ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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ゴンサロ・ルバルカバ&チャーリー・ヘイデンのデュオ

2005年03月23日 11時24分40秒 | CD&コンサートレビュー
ゴンサロ・ルバルカバ&チャーリー・ヘイデンのデュオを聴いた。場所は青山ブルーノート。青山ブルーノートは久々で、正直に告白すると、ブルーノート東京が骨董通りの入り口あたりにあったところから、現在の骨董通りの奥の方へ引っ越してからは、初めてです。
ゴンサロ・ルバルカバ&チャーリー・ヘイデンのデュオの概略はこちら

見たのは2005年3/17(木)の7:00からのステージ。ゴンサロ・ルバルカバとチャーリー・ヘイデンのデュオは、想像より静かで、濃密なものだった。
90年代初頭、はじめてゴンサロを見たときには圧巻とも言えるテクニックへの驚嘆と、常に弾んでいるようなフレーズの瑞々しい躍動感と、ラテンの血を感じさせる天性の明るさを感じた。
そして、先日聴いたゴンサロは、より内面的で静謐で、しかし明るいエロスを感じさせる親密なピアノを聴かせた。飲み物をすする音すらきこえてしまうのではと思えるほど、静かな演奏だ。しかしピアノの音は、この世のものとは思えないほど美しい。

ベースのチャーリー・ヘイデンも、さすが。横綱相撲といっていいだろう。実によく歌うベースソロ。無駄な音を徹底的に省いた、「素朴」によく似た、じつは鋭い洗練。

ほとんどの曲は、ゴンサロから始まり、ベースが入ってくるという形で進行したのだが、ベースが入る瞬間の豊かさ、そして官能感は、なんとも言えないほど。

この演奏に感動した理由の一つには、演奏の4時間前にしたインタビューにもあった。
(昨日のこのBLOGを参照)
そのインタビューでゴンサロは、自分にとってピアノは宗教に似たものであり、
悲しいときや淋しいときは癒してくれ、楽しいときはその楽しさを増やしてくれる、
だから音楽に対しては常にスピリチュアルでいたい、と言っていた。

その言葉が、そのままゴンサロの音楽になっていたのだ。
いいものを見せてもらった、いい生き様を、見せてもらった。
そしていい会話を聴かせてもらった。そんなコンサートだった。


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