ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

原朋直は言った「音楽は自由でスポットがたくさんあるもの。一番大事なのはグルーブです」

2008年04月16日 13時59分50秒 | 原朋直トランペットレッスン講義ノート
原朋直さんのジャズトランペットコースに通ってます。もう二年を過ぎました。そこでいつも音楽やジャズに関わる素晴らしい話が聞けるので、読者諸氏にもおすそわけしています。
今回のネタは、12keyのブルースをウオームアップでいつもやるのですが、E♭のブルースをやった後で、ま、あまりグルーヴィーなアドリブができなかったな、という印象のプレイをした後でいただいた、有り難いお話です。
ちなみに、原朋直さんのレッスンノートは、こんな感じで書いてきています。
よかったらまとめてお読みください。
http://blog.goo.ne.jp/hoboike_diary/c/672018a64cffd906d0ee9d84ecc96a94

今回は先回のディジー・ガレスピーの話に引き続き、「グルーブを意識して吹く」とは何か?というテーマで、ボンクラ生徒の俺が質問するところから。


俺:リズムカルに吹く?ということですか。

Hara : 確かにリズムがグルーヴの基本です。リズミカルに吹くというのは間違ってはいません。
リズムにはハーモニックリズムっていうのがありますから。だからハーモニーもリズムをもってます。チェンジのリズム。
3拍Dm7で1拍G7とか、これはハーモニックリズムがちょっと難しいといいます。だから全てリズムで説明するんですけどね。ハーモニックズム。
ハーモニックリズムはハーモニックリズムで存在するんですが、全体に流れているもっとながーいリズムがあって、グルーブはその中で存在しているんです。だから要はリズムです。リズム感です。

ただリズム感というと、メトロノームのように正確であるとか、最初のリズムがキープされているとか、ドラムのレガートにあっているとか、ベースのラインにあっている、ていうのもリズム感ってなってしまいます。そのなかでグルーブ感とうのはもっと狭くなって、いっしょに感じてるというもの、合わせるというよりも。これはとても難しいです。とうのもベースの人やドラムの人がそうやって思ってくれて演奏しないとグルーブ感がうまれないので。僕らだけがそういう風に思っていても、僕らの楽器はそういう楽器ではないので。ドラムとベースの人がデイヴ・ウィケルのように叩くとか、アンソニー・ジャクソンのように弾くとか思ってやっていたら、グルーヴが生まれないと思います。グルーヴについて深く考える、みんなでグルーヴを共有していてもらっていて、そのなかに我々が入って吹くと。

ただ一人で吹いていても音楽が流れているって思って吹くのがとても大切です。(無伴奏でブルースのグルーヴを感じつつソロを実現)。これはとても重要です。これが備わってくると自由になります。

グルーヴってのは「感じている」ということで「合わせる」ではないので、自分は違うリズムで吹くこととができるようになるんです。
リズム入りでブルースをノーマルに演奏。たとえばこれをレイドバックに演奏。遅く吹くヤツです。(実演)あと、たとえば三連符で(実演)。たとえば16分音符で(実演)。
もっと自由にもできます。これもすべてグルーブがあれば自由にできます。ハーモニーの自由がバっとあうと、僕が行っているモチーフディベロップメントが12の音全部を使ってできるようになるわけです。生徒約二名「唖然」

池:それは三連符を4つで1つのチャンクにして吹いたのでしょうか?

そうです。こういうのってウィントンマルサリスとかが楽しそうにやっていて僕が20台前半の頃真似してですね、ライブハウスとかでやるじゃないですか。
そうすると大学のジャズ研究会の人あたりが驚くわけですよ。ぼくらもなっていうかな、自意識過剰だったので嬉しくてやっちゃうわけですよ、ドラムまでいっしょになってやったりしたわけです。すっごい幼稚でした。グルーヴの上にいないから。

要するに自由になろうと思ってやっているのではなくて、ミラクルなこと、トリッキーなことをやるというのが目的だったので、それでお客さんをビックリさせることを目的にやっていたので、これは幼稚でしたね。だから20年、30年ジャズをきいてるオジサンたちから、おめえらのジャズは全然面白くないとか言ってました。そのとき「悔しかったらやってみろ」とか生意気なことを言っていましたが。あの、いまだったら幼稚なのがとてもよくわかります。まぁしょうがないですね。
ま、グルーブがあれば、僕が通ってきたことをしなくてすみます。とても楽しいですね。いまはフリーになった証拠にそういうことができるわけで。

昔のウィントンマルサリスとかも、彼が18歳ぐらいのころです。かなりメカニカル。あのころのチックかハービーと対談していて喧嘩みたくなったのしってます?ウィントンに「音楽はハートだと思う」って言ったらウィントンは「ハートなのは知っているがテクニックがないとできないと思う」ってやりあってるのがあったんです。あれ見たほとんどのジャズファンの人はウィントンのことが大嫌いになったと思いますけどね。ウィントンも言ってました。僕と出会った30歳ぐらいの頃に。あの頃やったすべてのレコードはもう聞かない、あれはフュージョンだ、ジャズじゃないと。パッションを目的にやっているから。シンク・オブ・ワンとか、ブラック・コーズとか。僕は大好きだあ、って言ったら、あれはジャズじゃない、フュージョンだって言っています。

その後ライブでブラック・コーズとかやってますが、全然違いますよね。いまのウィントンはもういっちゃってまうからね。もう別人ですからね。
ま、マイルス・デイヴィスもそうですけどね。他の人凄い人は人生が短いですから、死んじゃってる。コルトレーンもそうですね、終わり頃では全然違う。みんな気がついていくんだと思います。音楽には緊張がなくリラックスしたもので、演奏者は緊張感はあるんですが。もっともっと自由でスポットがたくさんある。で大事なのはグルーブなんです。

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