ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

水芭蕉を観に 「久々の水芭蕉」

2023年04月20日 21時13分28秒 | Weblog
夏が来れば思い出す 遥かな尾瀬 遠い空 ♪

誰もが知っている歌であり、尾瀬を詠った歌詞はどこか郷愁さへ覚える。

3月に一緒に筑波山へ登った山ガール達の希望もあり、春(初夏?)の尾瀬へと向かった。
彼女たちはまだ尾瀬を訪れたことがなく、どうせなら水芭蕉が盛りとなる季節にと考えた。
天候にも恵まれ穏やかな日差しの元、8時過ぎに戸倉駐車場に到着。
ここから乗合バス(大型ワンボックスカー)に乗り、スタート地点である「鳩待峠」へと向かう。

個人的にはここから湿原へとは向かわず、アヤメ平方面から竜宮十字路へと向かうルートがお薦めだったのだが、そうなると早朝6時には駐車場に着き、7時前に鳩待をスタートしなければ戻って来れなくなってしまう。
まぁ初めての尾瀬であれば定番の湿原散策ルートを周回し、水芭蕉を愛でるのがベストであろう。

鳩待をスタートするにあたり、ここに戻ってきたら是非これを食べてみてと、スイーツを紹介しておいた。
観光地であればどこにでもあるソフトクリームに違いはないのだが、この鳩待峠ならではの「花豆ソフト」は疲れた身体には絶品だ。
濃厚牛乳風味ではなく、どことなく豆の香りと味がし、奥深い甘さがたまらない。
「戻ったらみんなで食べよう。さて、いざ出発!」

ここから約一時間をかけ標高を下げながら「山の鼻」というポイントまで向かう。
11時の方向には、まだ雪を纏った残雪の至仏岳が見えた。


至仏岳山頂は、樹木の影になってしまい見えないが、中央のやや小高いPEAKは小至仏山と推測した。

ゆっくりと標高を下げるが、復路はここを一時間かけて登ってくることになる。
まぁ一端山の鼻へ下りてしまえば湿原はほぼ100%フラットルートであり、今日に限ってはラストに一時間の登攀があるだけで体力はそれほど必要ないだろう。

ルートが幾分フラット気味になってきた。
例年であればそろそろ「あれ」がお目見えしてもよさそうなのだが・・・
そのまえに残雪が出迎えてくれた。
「踏み抜き」さへ注意すれば問題はないだろう。
怪我防止の為にも、できるだけトレースに沿って歩くようお願いした。


ささやかだが、残雪と出会えた嬉しさがあった。
やっぱり雪はいいね!


ここまで来ればもうほぼフラットルートであり、山の鼻が近いことを教えてくれる。
「そろそろなんだけどなぁ・・・」
そう思っていると、ちらほらと目当ての「もの」が顔を覗かせてくれ始めた。
「ほら、やっとお出ましだよ」
「わぁ~可愛い~♪」「綺麗~♪」
笑ってはいけないのだが、もう山ガール言葉のオンパレードだった(笑)。

写真を撮りまくりの二人だったが、これから先の湿原地帯へ行けばこの程度では済まされないほどの群生となって自分たちを待っていてくれるはずだ。
「さぁ行くよ!」


と言いつつ、自分も一枚(笑)。

程なくして山の鼻に到着。
小休止をし、これから先のルートを地図で説明した。
同じ一本道の往復よりも少しだけコースを変え、牛ヶ首分岐点から「ヨッピ橋」方面へ。
そして竜宮十字路で昼食を食べ、再び山の鼻へと戻るルートだ。

ここからはすべて木道オンリーのルートとなる。
地面から高さのある区間もあるので決して油断はできないが、一大湿原を堪能できる。
何度訪れても尾瀬は飽きることのない自然だ。


遠く「燧ヶ岳」が見えた。
過去三度登ったことはあるが、今一つ好きになれない山だ。
理由は単純で、山頂手前まではほぼ樹林帯だからである。
メンタル的に自分がもっとも苦手とするルートで、「岩壁が恋しい」と思えてくるルートなのだ。

一際大きな「地塘」が見えてきた。
全くの無風であれば地塘の水面は鏡と化し、「逆さ燧」を見事に映し出してくれるのだが、ごく僅かな微風であったためそれを観ることは叶わなかった。


かつて、このポイントで一度だけ逆さ燧を観たことがあった。
今日は残念! 見せてあげたかった・・・

さて大小数々の地塘だが、どうやら「池」「沼」と勘違いしていたようだった。
また「地塘」という聞き慣れない言葉に、はてなマークが浮かんでいたようだったので地塘について蘊蓄をたれた。
偉そうな顔をしてさも知ったかぶりをした訳だが、今日は春ならではの尾瀬の高山植物についても話をする予定だ。

この尾瀬は、自分が初めて高山植物に興味関心を持った場所でもある。
もう7~8年も前になろうか、高山植物に詳しい女性と一緒に尾瀬を歩き、約30種ほどを教えていただいた
・・・のだが、半分は忘れてしまった。
これではいかんと思い、その年の夏に劔岳へ登る前日に立山を縦走し、再び多くの高山植物を観て調べた経緯がある。
そしてその時に一目惚れしたのが「タカネツメクサ」だった。
その花は今でも自分が一番好きな高山植物である。

さぁ、水芭蕉の群生を見つけに先に進もう。