ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

天気予報は大ハズレ!「なんでこんなに寒いんだ!」

2014年03月20日 00時20分15秒 | Weblog

それにしても久しぶりに感じるザックのとんでもない重さだった。
通常であれば、水場から登り小屋までは15分程度なのだが、30分近くはかかってしまっただろう。
とてもじゃないがストック無しでは登り切れなかったかも知れない。
(う~ん、歳はとりたくないものだ)

避難小屋が見えてきた。
ここは通称「唐沢小屋」と呼ばれている。
もちろん普段は無人であり、誰がいつ利用してもかまわない。
ただし予約などは必要ないその分、泊まるなら「早い者勝ち」ってことになる。
おそらくは30人程度は泊まれるのではないかと思われる広さの小屋だ。

扉を開け中に入った。
「うっ、何だこの冷気は・・・」
まるででかい冷蔵庫の中に入ってしまったような寒さを全身で感じた。
まだ屋外の方が少しは暖かいと思えた。

とりあえずはザックを下ろし荷物の整理と夕食の準備をした。
その間もグローブは外せないほど小屋内は冷え切っていた。
少し体が震えていた。
背中にかいた汗が軽度の低体温症を起こしてしまっているのだ。
どれほど寒くとも肌に直接触れているアンダーシャツは着替えなければなるまい。
「うおぉ~たまらんなぁー!」と叫びながら上半身は裸。
見事に鳥肌が立っている。
しかし、結果として着替えたおかげで汗冷えによる震えは治まってくれた。
「りょうちん、温かい物飲もうか」
そう言ってお湯を沸かし甘ったるい珈琲を飲んだ。


今夜の利用者は自分たちの二人だけ・・・当然だろう。
こんな寒い日に好きこのんで来る奴は他にはいるまい。

夕食にはまだ早過ぎる。
かといって他にすることもなく、とにかく体を暖めたかった。
誰が置いていったのか分からないが、薄い銀マットが数枚置かれてあったので、寝る時はありったけの物を床に敷き僅かでも断熱効果を高めた。
しばしシュラフに入りじっとしていた。
いつしか二人とも眠ってしまった。

17時頃に目が覚め、さぁて飯の準備だ。
今夜のメニューは「特製もつ鍋」だ。
何が特製なのかは分からないが、まぁいい。

りょうちんが持ってきてくれたもつ肉はカッキンカッキンに凍っていた(笑)。
どうせ鍋で煮ればいずれは溶けてくれるだろう。
だが問題は小屋内の寒さだ。
それなりの人間がいれば、それだけで人の熱もあり、更には火器の熱もある。
考えてもみれば、30人近くは泊まれるほどの広さの中で、いるのはたった二人。
もちろん暖房器具などあるはずもない。
冷えて当たり前の環境なのだ。
ちなみにこの時の室温は「-15℃」だった。
本音を言えばシュラフに下半身を入れたまま調理活動をしたかったのだが、バーナーにシュラフを近づける事になってしまうのでそれは諦めた。

寒さに震えながらも出来上がったもつ鍋。

ごはんよりもこの熱々の具とスープで体を中から暖めよう。
が、あまりに量が多すぎたようだ(笑)
それにもまして〆のラーメンがあったこともあり、持参してきたFDの米は今夜はお役ご免となった。


美味いねぇ(しみじみ)
しかし寒いねぇ(しみじみ)

食後に酒を飲みいろいろと語り合った。
仕事のこと、恋のこと(もちろんりょうちんの方ね!)
いくら寒くても、こんな時の流れは心から楽しいものだ。