨、落雷や突風、竜巻。航空機では乱気流といった)を受けることを、しっかり認識したいものですね。