ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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ノラ・ジョーンズもいるThe Little Willies(ザ・リトル・ウイリーズ)のギターはゴイス

2006年05月22日 17時49分38秒 | CD&コンサートレビュー
グラミー賞を獲ってブレイクしたノラ・ジョーンズ。彼女はなんとラヴィ・シャンカールの娘だということは、知られているようであまり知られてないようです。やっぱ天才の血はジャンルなんて軽く超越して争えないということか。

ところで、ノラ・ジョーンズだが、デビュー作(グラミー賞)そしてセカンドアルバムまで出したところで静かだな、と思ったら、貴のけない仲間たちとバンドをやっていたのね。これ、典型的なあまり自分から売れる気のない人とパターンだな。椎名林檎とかもそうだよね。

このバンド、ラジオで聴いていてなかなかいいと思っていたんだが、CDを聴いてみて驚いた。もちろんノラの歌がいいのは当然だが(ほとんどの人はそれで買うんだろうが)、ギターの人(僕は知らない人だったんだが)が、凄いね、これは。カントリー系のギターなんだけど、こんなに巧い人(バカテクという意味ではないよ、ギターをよく鳴らすという意味で)がきっとアメリカにはごろごろしてるんだろう。

一聴してわかるのは、このギターは「テレキャス使い」だということ。弾いている人なら音で一発で分かるだろう、テレキャスらしい実に伸びやかないい音で、ロイ・ブキャナンやダニー・ガットンを思い出させるし、人によってはエイモス・ギャレットを思い出すだろう。たぶんシールド一発でノーエフェクト(曲よってはトレモロを使ってるけど、アンプのトレモロじゃないかな)。リバーブだって別にいらないよ、って感じ。コロッコロッとよくローリングするドライビングなギターで、結構トリッキーな技も使っている、しかし歌を決してじゃませずに、よーくささえている。うーん、これは達人の技だ。しかも大切な点は、非常にリラックスして演奏しているところかな。このバンドは全体にそうなんだが、まるで誰かの居間に集まって演奏しているみたいな、とても親密で気楽で、楽しい雰囲気に満ちている。

こういうギターには、ほんとに憧れるな。

とても幸福な、音楽です。残業地獄に、ぜひどーぞ。