カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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平成27年は、寒気襲来と大雪で始まる!上空寒気+上空谷で、時ならぬ広範囲で大雪に!

2015-01-02 22:24:27 | 日記

平成27年元日、日本付近上空を、石川県輪島上空5500m付近で-40℃以下という、大変強う寒気に覆われました。その所へ、日本海から本州上空へ、上空5500m付近のの気圧に谷(上空3000㍍付近の上昇流域)が通過したため、本州付近では、大気が不安定となり、雪雲や雨雲が発達しやすい気象条件となったため、日本海側のみならず、太平洋側でも、時ならぬ降雪や降雨に見舞われて、京都では、1日18時までに、積雪16㌢を観測したほか、東京都心でも1日午後、降雪を観測して、㍻18年以来9年ぶりの元日の降雪となりました。

この様子を以下の引用図基に解説していきます


①1月1日9時の天気図 気象庁HPより引用


②1月1日9時の日本付近雲画像図(水蒸気画像)気象庁HPより引用・加工


③1月1日15時の天気図 気象庁HPより引用


④1月1日15時の日本付近雲画像図(水蒸気画像)気象庁HPより引用・加工


引用図②より、1日9時現在、日本海より水蒸気画像上で、帯状に白くぼやけた区域 A が現れていますが、この A は、上空3000m付近の上昇流域を表現しています。

さらにこの A は、大陸にかけて、U 字型に分布しておりますが、上空3000m付近の上昇流域がこのような軌跡をとる場合、当該、上空3000m付近の上昇流域の北西~北側に、500㍱(上空およそ5500㍍付近)の気圧の谷がある証拠で、気象学上のややこしい言い回しになりますが、当該気圧の谷に伴う、500㍱(上空およそ5500㍍付近)の正渦度移流の前側に伴って、上空3000m付近の上昇流域が分布していることなのです。

引用図②内、A の影響を受けて、季節風に伴う筋状雲の一部がとりわけ発達した雲の集団 B を形成していますが、その箇所は、引用図①より、地上天気図上では、等圧線が袋型になって、北西風と西寄り風とが収束している様子を示していますね。

そして、1日15時になりますと

引用図③より、前記、引用図②上での A は、本州上空までに進んでいます。B は、日本海中部から西部での気流の収束がはっきりしなくなったのでしょか。その存在がはっきりしなくなっていますが、 A が本州上空への移動とともに、一部が、北陸地方や近畿地方北部へ移動して、その形がはっきりしなくなったと考えられますね。
(引用図⑤⑥より)

⑤1月1日9時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象予報士 西村氏主宰 気象舎HPより引用



⑥1月1日15時の全国レーダーアメダス解析雨量図 気象予報士 西村氏主宰 気象舎HPより引用



更に、
⑦1月1日9時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図(上空1000㍍から3000㍍まで)気象庁HPより引用


⑧1月1日15時の全国ウインドプロファイラー風向風速分布図(上空1000㍍から3000㍍まで)気象庁HPより引用


共々併せて検討すると、1日9時頃、西寄り風と北西風とが収束状態であった関東地方南部には、前記、上空3000m付近の、
帯状の上昇流域が本州上に到達した1日15時頃には、ほぼ東西方向に帯状に降水域(雪雲や雨雲)が発生してきました。
このために、東京でも9年ぶりの元日の降雪となったわけですが、

近畿地方周辺に目を向けますと、
福井や鳥取では、、上空1000㍍や2000㍍では、1日9時にはおおむね西寄り風でありましたが、1日15時には、おおむね北寄り風になってきています。

更に、引用図⑤⑥より、1日15時になると、紀伊水道付近にも、筋状の降水域が現れて、近畿地方北部のみならず、京都や大阪神戸といった、近畿中部地域の広範囲にかけても、降水域に覆われている様子が解ります。

こういった冬型気圧配置時で、紀伊水道に筋状降水域が発生する場合は、近畿地方上空の寒気が強く、近畿北部沖でおおむね北より風の場合ですね。前記したような上空3000m付近の上昇流域が日本海中部〜西部から近畿地方を通過する場合、先行して発生していた日本海中部〜西部の発達した降水域が近畿地方へ一部南下することと、近畿地方北部から中部にかけて、ほぼ南北方向へ地形的な鞍部となっている箇所が多いため、近畿地方北部のみならず、中部や南部にまで降水域がかかり、特に京都や大阪、神戸といった京阪神地域も、時ならぬ降雪に
見舞われますから、注意が必要ですね!


ちなみに、京都では、1日昼過ぎから降雪となった様子で、以下に、1日14時から18時までの1時間降雪量を記しました


13時〜14時・・・・・1㌢  

14時〜15時・・・・・2㌢   

15時〜16時・・・・・4㌢  

16時〜17時・・・・・3㌢

17時〜18時・・・・・6㌢  ※1日18時までの積雪は16㌢を観測

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