ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
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音楽が暮らしとともにある、そんな町。やらまいかミュージックフェスティバル。

2008年10月19日 20時50分36秒 | BAND
その街は、いたって普通の地方都市である。
いくつか世界的なメーカーの本社はあるが、温暖で平穏で、平凡な町だ。

いま、駅を出てきたビジネスマンは、実はテナーサックスを吹かせるとコルトレーンばりのフリージャズを吹く。軽快な足取りで歩く彼の横を、学生たちが通り過ぎた。彼らは放課後はパンクバンドをやっている。今日は週末のストリートライブの下見に来ているが、おなかがすいたのでハンバーガーショップに向かっているのだ。ハンバーガーショップで彼らの注文を受けたかわいい女の子は、今晩仕事が終わったらジャズクラブでスタンダードを歌う予定になっている。ピアノトリオがバックだ。学生たちと入れ替わりにハンバーガーショップを出てきたのは、工務店を経営している男性だ。彼が作る住宅は質が高いと評判だが、彼のたたき出すエイトビートのタイトさも比類がない。彼は営業車に乗ろうとして、選挙のポスターに目をやる。選挙が近いのか、最近は議員のポスターが多い。この街の選出議員は、話題の多い女性議員だが、彼女の第一公設秘書は、スケジュールの合間を縫ってスカバンドのライブでとびきりのハイノートをヒットするトランペッターである。

音楽を聴くことと同じぐらい、自然に音楽を演奏するということ。
誰もが普通にステージで自分を表現できるということ。
そういう音楽の在り方を僕は実現できないかと考えている。
そういう世の中になればいいなと思って、ぼくは仕事も仕事以外のこともしている。

やらまいかミュージックフェスティバルINハママツが示したのは、それに浜松がその理想に近い街だ、ということなのかもしれない。
とても素晴らしいと思った。

ところで冒頭の写真は東京ハウリングレコードというバンド。このバンドは東京からの遠征組だった。浅草近辺でライブを頻繁にしているスカバンドだが、なかなかカッコよかったし、演奏もタイトでちょっとしびれたよ。
特にアップライトベースの女性が素晴らしかった。長い髪を振り乱してスカビートにあわせてアップライトベースを弾く、というのは、相当にかっこいい。苗字が森本だったのだボノボbonobosの森本朝子さんかと思ったけど違った。でも相当うまいしかっこよくてびっくり、今度東京でもライブを見たいと思った。

みんな、本当にかっこよかったぜ。


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