カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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改めて、しっかり認識しましょう!冬型気圧配置時の降雪の特徴について

2014-12-11 18:03:23 | 日記
今週後半より、本州付近では冬型気圧配置が強まり、本州の上空には、強い寒気がやってきて、
日本海側の各地では、広範囲で大雪のおそれがでてきました。

冬型気圧配置時の降雪について、上空の寒気の勢力が強いほど雪雲が発達して、併せて、上空の風速が強いほど、当該雪雲は風下側の広範囲に流されるわけですが、雪雲がどのような形で、どこから流れ込んでくるかによって、降雪量が左右されるということになりますが、冬型気圧配置に伴う雪雲というもの、本州の意脊梁山脈の斜面沿いのみならず、本州の脊梁山脈の地形的鞍部で強まり、当該地形的鞍部の分布する方向へ流れ込みやすいという特性(筆者調べ)をご存知でしょうか?

私自身、この、冬型気圧配置時の雪雲が強まったり、流れ込みやすい方向を見極めるのに、標高1000㍍以上で、地形的に鞍部になった地域の鞍部の形状と、上空1000㍍以上での風向とが一致する地域とを注目しています。当該箇所で、雪雲が強まりやすく、当該地形的鞍部の走向にそって、雪雲が流れ込みやすく、降雪量がが多くなりやすいですね。

では、そういった地域はどこか?というと、本州を北から、

<上空1000㍍以上でおおむね北西風の場合>

:青森県南東部から秋田県北東部をへて岩手県内陸部にかけて

:秋田県南東部から宮城県北西部にかけて

:山形県南東部から山形・福島県境から福島県北部にかけて

:北アルプス中部の鞍部から長野県松本周辺にかけて

:若狭湾より、岐阜県関ヶ原周辺を経て、濃尾平野周辺にかけて

:中国山地の地形的鞍部を経て瀬戸内地域

:関門海峡から周防灘を経て四国西部にかけて


<上空1000㍍以上でおおむね西寄り風の場合>

:山形県から宮城県にかけての地形的鞍部沿い

:新潟県下越地域から阿賀野川沿いを経て、福島県会津地域周辺

:長野県南部から中部にかけて

:四国山地周辺
といった地域でしょうか。

以上掲げた地域のどこで多くの降雪になるか?ですが、
それは、

◆500hpaの正渦度移流域に伴う上空3000㍍付近の上昇流域 

にそって多くの降雪が観測されるものですね。(筆者調べ)

①冬型強まった 12月6日9時の日本付近レーダーアメダス解析雨量図 気象庁HPより引用



この日は、上空1000㍍以上の風向が 本州の東北地方あたりで おおむね北西風、西日本で、おおむね、北西から西寄り風といった風向でしたが、前記した地域で
降水(大部分が降雪の様子と思われますが)がまとまっている様子がわかりますよね。



さらに、降雪が予想される場合、雨か雪かの区別が気になるところですが、僅か1℃程度の差で、みぞれ から 積雪 となったりします。油断なりません。

◆(筆者自身の調査による)降水量をX(単位㎝とすること に注意!) 湿度90%とすると そのときの積雪量Y(単位㎝)の間には、以下の法則があります。

気温2・5℃以下で・・・・・みぞれ

気温1・5℃以下で・・・・・降雪となる

気温1・25℃・・・・・Y=5X

気温0・75℃・・・・・Y=7X

気温0・25℃・・・・・Y=10X

気温-0・25℃・・・・・Y=15X

気温-0・75度・・・・・Y=20X

となります。

この法則から、同じ降水量でも、気温が低いほど積雪量は増えることになりますが、仮に湿度90%で、降水量が10㎜とすると 10㎜は1㎝ですので

気温1・25℃・・・・・5cm  

気温0・75℃・・・・・7cm

気温-0・75℃・・・・・20cm  の積雪となるわけです。

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