日比谷野音のコンサート「springfields10」は気持ちよかった。のその2。
兄弟でやっているキセルのゆるい感じも心地よかったし、
星野源さんの、アコースティックでほのぼのした、
でも質の高い感じも良かった。
でもノックアウトされたのは、
大好きなのに実は初めて聴いた
大貫妙子の生の声。
いや、なんつーか。
「説得力」ということばをそのまま声にしたような
心のどこかをガッツリとつかむような強さ。
それでいて、優しく清らかで、清楚で。
汚れないような精神性の高さ。高貴さ。
CDやテレビでは、この歌のチカラは伝わらないな。
Pure acousticをはじめ、本当にたくさん再生音源では聴いてきたけど
やっぱり写真と本物のような違いがあきらかにあって、
感動しました。
それからね、バンドが素晴らしいとしか言いようがない。
森俊之(key)、沼澤尚(Dr)、小倉博和(G)、鈴木正人(B)。
今求めうる最良のメンバーかも。
特にドラム、沼澤尚。スガシカオのコンサートで始めてみたとき、
そのグルーブに感動したけど、いまはもっと凄いね。
グルーブだけじゃなくて、一音一音の重さのもの凄く豊富なニュアンス。
一打一打の情報量がものすごく豊潤。
たぶん、ここのところ、ずっとブルースをやってるからだろうな。
ギター小倉博和。悔しいぐらい、渋くて、いい音で。絶品のストラトで。
しかもスライドまで聴かせてくれて、いや、ギタリストとしては
嫉妬しますよ……。
森俊之のピアノも、実によかったです。
ちょうど野音が夕焼けから夕暮れに移りゆく中、
希有な歌声を聞いて溶けそうになる、快楽。
本当に幸福な初夏の夕暮れ、でありました。
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