ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
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南八ヶ岳縦走 「日ノ岳ルンゼを下って昼飯だ!

2022年12月22日 20時19分33秒 | Weblog
日ノ岳手前へと登り切り、ここからは日ノ岳の東側に位置する大ルンゼを一気に下る。

このルンゼは逆方向、即ち赤岳方面から登攀したことが何度かあるが結構きつい登攀だった。
しかも時期が厳冬期だったということもあり、雪質状態はサラサラのパウダースノー気味で、いくらアイゼンの前爪を強く刺しても「ズズー・・・」と空しく後戻りしてしまう。
それだけではない。
ピッケルも同様で、将に「糠に釘」だった。
息を切らせ、厳冬期に大汗をかきながらの辛かった登攀を思い出す。


ルンゼを下り終えてからの画像。
赤いラインが安全に下るルートで、先ずは東側(画像右手)から西へとトラバースし、岩壁に近い位置で左に折れて下る。

今日は積雪状態が良く、それなりに雪も締まってくれている。
これなら初めてのN君でも問題はないだろうと思い、ルンゼ下りを先行してもらった。


西に向かってトラバース開始。
この辺りは安心できるエリアだ。


岩壁に近づいたら南(左)へ折れて一気に(ゆっくり)下る。
それなりに斜度はあるので、アイゼンワークとピッケルワークを正しく行えば大丈夫。
もしトレースがあれば、遠慮無く使わせてもらうことで安全性が高まる。
慌てずマイペースで下ろう。

N君に続き自分がルンゼを下る。
いつも思うことは同じで「やっぱりここは下りに限るなぁ・・・」
と、しみじみ感じながら二十三夜峰へと向かった。


滑落に注意し下る大ルンゼ。
このポイントは体の西側に岩壁があり、強風を遮ってくれている。
距離にして100mあまりだが、ありがたい存在だ。

二十三夜峰の手前でのトラバースポイントに着いた。
ここでは苦い思い出があり、命の危険さを痛切に感じた場所だ。


ちょうど自分が立っているポイントあたりになるだろうか。
嘗てサラサラのパウダースノーがこれでもかと積もっており行く手を阻んでいた。
しかも降雪中であり、トラバースして進みたいが徐々に体は埋もれ、胸近くまで雪の中となってしまった。
何とかしなければと、動けば動くほど体はさらに雪の中へと沈んで行く。
「俺、落ちるのか・・・」
泣きたい思いと焦りだけになり、手詰まり状態に陥ってしまった。
全くの偶然でその日携行していた「アイスバイル」があることを思い出しそれを用いた。
ほぼ氷壁となっていた壁に打ち込み、先ずはセルフビレーを優先した。
体の向きを岩と氷のミックスした壁に変え、所謂ダブルアックスで何とかトラバースに成功した。
あの時は単独縦走だっただけに、本当に何とかしなきゃと泣きたい思いで必死だった。

画像の赤いラインがこれから進む予定のルート。
体のすぐ左手の緑○が「二十三夜峰」であり、ルートの道標的存在となってくれている。
その先の赤○が「赤岳展望荘」であり、現在は休業中だがそこで昼食を食べる予定だ。
小屋が見えた途端、猛烈に腹が減ってきた。(笑)


二十三夜峰を巻くようにして下るN君。
小屋まであと15分もあれば着くかな?


「地蔵の頭」の指標が見えてきた。(赤○)
あのポイントは行者小屋からスタートしている「地蔵尾根ルート」との合流ポイントで、もしコースタイム的に厳しかったり体調不良があれば、迷うことなくそこから下山しなければならない。
うん、今日は問題なし!(今のところ・・・)
縦走を続けよう!


地蔵の頭でほんの一息。
お互いかなり体力も使い、早朝4時頃の朝食だっただけに腹の虫が疼きっぱなしだ。
展望荘はもう目の前だ。

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