ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

阿弥陀岳:大汗ダラダラ

2018年05月03日 22時06分29秒 | Weblog
3月26日の朝、眩しい日差しで目が覚めた。
この季節、八ヶ岳の麓の朝は気温がまだ低く車中は氷点下だった。
それでもフロントガラスの向こう側には青空が広がっている。
「絶好の登山日和だね。」
珈琲を飲みながら出発の準備を整えた。

体はまだ完全には起きてはいなかったが、天候に恵まれていることで気持ちは高揚している。
今日の予定は美濃戸口をスタートし、赤岳鉱泉小屋に向かうだけ。
そこにテントを設営してしまえば後は夕食までのんびりとできる。
だから慌てて出発を急ぐこともない。

9時過ぎに美濃戸口を出発したが、去年の同じ時期と比べればコース上の雪は少なかった。
周囲も同じであり、雪不足による若干の不安がよぎる。

美濃戸に着き休憩した。
朝食を兼ねて30分の休憩を取ったが、日差しが強くまだ歩き始めて1時間ほどなのに大汗をかいていた。
それでも汗冷えを感じることはなく、珍しいほど恵まれた好天だ。

ひたすらのんびりと歩く、一歩一歩ゆっくりと登る。
樹林帯の中は無風状態で暑さが厳しく、アルパインジャケットを脱いで歩いた。


徐々にルートの積雪も増え思わずニンマリとしてしまったが、先日(春分の日)の降雪がなかったらどうなっていただろうか・・・。
明日の天気も先ず問題はなく、あとは雪の状態だけが心配であっただけに降雪はありがたかった。

もう一本休憩を取り、この時も30分ほど休んだ。
「暑いね。でも嬉しいね。」
会話も弾むほどの天気の良さだが、この大汗には参った。
贅沢を言ったらきりはないが、吹雪かれるよりは遙かにましだろう。


テント場まであと1時間ほどとなりアイゼンを装着した。
実はこのアイゼン、今季でお役ご免となる予定である。
前爪がかなり短くなってしまい、キックステップやフロントポインティングをする際に十分に爪が効いてくれない危険な状態となってしまったのだ。
雪山シーズンを通して数回は研がなければならない為、爪が短くなってしまうことは仕方のないことであるが、このアイゼンとの思い出は数知れず。
思い入れの強いものであるだけに捨てることはできないだろうなぁ。


大同心が見えてきた。
ここまで来れば小屋までもうすぐだ。
ザックは重いが心は軽い。
でもやっぱりきついなぁ(笑)。


13時過ぎ、やっと鉱泉小屋に到着した。
早くザックを下ろしたい思いだったが、目の前の横岳縦走ルートをしばらく見ていた。
先日の降雪により森林限界線より上の降雪状況が気になって仕方がなかったのだ。

途中ですれ違った人たちにその都度確認したところ、雪はそれなりにあり十分だが日の当たる斜面についてはできるだけ早い時間帯に登った方がいいでしょうとのことだった。
つまりそれだけ直射日光による雪の緩みが危険ということだ。
AM君とも話し合い、本来予定していた「赤岳(地蔵尾根)→ 阿弥陀岳(東陵)」を逆コースとし、「阿弥陀岳 → 赤岳」に変更した。

今回の縦走コースにおいて最も斜度が厳しいのが阿弥陀岳の東陵であり、その東陵の斜面が真っ先に日が当たることになる。
故に、先ずはその東陵の斜面を早い時間帯に越えてしまう方が安全であろう。

雪の阿弥陀岳には若い頃登ったことがある。
しかし、ただついていくのが精一杯でルートの記憶は殆ど無い。
だから初めての雪の阿弥陀岳と言っても過言ではない。

さて、テント場に着いた。
設営場所を決め受付を済ませた。
幸い跡地を利用することができ、雪面は十分に固まっていたので仕上げをする程度で済んだ。
カンナで木材の表面を薄く削るように、スコップで雪面を削りできるだけ平面に仕上げた。


我が家の完成! 

「さぁて落ち着いて珈琲を飲もうか」
一服しながら珈琲を飲んだが、この時も暑さを感じていた。
夜から明け方にかけてどれだけ冷え込むかは分からないが、まだダウンジャケットを着込む必要は感じない。
薄手のミドルシャツだけで過ごすことができるし、指先がかじかむこともない。
夕食の準備までのんびりとできる。

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