ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

今更ながらだがWBC ①「海を渡ってきた侍」

2023年04月05日 21時16分19秒 | Weblog
今期の冬はまともに雪山を登ることができなかった。
テントを背負って頑張ったこともあったが、アプローチはできてもアタック当日が荒天となり登頂を断念せざるを得なかった。
まぁせいぜい日帰りの低中山を数回登った程度に終わってしまった。
理由は他にもあり、情けないことに「ぎっくり腰」を患ってしまった。
しかもかなり重度のもので、約一ヶ月もコルセットを装着しての生活を余儀なくされた。
嘆いても仕方あるまい。
早く気持ちを切り換えて春山、夏山へと向かおう。

さて、今更ながらだが先月行われたWBCについて思うところを綴ってみたい。

二月から始まった日本代表チームの合宿のニュースに心躍り、早く試合が観たいと願っていた。
チームの様子などはTVのニュースかネットでのみしか知るよしはなかったが、今大会の特筆すべき選手はやはり大谷選手、ダル選手といった大物メジャーリーガーの参戦だろうか。
大谷選手においては期待以上のとんでもない結果を残し、将に二刀流としてチームを牽引し大車輪の活躍であった。
個人的にはヤクルトファンであることから、山田選手、中村選手、村上選手、高橋投手に期待をしていた。
またファイターズの伊藤投手と走塁のスペシャリストであるホークスの周東選手にも活躍を期待していた。

忘れてならないのは「たつじ」ことヌートバー選手だろう。
選手発表があった時は「ヌートバー・・・はて?」と思ったのだが、合宿に合流してすぐにファンとなってしまった。
野球選手としてだけでなく、一人の人間としての魅力に光るものを感じた。

*****************************

各国が自国の代表選手として競い合うWBC。
こと野球においてはそうは滅多に観ることのできない大会である。
それだけにリーグ戦とは全く違った観点でTVに釘付けとなり、応援にも熱が入った。

各チーム(各国)、各選手それぞれにストーリーがあり、それらを事前の情報として知っているだけでも見方が違ってくる。
例を挙げるなら、主砲として悩み苦しんだ村上選手がいる。
もがき、あがき苦しんでも結果が出ない試合が続く。
彼が三振をし、バッターボックスから俯いてベンチへ戻るときの表情や足取りの重さは、見ていてこっちも苦しくなってくるほどだった。
たとえ打順が変わっても、それでもスタメンからは決して外れることはない。
むしろ外れることを許されない重責と言ってもよいだろう。
食事もろくに喉が通らなかったかも知れない。
私の知らないところで数知れない叱咤や罵声に会っていたかも知れない。
それでも「いつかは必ず・・・」と思い、自分は本人のバットを信じるのみだった。
それがまさかまさかの劇的展開であった準決勝のメキシコ戦。
最終回の攻撃、あのさよならの一撃である。

大谷が二塁打を打ち、塁上で見せた(魅せた)チームを鼓舞し盛り上げるためのポーズと形相。
「あの大谷があんな顔を、あんなポーズをするなんて・・・」
これには驚き胸が熱くなった。
しかも一塁ランナーは代走で、待ってましたの周東選手。
役者は揃った。
もうこれって映画やドラマの世界でしかあり得ないシュチエーションではないか!

村上本人は思いきりスイングしたのだろうが、自分には軽く滑らかなスイングに見えた。
快音を残し、打球は一直線にフェンスへ。
もちろん大谷は余裕でホームインできるだろうと思っていたが、なんとすぐ真後ろに周東選手が迫ってきているではないか!!
その時の状況を後に“YOU TUBE”で様々な角度のカメラで観たが、周東選手の一切迷いのないスタート、そして一気に加速してからの逆転サヨナラホームインには痺れた。
直後に、打った村上選手が二塁ベース上あたりから戻り、顔をくしゃくしゃにしてチームメイト達と抱き合うシーン。
しかし自分が最も感動したのは、その直前の出来事だった。
周東選手が二塁ベースを過ぎ、三塁に近づいたあたりからのことだ。
日本選手の誰もがベンチから飛び出し、みんながみんな「行ける、絶対に行ける!」と腕を大きく回し、大声を上げ勝利への期待と確信をしたシーンだった。
朝からもらい泣きだった(笑)。

*****************************

もう一つ(一人)だけ綴っておきたい。
海を渡ってきたあの選手についてだ。

メジャーリーガーとしてはさほど目立った活躍はない。
数字としての記録も平凡なものだろう。
しかし素人の自分から見ても、一つ「これは」というものがあった。
出塁率の高さである。
チーム(セントルイスカージナルス)のトップバッターとして出塁率が高いと言うことが、どれほどチームの得点に寄与しているかは明白であろう。

ラーズ・ヌートバー選手。
単身海を渡り、誰一人として親しい選手や知人のいない日本チームに合流した。
日本にとけ込もう、チームにとけ込もう、チームのために、日本のために何とか役に立ちたい。
そのためには何を成すべきか・・・
言葉の壁を始めとし、本人にしか分からない苦労が多々あったはずだ。
日本代表が決まってからは、国歌を覚えたり、ごく簡単な日常会話や野球用語を覚えるための努力をしてきたそうである。(母親の頑張りもあった)
同時にまた「たっちゃんTシャツ」を作り、所謂日本流のおもてなしをしたチームにも拍手だ。

トップバッターとしては申し分のない活躍だったが、忘れてならないのはチームを鼓舞しひとつにまとめ上げるための行動であろうか。
言うまでもない、塁上での熱いガッツポーズとペッパーミルパフォーマンスだ。
そしてたとえ凡打のゴロを打ったとしても、決して手抜きをしない全力疾走。
それが相手選手の焦りを呼び、セーフとなる。
まるで高校野球を見ているようだった。

印象的だったのは、対韓国戦における一点目のタイムリーヒットだった。
0-3で負けている状況からのタイムリーヒットで日本の反撃の狼煙をあげた。
塁に出るやいなやものすごい形相でのガッツポーズ。
「来日して二週間足らずのなのに・・・初対面の仲間達ばかりの中でなんて熱い奴なんだ」
こっちが目頭が熱くなってしまったではないか。

そしてもう一つ。
背中を直撃されたあのデッドボールの時のことだ。
このことについては、「今更ながらだが②」で綴りたい。

*****************************

日の丸を背負い
いざ 世界へ立ち向かえ
大和魂見せてやれ
戦え 侍

ヌートバー選手の個人応援歌
いい歳して恥ずかしながら、いつの間にか覚えてしまった(笑)。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿